作戦の日が来た。
「準備はいいかしら?」
「おう」
「大丈夫だ」
「なんで、テメーが仕切ってんだよ」
「問題はない」
「こっちもよ」
「とっくにすんでる」
レイチェルは手を上げて前に突き出す。
「龍牙、封印してきなさい」
「了解、第666拘束機関解放、次元干渉虚数方陣展開!!」
黒き獣へ向かって走って行く。
「コードS・O・L、碧の魔道書起動!!うおぉぉおお!!」
黒き獣に突っ込む。
「龍牙!!」
「んだよ、自分の体にでも封印するつもりか?」
「どうやらそのようね。今のところはあまり変化は無いようだけど」
ラグナとジンが迫ってきた黒き獣の首を切りつける。
「っ、かてぇ!!」
二人の攻撃は首を退けたものの傷すらつけられなかった。
「っ、兄さん!!」
「わかってるよ!!」
首がラグナとジンに集中して襲いかかる。
「っらぁ!!この!!」
「っぐ、はぁぁ!!」
それをさばいていくラグナとジン。
「はぁぁあ!!」
獣兵衛がくわえた六三四で黒き獣の首を切りつける。
「無事かラグナ、ジン」
「助かったぜ、師匠」
「気を抜くなよ、二人とも」
「わかっている!」
黒き獣の首の一つがあらぬ方向へ向かっている。
「おいおい、俺様の出番を残しとけや!!」
テルミがウロボロスで黒き獣の首を締め付けたのだ。
「喰らいなさい!!」
ナインが黒き獣へ衝撃波を放った。
「この程度じゃ、傷はつかないか」
「バーデン・バーデン・リリー」
しかし、それらの攻撃に耐えて無傷の黒き獣がそこに存在していた。
「いままで戦ってきた奴らが可愛く見えるぜ」
「ったく、同感だ。ま、今は耐えるしか無いな。龍牙を信じて」
ラグナは自分の息子を信じて黒き獣を足止めしている。
そのころ龍牙は
「っ、んだよ」
龍牙がいるのは黒き獣の中に居る。
「っぐ、キツいな、こりゃ」
黒き獣の力を奪ってく代わりに記憶を奪われていく。
「っ、第零式拘束機関開放、次元干渉虚数法陣展開!!固有境界に接続!!スサノヲユニット起動!!」
少しでも精神を護る為にスサノヲユニットを装着する。
「負けてたまるかぁぁぁ!!」
強引に吸収速度を上げていく。
「はぁはぁ」
右腕を見る。そこには黒い異形の腕があった。
「右腕は展開できないか」
右腕の部分だけスサノヲユニットが展開できないのだ。
「ま、とりあえず出るか」
鳴神を召喚して構える。
「虚空陣、疾風!!」
斬撃が壁に当り壁を突き抜ける。
そこから光がもれていた。
外では
「なんだ?急に苦しみはじめたぞ?」
ラグナは自分の息子がやったのだと確信する。
「こっちも負けていられねーな!!行くぞジン!!コノエ、補助を頼む」
「わかったよ、兄さん」
「準備してたわよ」
コノエが補助魔法をラグナとジンにかける。
ラグナが前に出てジンが後ろで構える。
「カーネージ!!」
ラグナが黒き獣へ突っ込む。
「虚空刃、雪風!」
「シザー!!」
ラグナと同時にジンが黒き獣を一閃。
黒き獣の首の一本が落ちた。
「ーーーー疾風!!」
それのすぐに龍牙の声が聞こえた。
黒き獣の首は三本にまで減っていた。
「我は空、我は鋼、我は刃」
その声のする方向にみんなが注目する。
「我は一振りの剣にて全ての『罪』を刈り取り『悪』を滅する!!」
そこには白い鎧のようなものを着ていて右腕だけが黒い人間がいた。
「我が名は『ハクメン』、推して参る!」
そう言うと、龍牙は黒き獣へ向かって走っていった。
「ズェア!!」
龍牙はその掛け声と共に巨大な刀を降り下ろすと黒き獣の首を斬り落とした。
「な!!」
ラグナは思わず声を上げて驚いた。
他の五人も目を見開いていた。
「椿祈!!」
続けてもう一本首を斬り落とす。
「ったく、いいとこだけ取りやがって」
テルミが悪態をつく。
「全くだよ」
「ま、楽が出来ていいんだけど」
「それにしても、あれだけの技量のどこで習得したのやら」
「本当、ラグナとは大違い」
「うるせぇ」
みんなの声が聞こえた。
「っ!!ウサギ!!」
ラグナがレイチェルに向かって叫ぶ。
「わかってるわ。第零式拘束機関開放、次元干渉虚数法陣展開、固有境界に接続、ツクヨミユニット、起動」
黒き獣の頭が暴れまわっている。
「龍牙!!」
龍牙だけがツクヨミユニットの範囲外にいる。
「虚空陣奥義」
黒き獣が龍牙を攻撃する。
「悪滅!!!」
しかし、それは無駄だった。龍牙が一回刀を振る。
それは無数の斬撃となり黒き獣を滅ぼした。
「っ、やったな!」
ラグナは龍牙の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
「無理・・・・・」
龍牙は意識を失った。
「っおい!大丈夫か!!」
すぅすぅと寝息が聞こえた。
「ったく、寝ただけか」
ラグナは龍牙を担ぎ上げて城へ戻る。