ISーインフィニットストラトスー とある少年のドタバタ転生録   作:クロイツヴァルト

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紅VS白

 

 セシリアとの試合から更に三日経ち、ヒレンは一夏達とは逆のピットに立っていた。

 

 「・・・セシリア、お前は向こうに行ってなくて良いのか?」

 

 「それは私が望んでこちらに来ているのですから問題ないですわ。」

 

 そしてピットの中にはヒレンの他にセシリアの姿があった。

 

 『ヒレン君、織斑君の準備が整いましたので発進準備をお願いします。』

 

 そんな時にピット内の放送から山田麻耶の声が聞こえ、ヒレンはエクシアを展開する。

 

 「(リミッター)は付けるか?」

 

 『なら、ヒレン。 貴様のISの翼のBT兵器の使用禁止と共に近接装備のみでの戦闘・・・これでどうだ?』

 

 千冬の言葉が聞こえ、ヒレンは苦笑する。

 

 「なに、ド素人のあの男には丁度良いと思う。 しかし、ほんとに良いのか?」

 

 『教師に対しての言葉使いがなっていないが・・・まぁいい。 で?』

 

 「枷を付けてもボコボコにするかも知れないんだぞ?」

 

 『むしろそうしないとアイツは伸びない。 頭で無く体で覚える奴だからな。』

 

 不敵な声と挑戦的な言い方にヒレンは笑みを浮かべる。

 

 「それを聞いて安心してやれる。」

 

 「ヒレンさん。 お気を付けて」

 

 「俺は負けないさ。 ヒレン・E・アスティ! エクシア出撃()る!」

 

 そう宣言してカタパルトデッキを使いアリーナへと飛ぶ。

 

 「・・・待たせたか?」

 

 「いや、こっちも白式のシステムがまだ完全に適応していないから少しの待ち時間でも結構有り難かったぜ。」

 

 「そうか。 しかし一次移行がまだ済んでいないが?」

 

 「そこはまぁ・・・気合いで?」

 

 「直情型の考え無しと・・・」

 

 無骨な感じのISで名前違いな灰色と変哲もない近接用ブレードを振り被る。

 

 「それじゃ、行くぜ!」

 

 そう言って一夏はそのまま突撃姿勢でヒレンへと接近する。 ヒレンはその一夏に合せるようにしてGNブレードを展開して切り結ぶ。

 

 「まだまだ甘い。 斬り込むときの踏込みの甘さ、力の入れ具合、間合いの測り方、思考すらしない愚鈍さ・・・本当の戦いなら確実に死ぬぞ?」

 

 「うわっ!?」

 

 斬り結んでいる状態から左脚が一夏の脇に入り、横に吹き飛ばされアリーナの壁に激突する。

 

 「・・・どうした、織斑一夏。 お前はこの程度なのか?」

 

 「くっ・・・まだまだぁぁぁ!!!!」

 

 壁から抜け出した一夏だが、試合開始時と変わらずに一直線に突き進む。

 

 「・・・馬鹿の一つ覚えの様に戦うしか能が無いのか? 虚実を交えて行かねば勝てる試合でも負けるぞ?」

 

 「っと、うわ!?」

 

 ヒレンが左脚で蹴る動作をした瞬間、脇を固めた一夏だが直前で蹴る動作から殴る動作に変えたヒレンに対処出来ずにまた吹き飛ばされる。

 

 「・・・一次移行もせずに投了か?」

 

 壁では無く地面に激突して上がる土煙を見ながらヒレンは墜落地点にいる筈に一夏を見る。

 

 その時、一陣の風が巻き起こり舞っていた土煙が次第に晴れて行く。

 

 「・・・やっとか」

 

 「あぁ、待たせたな。」

 

 姿を現した一夏の姿は先程の無骨さは無く生まれ変わった姿をしていた。 白を象徴する機械的な羽を始め、丸みを帯びた形の機体【白式】はまさに一夏の専用機と今なったのだ。

 

 「俺は世界で最高の姉さんを持ったよ。」

 

 一夏は呟く様に左手に持った姿と共に変わった近接用ブレード否【雪片弐型】に視線を落とす。

 

 「俺は・・・俺の家族を護る! もう、護られるのは終わりにする!」

 

 「・・・」

 

 一夏の言葉を空中に佇んだままヒレンは黙って聞く。

 

 「先ずは・・・千冬姉の名前を護る!」

 

 その言葉とともに雪片弐型が真ん中からスライドし光刃が現れる。

 

 「・・・ならその覚悟を胸にし、俺に見せてみろ!」

 

 ヒレンもまたGNブレードを展開し、その刃を薄い緑色の光が覆っていた。

 

 そして両者が正にぶつかろうとする刹那の瞬間にアリーナ内にけたたましいブザー音が鳴り

 

 『試合終了! 勝者ヒレン・E・アスティ!』

 

 「「は?」」

 

 とても良い感じの空気を壊すような宣言に二人は間の抜けた声を出す。

 

 ――――――――――――

 

 「よくもまぁ、持ち上げてくれたものだな? それでその結果がコレか。 大馬鹿者」

 

 ピットに戻ったヒレンはセシリアを伴い一夏達のいるピットに足を運ぶと正座をさせられて鬼もとい織斑千冬が一夏に対して説教を行っていた。

 

 「武器の特性も考えずに使うからこうなるのだ。 身を持って理解しただろう。 明日からは訓練に励む事だな、暇があればISを起動しろ。 いいな?」

 

 「・・・はい。」

 

 千冬の言葉に只々頷き、項垂れる一夏。

 

 「・・・これからが大変だな。 織斑一夏の訓練メニューでも考案しておかないといけないな」

 

 「そこまでしなくとも」

 

 「アイツは俺と違い戦闘に関してズブのド素人だ。 そんな奴が学園を出た後にどうなるのかなど自明の理。 なればその前にある程度戦闘に対して知識と技術を教え込む。 可能であれば対人戦もな」

 

 ヒレンはセシリアと一夏の状況を見ていた。 そして、ヒレンは思案顔で考えていた事をセシリアに言うがセシリアはそんなヒレンに対して異論を言おうとするがヒレンは先の事も考えての事だとセシリアに言う。

 

 「そうですね。 確かに言われてみれば織斑さんは私達と違い、軍の様な訓練を受けている訳でもなくそのままこの学園に編入された訳ですし、自身の危険を排するくらいの事をしませんと彼の為にもなりませんものね。」

 

 「ひーくんはいっちゃんの事を心配してくれてるんだね~」

 

 「ひゃぁ!?」

 

 「・・・篠ノ之束、いきなり現れるな。」

 

 いつの間にか隣にいた束の事に驚いたセシリアは勢いのままにヒレンの後ろに隠れる。その様子を見て溜め息を吐きたい衝動を抑えて半目で睨む。

 

 「いやいや、私は最初からいたよ?」

 

 「どうだか。 それよりもアレはどういう事だ?」

 

 「さぁ、なんの事かな~?」

 

 「・・・はぐらかすのならそれでいい。」

 

 そう言って視線を束から一夏へと移し、ヒレンは厳しい目をする。

 

 (織斑一夏、お前はこれからありとあらゆる者達、世界中から注目を浴びる。 そしてその身を狙われる。 それらから身を護る術を俺が教えてやる。 だが、問題はあの変態科学者(キチガイ)だ。 アレが何を思ってOO関連の技術を俺に渡したのか・・・真偽を確かめる術は今は無いが向かって来るのなら駆逐するだけだ)

 

 一夏を見ながらヒレンはそう考えて決意を新たにする。

 




三月八日誤字修正致しました。
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