異世界にて〜魔法と科学の小競り合い〜   作:tubukko

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書くのは楽しいです。
でも読むのはもっと楽しいです。
最近は書きつつも主にオリジナル作品から面白そうなものを探しています。

遅くなったら、「こいつ探してるな」と思ってください。


アメミリア森林での合宿

リョウたちが合宿先へ向かっている中、あるところで少し動きがあった。

 

「始められるか…?」

「おそらく時間前には準備できるかと」

 

男たちが話している。

 

「マスターは時間に敏感だ。1分の遅れも許されないぞ?」

「分かっている。俺はこれでもしっかりしている方だ」

「よく言うぜ。お前は戦い始めると人が変わるじゃねぇか」

「Tのせいだ。私は悪くない」

「自分の家系を悪く言うもんじゃないぜ?」

「悪くは言っていない。だがいいとも思っていない」

「そうか?まぁどっちでもいいんだけどな。しっかり頼むぞ策士さんよ」

「私は策士と言うほどいい戦略は立てられない。策士とは違う」

「そんな難しいことはどうでもいいんだよ。俺が楽しめるように戦略立ててくれよ?」

「…最善を尽くそう」

 

 

 

 

 

「や、やっと着いたぁ」

「もうへばってるのか?早すぎだろ」

「あんたが体力ありすぎなのよ…。他の奴も見てみなさいよ」

 

周りを見るとほとんどが地面に座り込んでいる。

立っている人もかなり息が荒い。

唯一の救いが冬ということもあり、少しは涼しいことだろうか。

ここは集合場所から大体5キロくらい歩いたところだ。

そして目的地点でもある。

つまり今リョウたちはアメミリア森林にいる。

普通ならば自然があふれているうえに、程よい疲れもあってすがすがしい気分だ。

だがそれはリョウだけに限る話で、同じ班の生徒は汗がすごかった。

おそらくこの世界に生きる人は転移装置とかに頼りすぎているため5キロ歩くことなんてないのだろう。

リョウの体力も衰えてはいるがそこまでひどくはなかった。

 

「ドールとか使って戦えば体力つかない?」

「あんた、ドール同士の戦いの所要平均時間どのくらいか知ってる?」

「5分くらいか?」

「30秒よ」

「短っ!」

「普通勝負なんてそんなもんよ。ドールが進化すれば遠距離攻撃とかできて長引いてくるけどその場合はただ撃つだけだからなおのこと体を使わないわ」

「な、なるほど」

「何よりドールは人体に対する負担を最小限にする工夫がされてるのよ。まぁ、毎日3時間ぐらい戦っていればそれくらいは体力つくかもね」

「つまり体力作りのために俺たちは5キロも歩かせられたのか」

「そうね。一日歩いただけで体力がつくとは思わないけ…、うぶ!」

 

突然リリアが口を押える。

 

「大丈夫か?」

「やばいかも…。ちょっと離れた所いってくるわ。たぶん吐く」

「オブラートに包んで言ってくれ」

「…?ともかく失礼」

 

そう言うと茂みをかき分けながら行ってしまった。

周りを見ると見えるところで吐いている人もいた。

 

「(ここまで体力がなくなってよく人の形を保ってられるよな。確か、科学が進むと人の形が変わるって本で見たことがあるような気がするな)」

「おい」

 

声をかけられた。

クレア先輩だ。

 

「先輩。何か用ですか?」

「体力が残ってるのならさっさと働け。テントを設置する。飯をつくる。風呂場をつくる。他にもやることはたくさんあるぞ」

「でも、みんなまだ休んでますし…」

「お前はそれほど疲れているように見えないが」

「…あの、まさか俺は動けるから一人でも働けと?」

「察しがいいな。分かったならさっさと働け」

 

いやいやいやいや。

1人で10人×5の数のテントと飯だのを作れと?

 

「いや、まだそんな急がなくてももうちょっと待ってからでも」

「働け」

「は、はい…」

 

妙な威圧感に押されてはいとしか言えなかった。

リリアから危険と言われたばかりだしどういう風に危険かは分からないがあまり突っかかるのはよくないと思った。

返事を聞くとクレアは戻っていった。

周りを見るが長距離のマラソンを最初から最後まで全力疾走したような状態だ。

周りの人に期待は出来ない。

 

「やるしかないか…」

 

いつまでかかるか分からない作業をリョウは始めた。

 

 

 

 

 

 

「ようやく、終わった…」

 

テントの設置、風呂場や作りをが夜8時頃ようやく終わった。

ここについたのは11時頃である。

最初の1時間、リョウは本当に一人で作業していた。

他の人たちもリョウが作業を始めて30分後ぐらいには体力が戻っていた。

だが、他の人たちは手伝うことができなかった。

理由はテントの設置の仕方や風呂場の作り方などを知らないからだ。

2年生以降は一度はやったことがあるのだが1年もやらなければ忘れてしまうのは当然だ。

リョウは地球にいたころ、夏休みなどはよく山へ行ったり、海へ行ったりしていた。

だから、風呂の作り方はともかくテントの設置の仕方は分かっていた。

みんなはそれを不思議そうに眺めながら1時間ぐらいした後、見よう見まねで始めたのだ。

そこからはリョウも「楽になるな」と思ったのだが、監督みたいなことをやらされ引っ張りだこだった。

3時間後ドールもうまく使ったおかげかテントが完成し、風呂場作りに移行した。

リョウは風呂場作りなどしたことはなかった。

しかし、リョウはすっかりみんなから信頼されていた。

風呂場作りなど知らないのにまたしても監督役をやらされてしまった。

はじめリョウは「ドラム缶みたいな感じでいいかな」と思い、そんな感じのイメージを提供した。

するとみんなからのダメ出しがものすごかった。

なので石で周りを囲んだ感じのデカい風呂を提案した。

するとみんなの反応はよかった。

だが、ここでリョウはすでにミスを犯していた。

石でつくるということは石と石の隙間に穴を開けないということ。

そんな作り方など全く知らなかった。

それで試行錯誤を繰り返し5時間後ようやく完成したのだ。

ドールや魔法がなければおそらく1週間やそこらでは完成しなかっただろう。

普通、この合宿でテントや風呂場が完成するのは2日目の夜らしい。

1日目でできたもんだからみんな大喜びである。

 

「5キロ歩いただけでへばってたやつらがどうしてこんなに動けるんだ?」

 

ぐったりしながら呟くと

 

「そりゃ、見返りが見えているからね」

 

いい汗をかいたリリアが腰に手を当ててスポーツ飲料水を飲んでいる。

 

「リリア、お前ももっと早くから手伝ってくれよ。テント一つ俺一人でやったぞ?」

「設置の仕方知らなかったんだもん。そんな中手伝っても意味ないでしょ?」

「力仕事ならいくらでもあったぞ?」

「女子に力仕事は押し付けるもんじゃないわよ」

「ドールをつければいい話だ」

「まあまあ。そんな過ぎたことはいいじゃない。今日の主役はおとなしく休んでて」

「腹へったんだがな」

「それは俺たちの仕事だ」

 

クレア先輩だ。

 

「そうよ。私たち女子がすごい料理作ってあげる!」

「できるだけ早くしてほしいな」

「カレーだからすぐよ」

「定番だな」

「リリア、しゃべってる暇があるならお前も作れ。50人分は数が多い」

「分かりました、部長。じゃ、リョウ。またあとでね」

 

リリアは走って料理している方へ行ってしまった。

 

「リョウ」

「はい」

「今日はよくやった。ゆっくり休んで明後日に備えてくれ」

「明日じゃないんですか?」

「明日はテントの設置になっている。今日は普通は虫が多い中寝なきゃいけなかった。俺もそれは嫌だからな。感謝している」

「こ、光栄です」

「それじゃ、俺も料理を手伝わなければいけないから戻る」

「お疲れ様です!」

 

クレアもリリアが行った方向に行った。

リョウはクレアのことをどこか軍隊の司令官的な立場が合いそうだなぁと思った。

カレーと言っても50人分となればおそらく時間がかかるだろう。

疲れているが近くにあるといっていた川に向かった。

 

 

 

 

 

 

川についたリョウの目に一番最初に入ったのは釣りをしている2人の人だった。

反対側の岸に座って釣りをしている。

魔法側の生徒なのか光が宙に浮いているのが分かる。

 

「…あの、だれですかい?」

 

1人がリョウに気づいた。

勘が鋭いようだ。

リョウも薄暗くはあるがライトを唱える。

近づいてみると1人はケイトだった。

 

「あれ、リョウじゃないですか」

「知り合いか?」

「前言った科学側の逸材だよ」

 

もう1人がリョウをじーっと見る。

髪は普通に短く、黒だった。

一見特徴がないように見えたが目がキツネ目だった。

 

「君がリョウクンか。初めまして、俺はマリク・ジンジャーグリース言います。仲良くしてや」

 

しゃべり方にも結構特徴があった。

ここにきて初めてかわった発音を聞いたような気がする。

地球にいたころは関西の言葉だったり東北の言葉だったり、自分とは違う発音で話す人はいた。

だけどここにはそういうことはなくみんな標準語だったのだ。

一瞬地球を思い出してしまった。

 

「よろしく。で、2人は今何を?」

「見てわからんか?釣りや、釣り」

「今は、テント設置班と調理担当班に分かれていてね」

「今日は魚、料理することになったねん」

「リョウは何しに?釣り?」

「いや俺は休みにね」

「サボりか?後で叱られるで?」

「テントの設置とかは全部終わったんだ」

「そうですか。なら楽ですね」

 

ここで一拍空く。

 

「「終わったぁ!?」」

「ああ。苦労したけどな。できればもう2度とやりたくないぜ」

 

かなり驚いているのか2人とも口をパクパクさせている。

そんなにすごいことか?と思っていると

 

「リョウ~?晩飯できたわよ~?」

 

リリアの声がした。

わざわざここまで探しに来てくれたのなら待たせるわけにはいかない。

 

「分かった!今行く!じゃ、2人とも。また」

 

リョウは自分のキャンプ地点に戻っていった。

 

「…ケイト」

「なんですか?」

「あいつ、ホンマに逸材やな」

「絶対とらえるところ間違ってますよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「…」

「どうしたの、リョウ?お腹すいてるでしょ?」

「いや、すいてるけども」

「なら食べなさいよ。女子の愛情がこもった料理。名づけて「愛のカレー」よ」

「まんまだな。だけどこれは…」

 

キャンプ所に戻ってきたリョウを待っていたのは謎のカレーだった。

 

「(落ち着け俺。まず聞こう。何か意図があるのかもしれないし)」

「リリア。このカレー茶色じゃないんだけど…」

「そ、そりゃ、みんなの知ってる隠し味入れたもの!少し位変化はあるわ」

「へ…へぇ」

 

「(ああ、そういうパターンか。冗談だろ?リアルにそれがあるのか?誰でもそんなことしたらやばいっていうこと分かるだろ。これ絶対やばいよ。食べたらおいしかった!みたいにはならねぇよ。明日が台無しになりそうな気がするよ)」

 

どこかに捨ててこようかとも考えたが食べるまでリリアは動きそうにない。

 

「どうした、リョウ。食べないのか?」

 

カレーの入った皿を持ったクレアがリョウのもとに来た。

 

「クレア先輩。これ食べたんですか」

「俺はカレーは自分の家系が作ったものしか食べない」

 

クレアの片手にあるカレーからいいにおいがする。

見てみるとそれはリョウのイメージしていたカレーだった。

 

「…クレア先輩、それは?」

「俺は自分で作った」

「クレア先輩はカレーにこだわりがあるらしいのよ」

「…」

「やらんぞ」

「心を読まれた!?」

「女の子が作った料理を無碍にする男は最低だ」

「うっ!?」

「がんばれ」

 

静かに笑いながらクレアはそこを後にした。

リョウは周りを見た。

周りで悲鳴を上げたり気絶したりしている人はいない。

むしろおいしそうに食べている人が多く、活気がある。

 

リョウは覚悟を決めた。

スプーンにカレーをとる。

心なしか手が震えているような気がした。

5秒にらめっこした後、口にいれた。

 

「…」

「ど、どう?」

「…」

「リョウ?」

「いい」

「えっ?」

「…普通においしいよ」

「本当?」

「ああ。うまいじゃん」

 

確かにおいしかった。

見た目はあれだがおいしいというありえないパターンだった。

 

「みんなおいしいって言ってたけどやっぱ主役がおいしいって言わないとね」

「俺の味覚はそんな変じゃないよ。みんなと大差はないんだからみんながうまいって言えばうまいって言うさ」

「なら、いいんだけど。じゃ、私はまだやることあるから戻るわ。あとこれ」

「なんだこれ?」

 

1枚の紙を渡してきた。

9と書いてある。

 

「テントの番号よ。そこにリョウのスペースがあるわ」

「分かった。ありがと。風呂に入ったらすぐ寝たいんだけどいいのか?」

「テントも出来てるしやることないからいいわよ。おそらくみんな今日は早いだろうしね」

 

 

 

 

 

 

 

 

「いい湯だった…」

 

風呂をあがったリョウはテントに向かった。

ちなみに風呂は混浴ではない。

男子には「混浴にしろ!」という意見もあったが一蹴された。

ただすぐ隣にあるので音が聞こえた。

リョウが入った時には聞こえなかったが、風呂に入った何人かの男子が聞き耳を立てて挙句の果てに覗こうとして女子にぼこぼこにされたらしい。

馬鹿だよなぁ、とか思いながらテントに戻る。

9番のテントはさっき着替えを取りに行くためよった。

テントの大きさは普通だったのだが中のスペースが10倍ほどのスペースがあった。

建てているときは普通のテントだったのに科学はすごいなと感嘆する。

機械的ではないが扉もあり一部屋4人ほど泊まれるらしくすでに1人上級生がいた。

男の人で名前はマグタラン・アッグシーバと言った。

陽気な人で楽しそうだった。

上級生には知り合いはクレアしかいなかったリョウにとっていい機会だった。

怖いイメージが一気に払拭されたからだ。

部屋に戻るとマグタランは寝ていた。

そして2人知った顔がいた。

 

「あら、リョウ。お帰り」

 

リリアがいた。

 

「…部屋間違えたか?」

「いや、合ってるわよ。女子がいるからって違うわけないでしょ」

「まじで!?普通女子と男子同じ部屋にする!?」

「何か問題でも?」

「笑顔で言うなよ!俺はともかく間違いを犯す人出かねないだろ!」

「性交のこと?」

「さらっと言ったな!せっかくうまく言い換えたのに!」

「別にいいわよ。私、リョウになら…」

「やめろ。まじで」

「つれないわね。もう少しのってもいいじゃない。まぁ、他がどうかは知らないけどここは大丈夫よ」

「俺がいるからな」

 

クレア先輩が初めて話した。

 

「そうだな。クレア先輩の前でそういうことしたら殺されそうな気がするな」

「賢明な判断だ。そんな聡明なお前なら私が言いたいことが分かるだろ」

「?おとなしく寝ろということですか?」

「この部屋を出て行けということだ」

 

へ?ナンデスト?

 

「そ、それはなぜ?」

「ついでにマグタラン先輩も頼む。礼は明日しよう」

「答えになってませんよ!?なんでですかと訊いているんですよ!」

「それは俺が―――」

「先輩!やめてください!リョウたちが出ていくなら私も出ていきますよ!?」

 

リリアがかなり焦っている。

よほど嫌なことでもあるのだろうか。

 

「リリア。俺に口答えするのか?」

「い、いえ。ですがそんなことがばれれば先輩は後輩と先輩を部屋から追い出したということで罰を課せられますよ?」

 

これはクレアにも応えたようだ。

少し考えてから悔しがった顔をしながら

 

「…仕方ない。なら俺はもう寝よう」

「おやすみなさいです!先輩!」

 

リリアの顔が安堵で満ち溢れていた。

よくわからないが危機を回避したようだ。

クレアはベットに入るとすぐに寝息を立てながら寝てしまった。

 

「ふぅ…」

「男子がいなくなれば女子で水いらずなのになんで止めたんだ?」

「こっちにもいろいろあるのよ。それよりリョウ。クレア先輩にこれからも何か言われてもこの部屋を出て寝るなんてことはしないでね?」

「なんでだ」

「お願い」

 

何かを訴えてるよな目をしていた。

 

「…分かりました」

「ありがと。よろしくね。じゃ、おやすみ」

 

リリアもベットにつき寝てしまった。

リョウも疲れていたのですぐベットにつき眠ってしまった。

 

余談だが次の日リョウが起きたらリリアのベットにクレアもいてリリアの顔が少し赤かったそうだ。

リョウはリリアの発言と組み合わせた結果、答えにたどり着いたがマグタランは「仲睦ましいな」と的外れなことを言っていた。




読んでくれている方々、申し訳ありません!
自分の中では大体4000字程度に抑えようとしているんですけど今回は6000いってしまいました。
「なげーよ」と思った方もいると思います。
すいませんでした。


あと、活動報告に書こうと思ってたんですけど本文の間違い直しは投稿してから大体5分ほど使ってやります。
その間はまちがいが多い場合があるのですみません。
修正した後でも間違いがあることあるのでそこは許してください。

これからもよろしくです。
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