異世界にて〜魔法と科学の小競り合い〜   作:tubukko

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マ「ラン、リン!」
リ「マーシャ!」
ラ「マーシャ!」

マーシャが使い魔のもとにたどり着いたころにはすでに抗争は終わっていた。

ス「マーシャさん」
マ「スノー!みんな無事だったのね、ってサクは?」
ス「リョウ殿が急いでいるのを察知して行ってしまいました」
マ「リョウに何かあったの!?」
ス「分かりませんが急いでいるということだけは確か…」

すると遠くで火柱が立つ。

「何よ、あれ」
「もしかしてあそこにいるんじゃ…?」
「…」

マーシャは火柱の見えた方へ向かう。

「マーシャさん!」
「安心しなさい!あんたたちのご主人は全員無事よ!」
「そうじゃない。危険です!」
「そんなの百も承知よ!」

スノーの忠告を無視して向かった。


無限魔力

「…これはすごいな」

 

マスターという男がミューズデルの町に出てきた。

目の前にはさっきまで生きていたはずの生徒や警備員、一般市民の死体がある。

先ほどマスターに攻撃をしてきたので自分ができる最大の風魔法を使ったら簡単に吹き飛んだ。

本来ならそんな威力のあるものを使ってしまえば魔力の残量はほとんどなく、疲れているはずなのだがまったく倦怠感がない。

 

「マスター、報告です。Oが裏切りました。あとTが交戦状態に入ったそうです」

「まぁ、クロはラブトリアにいるのは嫌がっていたからな…。いつかはそうなると思ってたよ」

「いかがいたしましょう?」

「今は保留で。見つけ次第殺すけど探す必要はな…、ん?」

 

建物のほうに敵か味方か区別ができないほど焼かれた死体の山が見えた。

興味を持ち歩いていく。

2人の女がいた。

 

「姉貴、また誰か来たよ?」

「え~、チョーメンドーなんですケド」

 

寝っ転がっていた二人が起き上がる。

 

「君たちは…U・クリティウス姉妹だな?」

「知ってるの?なら退いてほしいんだケド?」

「そこの死体見たでショ?今は疲れてるの」

「ネーム持ち…、少しは楽しませてもらえるのかな?」

「あんたバカァ?私たちのこと知ってるのに」

「もしかして幹部か何か?」

「今回の侵攻のリーダーだよ」

 

クリティウス姉妹の目が輝く。

 

「マジで?」

「マジだ」

「なら少しは楽しませてよネ」

「こっちの台詞だ―――」

 

マスターが言い終える前に炎を投げつける。

しかしマスターは避けることもせず、ただそこに立つ。

風を起こし瞬時にその炎を消す。

 

「言い終える前に攻撃はよくないな」

「少しはやるみたいジャン?」

「本気出すよ!」

 

2人は指の先から火の銃弾を無茶苦茶に撃ち始める。

他の一般市民なんて気にしていないようだ(目の見える範囲にはいないが)。

マスターは部下の近くにより結界を張る。

緑色の結界がクリティウス姉妹の攻撃をすべて押さえる。

 

「申し訳ありません」

「気にするな。しかし、こうも早くネーム持ちに、しかも好戦的なのに出会うとは」

「私たちはこれからどうすれば?」

「この結界をお前の半径3mで張る。私があいつを倒すまで見ていろ」

「分かりました」

 

マスターがクリティウス姉妹の攻撃を同じように自分にも結界を張り防ぎながら進む。

 

「少しはやるみたいね…、あんた名前は?」

「本名はレイ・エジリスだ」

「ネームを言い忘れてるよ」

「私はネーム持ちじゃないんだよ」

 

クリティウスたちの顔が驚きを現す。

無理もない。

自分たちの攻撃がネーム持ちでもない雑魚に止められたのだから。

 

「そ、そんなわけないジャン!あたしたちの攻撃がそこらへんの奴に止められるわけ…!」

「ならその身で確かめてみろ」

 

エジリスは右手に炎でできた槍を作り出す。

 

「あたしたちに炎魔法で勝負なんていい度胸ジャン!」

「…究極魔槍(グングニル)

 

クリティウス姉妹はその言葉を聞き逃さなかった。

真偽は定かではないが聞き捨てならないのも事実。

急いで防御態勢に入る。

エジリスは特に工夫することなく普通にクリティウス姉妹に向かって投げた。

グングニルがクリティウス姉妹に当たり火柱が立ち上がる。

火に包まれた一帯は跡形も残さず消えた。

炭や灰すら残らず、本当に消えた。

それほどまでに強い魔法を使っても、少しも疲れるそぶりを見せないエジリス。

 

「コロナとは素晴らしい産物だな…。これなら…」

 

その先の言葉を言おうとして気づく。

火柱の中にまだ生きている存在がいると。

火柱が消えクリティウス姉妹が現れる。

 

「…流石、炎魔法を得意とするだけはあるな」

「あたり、まえでしょ。これくらい…」

「姉貴、あいつ、全然疲れてないよ?」

 

ほとんど無傷ではあるものの魔力をかなり使ったらしく、息を切らしている。

 

「ケイト以上の、魔力タンクってやつ?」

「あれ以上がいるとか…ウケるんですけど」

「ある道具をつけているからね。魔力はたっぷりある。しかし、いくら炎で作ったグングニルとはいえ止められるとは」

 

究極魔槍(グングニル)

文字通り究極といってもいいほどの威力を誇る魔法。

火、水、雷、土、風、白、黒とすべての魔法に存在する。

すべての魔法の中で一番強いというわけではないが自爆にも引けを取らないほどの威力を持つ。

もちろん魔力をものすごい使用するのでどんなに魔力があっても1日2回が限界と言われている。

 

「炎魔法を使わせたら最強なUのネームを持ってるんだよ?当然よ」

「でも次は止められないだろ?」

「使わせる前に、殺してやるし!」

 

残り少ないはずの魔力を使いマートはエジリスに向かっていく。

 

「マート!無駄に魔力を使うな!」

「姉貴、余裕なくなって口調が変わってるヨ?」

 

手に炎を持ちエジリスに殴りにかかる。

エジリスは簡単に避ける。

 

「お姉さんは冷静だね?以前は2人とも早とちりする性格だったと聞いていたんだが」

「姉貴はもともとあんな感じだよ!あたしは姉貴の作戦に従って行動するのが普通だし!」

「裏ではそんなことがなぁ」

「避けんな!」

 

いつもは接近戦なんてしないからマートは武術の類は素人も同然だ。

 

「まったく…、君いつもは接近戦なんてしないでしょ?」

「それがなに!?」

「魔力が残り少ないと訴えてるのと一緒だ。お姉さんの作戦の幅を狭めてるぞ?」

「あたしがあんたを倒せば姉貴は作戦をかんがえなくてすむし!」

「そうか」

 

エジリスがマートの拳を手で受け止める。

炎がついているにもかかわらず素手で。

 

「!?」

「私のほうが生きてる月が長い。君たち子供が知らない魔法だって豊富にあるんだよ」

「くそったれがぁぁぁぁ!」

「近くで騒ぐな。五月蠅い」

 

拳を止めていないもう片方の腕を縦に動かす。

すると動かしたところから風の刃ができ、マートの腕を切り落とした。

 

「あああぁぁあああぁあ!」

「…静かにするつもりが余計五月蠅くなってしまったな」

「マート!」

 

たまらずエジリスから離れるマートにウリスが駆け寄る。

 

「ああぁああぁ…。姉貴、腕…が。あた、しの、腕…」

「心配するな!ケイトなら治せる綺麗に治せる!」

「ウウ…。そう、だね…」

 

ウリスは迷っていた。

ここで退くか、あるいはまだ戦うか。

力の差が圧倒的すぎるのだ。

クリティウス姉妹は今までほとんど負けたことがなかった。

負けたとしてもこんなにボコボコにされたことはないから、最後まで戦った。

しかし、今は勝てる望みがない。

自分たちが得意とする炎魔法の土俵でさえ負けているのだ。

そんな中勝てると思えないのは当たり前。

だから退きたかった。

 

「ぐ…」

 

しかし、今は妹が腕を切り落とされるという大ダメージをおった。

万全の状態でも逃げ切れるか分からないのに妹がこの状態では2人で一緒に逃げるのは困難を極める。

この状況で妹を生きて帰らせる方法は…。

 

「…」

 

ウリスはマートから手を放しエジリスのほうを向く。

 

「姉…貴?」

「マート、あたしがあいつとやりあうからその間に逃げな」

「なっ、何言ってんだよ!?」

「これしかない。今は傷を負っているあんたを逃がすのが先決だ」

「馬鹿言うなよ、姉貴!そんなこと言ってあたしが…!」

 

叫んだせいで出血がひどくなる。

 

「そんな体じゃ戦えないよ。ここにいてもあいつがあんたを狙えば反撃はできない。それがわかっててここに残るつもりか?」

「…でも!」

「いいから行け!姉のお願いがきけないの!?」

 

マートはそこで少しの間震えていた。

だが

 

「死んじゃ嫌だよ?」

「姉貴を信じなさい」

 

答えを聞くとマートは退いていく。

ある程度離れたのをウリスは確認するとエジリスのほうに向きなおす。

 

「お礼を言っておくわ」

「別に。後でどうせ殺すからそんなのは必要ないな」

「いいえ、あなたがあの子を追いかけることはないわ」

「理由を聞こうか?」

「あなたはここで死ぬからよ…私とね!」

 

ウリスが先に動き、さっきのマートと同じように手に炎をつける。

そして拳をエジリスに向ける。

 

「君だって接近戦は苦手だろ?」

「私はマートみたいに頭に血は登ってないわ!」

 

エジリスはさっきと同じように手で受け止める。

簡単に受け止めることができた。

しかし、ここで受け止めた手から爆発がおこる。

 

「!」

 

予想していなかった攻撃に後ろに下がる。

手を少しやけどしてしまった。

それに対してウリスは腕が黒焦げになっており、おそらくもう使い物にならない。

それでも痛みに耐え、魔法を唱える。

エジリスに炎の玉が襲いかかる、があまりに弱かった。

やけどした手で受け止め大きなその玉を握りつぶす。

 

「まさかこれでおしまいではあるまいな?」

「当たり前じゃない!」

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

マートは逃げていた。

確かにあそこにいても自分は足手まとい以外の何でもない。

これが最良の選択だと言い聞かせた。

 

「(これでいい。あたしははやくケイトを見つけて治療してもらいあそこに戻る。姉貴だって「信じなさい」って言って…)」

 

ここでマートはいったん止まる。

姉貴は言った、「信じなさい」と。

「死なないで」という言葉に対して。

「死ぬわけないでしょ」ではなく「信じなさい」と言った。

 

「(…)」

 

嫌な予感がする。

姉貴を信じていないわけじゃない。

だけど、それならもっと心配しなくてもいいような言い方がある。

 

「姉貴…!」

 

マートは来た道を戻り始めた。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「ほら、どうした?私はさっきの爆発によるやけどしか攻撃を受けてないぞ?」

「そう思っているのならおめでたいわね」

「苦し紛れの言い訳はよせ。可哀想に見える」

「言ってくれるじゃない!」

 

ウリスが炎の鎖を作り出し、それをエジリスに向かって投げる。

エジリスは腕でガードし、鎖が腕に当たると削れる音がする。

 

「残り少ない魔法をもっと有効に使えないのか?」

「あなたはもっと頭を使えないのかしら?」

「何?」

「分からないのなら見せてあげる。ほら」

 

ウリスが指を鳴らす。

するとエジリスの周りに等間隔で火の玉が出現し繋がっていく。

 

「なんだ、これは!?」

 

エジリスは動こうとするが動けない。

 

「束縛魔法か?」

「そうよ。しかもUをもつ者にしか教えられない特別な魔法よ。簡単には抜け出せないわ」

 

エジリスも少しいじってみたが何もできないことが分かったようだ。

 

「…そのようだな。だがこれからどうするんだ?君の魔力はもうすっからかん。どうやって勝つつもりだ?それとも逃げるのか?」

「言ったはずよ。あなたはここで死ぬのよ、私と」

「どうやって私を殺す?魔力はもう残ってないだろ?」

「そうね。確かに魔力はほとんど残ってない。でも―――」

 

胸に手を当てる。

光る球状の何かが出てくる。

 

「…それは?」

「霊力」

「何?」

「いや。正確には違うんだけど、私も、詳しくは知らない」

 

突然ウリスが苦しそうに顔をゆがめる。

 

「ネーム持ちには、決まって、その家系にしか、使えない魔法が、ある。認知無キ魔法(アンノウン)っていうやつだ。大半は、途絶えてしまった、けどな」」

「聞いたことないぞ!?」

「ネーム持ち、なめんじゃねネぞ」

 

ウリスが球体をエジリスの方へ向かわせる。

 

「まっ…」

「消えろ」

 

その言葉と同時に再び火柱が立つ。

グングニルよりも威力のある火柱だ。

爆風に吹き飛ばされ、ウリスも壁に叩きつけられる。

爆風が収まっても火柱は立ち続ける。

 

「…」

 

もうろうとする意識の中、壁から抜け出し、火柱の前に立つ。

中指を立てて言った。

 

「一昨日来やがれ…」

 

それを言うと地面に降りる。

ウリスはまだ生きている。

霊力を使うとき、迷いが出て少しだけ残してしまったのだ。

人間だれも死にたくはないのである。

 

「マート…、今―――」

 

歩いてマートの向かった方向へ進もうとした時、聞いてはいけない声が聞こえた。

 

「賢明な判断だ」

 

頭の中では逃げろと命令が出ているが体は動かない。

刹那、右腕と右足の感覚がなくなる。

切り落とされたのが分かったが、叫ぶ力すら残っていなかった。

 

「(痛い…なぁ)」

 

「いや、痛い思いをするだけだから賢明とはいえないのか?まぁ、いい。とりあえず、今のは効いたぞ」

 

両腕がところどころ焦げている。

 

「正直ここまですごいものがあるとは思っていなかった。だが、君はやってはいけないことをやってしまったな。霊力を使ってしまった。殺した後はネーム持ちの霊力ならいろいろ使いようがあったのに、もったいないことをした」

 

エジリスが無数の鉄槍を作り出す。

 

「さて、死ぬ覚悟はできて…」

「姉貴!」

 

逃げたはずのマートがウリスの目の前に姿を現す。

しかし、ウリスにもう意識はなかった。

 

「戻ってきたか…。お姉さんの決死の覚悟を無駄にするとは」

「てめぇ、よくも!」

「悪いが君に用はない。君の霊力に用はあるが。対面するには君を殺すしかない。お姉さんと一緒に死ぬ覚悟はできたか?」

「ふざけんな!あたしたちは絶対死ぬもんか!」

「ならこの危機的状況を切り抜けてみろ。できるわけな―――」

 

突如、横から熱気を感じる。

確認すると同時に電磁砲がエジリスにあたる。

 

「なっ!?」

 

あまりの威力にその場に持ちこたえることができず、遠くに飛ばされる。

 

マートが何が起きたかわからず唖然としてると2人がやってくる。

 

「仕留めたか?」

「いえ、受け止めてました。飛ばされただけです」

 

リョウとサクが前で止まる。

ウリスの姿を見て、時間がないのもありすぐに判断する。

 

「サク、この人を背負って衛生班のところへ。俺はあいつと戦う」

「分かりました。ご武運を」

 

リョウはすぐにエジリスが飛ばされた方へ向かう。

 

「あなたは…動けそうですね。この人にあまり時間はありません。急いで戻ります」

「あんた、あいつの使い魔だろ!?ならあたしたちのことは知ってるだろ!あたしたちでこのざまだ。あいつが勝てるわけ…」

「今のリョウ殿なら行けるはずです。理論上なら7段階目の力かそれ以上、出せるはずですから」

「…それってどういう」

「説明は後です。この人の脈が弱くなりつつあります。急いで診てもらわないと」

「…分かった。今はあいつに任せる。あたしも後から追うからあんたは最高速度で姉貴を運んで」

「分かりました」

 

サクとマートはすぐに移動を始めた。

 

 




そろそろ終盤かな?
多分そうだろ。
でも、この戦争が終わった後どうしようか困っています。
話はできてますよ?
でもまた2、3年簡単に飛ばしちゃいそうで怖いんです…。
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