異世界にて〜魔法と科学の小競り合い〜   作:tubukko

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どうもです!
一話前にお気に入り登録が29でとまってたと書いたところ、21日に見たら30になってました。
ということで頑張って夜書きました。
皆さん本当にありがとうございます!

だけど、また29に戻ってたり…。
でもまた30になってたり。
この狭間の戦いはどうなるのか?
それでもあきらめません!
これからも続いていくのでよろしくお願いします!


チョコを!part2

マ「…」

ミ「…」

 

2人は今リョウの部屋の転移装置の前まで来ている。

もともと転移装置はあらゆる場所に点在していて、それはどこにでも繋がっている。

やろうと思えばマーシャの部屋からリョウの部屋まで1回の転移で行ける(時間はかかるが)。

だがそれは部屋の主か、先生にしか出来ないようになっている。

つまり、マーシャの部屋から一瞬でリョウの部屋に行けるのはリョウか相部屋のクロ、あるいは教師のみなのだ。

では、女子が男子の部屋に行くにはどうすればいいのか?

行き方は2つあり、1つは女子寮にある専用の転移装置から相手にOKをもらい、つなげること。

そしてもう一つは男子寮にある、専用の転移装置から行くことだ。

ネーム持ちや貴族となれば自分専用の転移装置が与えられるのだが一般生徒にはそんなのはない。

1学年、50しかない転移装置を使って移動をするのだ。

 

マ「リョウって、確か専用の転移装置、今日だけ与えられてたわよね?」

ミ「リリアが計ってくれたって言ってわ」

 

しかし、今のリョウには転移装置が与えられていた。

男子寮の転移装置を使えばだいたい部屋までタイムラグが10秒程度だ。

なぜ、ネーム持ちでもないリョウに転移装置が与えられたのか?

逸材だからではない。

リリアが教師に要求したのだ。

マーシャたちはそれを聞いていたのでその専用の転移装置前までやってきていたのだが…

 

マ「ならなんでこんなに人がいるのよ?」

ミ「私が聞きたいわよ」

 

恐ろしいほどの人でごった返していた。

ケイトの部屋の前にいた20人程度なんて比ではない。

 

マ「あいつ、地球じゃ義理5つって言ってたのに…」

ミ「でもモテる理由は分かってるんじゃない?」

マ「…確かに。リョウはある意味白馬の王子様そのものだもんね」

ミ「いろんな事件に頭突っ込んで今回に至っては解決に貢献。しかも逸材。モテないわけないわよ」

 

リョウは今や時の人だ。

ミィヤも言った通り、1年の時にビムの撃退、合宿での戦闘(これは一般的には知られてない)、今回の戦争の終止符を打った人、そして5段階目のドール。

これほどきらびやかな経歴を持っていると中の中以上のルックスがあればモテモテになるのも当然だ。

 

「でもこれ、本当に全員リョウ相手なのかしら?」

「どういうこと?」

「だってリョウの相部屋にクロがいるじゃない?あの子はどうなのかしら?」

「…やるわね、盟友」

「なによ、盟友って。でも、おそらくこの原因はクロにもありそうね…」

 

実は、クロも結構モテていた。

武器はもちろん、かわいいというルックス。

子供のように小さい身長にかわいい顔。

まぁ、たまらな女子もいるのだ(男子にもいるが)。

そこらの女子よりメイクすればかわいくなる。

クレアが狙わない理由がいまだにわからない。

 

「にしてもさっきから全然進んでる気しないんだけど?」

「いっそのこと私が札ですべて吹き飛ばす?」

「それしたらリョウの部屋いく前に職員室、最悪警察署行きよ」

「そういわれてもこれは黙ってみてるといつまでかかるか―――」

 

「なによ、あんた!」

 

大きな声が響く。

何事かと声がするほうを見る。

 

「さっきまで私がいたじゃない!さっさと私を入れなさいよ!」

「列から外れたあなたが悪いんですぅ。おとなしく最後尾に戻れば?」

「何言ってるのよ!私ここで30分もリョウ様の部屋に入るの待ってたのよ!?あなたみたいなブスの泥棒猫にさきこされるなんて絶対嫌!」

「ちょっと、誰が泥棒猫ですって!?」

 

口喧嘩勃発。

列を外れただの外れてないだののみじめな言い争いだ。

 

マ「…あいつもリョウ狙いなのね」

ミ「敵じゃないわよ。それより見てあれ」

 

ミィヤが指さした方向を見るとリリアが超笑顔で写真を撮っている。

この展開を待ち望んでいたようだ。

 

マ「…何ともいえないわ」

ミ「そしてあっちでは…」

 

ミィヤが違う方向を指さす。

そこはさっきの2人が言い争っていたところだ。

人が増え論点が変わって、誰がリョウにふさわしいかになっている。

 

マ「あれが何よ?」

ミ「よく見なさい。あそこ」

 

目を凝らしてよく見る。

すると言い争ってる輪の中にフィリアが見えた。

なんか焦っている。

おそらく巻き込まれたのだろう。

 

マ「…あの子もつくづくかわいそうね」

ミ「助けないの?」

マ「今この列外れたらどうなると思ってるの?」

 

後ろに続く長い列。

どこのアイドルの握手会だよ!?とツッコみたくなる。

 

ミ「それもそうね。フィリアには悪いけど―――」

 

「もう頭きた!」

 

パチン!と騒がしかったはずなのにビンタの音がしっかりと響き渡る。

殴られたほうも黙っているわけがない。

罵詈倒言が飛び交いながらビンタの浴びせあいが始まる。

 

「もうふっとべぇ!」

 

遂にドールを展開して殴り始めた。

被害が拡大し、アグレッシブな女子たちが次から次へとドールを展開し始める。

ドコン!と床なめり込む音までし始めた。

 

マ「これはまずいんじゃ…」

ミ「…私もこれはさす―――」

 

ミィヤに突如流れ弾がとんできた。

床の破片がおでこに当たる。

 

「ミィヤ!?大丈夫?」

「…」

 

次の瞬間、ミィヤの目が怒りに変わる。

 

「てめらぁ!いいかげんにしろぉ!!」

「ちょ、ミィヤ!?」

 

ミィヤはマーシャの言葉を聞かず、戦場へと向かっていった。

そのせいで魔法まで加わり被害がさらに拡大。

戦闘能力が低い女子は逃げ始める。

マーシャに向かって人の波が押し寄せる。

 

「なっ、やめてよ!私まだリョウのところいってないの…よ!」

 

ドールを展開し、空中へ避難。

その時気づいた。

誰も、転移装置の周りにいない。

 

「…」

 

残ってる人は全員戦闘中。

 

「…」

 

マーシャは無言のまま転移装置に乗り、リョウの部屋に向かった。

 

リョウの部屋につく。

見慣れている光景だ。

何度も来ている。

なのに、緊張する。

 

(なんで私がこんなに緊張しなくちゃいけないのよ!リョウのせい?いや、別に私はあいつのことなんて…)

 

チョコを私に来たつもりが、変な言い訳を考える方向に走る。

 

(そもそもなんで私がここに来なくちゃいけないのよ?私が作ったんだから来てくれれば…って遅いわね?)

 

ここで無断で入ってきたことに気づく。

いつもなら鍵がかかっている、つまりリョウに確認をとらなければ鍵は開いていないはずで転移装置は起動しない。

おそらく何人も来るもんだから開けっ放しにしたのだろう。

大きく深呼吸をして呼んだ。

 

「リョウー?クロー?マーシャよ!」

「おう、マーシャか」

 

すぐにリョウが出てきた。

 

「クロはどうしたの?」

「チョコの多さに嬉しさのあまり沸騰中」

 

本当に貰えないと思っていたらしく、クロは嬉しさのあまりテンションがおかしくなりチョコの山を見て黙っている。

 

「嬉しそうね」

「そうだな。ただ、さっきまであんなにひっきりなしに来てたのに突然とまったんだけど、外で何かあったのか?」

「い、いえ、別に、何もないわよ」

「そうか?」

 

無言の一分間が続く。

 

「あの…」

「なによ?」

「チョコ渡しに来たんだよ、な?」

「そうね」

「ならなんで黙ってるんだ?」

「べ、別に緊張してなんかいないわよ!ほらこれはクロのチョコ!」

「おう」

 

また無言の一分間。

 

「…あの」

「な、なによ?」

「もしかして、俺にはない?」

「あ、あるわよ。ほら!」

「よ、よかったぁ…」

 

予想外の反応にマーシャの顔が赤くなる。

 

「な、何よ。そんなに嬉しかったの?」

「そりゃ、マーシャのだもんな。お前のが貰えなかったら結構傷ついてたぜ」

「そ、そう。それは良かったわね」

「ほんと、お前には感謝しているんだ」

「そりゃ、そ…え?」

「この世界に来てから初めて会ったのがお前。助けてくれたのもお前。初めて親友になったのもお前だと思ってる」

 

リョウはマーシャを特別な存在だと思っている。

だが、それはマーシャが望んでいる関係ではなかった。

近い。

限りなく近くはあるが、逆にその立場に行ってしまうとマーシャが望む立場へ行くのは難しい。

 

「そんなお前からチョコすら貰えなかったらどうしていいかわからなかったよ」

「…そう」

「?」

 

ここでリョウもマーシャの元気がなくなっていることに気づく。

 

「どうした、マーシャ?具合でも悪いのか?」

「いえ、別に何でもないわよ。それじゃ、私はこれで…」

「お、おう。またな」

 

マーシャが部屋を出て行った。

俺、何か悪いことしたかなぁ?と悩んでいるとちょうどサクが帰ってきた。

 

「お、サク。お帰り」

「ただいま戻りました、リョウ殿。ところで先ほどマーシャ殿とすれ違ったのですが…、どこか具合が良くないのでしょうか?」

「ああ。それがな…」

 

さっきあったことをサクに話す。

それを聞いたサクは嘘でしょ?という顔を経て、呆れてため息をついた。

 

「リョウ殿…。失礼を承知で申し上げます」

「なんだ?」

「なんで主は乙女心が分からない鈍感くそ野郎なのですか!?」

 

リョウはこの言葉に面食らった。

怒りは沸いてこないが、驚きがものすごい。

 

「ど、どういうことだ?」

「分からないのですか?ですが私の口から申し上げるには荷が重いです。ですからアドバイス程度で済ませます」

「お、お願いします」

「今すぐマーシャ殿を追いかけてください」

「…なんで?」

「私からできるアドバイスは1つと申し上げたはずです。これ以上は申し上げられません。そしてこれは今のリョウ殿にできる最善の策です」

「でも…」

「いいから、行ってください!」

 

顔の距離5cmまで近づけてものすごい迫力で言う。

 

「…分かりました」

 

あまりの迫力に圧倒され、何も言えずにリョウはマーシャを追いかけに行った。

リョウがマーシャを追いかけに言ったことを確認したサクは急いで何かの準備を始める。

チョコを作ろうとしているのだ(溶かして固めること)。

 

(言っては悪いのですがマーシャ殿には感謝です。ここで私がいい形のチョコができればこれを渡さずに済みます)

 

サクはチョコをすでに完成させていた。

だが、形があれだった。

星形やハート形を作ったつもりなのだが、お世辞にもそれとは言えない。

 

(早く作らねば!マーシャ殿、時間稼ぎお願いします)

 

そう念じてから口から火を噴きチョコを溶かし始める。

 

(…ですけど、本当にリョウ殿は鈍感ですよねぇ。おそらくフィリア殿のケイト殿に対する感情にすら気づいていない様子。一目瞭然だというのに)

 

サクは心の中でため息をつきながらチョコを作り続ける。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

マーシャはがっくりしていた。

せっかくリョウと2人っきりで話せたのに、チョコも渡せたのに、告白できなかった。

それどころかリョウはそんな風にマーシャを見ていないという事実を知ってしまった。

これほど残念だったことはない。

 

「…なんで、こんなことで私は悲しんでるのよ」

 

口では否定しているが分かっている。

心の奥底ではリョウのことが好きだと。

 

「マーシャー、待ってくれ!」

 

リョウが走ってきた。

立ち止まりリョウのことを見る。

 

「…なによ?」

「悪かった」

「は?」

「お前は俺のせいで機嫌を悪くした、それは間違いない。ただ、俺にはその理由がわからない」

「…」

「だから、その…謝ろうと思って」

 

初めてリョウとあったのはただの道。

 

名前もないただの道。

 

そこにリョウは死にかけた状態で寝ていた。

 

つまり第一印象はへんてこな一般人。

 

「理由もわからないのに、謝るの?」

「もう一度言うが俺が悪いのは間違いないはずだ。だから理由なんて関係ない」

「…」

「…いや、関係あるか?」

 

それから叔父の家で一緒に住むようになった。

 

抵抗はなかったのかと言われると完全に否定はできない。

 

が、それ以上にどういうわけか一緒にいたいと思った。

 

「だから、ごめん!」

「やっぱりあなたって変わってるわ」

「…そうか?」

「理由もわかってないのに自分が悪いって思うんだもの」

 

理由は未だにはっきりしていない。

 

でも、彼女のその思いは学校に行っても変わらなかった。

 

本当にはじめは好きという感情は微塵もなかった。

 

そういう感情が芽生えたきっかけはおそらく、ビムが攻めてきたとき。

 

助けてくれた時からだ。

 

「でも安心して。もうなんともないから」

「…本当か?」

「嘘つく理由がないわよ」

「…」

 

それからその想いはものすごい速さで膨れ上がっていった。

 

特に何もなかったはずだ。

 

戦争が起きるまで、マーシャにとってリョウの好感度が上がるようなことは特になかったはずだった。

 

いや、今回の戦争だって特になかったはずだ。

 

でも最後、好きだったから抱き着いてしまった。

 

ビムの時は、生きているのがうれしくて抱き着いていたというのに。

 

「…マーシャ」

「なに?ってきゃ!?」

 

突然、マーシャの頭を抱き寄せた。

 

「な、なな何やってるのよ!?」

「いや、これをするのが一番かなと思って」

「…どんな思考回路よ?」

 

もちろん嫌な感じなんてしなかった。

 

マーシャはこれからも想い続ける。

 

 

かなわないかもしれない。

 

 

でも、そんなの関係ない。

 

 

もちろんこのまま、気持ちを伝えることなく終わるなんてことにはさせない。

 

 

しかし、彼女の性格からして想いを伝えるのはもっと先になるだろう。

 

 

リョウの気持ちが変わる可能性も無きにしも非ずだが。

 

「…で、いつまで大人ぶってるの?」

「20過ぎだぜ?さすがに子供とは言えないだろ」

「それもそうね。でも、もういいわ。あまり長いとリリアに撮られるかもだし」

「それもそうだな」

 

離れる。

本心ではまだああしていたかったが。

 

「じゃ、改めてこれからもよろしくな?」

「当たり前よ。っていうかバレンタインってそういうイベントなの?」

「深い意味で考えればもしかすると…」

 

「あっ!リョウ、やっと見つけた!」

 

ミィヤが走ってくる。

 

「なんで部屋にいないのよ?探したじゃない」

「すまん。ちょっとこっちも用事が…ってどうしたお前、その服?」

「なかなかエロくなってるでしょ?」

 

ところどころ破れて皮膚がはだけてる。

幸い見えるべきではないところは見えていない。

 

「ムラムラしてきた?」

「残念ながら少しもしない」

「そう?じゃ、ちらっと見る?」

「あんた何言ってんのよ?ここは部屋じゃないわよ?他の生徒にもみられるわよ?」

「それは駄目ね。とりあえずこれ、どうぞ」

 

チョコが入ってると思わしき箱を渡してきた。

 

リョ「ありがとな」

ミ「愛の手紙も入ってるからちゃんと見てね?」

リョ「楽しみにしてるよ」

ミ「あと、デートはいつ行ってくれるの?」

マ「デート?」

リョ「いろいろあってそういう約束なんだけどまだしてないんだよ。町はあのざまで買い物すら出来ないし」

ミ「私は一日ずっとベットの上でもいいんだけど」

リョ「絶対にないから。とりあえず、デートはしばらくおあずけだ」

ミ「つれないわねぇ。でも絶対おとしてみせる!」

リョ「それは本人の前で言うべきじゃないと思うんだが…」

 

こうして嵐の異世界でのバレンタインは幕を下ろした。

 

 

 

 

 

 

 

しかし、数日後…

 

「…リョウ」

「…なんだ、クロ」

「これじゃあ寝れないよ?」

「…」

 

バレンタインが終わった後、渡しそびれた女子たちが一斉にリョウやクロにチョコを送ったため、恐ろしい数が2人の部屋に届いた。

部屋が埋まってしまった。

リリアの読みは当たっていたのか、と嬉しいはずなのに肩を落とすリョウだった。

 




~クロとサク~
「あっ、リョウ。やっと帰ってきた」
「悪い。遅れた」

ミィヤたちと別れ、部屋に戻ってきたリョウ。

「ほんとだよ。これ早く渡したかったんだから」

笑顔でチョコの入った箱を渡してきた。
ハート形だ。

「あ、ありがとう」

この流れで告白されたら断れないような気がして変な汗を流す。

「そ、そういえばサクはどうした?」
「…」

普通の箱を持ったサクがいた。

「なんだ。作ってくれてるんじゃないか」
「あ、あのリョウ殿」
「なんだ?…まさか箱を開けたら板チョコが?」
「そうでは、ないのですが…」

箱をあけた。
そこにはお世辞にも上手とは言えないチョコの塊がいくつかあった。

「うまく、作れなくて…。申し訳、ありま、せぇん」

泣きだし始めた。

「ちょ、泣くなって、サク」
「ですが、こんな不格好な…」
「一生懸命作ってくれたんだろ?気持ちが大事なんだよ、この行事は」
「しかし、リョウ殿の使い魔でありながらこの醜態、あまりに恥ずかしくて…」
「何言ってんだよ?俺だって完全無欠じゃないんだから。それに―――」

チョコを一つ取り食べてみる。

「―――うん。おいしいよ」
「本当、ですか?」
「サクが頑張って作ったのが分かるよ。本当にありがとうな」

サクの頭をなでる。
最近いろんな人にこれをやっているような気がする。
だが、これは本当に誰にとっても気持ちがいいものらしい。
サクにも笑顔が戻った。

「ありがとうございます」
「ここでお前が言うセリフじゃないな。まぁ、いいか。さ、みんなで貰ったチョコ食べようぜ」
「リョウ。僕のも食べてみてよ」
「もちろんだ。じゃあ先に食べてみるか」

箱をあけて食べる。
中のチョコもハート形だ。

「…うん。中にアーモンド入れてるな?」
「分かる?」
「これわかんない奴いるのか?でもこれはサクとはまた違う味がするな。チョコの違いなんて分からないと思ってたけど、案外変わるもんだなぁ」

1つ食べて箱をしまう。

「まだあるよ?食べないの?」
「おいしいもんは最後まで取って置く主義なんだよ。そこのチョコの山見ろ」

ざっと見で50はある。

「確かに…、まずこれ食べようか」
「そうだ。サク、お前も手伝ってくれ」
「了解しました」

彼らはその後夜までかけて、無理くりそれらを食べつくした。
何とか鼻血が出るということはなかったのだが、後日50の何倍もある数のチョコが届く。
それから少なくとも3か月、彼らはチョコを口に含むことはなかったそうだ。
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