古城の中にある碧の魔道書が古城の身体に生命力を送り回復を早めている。
古城は吸血鬼だが、破魔の槍のせいで治りが悪いので緊急で動いているのだろう。
「う、ダリィ」
古城の目覚めての一言はそれだった。
「碧の魔道書を使われたんだ、そのせいだろうな」
「だいたい、碧の魔道書ってなんだよ」
確信をついてきた。
「神殺しの剣を精錬するためには大量の『蒼』が必要だ。それを集めるための窯が俺の右腕とお前の中にあるモノだ。そしてそれが暴走したのが黒き獣」
龍牙意外、那月でさえ、硬直している。
「さっきの黒い眷獣は黒き獣に近いと言えるな」
「あ、先ほど感じたのは・・・・・」
これで本当に最強の吸血鬼になったな。と茶化すように龍牙が言った。
ラ・フォリアは何かを思い出したようだ。
「って!なんで俺の身体の中にこんなもんがあんだ!!」
「随分前の話だ。俺は『蒼』に関して研究していてその研究成果の失敗作いや成功作か?俺が埋め込んだ」
「なんでそんなもんを・・・・・」
「前に、お前が第四真祖になる前に死にかけた時、その延命処置として俺が埋め込んだ。まあ、失敗作だから一回だけ起動したら終わりだったはずなんだがな」
これは事実だ。第四真祖の力が影響したのか、それとも他の何かが影響したのかはわからない。
「・・・・・記憶にねぇ」
それは幸運だと言える。
「それと境界から『蒼』を汲み取る。境界に触れすぎると精神が呑まれるぞ」
境界にな。と、言うと古城の顔に汗が流れる。
「さらに化物じみてきたな、暁」
「那月ちゃん、起きてたのか」
「教師をちゃん付けで呼ぶな!!」
コツンと扇子で古城を叩く。
「痛!」
古城は頭を押さえる。
「まったく・・・・・この私が教え子に助けられる日が来るとはな。人間、歳はとりたくないものだ」
「あんたがそういうこと言うなあんたが・・・・・」
那月が仙都木の方を向く。
「・・・・・仙都木阿夜の娘。どうする、まだ続けるか?」
仙都木が、静かに立ち上がって首を振る。
「やめておくよ。あれだけ強烈だった焦燥感が消えてる。ボクにはもう、監獄結界をどうこうする理由はないみたいだ・・・・・〝蒼〟もこの有様だしね」
龍牙は〝守護者〟から手を離した。
「そうか」
〝守護者〟はボロボロで動くのすら困難な状態だ。
しかし、異変が起きた。
「・・・・・〝蒼〟?」
仙都木が自分の〝守護者〟の名前を呼んだ。
〝守護者〟はカタカタと甲冑を震わせ。
「やめろ、〝蒼〟!」
蒼い〝守護者〟は自分の主人の胸を剣で貫いた。
「・・・・・ユウ・・・・・マ!?」
古城は呆然とその光景を見つめる。
「・・・・・お母様・・・・・・あなたは、そこまで・・・・」
仙都木を貫いたはずの剣の先が見えない。
空間転移で剣の咲きを転移させている。
「待チワビタゾ・・・・・コノ瞬間ヲ。抜ケ目ナク狡猾ナ貴様ガ、ホンノ一瞬、寄ヲ抜クノヲ」
蒼い〝守護者〟かま、錆びた声を紡ぎ出す。
「ブービートラップ・・・・・か。まさか。自分の娘を囮にするとはな・・・・・外道め」
龍牙は那月の方へ走り服を千切って急いで止血をする。
「南宮先生!」
「那月ちゃん!?」
古城と姫柊が刺された人の名を呼ぶ。
「担任教師を・・・・・ちゃん付けで呼ぶな・・・・・馬鹿者」
「喋るな!!」
龍牙は必死で血を止めようとしている。
「うおおおおおおおおおーーーーーっ!」
古城が叫び声を上げる。