うまく日を飛ばしながらつなげていきたいと思います。
突然半年、1年飛んでも気にしないでください。
3年と比べればどうってことないんですから。
「ついに…、ついにこの日が来たわー!」
「…そんな叫ぶことないだろ」
リョウは今、学校を出てショッピングモールに来ている。
ミィヤと2人で。
リョウのテンションは低いのだがミィヤのテンションはかなり高い。
このテンションの理由は語るまでもないだろう。
「何言ってんのよ?私がどれほどこの日を待ちわびたことか…」
「お前がもっと普通な女子だったら俺ももう少しは楽しめるんだけど」
今日、この日はショッピングモールが再開した日だ。
つまり、リョウは昨日マクアドルたちと話をしていた。
別にリョウが誘ったわけではない。
ミィヤがこの日を知っていたのだ。
「こんな美人とデートができるっていうのに…、素直に喜びなさいよ」
「言ってる時点で少し評価が下がったな」
確かにミィヤは美人だ。
リョウだってもし、これでアグレッシブでない、普通の女子だったらおそらく付き合ってる。
だが、相手は超がつくほどの肉食系?だ。
ある意味これも残念美人というのかもしれない。
「まあまあ、とりあえず行きましょ?デートなんだから彼氏らしくしてよね」
「…善処するよ」
リョウたちがショッピングモールに入っていく。
そこから少し離れたところに3人の女子がいた。
「…(歯ぎしりすごい)」
「マーシャ、もうちょっと抑えて。見つかったらいい写真撮れないから」
「やっぱり好きなんじゃないですか、リョウさんのこと」
「べ、別にそんなんじゃないわよ」
「今まで人生で聞いてきた言葉の中で一番説得力ないわね」
3人は別にどこかに隠れるわけでもなく、堂々と後ろにいた。
マーシャは髪を金髪に戻しツインテールに。
リリアは銀髪にロングヘアー。
フィリアは黒い髪にお団子ヘアー。
科学が発展したこの世界なら、身長を変えることはともかく外見を変えることなど造作もない。
どこから聞いたのかミィヤたちのデートの情報を聞きつけてきたのだ。
「っていうかフィリア。なんであなたまで来てるの?」
「気になるじゃないですか。他人のデート」
「ケイトとデートの約束したから参考にしたいんでしょ?」
フィリアの顔が赤くなる。
「な、なな。別にそんなこと!」
「大方、バレンタインの時に約束取り付けたんでしょ?すごいわね。私、あなたはもうちょっと奥手だと思ってたんだけど」
リリアはケイトから聞いているのだがそこは言わない。
フィリアから直接聞きだすための罠を今、張った。
「違います!誘ってくれたのはケイトさんからで―――」
「はい引っかかった。誘われたのね?」
「あっ…」
「フィリア、あんたやるわね」
「マーシャさんまで…。別にそんな約束した証拠なんて」
「何言ったってもう遅いわよ。にしても、そんな隠すことでもないでしょうに」
リリアは思う。
なんでこの2人はここまで奥手なのかと。
さすがにミィヤほどまでなれとは言わないがいくらなんでも奥手過ぎる。
リョウがマーシャの気持ちに気づいているかは知らないが、ケイトは気づくべきだろう。
猛アタックとまでは言わないが、お茶の誘いだってフィリアは断らなかった。
少しは気があると気づくはずだ。
だが、それはフィリアにしたって同じことだ。
お茶に誘われたということは気があるということ。
なのに告白しない。
「はぁ、あんたたちこのままじゃ一生恋は実らないわよ?」
2人「うっ!」
「恋愛の先輩として言うわ。さっさと告白しなさい!」
「なっ、何馬鹿言ってんのよ!?」
「そうですよ!もしフラれたらどうするんですか?」
「その時はその時よ。諦めて別の人を好きになりなさい」
「好きな人はそう簡単に変わりません!私だったら立ち直れませんよ!」
「知ったことか!黙って先輩の言うこと聞きなさい!」
軽い茶番が起きる中、マーシャが気付く。
「…恋愛の先輩さん。1つ質問」
「なにかしら?」
「リョウたちが見当たらないんだけど…、どこ行ったの?」
それを聞いてさっきまでリョウたちがいた場所を見る。
そこはすでに人混みとなっており、2人の姿はなかった。
「しまったぁぁぁ!なんていうベタな展開!」
「これじゃ、何か起きても写真に収められないわね?」
「ミィヤが行動を起こすのは間違いないのよ。それを見逃すなんて…絶対ダメ!探すわよ」
「じゃあ手分けしましょう。あそこの内部構造は変わってないんですよね?」
「ええ。構造はほとんど変わってないわ」
「つまり、デカいのね…」
このショッピングモールはミューズデル内で一番の大きさを誇る。
そんな中をたった3人で探す。
骨が折れる作業だ。
「私は2階を探します」
「私は1階を」
「じゃ、私は3階ね。見つけ次第、連絡よ!」
3人がショッピングモールの中に入って行った。
――――――――――――――――――――――――――――――
「ねぇねぇ、これどうかな?」
「悪くはないんじゃないか?ただ、これ結構高いぞ?」
リョウとミィヤは今、小物店(アクセサリーショップ)に来ている。
ミィヤがぜひ行きたいといっていたのでついてきたのだ。
リョウは別に大した興味はない。
「大丈夫よ。今日は結構持ってきてるから」
「そうか?ならいいんだけど…」
「ねぇ、リョウも何か選んでよ。彼氏でしょ?」
「そういわれてもなぁ…。俺、こういうのはあまり興味ないんだよな」
一応、リョウも探してみる。
星、ハート、動物など、いろいろあるが正直どれがいいのかさっぱりだ。
「っていうか、巫女がそんなチャラチャラしていいのか?」
「今の私はただの生徒。そういう役職はないの、だからいいの。…もしかして巫女の服装してるほうが興奮する?」
「いや、そういうわけじゃない」
「じゃあ、今日のベッドの衣装は巫女にしなくちゃね」
「だから、違う!」
「男子ってなんであれがいいって言うの?」
「聞けよ!」
リョウは正直落胆していた。
実はこれが女子との初デートだったのだ。
地球では女子の友達はいて一緒に遊びに行ったことはあるもののデートではない。
20過ぎにしてようやく初デートにこぎつけたもののこれでは先が思いやられる。
「ん~…、まぁいいわ。じゃ、とりあえず次行きましょ?」
「どこ行くんだ?」
「下着を見に」
「馬鹿だろ、お前!俺男!分かる?」
「そう?じゃあ水着選びたいんだけど」
「今11月だぞ?」
いくら気温がここらへんで下がってないとはいえ、それはないだろ。
「リョウ、地球じゃどうだったか分からないけどこの時期でも普通はプールとかで泳ぐわよ?」
「そうなの?」
「温水プールとかもあるし。さすがに海は行かないけど」
さすが、科学が発展しているだけのことはある。
普通に温水プールがあるというのはリョウからみれば大したものだった。
「普通の服は見ないのか?」
「それは後で。午後に見るわ。今は下着か水着を見たいんだけど」
「なら水着だな。まだ俺が入っても大丈夫だろ。その前にトイレ行ってくる」
「場所分かる?」
「この店の奥にあったよ。店の前で待っててくれ」
「分かったわ」
――――――――――――――――――――――――――――――
「こちらマーシャ、2人を見つけたわ」
『1階ね?どのあたり?」
「小物店よ。今移動するみたいだけど」
『分かりました。私たちもそちらに向かいます』
電話をきる。
マーシャは少し離れたところからミィヤを見る。
リョウは奥の方に行ってしまった。
ミィヤの顔はとても満足げだ。
なんだか妬ましい。
(…あんな顔して。リョウが嫌がってるのは一目瞭然じゃない)
うまく目立たないようにしているが、なんか黒いオーラがマーシャから染み出でいる。
と、リョウがミィヤのところに戻ってきた。
笑顔で話をしている。
(なに?あいつ、もしかしてまんざらでもないの?)
リョウたちが移動を始めた。
マーシャも後をつけ始める。
――――――――――――――――――――――――――――――
「リョウ、これなんかどう?」
「…露出度高すぎ」
「気分下がってない?そっちのほうが喜ぶんじゃないの?」
「今の俺の心境が分かるか?」
「早くやりたい」
「違うよ!この店に問題があるんだよ!」
リョウとミィヤは小物店から歩いてすぐの水着専門店に来ていた。
リョウは軽い気分で入って行ったが奥の方に行って気づいた。
ここは、女性の水着を扱う店だと。
男子である自分は場違いもいいところだ。
店員の温かい目が逆に痛い!
「ここ、結構有名なんじゃないの?」
「知名度の問題じゃねぇよ!女性用の水着しかないじゃないか!なんで俺も入んなくちゃいけないんだよ!?」
「別に男子禁制なんてわけじゃないしいいじゃない。ほら、リョウも選んで」
「マジかよ…」
リョウに女性の水着の知識なんてあるわけない。
いや、別にミィヤに似合えばいいので知識なんて必要ないのだが。
しかし、これではさっきのアクセサリの方がまだ選びやすかった。
辺に露出度が高いのを持っていけば何を言われるか分かったもんじゃないし、残念なことに生地が多い水着はあいにく遠く。
ここでミィヤから離れるのはごめんだ。
「これはどう?」
「…あるゲームの女戦士を彷彿させるな」
「私、肌には自信あるのよ。自分の武器は最大限に使わないと」
確かにミィヤの肌は綺麗だ。
さっきも言ったが顔だってかなりいいほう。
美人間違いなしなのだ。
なのに、なぜかリョウのテンションは上がらない。
リョウはこの世界の教訓の一つとして、「人は外見だけでは分からない」というのを学んだ。
「それよりあっちの方にいいのがあるぞ」
「えっ?どこどこ?」
ミィヤをとりあえず露出度の高い水着コーナーから外す。
リョウはできる限りおとなしめの水着であろうところにやってきた。
その時、そこで水着を選んでいたと思われる3人の女子が逃げるようにそこを後にしたのが少し傷ついた。
「リョウ…、これ競泳水着じゃない」
「いいんじゃないのか?」
「これ着て泳ぐのは選手だけよ。遊びでこれはさすがにないわよ」
やれやれとため息をつく。
どうやらこれはないと思われたらしい。
と、ミィヤがはっとした顔をする。
「まさか…、そうか。ごめんねリョウ。今気づいたわ」
「待て。何に気づいたのか詳しく聞かせろ」
「この水着が一番興奮するんでしょ?まぁ、夫の趣味に多少は妻も合わせなくちゃいけないし、これくらいはいいわよ」
「やっぱり、そういう方向だ!違うから!俺はマジで耐えられないだけだから!」
「違うの?ならやっぱりもっとはだけないと」
ミィヤが場所を移動しようとしたのでリョウもついていく。
ここでは、ミィヤについていくしかない。
男子一人でここを彷徨うものなら不審者扱い間違いなしだ。
ここで、さっきの場所のあたりに戻ってくると再び3人組の女子がそこを立ち去る。
そこまで男子が嫌なのかと少し落胆する。
「ねえ、この中だったらどれがいい?」
ミィヤがめぼしいものを見つけていたのか3つほど水着を見せてきた。
1つは本当にビキニらしく、腹、下半身は太ももからはだけている。
2つはリョウの意見を考慮してくれたのか、上は水着というより服を着ている感じだ。
下もスパッツだったりスカートのようなデザインになっており悪くはない。
この2つのどちらかを選べば変な濡れ衣を着せられることはないだろう。
「…真ん中の奴だな」
「え~…。普通ビキニじゃないの?これじゃあちょっと控えめ過ぎよ」
「それを選んだら何か濡れ衣を着せられそうな気がしてな」
「…分かったわ。じゃあ少しは妥協してこれ!」
再び新しい物を出してくる。
上は胸しか隠してないが、下はデザインがスカートのような感じ。
まぁ、最初と比べればかなりましにはなっただろう。
「いいんじゃない。それだったら」
「よし、決定!明日はプールね」
「早いな?っていうか、そんな施設あったか?」
「ドールの水中戦の実習室のプール使えば」
「それいいのか?」
リョウの最後の問いには答えず嬉しそうに飛び跳ねながら会計へ向かって行った。
おそらく、できるかは不明なんだろう。
喜んでいるミィヤははた目からみればとてもかわいい。
何度考えても、もったいないと思うリョウだった。
――――――――――――――――――――――――――――――
「あ、危なかった…」
「危機一髪ね」
「これほしいですねぇ…」
3人は今リョウと50mも離れていない。
分かり切っていたと思うがリョウから逃げていた3人はこいつらだ。
「フィリア。なに水着選ぼうとしてるのよ?」
「せっかく来たんですし、かわいいものないかなぁと思いまして」
「後にしなさい、フィリア。今リョウから目を離したら記事が逃げちゃうから!」
リリアは虎視眈々と記事を狙っている。
彼女が狙っているのはもちろん、恋人がやるような行動だ。
残念ながらこの程度では記事にならない。
「あんたもよく飽きないわよね。毎回恋沙汰の記事狙ってるけど、ちゃんと発行してるの?」
「当たり前じゃない。これは小さくある恋愛のコーナーの記事を探してるからやってるのよ。逸材の恋愛が発覚すれば記事が書けるだけでなく、そのあとの修羅場も記事になるわ」
リリアは後のことも見越しているらしい。
マーシャとしてはそうなる前に止めたいところだ。
「ですけど、ミィヤさん。大胆な水着買いますね」
「あれくらい普通よ。あんたたちもあれくらいして狙ってる人落としなさい」
「でもビキニはちょっと…」
「確かにあんたたち胸小さいもんね」
核心を突かれ、マーシャはたじろぎ、フィリアは崩れ落ちる。
「でも大丈夫よ!リョウは貧乳派だって言ってたじゃない。ケイトは知らないけど」
「フォローになってないわよ…。それにあれだって嘘かもしれないし」
「じゃあ、胸パットでもすれば?」
「ばれた時の頑張ってるんだなっていう目が嫌よ」
「なら栄養ちゃんととって…って、あの子たち移動を始めたわ。行くわよ!」
リリアはテンションを上げながら、後の2人は突きつけられた現実を逃避しながら彼女らの一日は続く。
「…」
「サク、落ち着きなよ」
サクが部屋の中を落ち着きなく歩き回る。
最近は竜の姿でいるより人の方が慣れつつある。
「何言ってる、スノー!主が将来の嫁と豪語している輩とデートにいっているのだ。おちつけるもんですか」
「でも、僕の主だって向かってるんですから大丈夫だよ。…っていうか何を心配してるんですか?」
サクがピタッと止まり、スノーの方を見る。
顔が「お前分からないのか?」と訴えている。
「主が!主が、ミィヤと一夜を過ごしたらどうする!?」
「ものすごいぶっ飛んだ悩みだね!?」
「おそらくリョウ殿から誘うなんてことはないと思うが、ミィヤ。あいつは何するか分からないのよ!」
「まぁ、それは否定できないけど…」
サクはかなり悩んでいるようだがスノーからすれば他人事だ。
熱の入りようが違った。
「でもサク、リョウさんたちはもう20歳超えてるんだよ?子供くらい作ったっていいんじゃない?」
「リョウ殿は望んでおられないはずだ!だかミィヤは望んでいる。だから心配なのよ!」
「そこまで心配ならサクが付き合えばいいんじゃない?」
「!?」
スノーはこの時、爆弾発言をした。
平然とした顔で言うのだからすごい。
人間と竜の考え方の違いだろう。
「ミィヤさんに取られたくないなら先に取るべきかと」
「し、しかし、私はノティスよ?リョウ殿は人間なのに…」
「そんな珍しいことじゃないですよ。妖精と人が結婚したって言う事例もあるし」
「し、しかし…」
スノーのこの発言は後で、リョウに不幸?をもたらす元凶となるのであった。