〝波朧院フェスタ〟が終わった直後の月曜日の放課後、アヴローラの下着を買いに行った途中、龍牙と古城、藍羽、矢瀬にアヴローラを追加したメンバーで変な店に行った。
「フ・・・・・フハハハハハ!哀れなる仔羊どもよ、き、恐怖に彩られた惨劇の館へようこそ!」
「ひうっ!?」
「っ!?」
アヴローラが怯え、龍牙は何か驚いた顔をしていた。
「・・・・・ひう?」
アヴローラが古城の後ろに隠れた。
「あー・・・・・どうも」
冥土のメイド?とくだらないことを考えつつ古城は苦笑いしながら会釈する。
「なに?古城の知り合いなの?」
藍羽が首を傾げてヴェルディアナを見つめる。
「・・・・・古城!?なにをやってるの、あなた、こんなところで・・・・・!?」
ぼろり、と思わずナイフを落として狼狽するヴェルディアナ。龍牙はそれをキャッチして、そのナイフを指で回転させて、遊んでいる。
「あー・・・・・ほら、買い物の途中だったんだけど。服とか。そしたらアヴローラのやつが、ヴェルディアナさんが働いているところ見てみたいって言い出したから」
「な・・・・・な・・・・・」
ヴェルディアナは頭を押さえてフラフラと倒れそうになる。
「さ、惨劇の舘・・・・・!?」
涙目になったアヴローラを古城が撫でる。
「大丈夫だぞ、アヴローラ」
ヴェルディアナはオロオロしている。
「・・・・・カルアナちゃん?」
「あ・・・・・」
モタモタしているヴェルディアナに痺れを切らしたのか、店長らしき人がヴェルディアナを睨む。
「早く仔羊ちゃんたちを生け贄の祭壇に案内して!」
「え!?あ、はい・・・・・こちらこお席へどうぞ!」
ヴェルディアナが半泣きになりながら席に案内する。
メニューを見るが、変な名前ばかりだった。
まあ、出ている物なので食べられないことはないだろうので適当に頼んだ。
「よし、アヴローラ、どうだ?」
「ふぉおお!」
龍牙とアヴローラの頼んだ物はどうやらホットケーキだったらしく、龍牙はホットケーキにチョコレートペンとナイフとフォーク、それに爪楊枝を使い、リアルなウサギを描いた。
「こんな特技も持っていたのか・・・・・」
古城は呟き、
藍羽と矢瀬はパシャパシャと携帯で写真を撮る。
「ねぇ、バイトしない?ホットケーキにそういう絵を描くバイト」
「考えておきます」
店長にスカウトされた。
「悪魔の絵とか描かされそうだな」
「なんだ?描いてほしいのか?」
「描けるのかよ・・・・・」
龍牙は自分のホットケーキにヤギの頭の悪魔を描いた。
なかなか雰囲気が出ている。
「ひっ!」
アヴローラが怖がるほど上手く出来たようだ。
「思ってた悪魔とは違うけど迫力が・・・・・」
「こんなに器用だったとはね」
まあ、ブラットサイズの点検とかしてるからな。
「お願い!今日だけ!今日だけでいいから!!時給1200・・・・いえ!1300円出すから!」
かなりの時給だ。
「そんなにか?」
「わ、私より給料が高い・・・・・っ!!」
ヴェルディアナに睨まれた。
「やっちゃいなさいよ」
「そうだぜ」
ここまでやられたら逆らえない。
「わかったよ」
「それじゃこっちで衣装を選びましょ!」
数分後、燕尾服を着た龍牙の姿があった。
「哀れな仔羊どもよ、生け贄となり悪魔を召喚するのだ!」
教えられた台詞を言い、チョコレートペンで適当に魔法陣を書き、その後、先程の悪魔の絵を描く。
「おおお!!スゲェ!?凝ってるな~魔族特区」
なぜか大人気だった。
「ノリノリだな、あいつ」
「芸が細かいな、魔法陣を描いてから悪魔に描き変えるなんてな・・・・・」
古城たちはこちらを観察している。
「一人前さっきの追加で!次は他の悪魔を喚んでくれ!」
大人気となった。
「混んできたわね、そろそろでましょう」
「ああ、そうだな」
「お代は龍牙持ちって約束だっただろ?」
矢瀬がため息を吐く。
「しかたねぇ、今日は俺が払っとくわ」
矢瀬が代金を払う。
「いでよ!バアル!!」
「ふ、これは72柱見ないことには終われないな」
バカ客だ。
「ふ、それまで貴様の魂は持つのか?」
「俺の心配をするとはな・・・・・」
大人気で、大変だった。
「いやー、大人気だったよ。この調子で明日もお願いできないかな?」
「考えておきます」
「じゃ、これ今日の給料。ありがとね」
4時間×1300円=5200円貰った。
「もう真っ暗だな」
バイトが終わったのは夜遅くだった。
「こんなところでバイトですか?なんなら私が雇いますよ」
「はっ、お断りだね」
ザハリアスが勧誘してきた。
「時給1万、君が望むならその十倍までは出せますよ?」
「ブラック企業に雇われる気はないな」
「そうですか、残念です」
ザハリアスは帰っていった。何かしてもおかしくないと思っていたのだが?
「ま、なんにもないんだったらいいか」
家に帰宅する。
「盗聴器なんてバレバレなんだよ」
服についていた盗聴器を握り潰す。
大したこともなく休みに入り、そして新学期、
龍牙はアヴローラと古城と共にるる屋に向かう。
「アイスの金、出してくれ」
「ん?確かにあそこのアイスは高いよな」
アヴローラが不意に立ち止まった。
「・・・・・アヴローラ?」
アヴローラの瞳に敵対心がはっきりと浮かんでいる。
龍牙もポケットに手を入れて構える。
「おまえ・・・・・九番目・・・・・!?」
そこにはアヴローラにそっくりの少女がいた。
服には〝IX〟のマーキングが施されている。
「我が名を記憶に留めていたか、暁 古城。褒めて遣わす」
高圧的な口調で呼び掛けてくる。
「おまえ一人か、なんで、急に?」
「もう一度空を翔んでみたいと思ったのだ」
「「は?」」
龍牙と古城の声がハモる。
「もう一度我を蹴り上げろ」
「はぁー、あとでな。今からアイス買いに行くんだ」
「む?なら、それを我にも」
九番目のわがままで一緒にるる屋に向かう。
「どれにする?」
「至高のものを我に捧げよ」
九番目は龍牙へそう言った。
「じゃあ、バニラ、生チョコレート、ポップの繰返し最後にストロベリーの七段で」
「は!?」
「ス、ストロベリー2つ、キャラメル2つ、生チョコレート3つ!」
アヴローラも対抗して七段重ねときた。
「いや、七段重ねとか、ねえよ、三段重ねまでだぞ」
「あ、できますよ、裏メニューってやつです。最高は七段までです」
「できるのかよ!?」
まあ、別に俺の金なんだからいいだろ?
「トッピングは全部載せで、アヴローラもそうするか?」
「うむ!」
古城は遠慮したのか、頼まなかった。
「・・・・・美味いな」
九番目が驚いたように呟いた、
「そうか、おごったかいがあったな」
九番目の頭を撫でる。
「・・・・・」
九番目は目を細めた。
「・・・・・礼を言うぞ、黒刀 龍牙」
「礼なら古城を手伝ってやってくれ」
「それが貴様の願いか」
向かいに座っている古城達を見る。
「ああ、そうだ」
「わかった」
九番目はうなずいた。
アイスを食べ終わった九番目は防護服の腰のポーチから、一枚のカードを出した。
「受け取れ、十二番目」
そう言って九番目は、カードを放る。アヴローラはそれをどうにか落とさず受け止めた。
「ザハリアスからの招待状た」
九番目が、古城たちを見つめてそう言った。
「次の満月の夜に〝焔光の宴〟で再びまみえようぞ」
九番目がそう言い残して歩き出す。
また遅れました。
最近疲れて頭が働きません。どうすればいいのだろうか?