ストライク・ザ・ブラッド 蒼を継ぐ者   作:テルメン(白)

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四章

凪沙たちとわかれ、教室に入る。

 

「あれ?龍牙がいねぇ」

「また仕事なんじゃないの?怪我は大きな事件なかったし、大丈夫じゃない?」

 

と、古城の問いに応える藍羽。

 

「あー、統制機構に所属してんもんな」

 

納得する。

 

「おい、席につけ」

 

担任教師の那月が教室に入ってきた。

 

「あー、黒刀は体調不良のため欠席だそうだ」

 

ざわざわと教室がどよめく。

 

「マジかよ、新しい病原菌じゃね?」

「あいつがなるくらいだ。凄いウイルスだろう」

 

確かに、龍牙が怪我や仕事以外の理由で休んだことは無かった。

 

「五月蝿いぞ、お前ら」

 

那月の一言で教室が静まる。

 

「ホームルームは以上だ」

 

 

凪沙が倒れたと聞いて、午後の授業をほったらかしてMARの研究所に駆けつけた。

 

「ーーーーー姫柊!凪沙は?」

 

待合室に座っていた姫柊はぎこちなく頷いた。

 

「大丈夫だと思います。意識が戻らないだけで、今は呼吸も脈もしっかりしてますし」

「そう・・・・・か・・・・・」

 

安心して力が抜けたのか、古城はその場に屈みこむ。

 

「あんた、古城、速すぎ・・・・・」

 

後ろに肩で息をする親友二人がいた。

 

「なんでついてきたんだよ」

「あ、あたしだって凪沙ちゃんのことが心配なのよ」

 

矢瀬は息を整える。

 

「いや、なんか面白そうだったからーーーーーじゃなくて、俺も凪沙ちゃんのことが心配でな」

 

古城はため息をつく。

 

「ったく、わかったよ、もうなにも言わねえよ」

 

古城は立ち上がる。

 

「心配してても仕方ないし、食堂にでも行くか」

 

さっさと食堂へ足を運ぶ。

 

「あー・・・・・すまん」

 

矢瀬が手をあげて謝る。

 

「どうした?」

「ちょっとトイレ行ってくる。急に腹の調子がな」

「診てもらうか?」

 

古城が冗談を言う。

 

「そこまでじゃねぇから、遠慮しとく」

 

矢瀬がトイレへ走っていった。

 

「古城、奢りなさいよね」

「ま、母親のツケだしいいか」

 

階段を降りようと踏み出すと同時に巨大な魔力を感じとり古城と姫柊がうめき声を洩らした。

 

「姫柊、これはーーーー!」

「はい、眷獣です。だけど、こんな桁外れの魔力は・・・・・!?」

 

窓から見えていた電波塔がナイフで斬られたかのように、倒壊していくのが見える。

 

「真祖クラスかよ・・・・・」

 

古城は第四真祖だが、他の真祖より圧倒的に若い。大人と子供の差だ。

 

「やるっきゃ、ねーよな」

 

なにせ近くに妹がいる施設があるのだ。見過ごせば妹が死ぬ。

 

「姫柊!浅葱を頼むぞ!」

 

窓を破り、魔力を脚に集中させ、元凶へ一気に跳ぶ。

 

「おらァァァァ!!」

 

元凶の少女を殴り飛ばす。

 

「来いよ、ここから先は俺が相手だ!」

 

少女が立ち上がる。その髪は虹色で綺麗な髪だ。

 

「アヴローラ、なんでここに・・・・・!?」

「余を殴り飛ばすとは、真祖の力を一応は使えているということか」

 

古城は両腕をクロスさせる。

 

「誉め言葉として受け取っておくよ。第666拘束機関解放、次元干渉虚数方陣展開!」

 

古城から膨大な黒いオーラが溢れ出す。

 

「イデア機関接続!」

 

ブレスレットが輝く。

 

「コードSOL!碧の魔道書起動!!」

 

黒いオーラが古城を中心に球形に広がる。

 

「いくぜ、手加減なんてできねぇからな!」

 

アヴローラはクスクスと笑う。

 

「元より手加減なぞ無用だ。征け、〝シウテクトリ〟」

 

少女の足元から出現したのは新たな眷獣。火山の噴火を思わせる灼熱の火柱だ。大蛇のようにのたうつ爆炎の激流が、古城を襲う。

 

「蹴散らせ、〝双角の深緋〟!」

 

古城は歩きながら黒い眷獣を召喚し爆炎を払う。

 

「なるほどな、あんたはアヴローラじゃないな」

 

古城は笑う。

 

「疾く在れ〝獅子の黄金〟!!」 

 

黒く染まった獅子が黒い雷を纏い少女へ牙を剥く。

少女も歓喜の笑みを浮かべる。

 

「〝獅子の黄金〟か。だいぶ変わったなーーーーならば、征け、〝カマシュトリ〟ーーーー!」

 

少女の眷獣が、巨大な雷霆となって黒い獅子を襲った。

電荷をまとう眷獣同士が、正面から衝突する。

黒い雷が辺りを破壊していく。

黒い獅子が雷霆を蹴散らした。

 

「ぐっ!、征け、〝シウテクトリ〟!」

 

少女は獅子の進行を止めるため、新たな眷獣を召喚する。

それは、黒い獅子を止めた。

 

「ここまで使いこなしているとはな」

 

少女が突然、地面を蹴って跳躍した。

少女は古城へ右手を突き立てる。その指先からは少女の繊朱に似合わぬ鉤爪が伸びていた。

 

「甘い!」

 

少女の手首をもって背負い投げをする。

 

「ッカハ!!」

 

少女は地面に叩きつけられる。

 

「余を圧倒するとは、だが!征け〝ソロトル〟!」

 

言巨大な骸骨の巨人が召喚された。骸骨の隙間は闇に満たされていた。その闇が砲弾のように放たれる。それをどうにかしようとして、古城はやめた。この場が冷気に包まれていたからだ。

 

「凍てつけ!」

 

その冷気は闇すらも凍らせる。

 

「兄さんほどじゃないね」

 

蒼い制服に身を包んだ男、如月ジンがいたからだ。

 

「古城はさっさと凪沙のところへ行きなよ。続きは僕が引き受ける!」

「頼んだ!」

 

古城はジンにバトンタッチして凪沙の病室へむかう。

 

「次は貴様か、六英雄」

「ほう、知っていたか」

 

ジンはユキアネサを抜刀する。

 

「待て、余はもうやる気はない。六英雄相手となると、骨が折れるからな」

「なら、来てもらおうか、事情聴取だ」

「それは断る。ではな!!」

 

爆炎を召喚して逃げていった。

 

「っち、逃がしたか」

「あら~、お仕事失敗でしたか?」

「ハザマ大尉。そっちはどうだ」

 

ジンはイライラを抑えてハザマに聞いてみる。

 

「私ですか?簡単に捕まえましたよ。前科に殺人未遂が増えましたね。絃神冥駕」

「いや、傷害罪だろ」

 

呑気に話しているのが今回の本当の目標。

 

「零式突撃降魔双槍が効かないなら、諦めるしかないよ」

 

へらへらと笑っていた。

 

「あ、取引しない?」

「「断る!」」

 

ジンとハザマは同時に答える。

 

「さて、私、本部へ護送するので、龍牙のこと頼みますよ」

 

ジンとハザマは実は龍牙を見守るために絃神支部へ派遣されていたのだ。

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