ストライク・ザ・ブラッド 蒼を継ぐ者   作:テルメン(白)

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一章

崩れるーーーーー

聖堂が壊れる。

そこに巻き込まれていたら龍牙と古城はともかく死んでいただろう。

それを救ったのは空間転移だった。

目眩に似た奇妙な浮遊感が起き自覚した。

 

「ぐっ・・・・・」

 

 古城は夕陽に照らされ、目を背けた。

かろうじて聖堂の崩壊の影響を受けない範囲にいるが、アズラエルが来れば終わりだ。

早くここから逃げなければ。

 

「優麻さんっ・・・・・!?」

 

姫柊が短く悲鳴を上げた。

古城の友人、仙都木優麻が倒れた。

 

「ユウマ・・・・・おまえ・・・・・なんでこんな無茶を・・・・・!」

 

空間転移には肉体に負担をかける。

そんな傷で空間転移を行うなど無謀に等しい。

 

「違うよ、古城・・・・・ボク一人の力じゃない。〝空隙の魔女〟が手を貸してくれた・・・・・」

「那月ちゃんが?だったら、あの人は・・・・・どこに・・・・・!?」

 

古城は応急処置をしていた龍牙の方を見る。

その近くには那月はいない。

 

「先輩・・・・・!」

 

聖堂の建っていた場所に軍事要塞のような建物が建っていた。

 

「これが・・・・・本当の監獄結界か・・・・・?じゃあ、さっきまでの建物はなんだったんだ!?」

 

不気味な女の声が古城に答える。

 

「同じもの・・・・・・だ・・・・・よ、第四真祖」

 

声の主は要塞の巨大な門の上に立っていた。

 

「ーーーーー周と胡蝶とは、則ち必ず分有らん。此を之れ物化と謂う・・・・・あの空っぽの聖堂は、監獄結界が、南宮那月の夢の中にあるときの姿・・・・・だ」

 

魔女の言葉を聞いた。

似ている。

それは事象に干渉できる、

 

「那月ちゃんが『観測者』だというのか・・・・・」

 

魔女は面白いという顔を龍牙に向けた。

 

「ほう、そやつは何か知っているようだな」

 

興味、という眼差しでこちらを見てきた。

 

「お母・・・・・様・・・・・?」

 

鮮血に濡れた仙都木の唇から絶望の声が紡がれる。

 

「あんたがユウマの母親だと・・・・・!?」

 

あれと同じだ。

境界を研究していた場所と同じだ。

 

「やっぱり・・・・・」

「ほう、やはり気付いた、いや知っていたかお主は興味深い。その娘は、我が単為生殖によって産み出したただの複製。監獄結界の封印を破るためだけに造られた、我の影に過ぎないのだから」

 

次元境界接触用素体と同じだ。

 

「我とその娘は、同一の存在ーーーーーだからこそ、こういう真似もできる」

 

魔女は仙都木の〝守護者〟を無理矢理奪い取ろうとしている。

そのため仙都木は悲鳴を上げている。

 

「いや・・・・・やめて・・・・・お母様・・・・・!」

 

仙都木が弱々しい声で懇願する。

 

「我が汝に貸し与えた力、返してもらうぞーーーーー我が娘よ」

 

〝守護者〟と仙都木を繋いでいた何かが千切れる音がした。

 

「いやあああああああああああああっ!」

 

仙都木の悲鳴に何も反応しない魔女、その後ろに仙都木の〝守護者〟が黒く染まった。

 

「ユウマっ!」

 

古城が仙都木を支えに行った。

 

「実の娘になんて酷いことを!!」

 

ラ・フォリアが呪式銃を魔女に向ける。

 

「アズラエルのためにとっておいたが、やめだ、お前はここで殺す!!

第666拘束機関解放、次元干渉虚数方陣展開!これが『蒼』の力だ!!蒼の魔道書!起動!!」

 

黒いオーラが溢れ出る。

 

「魔力でも霊力でもない何だそれは?」

 

魔女の言葉を無視して魔女へ向かって走る。

 

「ブラッドサイズ!」

 

飛び上がりブラッドサイズを変形させ斬りかかる。

 

「ほう、お前、どこかで見たことあるな」

 

ヤバいと感じブラッドサイズを戻し声の方へガントレットハーデスを決める。

 

「誰かと思えば、俺を楽しませた死神にそっくりではないか」

「息子だよ、狂犬」

「ほう」

 

足止めに手一杯になるだろう。

 

「ラ・フォリア!!応援をよんでくれ」

 

こいつは逃がしてくれそうにないし、逃がす訳にもいかない。

 

「必ず帰って来てください」

「当たり前だ」

 

ラ・フォリアは走り出した。

 

「古城、これから言うことをやれ」

「は?そんなこと言ってる場合かよ!!」

「統制機構の第三師団長室の机の引き出し上から三段目を開けろ、そこにお前に必要な物が入ってる。姫柊、古城連れてさっさとここから出ていけ。お前らを庇う余裕はない」

「・・・・・わかりました。ご武運を」

 

アズラエルと仙都木はわざわざ待っていてくれたようだ。

 

「別れはすんだか?」

「は、死ぬつもりはない」

 

と言っても覚悟はしている。

 

「おい、ほかはどうした?」

「ほか?ああ、喰いごたえのないやつらか。その辺でひと塊になってる」

 

こいつ、囚人を喰らいやがった。

 

「次はお前か、それともお前か?」

「我は汝には興味がない」

「おいおい、つれないこと言うなよ」

 

アズラエルがそんなことを喋っているうちに魔女が転移して二人っきりになってしまった。

 

「死神の息子、お前は俺をどこまで楽しませてくれる?」

「は、楽しむ暇も与えないから覚悟しやがれ」

 

アズラエルが蹴りを放ってきた。それを右に避けブラッドサイズで首を狙う。しかそ、それはアズラエルの拳に弾かれた。

 

「どんな体してやがる。明らかに鉄と鉄がぶつかった音だぞ」

 

鉄でできてるんじゃねと軽口を叩く。

 

「カーネージ」

 

ディストーションドライブを使うがチャージしていて効いていない。

 

「っらあ!!」

 

ラピットキャンセルした後投げる。

 

「く、フハハハハハ、さすが死神の息子だ。これを外させるほどの強者とはな。暴虐呪Lv1解放!」

 

威圧感が数段跳ね上がった。

 

「勘弁してくれよ」

 

そういいながら龍牙はブラッドサイズを構える。

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