異世界にて〜魔法と科学の小競り合い〜   作:tubukko

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…まさかこれでこんなに使うとは。
我ながら驚きです。


デートpart2

「はい、リョウ。あ~ん」

「あ~ん…」

 

リョウの口にミートボールが運ばれる。

ミィヤの顔はとても嬉しそうだ。

 

「やってみたかったのよね。恋人にあ~んってやるやつ」

「今時いるのか、こんなことやる奴?」

 

今リョウ達は店の中で昼飯を食べている。

ホットドックの専門店らしく、中はレトロを感じさせるおしゃれな外装だ。

リョウはおとなしくホットドックをたのんだ。

なのに、今ミートボールを口に含んでいる。

 

「だいたいいいのかよ。店の中で持参した食べ物って」

「別にこれが主食じゃないし注文だってしたわ。これくらい許されるわよ。あ~ん♥」

 

ミィヤが再びミートボールを出してくる。

リョウとしては遠慮したいところなのだが、デートを約束してしまったのも事実。

これくらいは付きあってやるしかないと諦める。

しかし…

 

「あ~ん…」

 

食べるときの周りの視線が痛い。

特に彼女がいないであろう男性陣。

羨ましいなぁ…と指をくわえているだけならリョウもまだ無視できるのだが、向けられてるのは100%リョウを敵視している視線。

「こんなところで、んなことしてんじゃねぇ!」と今にも罵声が聞こえてきそうだ。

リョウだって気持ちはわかる。

これには事情がありリョウだってやりたくてやっているわけではないのだ。

しかし、それを理解してくれる人はここにはいなかった。

 

「おいしい?」

「うん、おいしいよ」

 

確かにおいしい。

チョコを貰った時、知ったのだが彼女には料理の技能もあるようだ。

完璧に見えるミィヤ。

リョウとしては本当にもったいない。

 

と、店員が注文した品を持ってきてくれた。

店員の目は敵視ではなく、温かい目だった。

「微笑ましいですよ」と顔からセリフが読み取れる。

 

「あら、ホットドックきちゃった。じゃ、まずこれ食べようかしら」

「そうだな、冷めないうちに食べたほうがおいしいだろ」

 

食べてみて思った。

専門店と言うだけはあると。

この世界にきてホットドックは初めてだったが、地球で食った物よりもうまい。

ソーセージや、ケチャップ等の分量はもちろんのことだがパンがうまい。

これはふわっと言うべきなのか、もちっと言うべきなのか…。

 

と、リョウの目にホットドックを食べているミィヤが目に入る。

正直かわいかった。

少しずつ食べているが、なれない食べ物なのかソーセージが奥に行ってしまいなかなかうまく食べられていない。

口の周りにはケチャップやマスタードがところどころついている。

 

「ミィヤ、口の周りにいろいろついてるぞ」

「えっ?嘘?」

 

口を拭こうとするがティッシュが見当たらない。

 

リョウが持ってきたティッシュを取り出し袋から紙を取り出す。

そのまま身を乗り出しミィヤの口を拭いた。

突然のことにミィヤの動きが止まる。

 

「ほら、とれたぞ」

「あ、ありがとう…」

 

ミィヤが顔を赤くして黙る。

 

「どうした?」

「い、いえ、別に…」

 

再びちびちびと食べ始める。

リョウは何を赤くなっているのか分からなかった。

 

彼は最近までこれをよくサクにやっていたのだ。

サクはもともと竜。

しかし、リョウには竜の時代と同じメニューをあげることは難しかったので学食だったりを食べさせた。

つまり、人と同じ食事をさせたのだ。

それ自体は別にサクにも問題はなかったのだが、箸を握ったことがないサクははじめ苦労した。

ご飯を食べれず、最終的に茶碗を持ち口に押し込んだりした。

麺類だって勢いよくすするもんだからよく汚れた。

お菓子類、ケーキやクレープだって食べ方を知らず、手や口を汚した。

そうするたんびにリョウが拭いていたのだ。

リョウとしては妹ができた感じがして面白かった。

 

だから、ミィヤにも普通にやったのだが、まぁ普通はこんなこと突然されれば驚くだろう。

突然無言になり、食べ終わるまでその状態が続いた。

 

「ごちそうさん、と。で、ミィヤ。次どこ行くんだ?」

「ええと…、服を見に行きたいの」

「服か。まぁ、それならいいな」

 

女性の服を専門に扱う店に行くかもしれないが、水着よりは圧倒的に動きやすいだろう。

 

「じゃ、行くか」

「ええ。そうね…」

 

ミィヤはそこを離れた後もしばらくは顔が赤かった。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

「うんうん、なかなかいいじゃない♪」

「…(握りこぶし)」

「マーシャさん!手!その拳をやめてください!」

 

少し離れた席から3人はリョウ達を見ている。

マーシャはすぐに握り拳をつくり、いつでも殴り込み可能だ。

 

「今時あ~んってちょっとあれだけど悪くないわ」

「なにが、あ~ん♥よ!リョウだって抵抗もしないで…」

「でも乗り気な顔はしてないみたいですよ?」

「それなら少しは口でも言ってやればいいのに」

 

リョウの気苦労を知らない3人にはリョウの気持ちは分からなかった。

 

「でもいい雰囲気ねぇ。今夜は本当に一緒に寝たりしないかしら?」

「何馬鹿言ってんのよ?ありえないわよ」

「そうかしら?もう少しミィヤが女の子らしいところ見せればリョウもおちそうな気がするけど」

 

確かにはた目からみた感じ雰囲気は上々。

付き合っているとしか思えない。

 

「にしても、このホットドック?おいしいですね」

「あんたは気楽ね」

「マーシャさんが気を張りすぎてるだけです。リョウさんから何かしているわけじゃないんですし大丈夫ですよ」

「だといいんだけ―――」

 

マーシャがしゃべりながら2人の方を向くと、リョウがちょうどミィヤの口の周りを拭いてるところだった。

 

「キターーー(゚∀゚)!これよこれ!」

 

リリアがカメラを取り出し写真を撮る。

しかし、見た目はペンとなんら変わらないので周りは気づかない。

マーシャが跳びでていきそうだったのでフィリアが抑える。

 

「マーシャさん!抑えて!」

「あれ、どう見てもリョウからやってるじゃない!」

「きっと事情があるんですよ。今はお願いですから抑えてください!」

 

仕方なく、座り込むマーシャ。

 

「いやぁ、リョウも大胆なことするわね。案外脈あり?」

「リリアさん、マーシャさんの前で失礼ですよ」

「でもねぇ…、マーシャを応援したい気持ちもあるんだけど記事もほしいのよね」

「あんたの記者魂には恐れ入るわ」

「あんたもあれくらい頑張りなさい」

 

たのんでいたコーヒーを口に含み気持ちを落ち着けだせる。

味は普通なはずなのだが、余計に苦く感じた。

リリアも写真を撮り終わり、サンドイッチを食べ始める。

ここに来たのにサンドイッチをたのんだ変わり者だ。

 

「さて、次に行くのはおそらく服の類の店よね…」

「そこまで分かるの?」

「いや、これはあくまで予想よ。外れるかもしれないけどほぼ間違いないと思うわ」

 

サンドイッチを押し込みながら話を続けるリリア。

 

「ここじゃたぶん何も起きないと思うけど」

「なんでよ?」

「勝負は夕方から夜にかけてよ。一日デートって言ってたんだからリョウとしてはベッドに引きずり込まれないよう、長い間いるはずよ」

「根拠は?」

「これも感」

 

お前の感が当たるのか?とツッコミを入れようとしたところ、リョウ達が動いた。

 

「移動するわね。行くわよ」

「え?まだ私食べきってないんですけど…」

「なら持って行きなさい。ホットドックなら持って歩いても変じゃないわよ」

 

フィリアはホットドックを持ちながら、3人は後をつける。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

「ねぇねぇ、これどう?」

「…いいんじゃないか」

「何よ、その気力がない声は」

 

リョウとミィヤは服を見ている。

もちろんミィヤの服をだ。

 

「だって、今何時だよ?」

「え~っと…、4時過ぎ」

「3時間!3時間何件も店をまたいでいるんだぞ?そりゃ疲れるよ」

 

昼飯を食べ終え終わったのはだいたい1時過ぎ。

で、今は4時過ぎ。

3時間、いろいろな店で服を見て回ったのだ。

これが好きなものを対象にしているならともかく、興味がない物を3時間となるとつらい。

 

「そう?じゃあ帰る?」

「いや、それは遠慮する」

「私がリードしてあげるのに…」

「それがあるから嫌なんだよ。それにこれだってとってるんだぞ?」

 

二枚のチケットを取り出す。

これは展望台へのチケットだ。

今は復旧中で都市の夜景は決していいものではないのであまり人気はないが、時間稼ぎにはちょうど良いと思いリョウがとっておいたのだ。

 

「そういえばそれもあったわね」

「忘れてたのかよ」

「じゃあそろそろあそこに行こうかしら…」

「あそこ?」

 

まさか下着店を見ていきたいとでも言うのかと身構える。

 

「今日はデートだったしね、私ばっかり楽しむのはあれだと思って1つ、リョウが好きそうなイベントを用意しておいたのよ」

「そんなものが?」

「じゃあ行くわよ。ついてきて♪」

 

ミィヤについていき店を出る直前、見覚えのある3人が目に入った。

水着の店で避けていた3人だ。

同じく3人は避けてしまい、顔は見えなかった。

 

(あの人達…?)

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

「あら、もう移動かしら?」

「早いですね?夜ご飯でも食べに行くんでしょうか?」

「早すぎよ。まだ4時過ぎなのに」

 

ミィヤ達を観察して一日。

はた目からみればこいつらは何やってるんだと思う。

それでも警備員が来ないのは堂々としているからだろう。

 

「だけどよく3時間も服見て回れたわね…。私は無理ね」

「そうですか?結構面白いですよ?」

「あなたはそうかもしれないけど私は電化製品のほうがいいわ。特にカメラ!」

 

ペンを持ち出し目を輝かせるリリア(ペンには隠しカメラ搭載)。

 

「それはいいけど、どこ行くと思う?」

「…私の予想としては服選んだあとはごはんだったんだけど、早いわよね」

「もしかしてもう帰るんじゃないですか?」

「そうなるとミィヤは間違いなくリョウとやるわよ」

「やめてよ、考えたくもない」

 

リリアとしても予想ができない行動だったようだ。

とはいってもついていけば答えは分かる。

リリアたちはミィヤの後をついて行った。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

「…これは、マジか?」

「マジよ」

 

リョウはミィヤの連れてきたところが信じられずにいた。

部屋には2つのカプセル。

人が1人が入れそうな大きさをしている。

名前は疑似戦闘体験装置。

名前の通り戦闘訓練のために作られた装置だ。

 

「こんなのがショッピングモールの中に?」

「もともとガチな戦闘を目的とはしてないのよ。遊びの戦闘を目的してるの」

 

持ってきた荷物や買ってきた荷物をそこら辺に置き、カプセルを開ける。

 

「まず入ってみればわかるわ。カプセルの中に寝てごらん」

 

言われた通り中に入り寝っ転がる。

カプセルがウィィィィンと音を立てながら閉まる。

顔に目隠しのようなものがかぶせられる。

次の瞬間、気づけば広い空間に体があった。

 

寝っ転がっていたはずなのにと疑問がわく。

 

「すごいでしょ?」

 

目の前にミィヤが現れる。

体がところどころぶれている。

 

「この体はデータなのか?」

「ご名答。今にぶれるのは直るわ」

 

ミィヤの体のブレがなくなる。

 

「じゃ、始めましょ」

「本気出してもいいのか?」

「腕がもげても処女じゃなくなっても現実には関係ないわよ♪」

「おかしなたとえが聞こえたが…、まあいいか」

 

リョウがドールを展開する。

 

「久しぶりだな。これを展開するのも」

「よくできてるでしょ?違和感もないはずよ」

「…そうだな。違いが全然分からないな。でも、いいのか?」

「何が?」

「デートにこんなイベントを入れて」

 

確かに戦闘はデートとしてはおかしい。

恋人とデート、しかも初デートで戦闘?

 

「いいのよ。恋人に彼氏に合わせるのも彼女の仕事よ。それに今回は私だけ楽しみすぎたわ」

「まぁ、お前が言うならいいんだが」

 

ミィヤが札を出す。

ガチなようだ。

 

「私にもバリアは展開してあるから心配しないで攻撃しなさいよ」

「もちろんだ。久しぶりだから加減はできないぞ?」

「いいわよ、夫をしりに敷けない妻になるつもりはないから」

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「ま、まさかここを借りていたとは…!」

 

リリアは地面に膝をついてガクッとしている。

ある一室に入って行ったリョウ達を見てすべてを悟ったからだ。

 

「あれはなんですか?」

「あそこは疑似戦闘体験装置が置いてある部屋の一室よ。あそこに入ったが最後、周りからは何も分からないわ」

「たいそうな名前ね?ここゲームセンターでしょ、戦闘って何よ」

 

マーシャとフィリアは普通に遊びに行ったと思っていた。

ここはゲームセンター。

これくらい普通なのだ。

個室になっているのだって、寝ている間に荷物が盗られたり、体を触られたりしないため。

しかし、リリアの考えは違った。

 

「あんたたち、何言ってんのよ!ここに入って何もしないと思うの!?」

「だってゲームセンターですよね?」

「いい?疑似戦闘体験装置は名前の通り戦闘ができるの。体を傷つけず。ゲームだってインストールすればできるわ」

「それくらい知ってるわよ」

「でも、できるのは戦闘だけじゃないのよ」

 

この言葉に2人がピクッと反応をする。

 

「…まさか」

「そう。やろうと思えば例の行為も可能よ」

「で、でも監視カメラとかは…?」

「部屋にはあるけどゲーム内には記録する装置はないわ。だからここはそういう場所でもあるのよ」

 

それを聞いた2人は突然、ここがゲームセンターに見えなくなってしまった。

なんか子供の遊び場に見えなくなる。

 

「…止める方法は?」

「ないわ。部屋に入れないからね。出てくるのを待つしか…」

「部屋に入れればいいのね?」

「えっ?」

 

マーシャが腕輪をいじくり始める。

フィリアがすぐに止めに入る。

 

「ダメですよ、ドール展開しちゃ!?」

「止めないでフィリア!ここでやめたら私は一生後悔することになるの!」

「ちょ、さすがに私からもお願いよ!ここでそんなことすれば警察沙汰になるわ!」

 

フィリアとリリアで必死に抑える。

この中で肉弾戦で一番強いのはマーシャだ。

しかし、さすがに2人相手には敵わない。

 

「フィリア、ここは引くわよ!」

「ええ、マーシャさんが落ち着くまで待ちましょう」

 

ずるずると引きずられていく。

 

「ちょっと、2人とも!放しなさい!放しなさいよ!」

 

どこかで見た光景を彷彿させる映像だった。




使い魔紹介


スノー
フィリアの使い魔
髪はショートの、黒が強い茶髪。
3歳(人年齢では15歳ぐらい)
身長は165cmとサクより高い(人の状態)。
小逆竜《しょうげきりゅう》といわれる竜で特徴的なのが大きさ。
手の平サイズと小さく、大人になってもサッカーボールくらいが限界。
いつもはあまり強くないのだが、火事場の馬鹿力がものすごい。
フィリアの使い魔としてしっかり責務を果たしているしっかり者。


part3に続く…だと!?
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