ISーインフィニットストラトスー とある少年のドタバタ転生録   作:クロイツヴァルト

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クラス代表決定!

 

 「ではこれよりISによる基本的な飛行操作を行ってもらう。 織斑、ヒレンにオルコット。 ISを展開して試しに飛んでみろ」

 

 四月も下旬に入り入学時に咲いていた満開の桜は散り、若い緑の芽が生える頃。 ヒレン達はISスーツに身を包みグランドにてIS基本動作の訓練を織斑教諭と山田教諭の下で教えてもらっていた。

 

 「・・・了解した。」

 

 ヒレンはエクシアの待機状態、デジタル調の腕時計を軽く触り起動する。

 

 「ふむ、やはり早いな」

 

 「俺だって!」

 

 織斑が右腕に装着している白式の待機状態、ガントレット型に左手を添えて集中する為に目を瞑る。 次の瞬間には白式を纏った姿となる。 それに続く様にしてセシリアもブルーティアーズを展開する。

 

 「私の表現が雑ですわ!?」

 

 「・・・何をいっている?」

 

 セシリアが何か電波を受信したのか憤慨していたがヒレンは不思議そうな表情をしていた。

 

 「・・・まぁいい、準備が出来たのなら飛べ」

 

 織斑教諭の言葉にヒレンとセシリアは瞬時に飛び、一夏は出遅れる形でヒレン達の後ろを飛ぶ。

 

 『織斑、何をしている? スペック上の出力ではエクシアに劣るもののブルーティアーズには勝っているのだぞ』

 

 「そうはいっても・・・前方に円錐をイメージってのがよく分からないんだよなぁ?」

 

 「織斑さん、イメージは所詮イメージですわ。 ご自分が解かり易い様に模索する方が建設的でしてよ?」

 

 「うーん」

 

 「セシリア、もっと分かり易く言わないと一夏は理解出来ん。 一夏、自分の中で最もイメージし易い物を思い浮かべろ。 どんな事でも良い。 俺は元から飛行訓練をしていたから参考にはならないが空を駆けるイメージだ。 鳥や飛行機などのイメージでも良いかもしれないがな」

 

 セシリアとヒレンの説明でなんとなく理解したのか一夏は漸く隣を飛行する事が出来た。

 

 「(危なげな飛行だが元々ISに触れ始めて最近なのだから当たり前か) なら俺が頑張るしかないか」

 

 「ヒレンさん?」

 

 「なんでもない。」

 

 『よし、織斑、ヒレンにオルコット。 急降下と完全停止をやって見せろ。 目標は十㌢だ。』

 

 「了解です。 それではヒレンさんに織斑さん、お先に」

 

 セシリアはそう言うと一気に急降下していく。

 

 「上手いもんだなあぁ」

 

 セシリアの急降下する姿を見て感嘆の言葉を吐く一夏

 

 「・・・次は俺か。 織斑教諭、速度限界は無くて構わないか?」

 

 『・・・まったく、注意をしてもやるのだろ?』

 

 「わかってるじゃないか。」

 

 そう言って一度高度を上げたヒレンは背中のウィングユニットを後ろに畳む様に稼働させて急降下に入ると

 

 「高機動(ハイマット)形態ってね」

 

 瞬時加速も併用して一瞬で音速域に入ったヒレンは地面スレスレで一度スラスターを噴かせてから着地する。

 

 「・・・胆が冷える様な急降下をするな。 とはいえ規定ラインを余裕だな」

 

 「この位当たり前だ。 大気圏からの突入だってこなすのが俺だからな。」

 

 そう言って織斑教諭と話をしていると

 

 「・・・まったく、アイツは何をしているんだ?」

 

 未だに降りてこない一夏に痺れを切らして上を見ると

 

 「・・・アイツ、停止する気があるのか? あのままならクレーターを作る気か?」

 

 危険だと判断したヒレンはPIC(パッシブ・イナーシャル・キャンセラー)自動(オート)から手動(マニュアル)に切り替えて地表に向けて墜ちる(誤字にあらず)一夏の下へ飛翔し、その首根っこを摑まえて地表から僅か一㍍の所で止まることが出来た。

 

 「た、助かった~」

 

 「止まる事を前提にしない降下は墜落したのと同じだぞ?」

 

 心底助かったと言う表情をする一夏と呆れて溜め息を吐くヒレンと対照的な2人であった。

 

 「さて、次は武器の展開だが、ヒレンは固定武装が殆どだ。 よってオルコットお前だ」

 

 「分かりましたわ。」

 

 そう言って右腕を水平に持って行き量子化されたブルーティアーズのメインウェポン【スターライトMk-Ⅲ】が展開され、セシリアが視線だけでセーフティーが外されていつでも撃てる状態を取る。

 

 「流石は候補生といった所か・・・だが、そのポーズは直せ。 誰を撃つつもりだ?」

 

 「で、ですが・・・これは私のイメージにそって」

 

 「直せ」

 

 「分かりました」

 

 「では、次に近接武装を展開しろ。」

 

 織斑教諭の声に従いセシリアは近接武装を展開しようとするが中々出て来ない。

 

 「・・・どうした? 早くしないか」

 

 「あぁ・・・もう、インターセプター!」

 

 しびれを切らした織斑教諭がセシリアを急かし、急かされた本人は焦って色々としていたが業を煮やし初心者が武器を呼び出す音声認証(コール)を使い、右手にショートブレード【インターセプター】を展開した。

 

 「遅い。 近接武装をひとつ出すのに敵が待ってくれるのか?」

 

 「ち、近付かれる様な無様は晒しませんわ!」

 

 「ほう? ヒレンにアッサリと接近を許したのにか?」

 

 「うぐ・・・」

 

 織斑教諭に言われた事に呻くセシリアだが、次の瞬間にはヒレンの方を恨みがましく見る。

 

 「・・・俺が何をしたというんだ」

 

 その表情にウンザリとしていた。

 

 その後はなんの滞る事も無く順調に授業は終わり寮に帰った後、一夏とヒレンは食堂にゲストとして呼ばれて席に座っていた。

 

 「というわけで織斑君とヒレン君のクラス代表就任を祝ってかんぱーい!」

 

 「「かんぱーい!」」

 

 「祝辞はありがたく受け取るが俺は一夏の予備だからな?」

 

 「俺はヒレンの方が適任だと思うんだけど」

 

 「ISの素人が何を言っている? お前は一にも二にも実戦と訓練を重ねて早くISになれて行かなければ今後の事に支障を来す事を思慮に入れるベきだ。」

 

 「今後の事って」

 

 「今は実感が湧かないかもしれないがな。 やらないよりもやった方がまだマシだ」

 

 夕食が終わり寮の自由時間に呼ばれたヒレン達はクラス就任祝いという名ばかりの女子先導の下でのどんちゃん騒ぎが始まる。 その中で一夏が代表として、ヒレンは万が一の為の補佐として副委員長のポジションに収まる。

 

 「いやー、これでクラス対抗戦も盛り上がるよねー」

 

 「「うんうん」」

 

 「ラッキーだったよねー。 同じクラスになれて」

 

 「ほんとだねー」

 

 そう言うのは同じクラスの相川清香と言う名の女生徒

 

 「一夏、ヒレン。 人気者だな」

 

 「なんでそうなるんだ?」

 

 「・・・喧しいのは苦手なんだが」

 

 「ふん!」

 

 2人の反応を待たずに箒は不機嫌ですと言わんばかりにお茶を飲む。 苦笑をしているヒレンを余所に女子のボルテージは増々上がる。

 

 「はいはーい、新聞部でーす。 噂の新入生の男性操縦者織斑一夏君とヒレン・E・アスティ君に特別インタビューをしに来ましたー♪」

 

 そんな中で女子の間から現れた新聞部と言った女子の言葉にオーと盛り上がる。 ヒレンはそんな女子達の様子を冷めた様子で見ていた。

 

 「あ、紹介が遅れちゃったね。 私は黛 薫子(まゆずみ かおるこ)よろしくね? 新聞部の部長をやってまーす。 はい、これ名刺ね」

 

 そう言って新聞部部長黛はヒレンと一夏に名刺を渡す。 一夏とヒレンはそれを受取った。

 

 「それで、特別インタビューって言うくらいに態々来たって事は色々と聞きたいのだろ?」

 

 「ずばり聞きます! 今、注目の男性操縦者の織斑君と紅天使のヒレン君がクラス代表となっての意気込みをどうぞ!」

 

 ズズイっとボイスレコーダーを突き出す黛に一夏は尻込みし、ヒレンは予想が出来ていたのか溜め息を吐く。

 

 「えーと・・・まぁ、頑張ります」

 

 そう言うと期待していた様な言葉では無かったのか黛は落胆の色を隠さない表情をした。

 

 「えー? もっといいコメントをちょうだいよー。 例えばさ、俺に触れると火傷するぜ! みたいなさ?」

 

 「なんだそれ、前時代の台詞だろ?」

 

 「なんでもいいから早く済ませろ。」

 

 「そーそー、改めてコメント宜しく」

 

 「自分、不器用ですから」

 

 「それこそ前時代の台詞だよー。 ・・・しょうがない、適当に捏造するしかないか」

 

 「それを本人の前で言うか!?」

 

 黛の言葉に一夏がツッコみを入れるがそこは新聞部部長としてなのか見事にスルーをしてヒレンの方へとレコーダーをそのまま突き出す。

 

 「じゃ、次はヒレン君」

 

 「特別インタビューはあまり好きじゃないが・・・二人きりならば話は別だが?」

 

 「ぇ・・・」

 

 ヒレンは最初の言葉を皆に聞こえる様にし、最後の方は黛の耳元で囁く様に言えば耳まで赤くして狼狽え始める。

 

 「どうする?」

 

 黛はその赤くなった表情のまま後ずさりをし、最後は

 

 「あ、あはは・・・ヒレン君はまた後日改めて伺います~!!!!」

 

 そう言って回れ右をして脱兎の如く走り去った。

 

 そして、暫くして

 

 「一夏、悪いが俺は席を外す。」

 

 「え・・・?」

 

 見捨てるのかという一夏の表情を見て見ぬふりをして目の前の飲み物を持ってヒレンは壁際で飲み物を片手に自分達を見ていた寮監である千冬のに行く。

 

 「こっちに来ていいのか? アイツ等と親睦を深めていたのだろ?」

 

 「あまり騒がしいのは好きじゃない。 それよりも織「寮の中とはいえ今は周りで聞いている生徒などいないから普通で構わない」 そうか。 千冬、お前の弟は凄い人気者だな」

 

 「それはお前も・・だろ?」

 

 「俺は別に構わない。 どれだけ親しくとも・・・平穏の中には俺の居場所は見つけられそうにない」

 

 ヒレンの自嘲めいた言葉に一瞬だが、悲しげな表情をする千冬だが

 

 「そんな事は無い。 居場所はこれから見つけて行けばいい。 最初からないと決めつけられるほどお前はまだ生きていないだろ」

 

 「・・・確かにそうだが」

 

 不敵に笑う千冬に何か言いたそうな表情のヒレン

 

 「第一、この場所で本格的な戦いに巻き込まれる事は全くないと言えば嘘になるがお前の居場所を見つける時間は確かに存在するのだからな」

 

 そんなヒレンを見て千冬は更に言葉を続ける。 その台詞を聞けば安穏とした環境にいる生徒からは理解が出来るとは思えないが、一部の専用機持ちの生徒が聞けば不安になる。

 

 「・・・見つけられると思うか? 戦う事にしか存在意義を見い出せない様な存在(おれ)が」

 

 「見つけられるさ。 この私が保証する。 世界最強(ブリュンヒルデ)がな。 お前が私と同年代ならばお前が最強だがな」

 

 そう言って口角を僅かに上げて優しく微笑む千冬にヒレンは慌てて視線を外す

 

 「(凛とした女性のふとした笑みと言うのはこうも破壊力があるものなのか!?)」

 

 「どうした?」

 

 不思議そうな表情をする千冬と頬を赤らめて視線を外しままあらぬ方向を見るヒレンの様子はタダならぬ雰囲気に感じたのか女子生徒が近寄って来る事は無かったが、寮の就寝時間まで続くのであった。

 




おや・・・千冬の様子が可笑しくなったぞ!? ヒレン、お前もか!?
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