異世界にて〜魔法と科学の小競り合い〜   作:tubukko

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書くことがない…(前書きに)。

とりあえず楽しんでってください。
いまだに素人のような読みにくい文面ですけど。


メリットとデメリット

「…きたか」

 

先ほどまで火柱が立っていたところから少し離れたところにエジリスは立っている。

そこにリョウがやってきた。

 

「無傷かよ」

「ここまで来て第一声がそれか?それに腕にやけどしてるぞ」

「さっきの電磁砲の話だよ。120%だったんだぜ、威力」

 

先ほど使った電磁砲を取り出すリョウ。

すでにボロボロになっており使い物にはなりそうにない。

 

「物はもっと大切に使え。それ一つ作るのにいくらかかると思ってるんだい?」

「…100万弱?」

「300万だ。修理でも50万は固いぞ?」

「まさか敵にそんなことを教わることになるとは…」

「私も教鞭を振るうとは思ってなかったよ」

 

エジリスがリョウをまじまじと見る。

詳しく言うとリョウのドールを見る。

 

「分かるか?実は4段階目なんだよ、これ」

「こんなときに進化するとは…、ビムの時もそうだったな。しかし、いいのか?」

「何がだ?」

「せっかくそれ以上の力が出せるはずなのにそんな余裕こいてていいのか?」

「効果は切れてるよ。電磁砲撃った時にはすでにな」

「それは残念だったな。つまり君は4段階目で私に勝とうとしているのか。コロナを装備した私に」

 

完璧になめているらしく無限に溢れる魔力があるのに保険をかけようともしない。

 

「コロナ…ね。もっと楽なものだとよかったんだけど」

「知っているのか?」

「ある不思議な幼女から聞いたんだよ。魔力が無限大になるんだっけか?」

「物知りな幼女だな」

「…なぁ、あんたがマスターとか言われてる奴でいいのか?」

「そうだな。それがどうかしたのか」

 

エジリスが返事をするとすぐにリョウが臨戦態勢に入る。

 

「…もしかして地雷だったかな?」

「お前がクロを苦しめたんだな?」

「連れてきたのは私ではないんだが…」

「だが命令を出していたのはお前だな」

「そうなるな」

「十分だ、お前を殺す理由としては」

 

ヒュニスをエジリスの周りに配置する。

4つだったのが6つに増えていた。

 

「クロの友達か。いい友人を持ったものだな」

「クロの目の前で土下座をするというのなら命は助けてやる」

「なぜ私が謝るのだ?」

「あそこまで苦しませておいて、ずいぶんな言い草だな」

「あいつは帝国の国民だ。なら帝国に尽くすのは当然。私は彼に対してそこまでひどい仕打ちをしてきた覚えはない」

「謝るつもりがないなら…消えろ!」

 

ヒュニスがエジリスに襲いかかる。

エジリスはさっきも使った緑色の結界を自分の周りに張る。

ヒュニスの攻撃を一切許さない。

 

「これがあれば君は私に手出しはできない。クリティウス姉妹のときは油断したが今は油断なしだ」

「なめるなよ!」

 

直接リョウ自身も攻撃を加える。

が、ヒビ一つ入らない。

 

「くそ!」

「こちらからも行くぞ」

 

エジリスが手をかざすと2つ円状の刃が出現しリョウを襲う。

 

「(ここで5段階目の進化をするか?でも確実にとどめをさせられるという保証がない)」

 

リョウが5段階目になるということは一時的に7段階目あたりの力を使えるということ。

もしそれであの結界を破ることができなかった場合、リョウに勝ち目はない。

 

「考え事か?余裕だな」

 

エジリスが手を動かすと刃が戻ってきた。

 

「手動で動かせるのか!?」

「いいや、追跡型に変えた。手動ではない」

 

ヒュニスを使いガードする。

これくらいなら捌くことはできる。

 

「2つでは足りないか…。なら―――」

 

さらに多くの刃が出現する。

 

「―――8あればどうだ?」

「チート野郎め!」

 

無敵のシールドを永遠に張れるのに追跡型の刃がリョウに向かう。

ヒュニスをエジリスに向かわせる暇はなかった。

ヒュニスは6つ。

8つある刃はすべてを押さえることはできない。

 

「くそ!」

 

避けきれず、とうとうドールの手で刃を抑える。

 

「これだけやっても疲れない。やはり素晴らしいなコロナとは。この力があれば帝国も手中に収められるか」

「な…に?」

「そのまんまの意味だ。国とは一番強い者が治めるのが当然。この国を乗っ取った後には主君も倒さねばなるまいな」

 

エジリスはクーデターを起こすつもりだった。

この無限の力を手に入れることで間違いなくつけあがっている。

 

「おっと、油断するつもりはないのにどうしても手を抜いてしまうな。やはり性格の問題か」

「これが、全力じゃないのか!?」

「君だって見ただろう。あの火柱を。一つ目は私が放った魔法だ」

「なに?」

「分からないか?ならその体で受けてみろ。究極魔槍《グングニル》」

 

手に火でできた槍が現れる。

 

「(もしあいつの言うことが本当なら…)」

 

リョウが考えてる暇はない。

だが、ここで進化すればおそらく勝ち目はない。

 

「消え―――」

「待ってほしいの」

 

女の子の声がエジリスの台詞を遮る。

場違いな声と姿に何が起きたのか少し困惑したようだ。

 

「…ここの国の奴は後から出てくるのが好きだな」

「あなたが首謀者なの?」

「相手を知りたいのなら自己紹介から始めろ」

「ミリーナっていうの」

 

それを聞いてエジリスの目が見開く。

 

「なに?」

「耳が悪いの?私はミリーナなの」

「…本当なのか?」

「私を知っているの?」

「サカジマ博士」

 

ミリーナもその言葉に反応する。

リョウには誰なのかさっぱりわからない。

 

「…パパを知っているのね」

「パパ!?」

「本物ならば、意地でも捕まえる必要があるな」

「捕まえられると思うの?」

 

エジリスがリョウにあてていた刃をミリーナに向ける。

 

「ミリーナ!」

 

ミリーナは手で受け止める。

ドールがついているわけでもないのに血は出ない。

そして真っ二つになることもない。

本当に受け止めた。

 

「…こんな玩具で私を押さえられると思ってるの?」

「成程。機械人形という話は本当だったのか」

「リョウ、あなたもなんでこんな玩具に苦戦してるの?」

「リョウ?」

 

エジリスが聞き覚えがある名前に記憶をたどる。

そして思い出した。

 

「ああ!君がリョウ・アマミヤか!」

「それがどうした?」

「いや、一度話がしたかったんだよ。手、抜いておいて正解だった」

「話?」

「主君から聞いたんだけどね、君『地球人』なんだって?」

 

耳を疑った。

こいつ今なんて言った?

 

「何?」

「だから、君がこの星の人間じゃないのかどうかって話」

「…なんで」

「その様子からすると、本当みたいだな。帝国の王である主君が興味を示すのも納得いくな」

「なんでお前が地球を知っている!」

「いや、私は地球とかいうところについては何も知らないよ?ただ主君がね、自分がそこの出身だとか言うもんだから存在を知ってただけだ。そして主君が「リョウという同類がいる」っていうから私も興味を持ってたんだ」

 

リョウにはエジリスが何を言ってるのか分からなかった。

この話が本当なら帝国のリーダーは地球人?

でも、そんなことがあるのか?

地球人はここに来たって何も変わらない。

魔力が特別多いというわけではないし、ドールの力に恵まれているというわけでもない。

仮に強かったとしてもそれだけで王座にたどり着くなんて無理だ。

地球から来たということは、何歳からここに来たかは知らないが少なくともここの生まれではない。

出生届や育ちに不備があるということになる。

王座につく人間がそんなことでいいわけがない。

 

「…信じてないな?」

「当たり前だ。王っていうことは国の頂点にいる奴のこと。そんな奴が地球人だなんてありえない」

「私もそう思うんだが私が生まれたころからすでに彼は王だったからな」

「名前はアキト・カザキなの」

「…情報通だな」

「知り合いなの。昔はいい友人だったの」

「昔…ね。っと、話が長引いてしまったな。お前が地球人ということは分かった。聞きたいことはほかにもあったがこれだけわかればよし、だ」

 

再びグングニルを構える。

 

「そうそう。貴方に忠告しに来たんだった」

「?」

 

ミリーナが本当の目的を思い出し、エジリスを指さす。

 

「コロナを使ってるの?」

「ああ、そうだが。それがどうした?」

「作成中におかしいとは思わなかったの?」

 

エジリスが思い当たることがあるのかミリーナの話に耳を傾ける。

 

「そんなに強いものがある。それなのに誰も作らない」

「それは巫女の霊力という手に入れるには大変なものがあるからだろ」

「それ以前にその作り方があるということは、昔にも作られたことがあるということなの。それなのにそれらしい話は全く聞いたことがない」

「…」

「あなたはその理由を見つけてから作るか考えるべきだったの。そうすれば―――」

 

リーナがリンゴほどの大きさの黒い球体を取り出した。

 

「―――あなたは無様な姿で死ぬことはなかったかもしれないの」

 

取り出された球体は磁石に吸い寄せられるように、しかしものすごいスピードでエジリスに向かった。

エジリスは結界があるからそこで止まる。

そう思っていたのにその物体は結界を通り抜けた。

そして、エジリスの体に吸い込まれた。

 

エ「なっ!?」

 

しかし、何も起きなかった。

体に入っても、何も起きなかった。

 

「…いったい何をした?」

「コロナっていうのはね、作られた当初はまさに最強の装備と言っても過言ではなかったの。でもそれは長く続かなかった」

「何?」

「コロナを装備した人が独裁政治を始めたの。でも民衆はそれをよしとしなかったの。彼らは練った、対策を。そして完成させたの」

「完成、させた?」

「コロナを粉砕する道具を」

 

エジリスからものすごい魔力が溢れだす。

 

「うおっ!?」

「これは!?」

「コロナっていうのはね、霊力を魔力に変換する速さを極端に上げるもの。そして今あなたにあげたのはインサニア。これを装備した人は魔力の貯蔵量が上がるの」

「何がしたいんだ?君がやったことは私の強化じゃないか、それでは」

「それは表の顔なの。でもそれには裏の顔があるの」

「どういう意味だ?」

「表は魔力の貯蔵量を上げる。でも裏は―――」

 

突如、張っていた結界にひびが入る。

 

「あふれる魔力のせいで決壊の固定ができなくる。つまり防御魔法を一切使えなくする、最悪の装備品」

 

エジリスの結界が壊れる。

 

「なに!?」

「民衆がコロナを装備した相手に対して手を焼いた理由は最強の盾が常にそいつを守っていたからなの。古人は言った、『攻撃は最大の防御』と。でもそれは違うの。結局その人は数で押した民衆に負け、命を絶った。…リョウ!」

「お、おう?」

「後は任せるの。相手は防御魔法が使えない攻撃馬鹿。あなたなら、倒せるはずなの」

「馬鹿な!嘘だ!」

 

結界を作ろうとするが、何も起きない。

 

「お前は戦わないのか?」

「私はただ硬いだけの機械人形なの。強い魔法を使われればひとたまりもないの。私だって命は惜しい」

「そうか。礼は言っておく」

「最後の大仕事は任せたの。礼を言うのは私なの。私の世界を、ミューズデルを守ってほしいの」

「…分かった」

 

それを聞くとミリーナはいなくなった。

 

「くそ!クソクソクソ!」

「何焦ってんだよ?」

 

エジリスが怒りに満ちた顔でリョウを睨む。

 

「貴様ら…!」

「防御は使えなくても攻撃は使えるんだろ?ならいいじゃねぇか。それともあれか

か?盾がないと怖くて戦えないの?」

「…おもしろい」

 

エジリスが両方の手にグングニルを作り出す。

リョウにも勝機が見え始めた戦いが始まった。




「地球人…?」

リョウをようやく探し当てたマーシャに待っていたのは答えだった。
一度見た覚えのある女の子もいる。
関係者だということはすぐにわかった。
しかし、そんなことは今はどうでもよかった。
リョウがこの星の人ではないという答えが出た。
もちろん完璧には信じてない。
だが、この場面で嘘を言うのはあまりにおかしい。
そして、違う星の人ならば今までの違和感が納得いった。

「…まさか、面白半分で考えてたことが当たってしまうなんてね」

こんな時代にもありえないことも起きるもんだなぁ、と遠い目をする。
突如、大きな魔力を感じてそっちを見る。
結界が壊れ、焦っているエジリスと、希望を見出した目をしたリョウが見えた。
はじめは加勢するつもりだった。
でも、その目を見て考えは変わった。
これはリョウの戦いだと、思った。
そして、必ず勝てると。
わざわざ勝てる戦いに自分が出ていっても大した意味はない。

「この戦いが終わったら、飴と鞭をあげなくちゃね」

自分に言い聞かせた。
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