ストライク・ザ・ブラッド 蒼を継ぐ者   作:テルメン(白)

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四章

ジンは彩海学園中等部の宿泊研修の船にカメラマンとして乗った。

カメラマンなら宿にも行けるから便利だという理由らしい。

 

「あれ?ジンさん?」

 

問題点があるとすれば知り合いがいるということだろうか。

 

「凪沙、ちょっと」

 

ジンは手招きし、凪沙を呼び出す。

 

「統制機構に所属してたんじゃなかったっけ?」

「今は護衛任務中で生徒に不安を与えないようにカメラマンになっている」

「へぇー、護衛ってあたしたちの?」

「まぁ、そんなところだな」

 

納得し頷いてくれたようだ。

 

「それと・・・・・」

「誰にも言わないように、でしょ、ジンさん」

「ああ、その通り」

 

カメラは支給された物だが一眼でレンズも誰から見ても高級品だと分かる。

 

「でも、ちゃんと写真撮ってよ」

「わかってるよ」

 

海をバックに凪沙を撮る。

プロとまではいかないが、黒刀一家の写真を撮っていたので上手くは撮れるはずだ。

 

「じゃ、またね」

 

手を振って友達たちの方へ走って行った。

 

「ああ、楽しみなよ」

 

ジンも手を振り返し、凪沙が見えなくなったのを確認してトランシーバーで連絡を取る。

 

「こちらジン、パトロールに向かう」

『了解、問題があったら連絡します』

 

トランシーバーを腰にぶら下げ甲板からまわって行く。

途中もカメラマンとしての任務は果たした。

次は船内に入る。

 

「あ、凪沙と話していたイケメンカメラマン」

 

一人の女の子がジンを指差した。

 

「あ、ジンさん。あ、そうだ、ジンさんもトランプやらない?」

「仕事があるから無理だよ」

「そうか、残念だな」

「時間があったら混ざらせてもらうよ」

 

凪沙の誘いを断ってから、凪沙たちがトランプをしているところを数枚カメラにおさめた。

そして、銀髪の少女を発見した。今回の護衛対象だ。

 

「やあ、君が叶瀬夏音かな?」

「あの、どちら様でしょうか?」

 

叶瀬は困った顔で聞いてきた。

 

「黒刀龍牙の親戚の如月ジンだ。あとあの猫、元気にしているよ」

「あ、引き取ってくれて、ありがとうございます」

 

叶瀬は警戒をといて頭を下げた。

 

「いいよ。それで、君は何をしているのかな?」

「イルカが見られるって聞いたので、探してました」

「イルカか、ぜひ撮ってみたいけど、他のところにも行かなくちゃ行けないから、見つけたら、このカメラで撮っててくれないかな?」

 

バックから同じ型のカメラを取りだし叶瀬に渡す。

 

「わかりました。頑張ります」

「カメラの使い方は、わかるかな?」

「だいたいはわかります」

「なら大丈夫だね。それじゃあ」

 

目的の一つ、叶瀬夏音に発信器付きのカメラを渡せた。

これで彼女の場所がすぐにわかる。

 

「そろそろ、僕も移動するよ」

「そうですか、では、また」

 

叶瀬が海にカメラを構えているところを撮る。

そこに凪沙たちが話しかけていた。

 

「取りあえずは、まわったな」

 

パトロールが終わったのでゆっくりと休もうとしたが、トランシーバーが鳴る。

 

『〝賢者の霊血〟を逃がした。護衛対象を狙う可能性があるのでフェリーに乗っている、隊員は生徒に悟られないように警戒体制をとれ』

 

ジンは舌打ちをして護衛対象へ走る。

 

『この船に天塚汞と思われるモノが侵入、どうしますか?』

「生徒たちを避難させろ。僕は叶瀬夏音の様子を見る」

『了解!』

 

ジンは携帯端末を操作し、叶瀬の位置を断定する。

 

「っち!なにかを感じ取ったのか」

 

ジンは走って操舵室に向かう。

操舵室の扉は壊されていた。

 

「ユキアネサ、起動」

 

三脚の袋からユキアネサを取りだす。

 

「氷翔撃。避けろ!」

 

氷の剣を天塚らしきモノに発射する。

声に反応して姫柊は右へ跳んで回避する。

 

「っぐ!?」

 

天塚らしきモノは凍りつき動かなくなった。

 

「二人とも、早く避難を」

「待ってください、あなた、いったい何者ですか!」

「移動しながら話す」

 

ジンを先頭に歩いて移動する。

 

「僕は統制機構、第四師団長の如月ジンだ」

「統制機構、あなたもですか」

 

統制機構が嫌いなようだが、今は気にしていられない。

 

「雪華塵」

 

前にいた天塚モドキを凍らせて道を開ける。

 

「っ凪沙!」

 

凪沙の目の前に天塚モドキが金属化して襲いかかった。

 

「ジンさん!!」

 

凪沙は怯えジンの方向へ、天塚モドキに背中を見せて走る。

 

「凍れ!!」

 

凪沙を片腕で庇うように包み込み、もう片方の腕から氷の獣を生み出し天塚を凍らせる。

 

「ジンさん・・・・・!!」

 

泣きそうな顔をしている凪沙。

 

「大丈夫だ。落ち着け」

 

叶瀬も姫柊も何も言わない。

しかし、足音が聞こえる。

 

「っ!姫柊だったか、凪沙を避難させろ!」

「へ、は、はい」

 

姫柊はジンの迫力に圧倒され、返事をする。

ジンは走って行った叶瀬を追う。

 

「待て!」

 

叶瀬の考えていることは自分が囮になってみんなを逃がす。といったところだろう。

 

「私があの人を引き付ければ、みんなはきっと安全です」

「ふざけるな」

 

叶瀬の腕を掴む。

 

「僕の今回の任務は君の護衛だ。君が行くなら、僕もついていく」

 

ジンは叶瀬の腕を離さないように掴む。

 

「わかりました。でも、死なないでください」

「死ぬつもりはない」

 

叶瀬の腕を離し叶瀬と一緒に避難場所とは反対の方向に駆け出した。

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