異世界にて〜魔法と科学の小競り合い〜   作:tubukko

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今日、天気予報を見て初めて知った。
自分の住んでいる地域はまだ梅雨明けしてなかったんですね…。
これ、勘違いだったら恥ずかしいなぁ。


戸惑い

「…遅いわね」

 

ポツリとつぶやくミィヤ。

この客室に案内されてから早1時間が経とうとしている。

これでも巫女の正式な後継者。

いろいろ我慢することはあったので慣れているといえば慣れている。

だが、おかしい。

軍が1時間も客人を、しかも巫女を待たせるなんておかしいのだ。

態度が悪いということはあるがこんな形で表してくることはない。

 

「サリス、ちょっと見てきてくれない?」

「私としては構わないのですが…、もし私が消えたとたんに人が来たらいかがいたしましょう?」

「トイレに行ったって言っておくわ」

「誰にでもわかる嘘ですね…。妖精がトイレですか」

「なによ、いいじゃない。責任は私がとるからさっさと見てきて」

「…分かりました」

 

姿が消えるサリス。

ノリスとミィヤが残る。

 

「ノリス、何かおもしろ「ミィヤ様!」…サリス?」

 

10秒足らずで戻ってきたサリスに疑問を抱くミィヤ。

顔は焦っているのがわかる。

 

「どうしたの?」

「ここは危険です!急いで移動を―――」

 

サリスが言い終える前にベキンと壁から音がした。

3人がそちらに顔を向けた次の瞬間、耳の鼓膜が割れるのではないかと思うほどの爆音と同時に壁が破壊される。

その衝撃でミィヤたちが跳ばされる。

 

 

ミィヤの視界が真っ白に包まれた。

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――

 

軍の施設は1つではない。

いくつも点在している。

まとめなくても転移装置があるので問題ないのだ。

そして、こうしたほうがもしも強い敵が攻めてきたとき撤退がしやすい…、という名目がある。

本当はそれぞれの施設の長が自分の命が惜しいのだ。

今は敵の力を調べるということで施設のつながりが切られていた。

 

 

 

その中の今、攻撃を受けている施設のモニタールームでリョウは驚嘆していた。

 

「…ミィヤが、来てる?」

 

リョウが確認するかのように口で言う。

別に誰かに向けてしゃべったわけではない。

だが、警備員は疑問を投げかけられたと思って答えた。

 

「ああ、巫女の名前はミィヤ・ケリニアスだ」

 

リョウがペタペタと2,3歩後ろに下がる。

ある意味タイミングが良く、ある意味タイミングが悪いこの状況。

 

「チョット、何があったのか知らないケド見なよ。正門のカメラ」

 

リョウはその言葉が頭に入らない。

この状況は非常にまずい。

ミィヤが自分の思った方向に改善してくれていれば全然問題ないのだがこういう久しぶりに合った時は決まっている。

間違いなく、襲ってくる(性的な意味で)。

今疲れ切っている自分にあいつをうまい具合に止められる自信はない。

殺すわけにもいかないから気絶程度で済ませなければならないのだが、これでもリョウはかなり疲れている。

初めて会った時と同じ身体能力しかないのならミィヤなんていくらでも気絶させられるが彼女も4年ほど、科学側で過ごした。

無理だ。

加減できない。

 

そんな難題を抱えているリョウをしり目にマーシャが叫んだ。

 

「リョウ、あれスノーよ!」

「…え?」

 

すでに散り散りになった機体たちだったが正門に残っていた1体を軍所属の使い魔として策敵をしていたところ見つけてしまったようだ。

フィリアは今いないのだが一緒に連れていくことは叶わなかった。

なぜなら彼女を連れて行った理由が速さにあったからだ。

彼女についていけば突然スピードを出さなければならなくなった時に迷惑だ。

一緒にいてはスノーが塵になる。

だがそれ以上の理由は戦力だ。

小逆竜もともとの戦闘能力値は低い。

火事場の馬鹿力が出ると飛躍的になるのだがそれは自発的に出せるものでもないし何かあってからでは遅いのだ。

 

「大丈夫かしら…?」

「あの機体がどのくらい強いか分からないからな」

 

リリリッ!と音が鳴る。

警備員が顔をしかめた。

 

「この音は?」

「…客室の壁が壊された。おそらく戦闘が始まっている…」

 

警備員が頭を掻き毟る。

 

「ミィヤも始めたみたいね…、大丈夫かしら」

「ミィヤは問題ない。それより問題はスノーだ」

 

リョウはすぐにマーシャの心配する感情を消すよう促す。

これにマーシャはもちろん、レックスやウリスたちも驚く。

 

「お前、ミィヤの方に一番強いであろう敵が向かってるんだぞ?いいのか?」

「負けるわけないな。ミィヤが」

「信頼してるのね?」

「そんなんじゃない。だた、あいつらを無力化できるであろう手法をあいつは持ってるからな」

「無力化…?」

「ああ。あいつにはそういう魔法が『みんな、聞こえる?』」

 

ミィヤの話をしていた5人の頭にこの場にいない人の声が響く。

しかし、すぐにわかった。

シェリーの声だ。

 

『あまり時間がないから簡潔に話すわ。今こっちでリリアとクレアが2体の機体と交戦中です。場所はB-7区画。このあたりには敵は他に見当たらないので違う所をよろしくね。あ、あとクロが一緒にいるわ。リョウたちに心配しないでだそうよ。それじゃ、後はよろしくね』

 

「…情報が一方通行ってのは少し嫌な感じだな」

「でもまぁ何もないよりはマシよ。これであと敵は2体。これなら―――」

「いえ、1体です」

 

先ほど部屋を出て行ったはずのメリーの声がした。

何もない空間から突如現れる。

 

「先ほど主が撃破しました。大して強くなかったそうです」

「妨害電波を発している奴か?」

「いえ、そちらは未だ策敵中です」

 

めんどい敵じゃなかったのは少し残念だがよかったと胸をなでおろすリョウ。

これだけ短時間で報告も出来るとなると敵は大して強くはない。

決して倒せない敵じゃないとわかった。

 

「これならスノーも…ってあれ?」

 

いつの間にかモニターの視界から消えていた。

すでに戦闘が始まったとみるのがいいだろう。

 

「…ねぇ、リョウ。やっぱりミィヤが心配よ」

「お前、よく言い争ってたけど仲良かったのか?」

「べ、別にそんなことないでしょ。争ってなんかないわよ」

 

リョウに理由がわかる言い争いの数は少なかった。

だが、よく言い争ってた記憶はある。

仲がいいほど…というやつなのだろうとリョウは納得する。

 

実は言い争いをしていたのはミィヤがリョウに対する誘惑を実行しようとしていたからで、マーシャのおかげで被害がかなり減っていたことを彼は知らない。

 

「でもあいつに死なれるのはなんか腹が立つのよ」

「なんだそりゃ…。でもさっき言った通り、大丈夫だ。あいつには相手の攻撃を無効化する魔法がある」

「そんな便利な?」

「単純に水魔法特化だったのが裏目に出てるころだろうよ」

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

「なんなんだよ、あれ!」

「僕が知るわけないじゃん!あんな変な服着たおばさんのことなんて!」

「…やっぱり外の人間の大半はゴミと見て間違いなかったのかもしれないわね」

 

ミィヤが札を体につけてただ立っている。

札には『必水断界』と書かれている。

能力は単純。

水を使った攻撃を問答無用で遮断する。

水以外の攻撃をされたら意味がない。

だが…

 

「なんでなんでなんでなんでなんで!?なんで悲鳴が聞こえないの!?」

 

激流ともいうべき水を手から作り出しミィヤのあてる。

だが、ミィヤは悲鳴どころか傷一つついていない。

ものすごい力がかかっているはずなのに足一歩すら動かさない。

 

「さて…、この子たちはどうしたらいいのかしら?郷に入っては郷に従えって言うから指示を仰ぎたいところなんだけど」

 

手で水を払いのけながらしゃべる。

いくら攻撃がきかなくても体中に水を浴びていれば息ができない。

 

「私としては殺したほうが楽なんだけどね」

 

 

 

=================================

 

 

 

体に衝撃が走り、意識が一瞬跳んだ。

原因はわからず爆音が響いていたので何かが爆発したというのは分かった。

本来なら爆発により跳んできた破片、そして後ろにある壁に叩きつけられた衝撃でしばらく気絶しても、あるいは死んでもおかしくはなかった。

 

しかし、彼女は一瞬意識が跳んだだけですぐに思考が元に戻った。

何故か?

それは目を開けたミィヤはすぐに理解できた。

 

「あなたたち…!」

 

近くにいたノリスがミィヤを抱え、サリスが爆発した壁の破片の盾になっていた。

ノリスは衝撃により、背中がえぐれている。

人ならばすでにミィヤを抱えているなど不可能だ。

サリスも背には破片がいくつも突き刺さっている。

さらに衝撃を少しでも抑えるため踏ん張った体は強化したとはいえ、あまりに突然なことにボロボロだった。

 

「申し訳…ありま、せん。衝撃を、殺しきれず…」

「そんなことないわ!それよりあなたたちが」

「私たちは、ミィヤ様が生きている限り…不死身です。ですが…」

 

体を消え始めているのがわかる。

すでに限界を超えており、1回消えるしかないようだ。

 

「気づくべきでした。おかしいということに…」

「戦闘、で役に、立てず…、申し訳ありません」

 

それを言い残し消える2人。

それと同時に爆発した壁の向こうから2人が現れる。

 

「おかしいなぁ。2人殺したはずなのに悲鳴が聞こえないどころか消えちゃった!」

「あれはきっと妖精ってやつだよ!」

「守ったってことはあの人が主だよね?つまり―――」

「あれは人間!」

 

目を輝かせながら2人が手を目の前にかざす。

水の塊ができ始めるのが分かった。

ミィヤは黙りながら懐から札を1枚取り出す。

 

「綺麗に―――」

「啼いてよ!」

 

多くの水の弾丸が襲ってきた。

ミィヤが何かを呟いたが2人には聞こえない。

ミィヤにあたった弾丸や、周りにそれたものがはじけ視界不良になる。

 

「「あたったー…あ?」」

 

すぐに2人も異変に気付いた。

悲鳴が聞こえない。

水が赤くならない。

彼らが最も見たがっていた、聞きたがっていたものがないのだ。

一瞬あいつも妖精なのか?と疑問を持つ。

だが、すぐにそれは間違いだと気づかされた。

 

「あれ…?」

 

視界が晴れたそこには1枚の札を持ったミィヤが無傷で立っていた。

 

 

 

============================

 

 

呟くミィヤの声に返答はない。

サリスとノリスはすでに戦闘不能で一時的とはいえ死んだ。

そんなことをした元凶ともいうのだからミィヤとしては殺してやりたい。

物騒な話ではあるがこの世界ではこの話を聞けば8割がたの人が「そりゃ仕方ない」と答える。

概念の違いというやつだ。

 

「せっかくあそこを抜け出して5日間、森をさまよってようやくここを見つけたのになんなんだよ、このおばさん!」

「その努力は認めるわ。でも、教育環境が悪かったのかしらね?人を殺すことがただの遊び…ね」

「「殺す?」」

 

こいつは何を言っているんだと言いたげに2人が反応する。

 

「違うよ。ただ殺したって動かなくなるだけだもん」

「僕たちが好きなのは動く玩具。ナイフを刺せば悲鳴を上げ、指の骨を折れば悶え、水に顔をつければ暴れる。動かない玩具なんてつまらない」

「…」

 

ミィヤはこれを聞いて唖然としていた。

もはや訂正させようとする気すら起きない。

何をどう教育したらこうなるのかと疑問のみが頭の中をめぐる。

しかし、あまりにも外れすぎていて皆目見当もつかない。

 

そんな時、ミィヤの頭の中の疑問を1つ解決する声が聞こえた。

 

『施設内にいる戦闘員に連絡する。現在、施設内に6つの敵の反応あり。これらを撃破しろ。なお、これらは捕虜としてとらえる必要性はなく、殺しても構わない。繰り返す―――』

 

壁が壊れたのが幸いして、部屋の外から聞こえた放送だ。

 

殺してもいいなんて、軍の人間なら全員分かっていた。

つまりこれは軍の人間に伝えられたものではない。

 

ミィヤにはすぐ分かった。

リョウの配慮だと。

さっきから応援が来ないのもそのせいだろう。

一見、見捨てたようにみえるがミィヤが『必〇断界』を持っているのを知っている外の人間は少ない。

あれを使えばミィヤは無傷だし、逆に他に人が来ると人質に取られたら面倒だ。

もし、水魔法意外を使ってきたら?という可能性もあったがその可能性は捨てたのだろう。

 

ネーム持ち(水魔法特化)なのはミィヤにもすぐに分かった。

子供では自分のネームで強化された魔法意外など、今のミィヤには取るに足らない。

わざわざ自慢できるような魔法があって、他の魔法の練習などしない。

 

「私のために…」

 

胸を熱くする。

早く会いたい。

でもそのためには前にあるヒビが入った岩を壊さなければならないようだ。

 

「さて、悲鳴を聞かせてあげようかしら」

「「本当?」」

「ただし」

 

札を5枚取り出す。

この場では青龍はあまりにでかくて使えない。

自分自身の力で戦わなければならない。

札に魔力を込め始める。

 

「聞くのはあなたたちの悲鳴よ」




ドール紹介




リリア・アリアのドール(5段階目)
銃を主体としたドール。
3つの状態があり、『軽装型』『通常型』『完全重装型』の3つがある。
軽装型は動きを多少良くし、通常は銃を反動なく撃ち、完全はスピードは通常より早いがエネルギーを使用するので永遠にはできない。
一撃の攻撃力はドールの中では最強である。
『完全重装型』の場合、彼女自身の腕や足がもげても生きている限り装備を自由に動かせる。
敵キャラには回したくないタイプ。

だって…、ちょこまか動くのも嫌ですけど一撃が大きいのはもっと嫌じゃありません?
1対多数の時、ゲームで嫌なのは近接で体力が馬鹿みたいに多いタイプのキャラです。
こっちも近接だったら近づけないですよ、はい。
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