異世界にて〜魔法と科学の小競り合い〜   作:tubukko

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経ちました、月日。
3年くらいかな?
実は、間に2,3話挟もうか悩んでましたがやっぱりやめました。
もし気が向いたら、どこかに挟むような形で書こうかなぁと思います。


始動した戦争
経った月日


「…」

「リョウ。調子はどうだ?」

「レックス。いつも通りだよ」

 

今は戦闘の授業中だ。

出番が終わり、休んでいるところへレックスはやってきた。

 

「いつも通りとなると…」

「相変わらずダメだってことだ」

 

顔では笑っているが悔しいという気持ちがある。

今リョウたちは4年生になっていた。

今、レックスのドールは4段階目。

しかし、リョウのドールは3段階目だった。

リョウのドールは1年生の時こそすぐに2段階目に移行できたものの、2年生の時は進化しなかった。

3年生になり3段階目になったものの、周りと同じになってしまい「逸材」と言われることはなくなった。

そして4年生、魔科祭も親睦会も終わり、次の行事に向けて力を蓄えていた。

 

4年生からは「ミュレス」という祭りが新たに加わる。

この祭りは学校でではなくミューズデルで行われる。

魔科祭のように戦いもある。

一般人がドールの戦いを見ることができる唯一の祭りだ。

Bコースの人にとっては一般の人々に自分を売り込むチャンスなのだ。

とびぬけた才能が見られればいろいろなところから「卒業したらうちで働かないか?」と声がかかることもある。

 

しかし、リョウにとってはあまり意味のない話である。

彼は今ドールも4年生なのに4段階目になっていない、悪く言えば落ちこぼれだ。

ドールとの戦いでは1段階違うだけで大きくパワーバランスが崩れる。

なので、今回の魔科祭もリョウは選ばれることはなかった。

 

「まぁ、そういう時期もあるさ。お前は逸材と呼ばれるほどすごかったんだぜ?そんな奴がこのまま終わるはずねぇよ」

「だといいんだがな」

「ったく、暗くなりやがって。お前、ミュレスは出ないのか?」

「お前、俺の性格忘れたのか?何事も挑戦だよ」

「それはよかった。お前は俺が倒さなくちゃな」

「3段階目に負けた4段階目っていう肩書をくれてやるよ」

「楽しみにしてるぜ」

 

ちょうどチャイムが鳴る。

リョウは腰を上げその場を後にする。

悔しい気持ちはやはり残っていた。

 

 

 

部屋に戻ったリョウを待っていたのはクロ…、ではなく一人の女の子だった。

外見は10歳くらい、顔は髪をうまくまとめて出しているが髪は耳が隠れるあたりまであり、特徴的なのは猫だか狐だか分からない獣耳だ。

 

「おかえりなさいであります、リョウ殿」

「ただいま、サク」

 

彼女はリョウの使い魔だ。

本当は「隠密竜」《ノティス》と呼ばれる竜で年もまだ2歳だ。

3年生の使い魔を探しに行く授業で出会ったのだ。

しかも探し始めてすぐに。

 

 

===============================

 

 

 

~3年生で使い魔を探しに行ったとき~

「よし、絶対強そうなの使い魔にするぞ!」

「あちら側にも選ぶ権利はあるわ」

「どういう意味だよ?」

「そのまんまよ」

「リョウ。私があなたの使い魔になってあげても…」

「使い魔が使い魔を使役してるってどういう状況だよ?」

 

リョウの気合が入った言葉にマーシャの言葉とツッコみを入れたくなるミィヤの台詞が応える。

くだらない会話をしながら歩くいつものメンバー(科学側のみ)。

 

「僕はかわいいのがいいな」

「クロ、あなたがそういう生物を使い魔にしたら鬼に金棒よ」

「どういう意味?」

「いや、何でもない」

「確かに強いのがいいですよね。でもかわいいのも捨てがたい…」

「じゃあ犬にすれば?」

「それじゃただのペットじゃないですか!?会話もできませんよ?」

「犬は頭がいいからあっちは分かってくれるんじゃない?」

「それはそれで考えておきます。今は使い魔です」

全員「(考えておくんだ…)」

 

辺りは雑木林ともいえる草が生い茂った土地。

視界はあまり良好ではなく、遠くまで見ようとすると木に遮られる。

 

そんな風に歩いている一団に何かがものすごいスピードで近づく。

しかし、誰も気づかない。

リョウ以外は。

 

「…なんか気配しない?」

「そりゃ、そこら中に生き物居るしね」

「いや、そうじゃなくて…、なんかこう…」

 

うまく言い表せない。

ミィヤもそう言われて何かに気づく。

 

「言われてみれば私も。これは…、早い何か?」

 

言い表せなければどうするか。

実物を捕まえればいい。

立ち止まる。

 

「なにやってんだ、お前?」

「ちょっと黙ってて…」

 

全員止まり、風の音だけがする。

何やってんだこいつ?と思っていると、何かにつかみかかるかのように前に飛んだ。

突然変な行動をするもんだから全員が驚く。

 

「ちょっと、何やって…」

「こいつだな。正体は」

 

リョウの手には驚いた顔をした、まだ小さな竜がいた。

サクとの出会いだった。

 

 

 

 

 

=================================

 

 

「なんだか元気がないように見えます」

「そうか?そんなつもりはないんだけどな」

「肩をもみましょうか?」

「大丈夫だよ。そんなかしこまらなくてもいいって言ってるのに」

「いえ、リョウ殿はノティスである私をすぐに見つけ捕まえました。そんな主に敬語でないだなんて滅相もないです」

 

彼女は出会ったときからこうなっていた。

捕まえるとすぐ少し頭をすり寄せた後、人の姿になり有無を言わせずリョウの使い魔になった。

リョウとしても嫌ではなかったし問題はなかった。

隠密竜(ノティス)とはとても珍しい竜だ。

龍全体から見ると上の中あたりに位置しており、その中でもこの竜は名前の通り隠密性に優れている。

気づかれずに近づき、相手を仕留めるだの、気絶させるなどが得意だ。

そんな強い竜を使い魔にできて嫌な人などいない。

 

「私にできることがあれば遠慮なくお申し付けください!力になりますよ!」

「ありがと。でも今は本当にいいよ」

「…左様ですか」

 

まだあって一年しか経ってないがサクにも何となく分かっていた。

リョウは焦っている。

リョウの使い魔になることで戦争が近いうちに起きることを知った(半信半疑だが)。

リョウは正義感が強い男だ。

彼が力を欲している理由は戦争にある。

おそらく多くの人を守りたいと思っているのだろう。

そんな人が魔科祭にも出られなくなるほど弱くなっている。

焦らないはずもない。

 

「…」

 

さっきからベットに座ると黙ったままだ。

サクは自分の体を竜の姿に戻す。

竜の姿でのサクは膝の上に乗れるほど軽いし、ちょうど収まるくらいの大きさになる。

 

「えっ、サク?」

 

黙ったままリョウの膝に乗る。

慰めることができるとは思わない。

それでもこれくらいはしてあげたかった。

いや、これしかできなかったの方が正しい。

 

「…ありがとう」

 

本当にそう思ったのかは分からない。

でもサクは嬉しかった。

力になれたような気がした。

2人はそのまましばらく寝てしまった。

 

 

 

 

 

 

音がする。

パーティでもやってるかのように騒がしい。

座りながら寝ていたので眠りは浅く、すぐに目が覚めた。

 

「のってるか?野郎どもー!」

「いえーい!」

「お前らはいったい何をしている?」

「リョウが起きたー」

「起きたー」

 

なぜか使い魔が何人かいる。

 

「僕は止めたんですけど…」

「だろうな。スノーは本当にフィリアに似てる性格してるな」

「スノーだけ逃げよーとしてる」

「ズルいー」

「ランとリンは相変わらず仲いいな」

 

スノーはフィリアの使い魔だ。

小逆竜(しょげきりゅう)といって特徴的なのは手のひらより少し大きいくらいの大きさだ。

大人になっても大きさはほとんど変わらない。

強さは中の下あたりなのだが「かわいい!」と言って、そいつに決めた。

 

ランはリリアの、リンはマーシャの使い魔だ。

実は今こそ人の形をしているがこの2人は蛇だ。

見つけた時、「蛇かぁ」とないかなと思っていたリョウをよそにマーシャはすぐに捕まえに行った。

リリアは「2匹一緒にいたのに離れ離れにするのはかわいそうと」言い、もう一匹を引き取った。

 

そしてリョウは他の人の使い魔を見るたんびに思う。

類は友を呼ぶって本当なんだなぁ、と。

スノーはフィリアと性格が似てるし、ランとリンは主人たちと同じく仲がいい。

リンが初めに話し、ランがそれを復唱している。

 

「っていうか、お前ら使い魔だろ?ご主人守らなくていいのか?」

「使い魔にだって休暇はあるのー」

「あるのー」

「そしたらお前らほとんど休暇じゃねぇか」

「でも今日はリョウさんを呼ぶために来たんです」

「何だ俺に用か?」

「8時に食堂に来てほしいとのことです」

「ことです」

「ことですー」

「何かやるのか?」

「はい。ミュレスがあるということでその前夜祭を4年生全体でするそうです」

「前夜祭ってその日の前日にやるもんじゃ?っていうかずいぶん多いな。5000人も食堂に入るのか?」

「問題ないそうです」

 

即答だった。

すごいと思わずにはいられない。

 

「分かった。8時だな。じゃあ準備するか。サク、いい加減起きろ」

「クルル…。ハニュ」

「嬉しそうですね。時間ありますしまだいいんじゃありませんか」

「…それもそうだな。こいつ、起きているとき気が張ったまんまだしもう少し寝かせるか」

「リョウ、ロリコンー」

「ロリコンー」

「この状況のどこがロリコンになるんだ?っていうか頼むからそれやめてくれ」

 

リョウは使い魔を探しに行ったときすぐに見つけてきたうえ、人の状態のサクを連れていたもんだから「小さい女の子だからすぐに決めたんだ」とロリコンのレッテルを張られてしまった。

そこにいた人は冗談で言っていたのだが広まると「マジでロリコン」と思う人もいて困っている。

 

「それよりお前らは行かなくていいのか?」

「僕たちはリョウさんを呼ぶついでに一緒に戻ってくるといったのでいいんですよ」

「…サクって本当にしっかりした使い魔だな」

「それだと私たちがしかっりしていなみたいなの」

「なのー」

「そう言ってるんだよ」

「まぁ、この寮は安全ですし。どうしても気が緩んでしまうんですよ」

「確かに安全だけどよ…」

 

こいつらは知らない。

近いうちに戦争が始まるかもしれないということを。

 

「ねぇリョウ、お風呂かりていー?」

「借りていー?」

「ああ。風呂くらいだったらかまわないけどお前ら人の状態で入るのか?」

「そうだけど何ー?」

「もしかして私たちの裸体を見たいのー?」

「興味ねぇよ。ただ蛇の状態で入れば早く体が洗えるんじゃないかと思ってな」

「基本的に人の方が便利なのー」

「だから人のまま入るのー」

「そうか。ならいいんだ」

「じゃ借りるのー」

「のー」

 

2人が風呂場に入る。

扉を閉めたと思ったらすぐ開けて

 

「のぞかないでねー?」

「ロリコーン!」

 

またすぐに閉めた。

 

「…」

「安心してください。少なくとも僕は分かっていますから」

「ああ。それは分かってるんだが…」

「きっとサクもフォローしてくれるはずです」

「サクにまで言われたら俺は立ち直れないよ。っていうか、そろそろ起きてもらわないとな。サク、起きろ」

サ「ン…、グルル」

 

竜の状態ではテレパシーのような形でしか話すことは出来ない。

サクは起きると人の形に戻った。

 

「おはようございます、リョウ殿。もしかしてご迷惑をかけたのでは…」

「そんなことないよ。サクだって俺を気遣ってくれたんだろ?本当にありがとう」

「そう言ってもらえるとうれしいです」

 

明るい顔をする。

口では堅いことを言っているが実際は普通の女の子と大差ないのだ。

 

「そうだ、サク。俺8時から食堂で集まりがあるんだけどお前はどうする?」

「ご一緒してもよろしいのですか?」

「ダメな理由がないよ。それにお前もクゥに会いたいだろ?」

「クゥも来るのですか?」

「たぶんね。で、どうだ?行くか?」

「行きます!」

 

クゥというのはケイトが使役している使い魔だ。

簡単に言えば土の妖精らしく、常に人の形をしている。

状況に合わせて顔を変えるし、必要とあれば性別も変える(本当の性別は不明)。

 

「じゃあ、君も準備したら?」

「私が準備って何かあるのか?」

「今、ランとリンがお風呂入ってるからそれくらいは?」

「別に、今日の朝入ったし汗かくことなんてしてないから大丈夫」

「君は本当にノティスなんだな」

「貴方は竜であることをもっと誇りに思いなさい」

 

サクとスノーがしゃべっている光景を少し眺める。

階級があるはずはないのだがやはりどちらかというとサクの方が少し上らしく、スノーは多少へりくだっている。

眺めているとランとリンが風呂場から出てきた。

 

「お待たせー」

「お待たせー」

「おう。出たか。じゃあ行くか」

 

立ち上がり転移装置に行こうとするがランとリンはなんか警戒している。

 

「何やってるんだお前ら?」

「襲われたら怖いなーと思って」

「警戒してるのー」

「お前らマジで俺のことロリコンだと思ってたのか…?」

 

いくらサクでないとはいえ、身近な人の使い魔にガチだと思われていたのが分かるとなんだかへこむリョウだった。




使い魔を入れてしまった…。
前書いたからもう抜くことは出来なかったけど、衝動的過ぎたかな?
でも入れたくなったんだよね…。
ロボットに魔法に使い魔。
だんだんごちゃごちゃしてきたよ。
どれか一つ消してしまおうか…。

そういえば、竜と龍を使い分けることにしました。
竜が普通に手と足が2本ずつあり、龍は体が長いのをイメージしてください。
変な所で悩んでますけどこれからもよろしくです。
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