ストライク・ザ・ブラッド 蒼を継ぐ者   作:テルメン(白)

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終章

その後、凍った海面を砕いた後、ジェットクルーザーを個報酬としてプレゼントされた。

厄介払いがしたかっただけだろうと思いながら受け取った。

 

「あー、めんどくせえ」

 

報告書を長々と書き続けているのだが。書類整理やらが重なり時間がかかる。

 

「ラ・フォリア、コーヒー」

「はい、どうぞ」

 

コーヒーをすすり、眠気を覚ますと同時に顔を歪める。

昨日の徹夜が響いて眠気が物凄いことになって、普通のコーヒーじゃ効果があまりないのでかなり濃い。

 

「ありがとう」

 

感謝の言葉を言い、再び書類と格闘する。

 

「また混ざってる。諜報部に運んでくれ、仙都木」

「了解したぞ、主よ」

 

仙都木が帰ってきた一時間後、やっと仕事が終わった。

 

「仙都木、叶瀬にジンがしばらく絃神支部にいることを伝え、叶瀬の手料理をジンに渡せ」

 

ストレスが溜まってるし、このぐらいのイタズラはいいよね。

次からは那月が空間転移で来そうだな。ハザマに会う口実ができるし。

 

「了解したぞ、主」

 

仙都木はニヤリと悪い笑みを浮かべ転移していった。

 

「ラ・フォリア、帰るぞって、いない?」

 

ラ・フォリアがいないので一人寂しく帰る。

 

「相変わらず五月蝿いな」

 

隣の部屋から叫び声が聞こえる。

 

「ただいま」

「おかえりなさいあなた。ご飯にする?お風呂にする?それとも、わ、た、し❤」

 

バタンと扉を急いで閉める。

なぜならラ・フォリアが裸エプロンだったからだ。

 

「なんて格好してるんだ!!」

「気に入りませんでした?あ、割烹着の方が・・・・・」

 

裸割烹着ってなんだ!?見てみたい気もするが、って、そうじゃない。

 

「裸エプロンなんかして、誰かに見られたらどうするんだ!!」

「見られませんわ。龍牙と確認してから脱ぎましたもの」

「いや、そういうことじゃなくて」

 

思わずため息をつく。

 

「あ、そうです。日本の家庭料理というものを作ったので食べてください」

 

ラ・フォリアが知っているなんて以外だな。

 

「義母様に教えてもらいました」

 

電話か?いや、電話だけでは説明は難しいだろ。

 

「食べてみてください」

 

そこには肉じゃがの他に白米、味噌汁、秋刀魚の塩焼き、漬け物まである。

 

「お、おお、旨そうだな」

 

日本の家庭料理だ。

 

「さあ、食べてください」

「ああ、いただきます」

 

ラ・フォリアが見つめてくるなか、肉じゃがを食べる。

お袋の味だ。

 

「どうですか?」

「お袋の味だ。いや、ちょっと違うが、旨い」

 

お袋の味より俺好みだ。

 

「そうですか!どんどん食べてください」

 

ひとつひとつが俺好みの味だ。

 

「漬け物は時間があまりなくて満足できませんでした」

 

確かに漬け物はお袋の方が上だな。

 

「ぬか漬けは?」

「今、作っています」

 

ラ・フォリアは台所を指差す。

 

「仕事は終えたぞ。主」

「おかえり」

 

ジーっとこちらを見つめてくる。

 

「阿夜の分もありますわよ」

「いただこう」

 

ラ・フォリアは台所で作業を始める。

ドンドンドンと玄関から五月蝿い音がする。

 

「俺が出る」

 

箸を箸置きに置いて玄関のドアを開ける。

 

「龍牙ぁぁぁあ!!」

「ど、どうした!?」

 

死なないはずの古城が死人のような顔を見て驚く。

 

「あ、龍牙の部屋隣だったわね」

 

浅葱が鍋をもっていた。そこから異様な臭いで、黒き獣よりも禍々しいなにかを感じる。

 

「あんたも食べる?」

「いや、今食べている途中だから無理だ」

 

震える体を抑え、首を振る。

 

「残念ね。んじゃ。古城、戻るわよ」

「ギィヤァァァァア!!」

 

古城、生きろよ。

敬礼して古城を見送る。

 

「あれは、黒き獣ですか!?」

「あれが黒き獣!なんと恐ろしい・・・・・」

 

ラ・フォリアと仙都木が顔だけを覗かせて震えていた。

 

「さて、食事に戻るぞ」

「「はーい」」

 

全員席に座り昼食を食べる。

 

「ふぅー、おやすみ」

 

寝転ぶと胃酸が逆流するので、ソファーに座ったまま眠る。

 

「主は器用だな」

 

バランスが崩れるとすぐに倒れるはずなのに、横に座っても倒れない龍牙に感心する阿夜であった。

 

「ふふ、こんな気持ちになるなんてな」

 

阿夜は龍牙のほっぺをつっつく。

 

「あ、ズルいですわ」

 

もっと過激なことをしているからこのぐらいは許してほしいと思う阿夜であった。

 

「まあ、許してあげます。側室は一桁までなら許すつもりですし」

 

ありがたいが、まだ増える予定なのか?

 

「まあ、古城という風避けがあるので増えないとは思いますけど」

 

黒いな。

 

「本妻は譲りませんわよ」

「大丈夫だ。我は側室で」

「仕方ありませんわね。龍牙がどうするかは知りませんわよ」

 

一番の問題となった告白。

この歳で恋に悩むとはとため息をついた瞬間、龍牙が倒れた。

 

「・・・・・起きてはいないな」

 

阿夜の膝にちょうど頭があり、つまり膝枕だ。

 

「今日は譲ってあげます。わたくしは夕飯の買い物があるので」

 

龍牙と阿夜が二人っきりになる。

 

「こういうときは、耳かきか?」

 

落ち着いているようで慌てている阿夜は、手元に耳かきを用意し、龍牙の耳をかきはじめる。

 

「んー、ふぅー」

 

龍牙が気持ち良さそうな声を出す。

 

「よし、終わった」

 

阿夜は結局、龍牙が起きても告白ができなかった。

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