ストライク・ザ・ブラッド 蒼を継ぐ者   作:テルメン(白)

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五章

現在、増設人工島の深部。

 

「どうにか助かった・・・・・か」

「助かったか、じゃないんだけど!なに考えてるのよあなたは!?手加減ってものを知らないの!?わざわざ人工島ごと撃ち抜かなくてもいいでしょうが」

「仕方ねーだろ、あの化けかにに逃げられないように焦ってたし・・・・・あれでも手加減したつもりだっんだよ・・・・・」

 

あれで手加減したつもりだったらしい。

迷惑だな。

 

「たしかに世界最強と呼ばれるのも納得の威力だけど、なんて傍迷惑な眷獣なの。一歩間違えたら宿主のあなたも巻きこまれて死んでたわよ」

「迷惑なのは認めるけどな・・・・・おかげで化け蟹は撃ち落とせたんだし、まあいいだろ」

 

パーカーをはたきながら投げやりに古城は答える。

 

「ナラクヴェーラは?」

「さあな。普通に考えたらあの下に埋もれてるはずなんだけどな」

 

ナラクヴェーラが落下したと思われる場所には、高さ十メートル近い瓦礫が盛り上がっていた。

 

「破壊したの?」

「たぶんな。修理もしないで動けるようなダメージじゃなかっただろ」

「そう。ならいいんだけど・・・・・で、私たちはこれからどうすればいいわけ?」

「ま、その辺探せばハシゴくらいあるだろ」

「思ってたんだけど、あなた誰?」

 

聞くの遅すぎるだろと龍牙は思いつつ話す。

 

「黒刀龍牙、呪われし英雄と言った方が有名か?」

「なっ!!貴方が!?」

 

煌坂が驚いた声を出す。

 

「で、そういうお前は?」

「獅子王機関の舞威媛、煌坂紗矢華よ」

 

「自己紹介も終わったし行くぞ」

「そうだな」

 

適当に歩き出す。

 

「ちよ、ちよっと待ってよ。置いていく気?」

 

一人残されそうになった煌坂があわてて古城たちを追いかけようとして、

 

「あ」

 

その瞬間、彼女の足元が崩れて煌坂が転倒する。

 

「お、おわ!?」

 

仰向けに倒れてきた彼女の背中を、運良くその場にいた古城が抱き支えた。そして胸を揉みしだく。

 

「ーーーーひゃっ!?」

 

古城は慌てて両手を放す。

 

「あー、悪い」

 

女性の胸を揉んでおいてそれで済ませる気か?

 

「どうして謝るのよ?故意なの?やっぱり邪な下心があったわけ?」

 

いいえ、ラッキースケベです。

 

「違うって。そうじゃないけど、さっき姫柊が電話で教えてくれたんだ」

 

電話してたのか

 

「雪菜が?なにを?」

「お前の男嫌いの理由」

 

そうなのか?すっかり原作を忘れてるな。

 

「悪いな。おまえが男に触られるのを恐がってるって知らなかったからさ」

 

というか、知ってて胸を揉んでおいて「悪い」で済ませる気だったのか!?

怒ったのか突然煌坂が古城の唇をつかんで、乱暴につねり上げた。

 

「痛えな、なにすんだ!?」

「雪菜は、どうしてあなたにそんな話をしたのかしら・・・・・」

「おまえを恐がらせるようなことはするなって説教されたぞ。心配してたんだろ」

「べつに恐いんじゃなくて、苦手なだけなんだけど。ていうか、ウザい?気持ち悪い?」

「そっちのほうがひどいだろ。普通に俺が傷つくっての」

 

古城の腫れた唇を見て煌坂は微笑んだ。

 

「本当に変な吸血鬼ね、あなたは」

 

煌坂が古城の手の甲にそっと触れた。

 

「さっきの傷、大丈夫?」

 

傷?怪我なんかいつしたんだ?

思い出すと、俺がヴァトラーの眷獣を凍らせていたときにナラクヴェーラのレーザーから煌坂を庇ってたな。

 

「とりあえずは歩ける程度には回復したか」

「そう、よかった・・・・・あの・・・・・た、助けてくれてありがとう」

 

煌坂の顔、古城がまたフラグを建てた。

 

「冷てっ!?」

「な、なんでよ!?私がせっかく下手に出てあげてるのにーーーー!」

 

古城の反応に煌坂は頬膨らませる。

 

「いや、おまえのことじゃなくて・・・・・背中に今なんか冷たいものが・・・・・」

 

煌坂も、ひゃっ、というかわいらしい声が洩れた。

上を見ると水が落下している。

 

「なにこれ?海水!?」

「くそ・・・・・本格的にガタが来てんな、この人工島は!」

 

まあ、“獅子の黄金”にデカイ穴を開けられたんだ。無理もない。

 

「文句を言ってる場合じゃないんだけど!早く地上に戻る方法を探さないと!」

 

浸水防止の隔壁が閉鎖されたら面倒だ。

 

「とりあえず迷路で迷ったときには、壁沿いに歩くといいんだっけか?」

「なんでもいいから早く!」

 

増設人工島の地下を、真紅の閃光が眩く照らした。

穴を覗くとそこにはまだ動いているナラクヴェーラがいた。

 

「嘘だろ!?あんだけぶっ壊したのになんで・・・・・!?」

「まさか、元素変換!?増設人工島の建材を融合して事故修復してたんだわ!まだ飛行能力は回復してないみたいだけどーーーー」

「お前らは先に脱出していろ」

 

龍牙はそう言い穴へ飛び降りる。

 

「龍牙!!」

「待ちなさい、暁古城!!彼が呪われし英雄ならきっと無事よ」

 

古城は煌坂の言葉に従い増設人工島の探査を続けた。

 

「なあ、その、呪われし英雄ってのが龍牙を指してるのはわかんだけどさ、いったいなんでそんな名前なんだ?」

「はぁー、そんなことも知らないの?良いわ説明して上げる。六英雄は知ってるわよね」

「ああ、約三ヶ月前アルディギア王国の近くに表れた黒き獣とかいう化物を倒した六人ってだろ?」

「ええ、でももう一人いたのよ。その人は黒き獣にとどめをさしたのだけど、そこで黒き獣に呪われたの」

「最期の抵抗ってやつか」

「それで、腕が人間のものとは思えないおぞましいものになったって話よ。詳しくは私も知らない」

 

本当の話は現場に居た奴しかわからないからな。

 

一方龍牙は

 

「霧槍」

 

氷の剣に乗りながらナラクヴェーラの放つレーザー氷の剣ではじく。

 

「突昌撃!!」

 

氷の剣がナラクヴェーラに当たりナラクヴェーラが凍ったところを斬撃でナラクヴェーラを破壊する。

 

「最強の兵器も大したことは無いな」

 

このナラクヴェーラはもう動かないだろ。凍ってるし粉々に砕いた。

 

「さて、そろそろーーーー」

 

凄い音が聞こえる。十中八九古城の仕業だろう。

 

「はあー、派手にやらかすな」

 

地面を蹴り上の方へ何回かに分けて飛んで脱出した。

 

「よ、元気そうだな」

「呑気に話してる場合じゃねーぞ、こりゃ」

 

そう、目の前に五機のナラクヴェーラがあるのだ。

 

「おい、お前ら、この増設人工島から出ろ」

「なに言ってるんだよ!ここは協力してーーーー」

「言い方が悪かったか?邪魔だから出ていけ。巻き込まれたいのか?」

 

アストラルヒートを決めるのに邪魔だ。

 

「どうするつもりだ」

 

古城が真剣な顔で聞いてくる。

 

「わかりやすく言うと、必殺技でこの増設人工島ごと凍らせる」

「な!!そんなこと無理よ!!」

 

煌坂が言うが出来る。

 

「本当に出来るんだな」

「当たり前だ」

「よし、行くぞ煌坂」

「ちょっ、暁古城!?」

 

この島から出て行ってくれるようだ。

 

「手伝ってあげようか?」

 

ヴァトラーが話しかけてきた。

 

「お前も巻き込まれないうちに逃げるんだな」

「巻き込まれる?そんなに凄いことをするのかい?興味深いな」

 

普通のナラクヴェーラとは違うナラクヴェーラが表れた。

 

「やってくれるじゃないか、ガルドシュ。こんな切り札を残していたとはね」

 

飛んで火に入る夏の虫だ。

 

「煉獄氷夜!!」

 

この島すべてが凍る。

 

「所詮古代の兵器、弱いな」

 

アストラルフィニッシュとどこからか聞こえた気がする。

 

「なんですかこれは!!」

 

姫柊が遅れ登場した。

 

「く、アッハハハ、凄いよ、君、名前は?」

「黒刀龍牙だ」

「龍牙か、覚えておくよ」

 

ヴァトラーに目をつけられた。

 

「黒刀先輩、何をしたんですか!」

「それよりいいのか?古城が煌坂にフラグ建てたぞ?」

「なっ!!今のところは見逃しますがきちんと話してもらいますからね!!」

 

元気に増設人工島から飛び出していった。

 

「こらは派手にやったな黒刀」

「いいでしょ?どうせ破棄する島だったんですから」

「はぁー、まあ、今回のところは多めに見てやる」

 

まあ、始末書は書かされたけどね。

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