ISーインフィニットストラトスー とある少年のドタバタ転生録   作:クロイツヴァルト

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第二回モンドグロッソ ②

 

 

 「さて・・・さっきの様な奴は周囲にはいないな」

 

 セシリアと別れたヒレンは当初の予定通りに観客席へと向かっていた。

 

 《ヒレン、今の時間はまだ織斑千冬の出番はまだの筈だ》

 

 「そうか・・・」

 

 《これはッ!? ヒレン、織斑一夏が連れ去られた!》

 

 「なにッ!? 奴らの行動の方が早かったのか!? 周囲にいる筈の警護人は!」

 

 《織斑一夏の警護に当たっていた者達は全員昏倒させられている》

 

 「くっ! あの木偶共にしてやられたって事か! ティエリア、ナビゲーション!」

 

 《分かっている!》

 

 ヒレンはそう言ってティエリアから送られてきた路地裏のマップデータを脳内で展開し、それを頼りに走り抜ける。

 

 そして

 

 「・・・ここか」

 

 人気の無い倉庫に辿り着き息を潜めて中を覗く

 

 「(いた・・・まだ外傷の様な物はなさそうだが)一応、アストレアを展開してから突入する」

 

 《了解した。 フォローはこちらでする》

 

 ティエリアの言葉を聞きながらヒレンはその場から少し離れた別の倉庫内に瞬間移動してからアストレアを起動する。

 

 「奪還ミッションを開始する」

 

 そう宣言してヒレンは手元にGNバズーカを展開し、倉庫の屋根を破壊して先程の一夏がいる場所に向かう。

 

 その頃

 

 「うぅ・・・ここ・・・は?」

 

 一夏は薄暗い倉庫の中でユックリと目を覚ます

 

 「あ・・・れ・・・? なんで俺はこんな所に」

 

 「目が覚めたかしら織斑一夏君?」

 

 「だ、誰だよ!? なんで」

 

 「なんでこんな所に連れて来たか・・ね? 答えは簡単よ。 貴方の姉である織斑千冬のモンドグロッソの決勝の辞退それが私達(・・)の望みよ。 あの人にこれ以上活躍されたら面白くないって国はいっぱいいるでしょうからね」

 

 「そんな・・・そんな事で俺を」

 

 「そう・・・君にとっては小さな事なんでしょうけども私達にとってはとても大事で大きな事なのよ。 だから・・・大人しくしていてね?」

 

 「嫌だ! 俺は千冬姉の所に戻るんだ!」

 

 縄に縛られた状態で一夏は暴れて縄を解こうとする

 

 「大人しくしていなさいよ」

 

 「うるせぇ! さっさとこの縄を解けよ!」

 

 「・・・いう事を聞かない悪い子には少しはオシオキが必要ね。」

 

 「ッ!?」

 

 女の殺気には流石に中学生になった一夏にも分かるほどに凶悪で声にならない叫びと目の前に広がる死の恐怖に先程まで喚いていた一夏であったがたちまち口を閉口せざる得ない状況に陥る。

 

 「別に声帯を潰してしまっても構わないわね」

 

 「あ・・・あぁ・・・」

 

 そう言った女は液体の入ったアンプルの栓を外し、注射器に移しながら一夏に近付きその魔の手が正に届こうとしている所へ

 

 「ッ!? な、なに!?」

 

 僅かな揺れと共に爆発音が倉庫の中に響いてくきた。

 

 「あ、アレは!? 紅天使!? でも何故・・・」

 

 女の目の前には悠々と倉庫の扉を破壊して侵入してくる真紅の機体が目に入る。

 

 「アレは・・・あの時の」

 

 一方の一夏は昔、海岸の目の前で自身を救った存在に目を奪われていた。

 

 「目標を目視により補足・・・これより先、障害になる物は破壊する!」

 

 マシンヴォイスで語られた声に女にとっての明確な敵意を感じた女は即座にISを展開して一夏から離れる。

 

 「こんな所で非常識な存在の介入をされるとは思わなかったわ・・・」

 

 「・・・そちらに交戦の意志が無いのならば早々に去れ! さもなくば」

 

 「こっちだって戦女神に紅天使の二体を相手にできる程の力は無いわ。 大人しく退かさせてもらうわ。」

 

 直後、女は足下に何かを撃ちこむのと同時に辺りが閃光に包まれる。

 

 「閃光弾(フラッシュグレネード)か!?」

 

 光が収まる頃には女の姿は無くヒレンは展開していた武装を格納し、縛られている一夏の縄を外す

 

 「あ、ありがとう・・・」

 

 しかし、次の瞬間

 

 「一夏、無事か!」

 

 「千冬姉!? 大会は「そんなもの辞退してきた!」 じ、辞退!? なんで!? この大会で二連覇だったんだよ!?」

 

 「大会よりも一夏の方が心配だ! 無事でいてくれてよかった」

 

 ISを展開した状態で入って来た千冬だが、一夏の様子を見てすぐにISを待機状態にして一夏を抱きすくめた。

 

 「それよりも・・・あの紅いロボットが・・・あれ?」

 

 「アイツ(紅天使)が来ていたのか・・・?」

 

 「うん。 俺を助けてくれたんだけど」

 

 「そうか・・・(ヒレン、お前にはまた借りが出来てしまったようだな)次に会う時には一夏の事も含めて礼をせねばなるまい」

 

 そう言って僅かに微笑む千冬の姿に一夏は面喰らっていた

 

 「さて、戻るぞ。」

 

 「千冬姉・・・ゴメン」

 

 「お前が無事なのならそれで構わない」

 

 そう言って一夏の手を握って倉庫の外へと千冬たちは出て行く

 

 結果から言えば史実通りに織斑千冬はモンドグロッソの二連覇という偉業を成す事は出来ずに決勝戦を前にして辞退、コレに伴い裏で起きていた事件は政府によって闇に葬られるがドイツからの情報提供の折に付けられた条件により千冬はドイツ軍の教官として渡る事になる。しかし、千冬の言葉により何故かヒレンまで呼び出される事になるのはまた別の話である。

 

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