2話に分けることも可能だったんですけどpart4はなんか嫌でして…。
「ほらリョウ君、集中しないと!」
「リョウ殿、頑張ってください!」
「あ、ああ」
目の前には今では過去の遺産となりかけているクレーンゲーム機が置いてある。
この世界でこのゲーム機は何十年も前の旧式ゲーム機であり、これをやろうとするのはよほどの物好きと言われているし、数も少ない。
こんな状況になってから約1時間が経とうとしている。
だが、リョウには理解できなかった。
なぜこの巫女、ススはこうなのか。
今まで体感してきた中ではとてもあり得ない状況。
なんで…
「(なんでこいつは普通なんだ…!?)」
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ミィヤとリリンが言い争いをしているとき、何もすることができずただ突っ立っていたリョウ。
隣ではマーシャがなんか悩んでいるのか、あるいは暇なのにイラついているのかもじもじしていた。
気持ちは分からなくもない。
というかよくわかる。
そしてリョウはふと思い立つことがあった。
このタイミングで暇そうなマーシャを誘ってどこかで涼むのはどうだろう?
うまく目を盗んでどこかに行けばススとやらには悪いがもう面倒な思いはしなくて済むはずだ。
マーシャ相手なら気を使う必要なんてないし、まさか「下着を選びたい」なんて意味不明な発言はしないだろう。
この世界では最も信頼がおける相手であり、世話になった人である。
にもかかわらず、これといったことをしていないことに気づいたのだ。
せっかく外に来ているのだから常識がなっているマーシャの頼みの1つや2つぐらいなら…。
「なぁ、マーシャ」
「いないよ」
変な返事に「は?」と疑問を持つ。
しかし、疑問はそれだけにはとどまらなかった。
「あれ、ここは?」
さっきまで人ごみの中にいたはず。
なのにここは少しばかり薄暗い建物の中。
天井にはこの世界では珍しい電球で書かれた看板がついている。
「ゲーム」と書いてある。
「ほら、リョウ君。いつまで呆けているのさ?」
呼ばれたほうを見る。
いたのは1人の女性。
見た覚えのある顔だ。
「ススさん?」
「名前覚えてくれててありがとう。まずこの子を返すよ」
ススの腕には女性には少しばかり大きい竜が眠っている。
すぐに分かった。
サクだ。
さっきまで自分の腕の中にいたはずなのにいつの間にかススの腕の中にいる。
「どうして…?」
「いや、寝てる姿がかわいかったから。つい、ね」
「そうじゃなくて…いったい何が起きたんだ?」
サクが突然瞬間移動した。
リョウもいつの間にか知らない場所に飛ばされている。
何が起きたかサッパリだ。
今までこの世界で不思議なことには幾度となくあってきたがここまでのことはない。
「ああ、それはねこれを使ったんだ」
チェーンがついている手のひらサイズの小さな時計を取り出す。
「?」
「ミィヤの
「じ、神器?」
「聞いてないの?意外だね、まぁ別に知る必要もないけどさ」
なんだか思っていたのと違うのに少しばかり戸惑うリョウ。
雰囲気はもちろんのこと、言動も違う。
服もデートをしたがっているというより、適当に選んできたのかオシャレとは言い難い。
何をしたのかは知らないが跳ばされた場所はゲームセンター。
「ほら、それよりさっさと行こうよ」
「行こうって?」
「ここに来たんだからゲームやってかないと!取ってもらいたい物もあるんだ」
「とる?盗むって意味じゃないよな?」
「知らない?クレーンゲームっていう…」
「知ってるぞ。地球にはたくさんあったからな」
「なら話は早いね、早く行こうよ」
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それからはゲームセンターに入り普通に堪能中。
内装は地球でよく見たシューティングゲームや、クレーンゲームはもちろん、1プレイごとにカードが出てくるゲーム台、レースゲームやプリクラとよく似た物など充実していた。
少しばかり大きな音にサクも目を覚ましたが、見たこともない物がそこら中にあるのに興味を持ちそれなりに楽しんでいる。
で、今は慣れないながらクレーンゲームをやっている。
この手のゲームはどうも1人ではやる気になれなかった。
なんか金をただ搾取されている感じがして嫌だったのだ。
「あー、また失敗だぁ」
「リョウ殿、次こそはいけます!」
「そうだよ、次で取れるよ!」
「典型的な金だけ持っていかれるパターンだ、これ」
「パターン?」
「あー…、ともかくまだやるか?(パターンの言い換えが分からなかった)」
「逸材君、ここで引き下がったら君はただの軍人だ。それでもいいのかい?」
「そこはこだわってないし、っていうか逸材だったのは学生の頃の話だぞ?」
「そんな細かいことは気にしないでさ、それよりホラ」
通貨を取り出す。
いや、取り出すというより鞄からすくい出しているの方がいるの方が正しい。
ススの腰にかかっている少しばかり大きめのポシェットの中には一杯にお金が入っているのだ。
鞄をこんな使い方している人をリョウは初めて見た。
「それならお前がやればいいだろ?」
「私は苦手なんだよ、それに女は男を立てないと」
「俺もあまりやったことないんだけどな…」
「いいからいいから、ほらあれとってよ」
押されて半分仕方なく再び挑戦する。
半分といったのは実はどこか楽しんでいる自分もいたからだ。
身の狭い思いをするような場所にいるわけではない。
むしろ楽しめる場所で楽しんでいる。
いやな思いなどする余地がないのだ。
「「「あっ!」」」
と、予想外なことに狙っていた人形が取れた。
ウサギの人形。
この世界にもいるらしい。
というか地球にいた大半の生き物は細かく種類分けしていくとどうか分からないが、◯◯ウサギはともかく、ウサギは存在するのだ。
竜がいるにもかかわらず進化の過程が良く違わなかったなと少し感心した。
「ほら」
「わぁ、ありがとう!」
それをもらって喜ぶスス。
素直に喜ばれるとリョウも嬉しい。
だが、サクは少し不満気だ。
「べ、別に私は他のものがあるのでかまいません」
「そういえばサクちゃん、さっきから何を大事そうに抱えてるの?」
「リョウ殿に買ってもらったものです」
「中身は?」
「下着です」
「えっ…下着?」
なんでそんな物買ってるのと顔が訴えている。
リョウは泣きたくなってきた。
絶対勘違いされているという意味と、常識を備えた巫女も存在するんだという感動のせいで。
「これはリリンと一緒に行ったところがね…」
「変わったところ行ったんだね…。ま、いいよ。それより次あれやろうよ」
「シューティングゲームか、懐かしいな。よし、じゃあやるか」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「………あぁ、いない!」
ミィヤが悲痛の叫びをあげる。
隣でマーシャは何食わぬ顔でジュースを飲んでいる。
「ちょっとマーシャ、なんでそんな平然としているのよ」
「なんでって…、ススさんって人があなたたちとは違うってわかったからじゃない?」
リョウがいなくなって約1時間、ミィヤは相変わらず苦戦する中リョウの魔力をたどろうとしている。
ミィヤは必至こいて探している中、マーシャは平然としていた。
理由はクロにススについて聞いたから。
なんともまぁ普通の人だった。
変貌されたらちょっとあれだけどクロから聞く限りではとてもそんな人には思えない。
確かに他の女性と遊びに行っていると考えるといい気分ではないが普通の人とわかっただけでどういうわけか安心感がこみ上げてきたのだ。
「久しぶりに会ってから一週間ちょっとしか経ってないけどおかしいわ…、なんで恋人らしいことが何一つできてないの?」
「アンタが恋人じゃないからじゃない?」
「あれだけ誘惑しても襲ってこないのよ…まさかマーシャ、あなたすでに夜の営みにまでこぎつけたの!?」
ストローを加えていた口からジュースが勢いよく吹き出る。
「…は?」
「一週間の間にあともうちょっとまでこぎつけた回数は2回。少し頑張った数なんて数えきれないのにすべて流されてるのよ!男が盛らない理由は1つ、だれか相手がいるからよ!マーシャ、1回貸して。いや、この際3人ででもいいからリョウとやらせなさい!1回機会があれば十分よ!」
「な、何言ってんのよアンタ!歩きすぎて頭がおかしくなったんじゃないの!?」
「ずるいわよ!私たち友達でしょ、彼氏の1人くらい貸してよ!」
「彼氏は普通1人でしょ!それに友達だからって彼氏貸す人そうそういないわよ!」
「何言ってんのよ、私もう20過ぎて大人よ!本に書いてあったことが間違いなわけないじゃない!」
「アンタよく今まで生きてこれたわね」
あー!っと頭を掻き毟るミィヤ。
でも、ミィヤの話を聞いてマーシャも少し疑問を持つ。
男性が女性にそれだけ好意がもたれていると理解しているのだ。
それに裸まで見せてもらっているのに襲わないとはどういうことだろうか。
彼女がいて申し訳なく思うから手を出さないのではないか。
リョウなら彼女がいればそうするかもしれないが、その場合いったい誰が……
「あっ」
「何?」
「リリア」
「?」
「あの子、彼氏できたって言ってたのよ!」
「!?」
「知らない人だって言ってたけれど…リョウが知らない人と会ってるところ見たことないし、もしかしたら!」
「…敵は内側に潜んでいたのね」
リリアもまさかこんな勘違いをされるとは思ってもみなかっただろう。
変な嘘のせいで敵ができてしまった。
「でも今日はリリアどこか行っちゃってるのよね…」
「なら今はリョウを探すわ。リリアの名前出せば本当なら分かるわよ」
頷き合う2人。
再び足を進め始めた。
―――――――――――――――――――――――――――――――
「はぁ…あの子は体力あるね」
「新しいもの大好きだからな」
ススとリョウが座りながらサクを見る。
2人はある程度遊んで少し休憩している。
サクはまだ遊び足りないのか今はリズムゲームで楽しんでいる。
お金はススからもらえるので遊びたい放題。
リョウは遠慮するのだがサクはどうも好奇心が勝ってしまい、ゲームをやるためにもらう。
「今日は本当にありがとう、リョウ君」
「何がだ?」
「何がって…遊びに付き合ってくれてだよ。もともと巫女だから友達少なくてね、それに縛りも結構多くて。終いにはこんな旧式のゲームが好きだと共感してくれる人が少なくてさ、来るにしても1人だったから」
「楽しいのにな」
「ね」
共感してくれる人を見つけられてうれしいのか笑顔を作る。
おそらくススも同じなのだろう。
人と接したいのだ。
多くの人と。
巫女であるからという偏見のせいで接してくれる人は極端に少なくなるし、いろいろ巫女ならではの縛りがあるはずだ。
ミィヤの時だってそうだった。
学校に入学してきたとき、彼女がどう周りと接するのか疑問だった。
寺ではゴミだの屑だの言っていた。
だが結果、ミィヤは巫女という身分を隠し続けたものの周りとよく笑って接していた。
「…ねぇリョウ君」
「なんだ?」
何を思ったのか突然表情が変わる。
真剣な表情…どこかに嫌な感じが見え隠れするが。
「好きな人にこんなこと訊くのはちょっとあれかもしれないんだけど…いいかな?」
「できる限りは答えるよ」
「………なんで軍人やってるの?」
「と、いうと?」
「リョウ君は軍人に向いてない」
返ってきた答えに戸惑った。
まさかそんなことを断言するとは思ってもみなかったからだ。
「変なこと言ってごめんね。でも感じ取れなくて」
「なにが?」
「う~ん…言い方が悪くなるけど人殺しの感覚が」
言いにくそうに少し声を小さくして言った。
「ごめんね、でも優しく言い換えるのもあまりよくないと思ったから」
「でも俺は命の駆け引きなら幾度となく…」
「自分で手をかけたことはないでしょ?」
「それは…」
「今年の精鋭たちには多いと思ってたんだ。別に悪いことじゃないよ、むしろそんな感覚は味わうべきじゃないもん。でもね、その中でもリョウ君だけは耐性があるかどうか心配なんだよ」
「俺が人を手にかけたらどうなるか分からないということか?」
「地球ってところはここよりははるかに平和だったみたいだからね、最悪壊れるんじゃないかって少しばかり心配なんだ」
「壊れるだなんてそんな…」
「決してありえないことじゃないよ。現にこの世界にだって初めて人を殺した軍の人が壊れた例だってある」
見てきたことがるのか話をしていると顔が暗くなった。
「君がどういう理由があって軍に志願したのかなんて知らないけど絶対にそこでじゃなきゃダメなの?」
「…いや、たぶん違うところでもできないことはないと思う」
「だったら違う職に変えることを―――」
「でも人を殺すことになるのは変わりないと思う」
ミリーナは直感でリョウを選んだといったがあながち間違いではなかったのだろうとリョウは思い始めていた。
自分の力を過信するつもりはないが、ここまで生き延びてきた。
手を貸してもらいながらも敵を退けてきた。
「ミリーナは俺を直感で選んだって(未来予測できるとか言ってたけど信用してない)言ってた。はじめこそ絶対に危ないことに首は突っ込まないなんて思ってたが今はみんなを守りたい」
「それだけの力があるの?」
「秘められてはいる…と思う」
「思うって…」
「どちらにしても人を殺さないためにここを離れるなんて嫌なんだ。それで仲間が死んだらそれこそ壊れる。お前なら分かるんじゃないのか?」
「………」
「だからまぁ、軍をやめるつもりはない。壊れる壊れないは関係ないさ」
黙るスス。
だが少しするとニッと笑ったかと思うとリョウの背中をたたく。
「流石私が惚れた男。無用な心配だったね」
「結構痛いよ、ススさん…」
「いや、にしても今日はありがとう。本当に楽しかったし有意義な時間がとれたよ」
「なんだ、もういいのか?」
「巫女は多忙なんだよ、軍に呼ばれて仕事も増えたし。どうしてもって言うなら今晩私の部屋に来る?時間は作るよ」
「すまん…巫女が言うと冗談に聞こえないんだ」
「そうなの?まぁ、来てくれたら多少は相手してあげてもいいんだけど」
そう言いながらポシェットをあさるスス。
あった、と言いながら獄刻とかいう名前の時計を取り出す。
「
「なんでそれを取り出す?」
「なんとなくわかってると思うけどこれは時間を止められるからね。制限はあるけど帰るまでの時間短縮だよ。じゃ、またね」
「ああ―――」
返事をする暇はなかった。
気づけば視界には全然違う景色が広がっていた。
明るい外の世界。
突然明るくなった景色に目を細める。
と、胸に衝撃が走る。
「?」
目の前でサクが頭に?を浮かべながら止まっている。
何のゲームをやっていたのか知らないがちょうど叩くところだったのだろう。
状況を把握するにつれ顔を真っ青にしていく。
「も、もももももももも申し訳ございません!リョウ殿にこのようなご無礼を!」
「いや、そんな痛くなかったし気にしてないから」
「切腹を持って罪を償わせて…」
「何言ってるんだ!?頼むからやめてくれ、少しも怒ってないから!」
震えながらナイフを持ち出すサクを必死に抑えるリョウ。
場所がいいからか人が少ないのが幸いした。
たまにこうなるから危なっかしい。
「リョーーーーーーウーーーーーーーーーー!」
そんなさなか聞こえてくる声。
声だけで誰かなんてすぐに分かる。
声が聞こえたほうに顔を向けるとミィヤがダイビングジャンプをしていた。
鈍い悲鳴を上げたリョウだがそんな声は聞こえることなくミィヤが腹に飛び込んでくる。
反射的にキャッチしたが2、3メートル地面を滑った。
「ミィヤ…もうちょっと平和的な登場の仕方はないのか?」
「気持ちのほうが勝っちゃったのよ、さぁ今からでもデートしましょ!」
「ここまで来たら変なところ以外はかまわないんだけど…?」
ミィヤを退かして起き上がろうとすると自分の体の下に何か柔らかいものが敷かれていることに気づく。
ここは外で、周りを見る限りコンクリートの床なはずなのにおかしい。
そこで今度はリョウは顔を真っ青にする。
「サク!?」
見てみればサクが目を回してぐったりしていた。
口から泡を吹いている。
上から2人の圧力と下はコンクリートの圧力。
その痛さは計り知れない。
「サク、今ケイトに診せに行くからな!」
「ちょ、ちょっとリョウ!?」
何の迷いもなくドールを展開するリョウ。
街中で理由なくこんなことをするのは規律違反である。
ミィヤの手をつかむと周りを見渡す。
何をするのかわからないが自分の手を自らつないでくれたことに顔を赤らめるミィヤ。
「な、何やってるのよリョウ!」
後から来たマーシャがドールを展開しているリョウを見て慌てて駆け寄っているのを見つける。
リョウが全速力でマーシャに近づく。
この時にミィヤはリョウが何がしたいのかなんとなく理解して顔を真っ青にした。
「リョウ、街中でドールの展開は―――」
「マーシャ、そんなことはいいから!」
「そんなこと…ってキャッ!?」
有無を言わさずマーシャを抱え込む。
その行動にミィヤと同様に顔を赤らめたが隣に泡吹いたサクと、青い顔したミィヤがいる。
「えっ?まさか…え?!」
「落ちるなよ!」
「リョ、リョウ!待っ…………」
――――――――――――――――――――――――――――――
「な、なかなかいいものだったわ。空でのデートってのも…」
「ミィヤ、そこは強がらなくていいところよ…」
疲れた顔をしてマーシャとミィヤが廊下を歩いている。
泡吹いたサクを心配したリョウがまさかあそこまでするとは思わなかった。
生身で6段階目のドールの速さを体験なんてしたらたまったもんじゃないことぐらい誰でもわかるはずだ。
踏んだり蹴ったりだとため息をつく。
「あっ、ここよ」
「さすがに9時には帰ってきてるでしょ」
リリアの部屋を前にして歩みを止める2人。
リョウに真相を聞けなかったため、リリアに聞こうと決めたのだ。
しかし、ドアをノックしようと近づいたとき
「や、やめて………………ん!」
「「………」」
扉越しであるため聞こえずらいのだがそれらしい声が確かに聞こえる。
驚きのあまり2人のは声が出ない。
ガッタガッタと何かが揺れる音もする。
「…………はしないって………!」
「……ければ…のか?」
「…いう………あり……」
えっ、マジだったの!?と実はあんなこと言ったけど自分自身が一番ありえないだろうと思っていたマーシャが唖然とする。
聞こえるのはおそらくリリアと男の人の声。
もっと鮮明に聞こえればと無駄に防音になっている施設の設備を憎む。
「や…………アッ……!」
どうにかして中の状況を確認したい。
変態と思われるかもしれないがそういうわけじゃない。
もし、中にいる男がリョウだというのなら問い詰める…いや、リョウに何の問題があるのだろう。
別にリョウはマーシャともミィヤとも付き合っているわけではない。
誰と付き合おうと勝手だしこういうのは別に違反でもない。
むしろここで変な努力をしようと探っている自分のほうが問題ではないだろうか?
マーシャの思考回路はいたって冷静かつ普通だった。
しかし、
「リリアァァァァ!」
勢いよく扉を開けるミィヤ。
ミィヤはマーシャとは全然違った。
マーシャに対して3人ででもいいからリョウとやらせろと言ったほどなのだ。
扉が開いていたことに対しての疑問なんてマーシャは感じていない。
ミィヤの行動に驚いていてそれ以外考えることができない。
そうしている間にもズンズン部屋の奥に入っていくミィヤ。
マーシャもハッとして急いで止めようとするが時すでに遅し。
玄関を開けてさらにもう1つあった扉を開ける。
「私にも1回やらせ……………」
止まるミィヤ。
当たり前ながら奥にいる2人の声も聞こえない。
ミィヤが止まるってそんな過激なことを?と興味本位で覗くマーシャ。
よく考えれば考え付いた結果だった。
だが、疲れていたからだろう。
そこにいたのは裸のクレアとリリア。
どうやってリリアを裸にしているのかなんて疑問はとうの昔に持たないことにした。
全員が止まる。
そして
「失礼しましたぁ」
最初に声を出したのはミィヤ。
マーシャもそれと一緒にその場を去る。
「ちょ、助けに来てくれたんじゃないの!?」
悲痛な叫びが聞こえたが耳をふさぐ。
2人にそれを止めるほどの気力は残っていなかった。
「今日は早めに寝たほうがいいわね」
「そうね」
しっかり扉を閉めながら部屋を出る。
「じゃ、また明日」
「ええ、おやすみ」
「マーシャァァァァァァァァ、ミィヤァァァァァァァァァァァァァ!!」
その叫び声だけは鮮明に聞こえていた。
ネーム紹介
F(防御力を上げる)
あらゆる物にダイアモンド以上の高度を持たせることが可能。
ただ、不思議なのはたとえダイアモンド以上の高度を持ったとしても関節は曲がるし体は十分に機能しているということ。
また、このFのいう防御力というのは硬さだけではなく熱や寒さに対しても可能であらゆる面からの防御力が上がる。
最近ネーム紹介を書いてて思った。
無理に後書きって書く必要ないんだよなぁ…。