異世界にて〜魔法と科学の小競り合い〜   作:tubukko

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書きながら「あれ、これ終わりが見えない…」と少しドキっとしました。
長くなるのか短くなるのか…。


力の差

~リリアがバルドスに追い込まれてる間~

「起きてるやつがいたとは驚きだなぁ」

「いや、おそらくたまたまだろう。それより早く寺へ行って巫女を殺してこい」

「分かってるよ。行くぞ剛石龍」

 

バルドスがテントに向かって突進している中、サッドは隣を抜けて寺へ向かう。

 

「さて、リョウ・アマミヤ。生きているといいのだが」

 

彼の楽しみは今回の作戦ではこれしかない。

寝込みを攻撃するという奇襲をかけてリョウを殺してしまっては意味がないと思ったが作戦は変更できない。

Tは容赦なく、テントに向かってバルドスを突っ込ませた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほら、どうしたよ?巫女の実力はそんなもんかぁ?」

「まだ本気を出した覚えはないわ」

 

2人は戦っている。

寺で。

そしてそのすぐ近くで青龍と剛石龍が戦っている。

龍たちはご主人を傷つけないためか、できる限り噛みつくや、ひっかくなどで戦っている。

リョウはただそれを眺めていた。

別に戦力になれないほど、周りの戦いがものすごいわけではない。

巫女たちがリョウより実力が上なのは確かだが。

ただ、巫女であるミィヤがやるべきだと思い手を出さないだけだ。

 

「そうかよ。ならこれでどうだぁ!」

 

サッドの目の前に魔法陣ができる。

そこから数えきれないほどの火の玉が飛び出す。

 

「その程度、かわせないと思うの?」

 

ミィヤは普通に動きながらかわす。

 

「そりゃ、この程度で当たるとは思ってないさ。だがこれならどうだ!」

 

魔法陣が5つに分裂する。

そのすべてから同じように火の玉が出てくる。

数が多すぎる。

 

「面倒ね…。必火断界!」

 

しゃべりながらお札のようなものを目の前にかざす。

すると札から輪っかが出てくる。

その輪っかはミィヤに向かう火の玉をすべて消し飛ばした。

 

「変わった魔法だな。それも巫女特有の奴か?」

「半分はあってるけど、半分は間違ってるわ。確かに私にしか使えない術もあるけど今のはここに働いている大抵の人が使えるわ」

「俺も使えるのか?」

「無粋な輩に使えるほど甘い術じゃないわ」

「そうかよ」

 

言いながらサッドは魔法陣に触れる。

オレンジ色だった魔法陣が水色に変わる。

すると水の塊が魔法陣から襲い掛かる。

ミィヤはすぐに新しい札を取り出しさっき同じように扱う。

すると水の塊も同じように打ち消された。

 

「不便な魔法陣だな」

「何がよ?」

「いちいじ替えないといけないのか。可哀そうになぁ」

「おしゃべりな男は嫌いよ」

「俺の知り合いはじゃべるのが大好きな奴多いぜ?」

「なら一生あなたたちとは分かり合えなわね。水破!」

 

サッドの周りに水の弾が現れすぐに破裂する。

サッドはしゃべるのに夢中だったので反応が遅れた。

ぐしょぐしょに濡れる。

 

「禁電!」

 

ミィヤの手から電撃が放たれる。

サッドは水を浴びたこともあり避けきれず直撃する。

 

「束集禁牢!」

 

ミィヤは攻撃の手を休めることなくサッドの周りに黒い輪っかを出現させ縛った。

 

「いてて、おしゃべり中だぜ?」

「知ったことじゃないわ。にしてもまだ余裕そうね」

「ああ。朗報が入ったからな」

「お聞かせ願えるかしら?」

「そっちでの勝負が終わりそうなんだよ」

 

サッドの台詞と同時に2人の間に青龍が投げ出される。

起き上るがボロボロなのは明白だ。

 

「なっ!?」

「自慢の神様がこれじゃあ話にならねぇな」

 

一方剛石龍はほとんど無傷だ。

擦り傷こそ多々あるが致命傷になりそうにはない。

 

「青龍!あなたの実力はこんなもんじゃないはずよ!私は構わないから本気を出しなさい!」

「意味のないことを」

 

青龍が口にエネルギーを溜める。

寺の屋根ははがれはじめ、死体の一部がいろいろな所で消えていく。

暴風が起き寺の周りの木々は激しく揺れる。

 

「剛石龍。打ち消せ」

 

すると剛石龍もエネルギーを溜め始める。

しかし、青龍は剛石龍が溜め始めてからすぐブレスを放った。

 

「せこっ!?」

「わざわざ待つ義理はないわ」

 

剛石龍もブレスを放つ。

しかし、青龍はただでさえ神と呼ばれているくらいだ。

それに比べて剛石龍は気性が荒く、この世界の龍の強さのランキングでも上位に入るとはいえ、言ってしまえばただの動物だ。

どちらが勝つのかは一目瞭然だった。

 

 

―――――一目瞭然なはずだった。

 

 

 

「なっ!?」

「嘘でしょ…」

 

しかし、2つのブレスは目の前でぶつかると音も立てずに消えていった。

青龍は疲れ切ったのか地面に降りてくる。

 

「だからやめておけと言ったのに」

「な、なんで」

「お前が未熟だからだよ」

 

分かりきっているかのようにサッドは言い放つ。

 

「あなたに何が」

「分かるんだよ。お前の親の青龍を見たことがあるからな」

「私の…親の?」

「ああ。青龍はその所持者によって力が変わる。その時の青龍は今とは比べ物にならないほど強かった。おそらくこの剛石龍じゃ勝てねぇだろうよ」

「なんであなたが見たことあるのよ!」

「見る機会なんていくらでもあるんだよ。情報だって俺たちの組織の力があればすぐだ」

 

ミィヤの顔がだんだん絶望に変わっていく。

一番の勢力であった青龍がやられたのだから無理ものない。

 

「おいおい。もう降参か?せっかく盛り上がってきたのによ?まぁ、楽になるから」

 

サッドが一瞬でミィヤの目の前に近づく。

腹に膝蹴りが入る。

 

「いいか♪」

 

ミィヤは吹っ飛ばされ痛みのあまり立ち上がれない。

 

「術だけ極めようとするからそうなるんだよ!体が脆いとこっちも調節大変なんだぜ?」

 

近づきながら話す。

ミィヤは痛みに耐えながら札を取り出そうとする。

 

「面倒かけさせんなよ」

 

術を唱える前にけりが入る。

いくつもの札が宙を舞う。

 

「使わせると思うか?」

 

飛び散った札の一枚をサッドは手に取る。

痛みに耐えているミィヤに向かって言う。

 

「お前、確かこの札に魔力を送って使ってたよな?」

 

するとサッドの持っていた札が光り始める。

 

「無粋な俺でもできるのか。これはいいや」

 

札からでる何かが出る直前、リョウが2人の間に割って入る。

 

「…何のつもりだ?」

「これ以上はやめろ。まだやるというなら俺が相手をする」

「そこに倒れてる巫女より弱いお前に何ができる?」

「やって見なきゃわかんねぇだろ」

「傍観する気はないんだな?」

「当たり前…だ!」

 

先手必勝と言わんばかりにリョウがサッドに突っ込む。

ヒニュスを使い4か所から同時に襲い掛かる。

 

「ライトシールド」

 

サッドが唱えるとヒニュスの行く先に四角い4つの壁が現れる。

簡単に止められた。

 

「雑魚は雑魚らしく黙ってろよ」

「まだ負けたわけじゃねぇだろ」

「いや、負けだ」

「何言って」

「面倒なのは嫌いなんだよ」

 

それをサッドが言った途端、リョウは後ろに吹き飛ばされた。

 

「なっ!?」

 

あまりのことに反応できずただ飛ばされた。

 

「お前は巫女にも勝てなければ、おそらくそこで肉塊になっているごみどもにも勝てない。見たところ二段階目か?そんなんで勝てるわけねぇだろ!」

 

サッドは周りで電気を走らせリョウに向けて放つ。

今のリョウに防ぐ手立てはない。

リョウは目の前にある札を握り魔力を込める。

運よくそれは自分の周りを結界で覆う札だった。

電撃が結界によってはじかれる。

 

「ちっ!科学側のくせに魔力があるのか。だが、無意味だ」

 

すると、サッドの周りに球体が出現する。

リョウには魔法の正体がすぐに分かった。

ビムが使ってた魔法とまったく同じものだったからだ。

 

「お前…、ビムとかいう男の仲間か!?」

「ああっ?なんでお前が…、ああなるほど。お前が例の一年の逸材ってやつか?なら俺は運がいいな。どんなに駆除が面倒な害虫でも卵のうちならある程度楽だからな。悪いけど死んでもらうぜ」

 

サッドは球体をリョウ向かって放った。

リョウの魔力は測っていないからどのくらいあるかは不明だ。

そして、一切の授業を受けていないので荒い。

魔力が3あれば事足りるものを5出さないとうまくいかない。

力任せに魔法を唱えているのだ。

今まではよかったかもしれないが札を使ってみてすぐわかった。

これは繊細な作業を必要としている。

魔力が多すぎれば札耐え切れず回路がショートするし少なすぎれば機能しない。

しかし、今くる魔法はそんな繊細な作業をしていると耐えることは出来ない。

 

「くそ!」

 

すぐにそこらへんに落ちている札に手をかざす。

おそらく同じ類の魔法の札が近くに落ちているとふんだのだ。

結界の外で爆発が起きる中、めいいっぱい魔力を放出した。

しかし、そこにあった札はバラバラなものだった。

結界内で爆発が起こる。

 

「ごはっ!」

 

吹き飛ばされ結界から放り出されてしまう。

体中が痛い。

 

「はははっ!何自滅してんだよ!?馬鹿かお前?」

 

声は聞こえているがそっちには耳を貸さない。

何か次の手段を考えないと…。

這いずり回りながら次の手段を練ろうとする。

 

「はぁ。まだお前やる気かよ?もういいよ。お前つまんねぇし。巫女の方もだけどな。剛石龍!」

 

リョウに剛石龍が迫る。

 

「安心しろよ。しっかりかんで食べさせてやるからよ。巫女は俺がやるけどな」

 

サッドが巫女のほうに向かって歩く。

残り10メートルあるかないかだ。

このままでは二人ともやられてしまう。

急いで何かしなければならない。

リョウは手当りしだい札を使った。

爆発系。強化系。防御系。

しかし、どれも剛石龍にもサッドにも届かなかった。

(また…俺は!くそ、クソクソクソクソクソ!なんでもいいから!誰でもいいから!あいつを、ミィヤを助けてくれ!)

リョウはがむしゃらに魔力を使う。

札を使う。

そして

 

 

 

奇跡は起こった。

 

 

 

 

リョウが手に取った札の一つにある特殊なものがあった。

それには魔法陣が書かれていた。

触っただけで分かった。

この札は普通の札よりも多くの魔力を消費すると。

とてつもないものだと。

どんな効果があるかは分からない。

もし、大量の魔力を使う上に繊細なものなら自爆したとき命はないかもしれない。

でも迷わなかった。

理由は単純。

あいつ(サッド)が許せないから。

リョウはありったけの魔力を送る。

地面に大きな魔法陣が描かれ始める。

それはミィヤが青龍を呼び出したときと同じものだった。

地面の魔法陣が寺全体に広がり、暴風が吹き荒れ始める。




今回はいい感じの字数で抑えられました。
でも説明が多かったような…。
やっぱり素人が書くと見にくくなるんですかねぇ。

少しずつ変わっていくつもりなのでこれからもよろしくです。
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