これからは慣れないコメディ的なものを書いていくか…。
何話かけるのかなぁ?
「そっちの患者は?」
「ランク2です」
「先生!こちらはランク5です!」
「2の患者は後でも大丈夫だ!5~8の人をこちらへ回せ!」
「先生!ランク10です!」
「ランク9~10は全員N先生のもとへ!急ぐんだ!」
唯一攻撃を受けていない男子寮(4~6年生用)はけが人でごった返していた。
あちらこちらでうめき声や泣き叫ぶ声が聞こえる。
リョ「…」
マ「…」
何もできない。
今回の戦争は恐ろしい数の人が死んだ。
一年生のころ、ビムが攻めてきた時も死んだ人はいた。
だが、今回とは規模がまるで違った。
もちろん問題は人の死んだ数ではない。
だが、それでも目の前にする人の数が違った。
リョ「くそ!」
マ「…リョウ、あなたはこの戦いを終わらせることに貢献したのよ?あなたが苦しむことなんて」
無力だった。
2人は人の治療なんてできない。
回復魔法は使えない。
戦いを終わらせることはできた。
でも、犠牲が多すぎた。
「リョウじゃねえか!」
声をかけられた。
リョ「レックス!無事だったのか」
レ「なんとかな。だけど、このざまだ」
松葉杖をついている。
体中に包帯が巻いてあり、ところどころやけどをしている。
リョ「ケイトに治してもらわないのか?」
レ「あいつはここの院長の息子なんだそうだ。今は他の重症患者優先だ」
リョ「そうか…」
「姉貴は!?姉貴は助かるんだよな!?」
ひときわ大きな声が聞こえた。
マート・U・クリティウスだ。
「それはまだ…」
「なにやってんだよ!さっさとケイトの所に連れていけ!あいつなら…」
「体の傷は治しました。その点では無事ですが…」
「なんで絶対助かるってならないんだよ!」
「霊力の消費が激しい。今は霊力はすでに戻りましたが、いきなり9割ほどの霊力を使いました。体がついていけてないんです。ここから先は彼女自身の精神力にかかっています」
「そんな…」
リョ「…」
マ「リョウ…」
レ「…リョウ、こんな時ですまんがマクアドル先生が探していた。今はお前の部屋を病室代わりにしている」
リョ「分かった。行ってくる」
マーシャとレックスに別れを告げ、マクアドルのもとへ向かった。
「先生…」
「ああ、リョウ君。お疲れ様」
マクアドルがいた。
服こそボロボロではあるが体は無傷だった。
「さっきまで院長さんに治療してもらってたんだ。あの人はすごいね。おかげでぴんぴんしてるよ」
「そうですか…」
「ずいぶん暗い顔してるね?」
「なんで先生はそんないつも通りでいられるんですか?」
「…私がいつも通りに見えるかい?」
それを言われてマクアドルを見る。
確かに、どこかいつもと違ってるような気がした。
怒り、なのだろうがこんなマクアドルを見たのは初めてだから正直どんな感情なのかは分からない。
「すいません。俺だけこんな…」
「分かってくれればいいんだ。いくら私と言えどもここまでされていつまでも黙ってるつもりはないからね」
「それってどういう…?」
「帝国に復讐をするっていう意味なの」
ミリーナが現れる。
ミ「まずリョウ、この世界を守ってくれてありがとうなの」
リョ「これでお前の世界を守れたというのか?」
ミ「私が予測した最悪の状況だけは避けられた。十分守ってくれたと言えるの」
マ「そうだよ、リョウ君。おそらく君がいなければ皆殺しは避けられなかった」
リョ「そう言ってもらえると少しは気が楽になるよ」
ミ「…リョウ」
ずんずんとミリーナが近づく。
リョウの前まで来ると手で「顔を下ろせ」と合図をした。
リョ「いったいなん、ってイタタタタ!」
ミリーナがほっぺを思いっきり引っ張る。
リョ「イタタタタ!痛いって!」
ミ「お願いだからそんな悲しい顔ばっかりしないで」
その言葉にリョウはハッとする。
ミ「あなたは今ではいろいろな人の中心となる人物なの。そんな人がいつまでも悲しそうな顔をしていたらみんな悲しむ」
リョ「…」
ミ「この状況で笑ってとは言わないの。でも、そんな顔しないで。私も悲しくなるの」
リョ「…すまない」
ミ「分かってくれればいいの」
リョウを放し、笑顔を見せる。
リョ「ただ、この場面で笑顔を見せるのもどうかと思うけどな」
ミ「いや、こういう時こそ笑顔になるべきだと思ったの」
リョ「…間違ってるとは言い切れないけど。そういえば先生、なんで俺を呼んだんですか?」
マ「ああ、それは君の無事を確認したかったからだよ」
リョ「それだけ…ですか?」
マ「私だってこんなことがあった後すぐに状況確認をするほど鬼畜でもないし、そんなに強くないよ」
リョ「なら自分からきてくれれば―――」
『失礼しまーす』
転移装置のほうから複数の声がする。
リョ「マーシャ、レックス、フィリアに…ってみんなしてどうしたんだよ?」
マ「クロは来てないわよ?」
リョ「えっ?」
マク「安心しなよ、彼はラブトリアの本拠地を教えるために捜索隊と一緒に移動しただけだからさ。誰かを探しに行くみたいだったけど」
おそらく母親を探しにいったのだろう。
しかし、ラブトリアの基地の案内を任されたということは本性が知られてしまったということである。
リョ「先生…」
マク「安心しなっていっただろう。彼は結局こちら側に寝返ったし人質だって取られてた。情状酌量の余地は十分にあるさ」
リョ「よかった…」
マク「それよりみんなで押しかけてきて、いったい何の用だい?」
ミ「私も気になるの」
レックスが得体の知れないようなものを見る眼をする。
レ「…なんだこいつ?」
ミ「子供に対して酷い言い草なの」
リョ「黙れよ、おばさん。レックス、こいつはこう見えてもマクアドル先生より遥かに年上だぞ?」
ミ「永遠の子供になんていうこと言うの、リョウ」
リョ「事実だろ」
フィ「ちょっと、みなさん。今回ここに来たのはそういう目的じゃないでしょう?」
マ「そうよ、そんなおばさんの相手は後にして。今はリョウに用があるんだから」
ミ「…(涙目)」
リョ「俺に?なんだよ?」
みんなが黙り目線で「お前が言えよ」と譲り合いをしている。
ミィヤがしびれを切らした。
ミ「あんたがここの星の人じゃないってことがばれたのよ」
リョ「…まじで!?」
ミ「それならこの変な空気も納得いくでしょ?」
マ「…あなたが敵と話しているのを聞いたの。そこであなたは地球?とかいうところから来たって」
マクアドルに助けを求める。
マク「リョウ君。もういいじゃないか、別に話したって」
リョ「ですが…」
マク「もともと話すつもりだったんだろ、いつかは。そのいつかが今だよ」
ミ「私もいいと思うの。別に支障は出ないの」
マク「それに…みんな聞きたがってるよ?」
全員リョウが話すのを待っていた(ミィヤは特に興味を見せなかったが)。
リョウは腹を決めた。
リョ「分かった、話すよ」
そこからリョウはすべて話した。
マーシャにあった時のこと、ミリーナに頼まれたこと、地球でのこと。
みんな黙って聞いてくれた。
信じてくれているのかは、分からない。
だが、「ありえない」だの「本当のこと話して」だのと頭ごなしに否定はしなかった。
マ「成程。ようやくすべて納得がいったわ」
リ「これはいい記事になるわね。書くことがいっぱいだわ」
レ「いや、しばらく新聞部は活動休止だろ」
フィ「そうですよ。それにあまり広めてはリョウさんに何か良くないこともあるかもしれませんよ?」
リョ「…信じてくれるのか?こんな突拍子もない話」
すべて話し終わったリョウの問いに対してハ?という顔をする、みんな。
マ「どういう意味よ?」
リョ「だって、お前らから見ればとてもあり得ない話だろ」
マ「あなたは嘘をついてるの?」
リョ「いや、本当のことを話したつもりだけど…」
マ「なら十分信じるに値するわよ。ねっ、みんな?」
レ「俺は信じるぜ」
リ「私も」
フィ「私もです」
ミ「夫が言うこと信じない妻はいません」
視界がぼやける。
いつの間にか涙があふれていた。
リョウは別に涙もろい人ではない。
でも、ここまでうれしいことは初めてだった。
リョ「みんな、ありがとう」
マ「泣くんじゃないわよ、せっかくの男前な顔が台無しよ?」
ミ「今晩は私が慰めてあげるわ」
リョ「いや、それは遠慮しておく」
ミ「何言ってるのよ!?一日デートを忘れたとは言わせないわよ!」
リョ「それは昼間に買い物を付き合うっていう話だろ?」
ミ「何言ってるのよ!一日は夜中0時からその日の23時59分までよ!それだけあれば既成事実も十分できるわ♪」
マ「あなたはこの場面でも変わらないのね…」
ミ「マーシャ、愛のハグができたからっていい気になってんじゃないわよ!私はそれ以上に進展して見せるわ」
フィ、レ、リ「愛のハグゥ!?」
マ「あ、あれはそんなんじゃないわよ!」
ミ「あなたがなんて言おうとかまわないけどデート券は明日にも使うわ。いろいろ今日は準備しなくちゃね」
マ「あ、あんたがそう出るなら私だって一緒にいるわ!」
リョ「なんで!?」
マ「わ、わたた、私だって…!」
マーシャが頭から湯気を出し停止する。
リ「マーシャ!?」
フィ「止まりましたね…」
レ「モテる男はつらいな、リョウ」
リョ「お前も黙ってないでこいつ(ミィヤ)を止めてくれ!特に先生!なに『俺は関係ない』みたいな顔してるんですか?」
マク「いや、本当に関係ないし…」
リョ「あります!生徒の男子と女子が一晩過ごそうとしているんですよ!?教師として止めてください!」
マク「でもリョウ君もミィヤ君も20過ぎてるでしょ?それだったら別に構わないよ。むしろ子供ができたら喜ばしいじゃないか」
リョ「アンタを頼りにした俺が馬鹿だった!」
ミ「許可も貰ったからじゃ、明日待っててね、あなた♪」
ミィヤは上機嫌になりながらその部屋を後にする。
リ「さっきまで結構シリアスな展開だったのに…」
レ「ミィヤはある意味大したやつだな」
フィ「ですよね…。ところで―――」
フィリアが隅っこで体育座りしているミリーナに近づく。
フィ「あなた、お名前は?」
ミ「…ミリーナ」
フィ「私はフィリアっていうんです。よろしくね?」
今のミリーナには子供に接するように接してくれるフィリアの優しさがかなり響いたようだ。
ミ「…」
無言のままフィリアに抱き着く。
フィ「よしよし…」
頭をなでるフィリア。
ミ「…私この人の娘になるの」
リョ「ずいぶん思い切った考えだな」
ミ「私は鬼しか存在しない地獄にも仏はいるとこの人に教わったの」
リョ「…そうか」
レ「そういえばお前何者だよ?手の奥に銀色の何かが見えるぞ?」
エジリスの攻撃を受け止めたときに皮膚を少しえぐられて中が見えている。
ミ「私はミリーナ。謎多きロボット幼女なの」
リ「なんかまためんどいのが増えたわね」
ミ「申し訳ないけど、私のことは多く話せないの。それに今はそろそろ帰らないとなの」
リョ「今日ぐらいゆっくりしていけばいいのに」
ミ「パパの情報が入った以上、見過ごすことはできないの」
ポケットから一枚のディスクを取り出す。
リョ「それは?」
ミ「あいつらの本拠地から拝借してきたの」
マク「…できればそういうことはやめてほしいんだけど」
ミ「これだけにしておいただけありがたく思うといいの。じゃ、私はパパについて調べるから」
そう言うとフィリアから離れる。
ミ「フィリアさん、ありがとうなの。また来るの」
フィ「フィリアでいいですよ。またね、ミリーナちゃん」
それを聞くとミリーナは消えた。
リ「…今のって」
リョ「瞬間移動だそうだ」
レ「本当に謎多きロボット幼女だな」
マクアドルが重い腰を上げる。
マク「さて、私も業務に戻るとしよう」
リョ「ケガしてたのに大丈夫なんですか?」
マク「Nの力をなめちゃいけないよ。完治してるさ。それに実は今のこの時間はサボリなんだ」
レ「…先生も十分謎多きですね」
マク「そのつもりはないんだけどねぇ…。とりあえず君たちは今日はもう休みなさい。この部屋は取ってあるからみんなで好きに使うといい。ベッドは2つしかないけどそこはうまくやってくれ」
リョ「分かりました」
マク「じゃあね~」
転移装置に乗り、どこかへ行ってしまった。
リ「とりあえず、マーシャをベッドの上に寝かせましょ。フィリア、手伝って」
フィ「はい」
よいしょ、と持ち上げマーシャをベッドへ運ぶ。
リョ「そういえば、俺たちの使い魔はどうした?」
レ「使い魔は全員、町のお掃除に駆り出されたよ」
リョ「掃除?」
レ「がれきの撤去や、生存者の救出、それと死体を運んだり…な」
リョ「使い魔にそんなことを…!」
レ「仕方ないさ。あいつらは俺たちより丈夫で精神面でも強い。人助けにはうってつけだろ」
リョ「でも…!」
リ「大丈夫よ。軍隊も動いてるし夜には帰されるわ。あの子たちには申し訳ないけど働いてもらいましょう」
フィ「帰ってきたら、しっかり労ってあげないとですね」
そうだな、と返事をしようとして突然睡魔に襲われる。
レ「どうした、リョウ?」
リョ「なんか突然、眠くなってきた…」
フィ「ならゆっくり休んでください。私はお風呂借りますね」
リ「じゃあ私も!」
レ「俺は少し外を見てくる。風に当たりたい気分なんだ」
リョ「分かった。それじゃ、お休み…」
リョウはベッドに寝っ転がるとすぐに眠りについた。
目が覚める。
自分のドールの世界で。
今回は起こしに来ないのか?とあたりを見渡すと女性が一人立っている。
リョ「…」
呼びかけようと思ったが、名前を知らない。
リョ「…水!」
「今は水じゃないでしょ!?」
返事が返ってきた。
以前、水でできてた人?とみて間違いないようだ。
金髪の腰のあたりまである長い髪。
背は170cmほどあり特徴的なのは胸。
おそらくFカップはあるであろう。
「デカいな、胸」
「それ、セクハラじゃない?」
「俺のドールだし、この世界に警察はいるのか?」
「いないわよ」
「なら、気を使う必要なし」
リョウは立ち上がりよく、周りを見渡す。
「…何を探してるの?」
「もう一人いたじゃん。あいつは姿見えるようになったかなぁ、と思って」
「ここに、いるわ」
電子音の声がする。
影のような物体が立っていた。
リョ「お前は影、か」
影「いい名前ね」
リョ「皮肉か?それ」
影「とりあえず、生きて帰れておめでとう」
水「そうね、よかったわ」
リョ「いや、お前らが進化させてくれたからだ」
水「そのお礼ならミリーナに言いなさい」
リョ「なんで?」
水「彼女が進化をこの日まで止めてと言ってきたのよ。私達としてはとてもつらいことだったけど」
影「言うこと聞いて正解だった」
突然、水がリョウに抱き着く。
リョ「!…?!」
水「本当に生きててよかった。あなたが死んでしまったら、私たちは…」
マーシャにも抱き着かれたことはあるが彼女はそんなに胸は大きくない。
初めての感触だった。
水「本当に…、本当に…」
影「水、リョウが苦しそう」
水「そんなことないわよ。それに女子の胸に押されて苦しそうならむしろうれしいことじゃない」
影「…女子の魅力は、胸だけじゃない」
水「あら、やきもち?でも残念ながらあなたにスタイルで負ける気はしないわよ」
影「…そんなこと、ない」
水「まぁ、リョウが7段階目になればすべて分かることよ」
影「…」
影が自分の胸を確認する(服を引っ張って中を見ているようだが影のような感じなので、リョウたちからは何をしているか分からない)。
影「…私だってそのうち」
リョ「あの、スタイルの話になるのなら俺はもうどうでもいいのでは?」
水「それもそうね。じゃあ帰しましょうか」
リョ「お前ら、何のために俺を呼んだんだ?」
水「いや、声が聞きたいなぁと思ってね」
リョ「労力使うわけじゃないからいいんだけど…」
水「これからもこんな感じで呼ぶことあるからよろしくね♪」
リョ「まぁ、そんな頻繁じゃないしいいけど」
リョウの体が薄れ始める。
水「あっ!あと、お姉さんから一つ」
リョ「?」
水「相手は1人にしなさいよ。優柔不断だといいことないわよ?」
リョ「なっ、何言って…!」
水「じゃね~」
リョウは姿を消した。
「…ねぇ、水」
「なにかしら?」
「私たちの名前本当にこれになりそうなんだけど…」
「…」
「いいのかしら?」
「…次会うときまでには考えとくわ」
「…(嫌じゃないんだ?)」
あと1話で50話目。
よくここまで続いたなぁ…。