最近はここで語るネタが減ってきて困ってます。
別に書かなくてもいいんですけどね。
「ずいぶん騒がしいな」
「そりゃ、5000人ほど集まりますからね」
「おいしそーな匂い!」
「おいしそー!」
リョウたちは食堂についた。
リンとランは子供のように喜んでいる(実際生まれてまだ3年目ほどなのだが)。
「リョウ殿。クゥはどこにいますか?」
「待ち合わせしてたわけじゃないし分からないよ。とりあえずこいつらのご主人様探すついでに探すか」
「了解しました」
「申し訳ないです。でも放っておいても見つけられると思いますよ?」
「お前、5000人+3000の使い魔の中簡単に探し出せると思うか?」
「い…一時間くらいあれば」
「腕輪を使ったらどうですか?リョウ殿」
「電話はうるさくて無理だ。電通ぐらいなら何とかなるけど。っていうかお前ら、ご主人様の魔力的なもの感じ取れないのか?」
「ちょっと人が多すぎー」
「混ざり合ってるから無理ー」
「僕はもともとこういうのは苦手で…」
こういう時にご主人様が危ない目に遭ったらどうするんだ、とため息をつく。
「あなたたち、もう少し使い魔だっていう自覚持ったらどう?」
「失礼な。僕だって主が危険な目に遭ったら身を投げてでも守る所存だ」
「私は悩むかもー」
「私もー」
…何となくわかっていたがこれを見ているとマーシャとリリアは守られてるというより守ってるのでは?と改めて思う。
「リョウー!」
呼ぶ声がした。
人が多くて誰の声だか分からない。
周りを見渡すとリリアがいた。
「リリアー」
「ラン。よかった。迷子にならなかった?」
「大丈夫!」
「そう。ならよかったわ」
ランの頭を撫でるリリア。
やはり子供を迎えに来た保護者にしか見えない。
「みんなも来て頂戴。マーシャやフィリアもいるわ」
「わざわざありがとうございます」
「ありがとー」
はぐれないようにスノーがリンの手を握りながら歩いていく。
「お前、どうして俺たちの場所が分かったんだ?」
「たまたまよ。何か面白いことやってないかなーと思って歩いていたらあなたたちを見つけたの」
「こんなめちゃくちゃ広い場所を歩いてたまたま?」
「本当よ。私にもようやく運が回ってきたってことかしらね♪」
本当に周りはどんちゃん騒ぎをしている。
まぁパーティをやっているのだから当然なのだが。
8000人(使い魔を含める)規模でやるパーティなんて初めてなので、開いた口が塞がらないとはまさにこのことだ。
「でさ、そこでもうおかしくなちゃって!」
「かなり馬鹿じゃん、そいつ!」
「いや、もうそこを通り越して天才というべきだよ」
「盛り上がってるじゃない」
「あら、リリア。もう取材は終わりでいいの?ってリン!」
リンがマーシャに抱き付く。
「お帰り。何かリョウに変なことされなかった?」
「お風呂に入れさせられたー」
「えっ、マジで?」
「その言い方じゃ、俺が無理やり入れたみたいじゃないか!お前らが入りたいっていうから貸したんだろ」
「もしかしたら隠しカメラがあったのかもー」
「かもー」
「俺はリリアじゃないんだからそんなことしねぇよ」
「ちょっと、私だってそこまで非人道的なことしないわよ!撮るときは堂々と撮るわ」
「そこだけは褒めてやるよ」
パーティといってもどうやらいつものグループでまとまっているようだ。
それぞれテーブルについて仲のいい人たちと楽しんでいるようだ。
「あの僕の主はどこに?」
「フィリアなら飲み物取りに行ったわよ。そろそろ戻ってくると思うけど」
「じゃあ俺ちょっと見てくるよ。ケイトも探さないとだし」
「ケイトに何か用あるの?」
「サクがせっかく出てきたんだ。クゥに会わせてやりたいと思ってな」
サクがペコッと一礼する。
「そ。分かったわ。ちなみにフィリアは3番テーブルの方に行ったから」
「よし、じゃあ行くかサク」
「了解しました」
口では普通に答えているが会うのが楽しみらしく、顔が喜んでいる。
スノーもついてきた。
しかし、生徒5000人を余裕で収容できる会場となると違うテーブルに行くだけでも少しかかる。
5分ほど歩きようやくテーブルについた、のだが騒がしい。
周りはもともと騒がしいのだがここは何か違う。
「なんでしょうか…?」
騒ぎの中心を見てみると…、フィリアがいた。
なんかガラの悪そうな男3人に絡まれてる。
「なんでですか!?」
「うるせぇよ。科学側の生徒はさっさと6,7番のテーブルに言って飲み物もらって来いって言ってんだ」
「別にそんな決まりないじゃないですか」
「格下には発言権なんてないんですよ」
「格下?」
「ドールを使わなきゃまともに戦えない非力野郎だろ?」
…4年生になってもこういう思想を持っているやつはいる。
1年生の時と比べるとそういう考えを持つ人は減るが、こういう考えを持つ人が一人でもいる限り科学と魔法が本当に手を取り合うということは出来ない。
「才能のないゴミはゴミらしく地面でも這いつくばってろ」
「ゴミって…!」
さすがにこれを見過ごすことは出来ない。
「サク、スノー、行くぞ…ってスノー?」
「リョウ殿。あいつも使い魔ですよ?」
既にフィリアと男たちの間に割って入っていた。
「スノー!」
「なんだ、お前?」
「この方の使い魔です」
いつもとは違って確実に怒っている。
「でたよ!科学側の使い魔。でもあれはペットと何ら変わらないですよ?」
「そうそう。俺たちと違ってわざわざ探しに行くもんな。買うこともできるし!」
「…」
「なんだ?返す言葉もないのか?」
「見たところ、あなたたちは使い魔がいないようですね?」
「それがなんだよ?」
「魔法側では主が強ければ強いほどすごい使い魔を使役できると聞いています」
「何だと?」
「はっきり申し上げます。ただの雑魚のくせに外見だけ強そうに見せてんじゃねぇよゴミが!」
さっきまで静かにしゃべっていたもんだから驚きである。
男たちは少しひるむがすぐに反論する。
「んだと、てめぇ!舐めてんのか!?」
「雑魚はどっちだよ!」
「土下座して謝らねぇとぶっ殺す―――」
「何やってるんだお前ら?」
静かだが、確かに大物の感じがする声が聞こえた。
そこで騒いでいた人たちは声の聞こえた方向を見て黙っている。
「おい、何やってたんだって訊いてるんだよ」
「ジ、ジルリアさん」
そこにいたのはシューレス、ケイト、クリティウス姉妹の4人だ。
この学年のネーム持ち総集合である。
「こいつらが聞き分けが悪いもんで…」
「…理不尽な要求とかしてるんじゃねぇだろうな、この前夜祭で?」
「そんなこと、ないです…」
「そうか。ならさっさとこの問題を解決しろ。俺は飲み物を取りに来たんだ」
「な、ならどうぞ。先ほどこちらの問題も解決したので…。お前ら、行くぞ!」
男たちはその場を後にする。
科学側には見られない光景だ。
ネーム持ちというだけあって同じ学年でも先輩のように扱われているのだろう。
「ったく…。フィリアだったな?悪かったな、こっちの奴が難癖つけて」
「いえ、助けていただいてありがとうございました」
「そーそー。シューに助けてもらえるとかチョーうんいいジャン?」
「っていうか、あんたもしかして1年の時の対戦相手ジャネ?」
「お久しぶりです。そういえばあの時、自己紹介しませんでしたね。フィリア・リトルトリアです」
「アタシはウリス・U・クリティウス。姉だよ」
「アタシはマート・U・クリティウス。妹だし」
以前と比べると少しは短気が解消されたようだ。
「そいつは誰なんだ?お前の男か?」
「いえ、私の使い魔です。スノー、あなたも自己紹介を…ってスノー?」
さっきから立ったまんま止まっている。
フィリアが心配して揺らすと「ボンッ!」と軽く爆発するとフィリアの手に乗っかってしまった。
「スノー!?」
「少しは度胸がある小逆竜だな。そいつが出てこなきゃ俺は助けなかったよ。いい使い魔を持ったな」
「シュー、僕はここから別行動にするよ」
「ああ、分かった。頑張れよ?」
なにかいじるような感じでシューレスは言った。
それが何なのかはその2人にしか分からなかったが。
「おまえもな、シュー」
少し困ったような顔をするシューレス。
苦笑いも含まれていたが。
それだけ聞くとシューレスはクリティウス姉妹とその場を後にした。
「久しぶり、フィリア」
「お久しぶりです。ケイトさん」
「全然変わってないみたいだね」
「それは褒め言葉ですか?」
「そのつもりだよ、なぁクゥ」
「主、私はやることができたので失礼します」
「えっ?なにかあったっけ…」
クゥが歩いていったほうを見るとリョウとサクがいた。
サクとクゥは仲がいい。
リンとランのようにはしゃぐわけではないが楽しいのは一目瞭然だ。
「リョウさん。見てたんですか?」
「助けに出ようと思ったんだけど、スノーがいつもと違う顔してたからな。なんか出るタイミングを逃してしまった」
フィ「いつもは気が弱いんですけど、やっぱり頼りになります」
頑張ったスノーを褒めるように頭を撫でる。
嬉しそうだった。
「それよりフィリア、みんなが待ってたぞ?」
「そうでした!急いで飲み物持っていかないと」
「手伝うよ。俺もそこまで行くし」
「そうだな。スノー片手に持っていけないだろ」
「すいません。私が持っていくつもりだったのに、結局私問題を起こしただけで」
「あれは誰が見てもあっちが悪いさ。こっちからも強く言っておくよ」
「お前、そんなに力あるのか?」
「これでもクリティウス姉妹を下したんだよ?」
「マジか!?」
「結局、シューレスには勝てなかったけどね」
以前は格下とクリティウス姉妹に舐められていたのに今では少しだがそれも改善された。
それでも完璧に改善されないのはケイトの性格に問題があるんだろう。
飲み物を持ってマーシャたちの所に戻る。
「あら、フィリア。遅かったじゃない」
「すみません。いろいろありまして…」
みんなにリョウたちが配る。
「面白い話ならぜひ聞きたいんだけど」
「面白いというよりすごい話です」
フィリアが説明する。
「へぇ、そんなことが」
「やるときはやるんだね、スノーは」
「いいわねぇ。リンはそういう風になってくれるのかしら…」
無邪気にランと楽しそうにしているリンを見る。
見た感じではとても守ってくれそうには見えない。
「でも後悔はないだろ?」
「ええ。あの子を使い魔にして正解だったわ」
「ならそれでいいじゃねぇか。リンもお前に不満はないだろうしな。でもレックス。お前は本当にいなくてもいいのか、使い魔?」
「結局最後に自分の身を守るのは自分だ。いても悪くはないが探すほどでもないさ」
「僕はほしいけど、狙うものが高いんだよなぁ…」
「狙い続ければいつかは手に入るわよ。頑張りなさい」
「そうだね。あきらめずに頑張るよ」
レックスとクロは使い魔を使役していない。
レックスは別に興味がなく、クロは一生のパートナーを大事に決めたいらしい。
「よし、じゃあ今日は盛り上がるわよー!」
「おお。なんか景気がいいな?」
「よっしゃー!」
「いえーい!」
突如いなかった人の声がした。
いなかったとは言ったがリョウから見ればかなり印象が強い人。
「うおっ、ミィヤ。いつから?」
「たった今よ。茶道部は大変ね。ようやく仕事が終わって急いでここに来たわけです」
「招待はしたけど場所は教えられなかったはずよ?」
「リョウの魔力を探し出しました♪」
もし本当なら使い魔よりすごいことになる。
「この人ごみの中を、使い魔である私ですら出来なかったことを、やり遂げたのか!?」
「一緒にいた時間と関係が違います。私はあなたよりリョウに近い「将来の嫁」なんだから」
「くっ!さすがは嫁か!?しかし私だって負けるわけには…!」
「サク、別に熱くならなくていいから。まぁ力をつけるにこしたことはないけど。今は楽しめ」
「…はい。リョウ殿がそうおっしゃるなら」
「じゃあ、みんないいかしら?それじゃ、かんぱーい!」
楽しい前夜祭は深夜2時まで続いた。
「…マスター、準備が整いました」
「そうか。実行する日はミュレスと同日だ」
「分かっています」
「失敗は…許されん」
「了解しました」
アクションが始まるとしばらくはそれで使いそうです。
やっぱりコメディは難しいですね…。
とりあえずこれからもよろしくです。