ISーインフィニットストラトスー とある少年のドタバタ転生録 作:クロイツヴァルト
「・・・なぁ、ヒレン。鈴はなんでお前にあんな態度を取っているんだ?」
「・・・それが分かれば苦労はしない。 一夏は知って・・・いる訳ないか。 彼女が出来たのも向こうの行動が実ったに過ぎないし、お前から告白なぞしないだろうしな」
「なんだよそれ!? 俺だって・・・告白位・・・」
「簡単には出来んだろうが・・・朴念神が」
鈴の転校から数日経った頃、一夏は鈴の態度に疑問を持つが・・・ヒレンは一夏に聞こうとして諦めた。 この男は友人の妹に告白されるまで自分自身が恋愛対象に見られているという事に気付かないのであったのだから・・・
「しかし・・・鈴のあの態度・・・アレが原因か?」
ほんの数日前にヒレンの部屋にて部屋割りの事でいざこざがあり、鈴はその事からなのか・・・それとも中学最後の時の事で怒っているのか判断がつかないヒレンは鈴を訪ねるべくして隣の二組へと赴く。
「鈴はいるか?」
「ヒレン君!?」
「え、うそっ!?」
「なになに? 鳳さんに用なの?」
「鳳さんならアリーナの方に行ったよ?」
「そうか、ありがとう」
一年二組に赴き話を聞こうとヒレンは訪れたが、そのクラスの女子の話ではLHRが終わるのと同時に鞄を片付けけてアリーナの方に向かったと言った。
「入れ違いになったか・・・。」
《彼女にどう話をするんだ?》
ティエリアが呆れた様な口調で言う。
「鈴の話の先が良く分からない・・・しどろもどろにはなるし、部屋を一緒にしろだとか・・・騒いだ御蔭で箒が来て更に騒がしくなってしまったしな」
《それは・・・なんとも言えない状態だね》
ヒレンの言葉に苦笑でもしていそうなティエリア
すると目の前に鈴が現れるがヒレンを見つけた途端に回れ右をして走って逃げてしまう。
《追いかけないのか?》
「無論、追いかけるに決まっている。 しかし・・・何故逃げるんだ」
《それは君自身が答えを見つける事が大事だ》
ティエリアと会話しながらアリーナに向かっていたヒレンだが、鈴が逃げて行く先はアリーナの様子で追いかける。
「あ、ヒレン」
「ヒレンさん」
「遅いぞ、何をしていた」
「箒、セシリア。 鈴のやつはこっちに来なかったか?」
丁度、ISを展開していた2人だが、ヒレンが訪れて鈴の事を聞くとあからさまな態度で動揺していた。
「・・・アイツに何を言われた?」
「あ、あの・・・それは」
「ただ、私達に負けるつもりは無いと・・・」
「・・・そうか。 今日の訓練はお前達三人でやれ。 俺は鈴を探す。 先日の事で聞く事がある」
「・・・」
「セシリアはいつも通りの訓練を、箒は一夏と近接格闘の訓練をしておけ。」
「・・・まったく、アイツはどうして俺から逃げるんだ? ティエリアは何か分かるか?」
《それはヒレン自身が気付く事だ》
「 だが、俺はこの
ティエリアの言葉にヒレンは自嘲めいた言葉と達観したかのような目を目の前に広がる学園を見ながら呟く。
――――――――――――――
「ここにいたか」
「・・・ヒレン」
「なに、お転婆娘のお前がどうして俺の前から直ぐに逃げたので追いかけていたんだ」
「なによ・・・」
「ま、前置きはこの位にして・・・昨日の事だが・・・」
「・・・」
多少嘘をついて脳内のレーダーを駆使して鈴の
「・・・一夏のあの朴念仁ぶりは昔からの事だろうに」
「そんなことわかってるわよ。」
「分かっていないからこそのあの反応なのだろう? おまえがもう少し素直になればいいだけの話なんだが、恋する乙女は
「そ、それが・・・それが悪いって思って謝っている態度なの!? アタシが・・・アタシがどれだけ勇気を振り絞って言ったっていうのに」
ヒレンの言葉に最初は噛み付くような勢いの鈴だが、最後の辺りは声量が小さくなり、顔を俯かせてしまっていた。
「態度の方はすまない。 俺は今まで謝るという行為をした事が無い。 どういう風に謝ればいいのか良く分からないのだ。」
「その憮然とした態度で謝って貰ってもちっとも誠意が伝わらないのよ!」
「・・・すまない。 しかし、これは生まれつきなのでどうしようもない」
「それは・・・そうなんだろうけど」
ヒレンの言葉に思い当たる節があるのか気まずい表情をする。
「・・・そういえば、あの時の約束は覚えてるわよね?」
「あの時の・・・中学で鈴が転校する時の事か」
「そうよ・・・あの時の返事をもらえるわよね?」
鈴は覚悟を決めたような瞳でヒレンを見る
「え?」
ヒレンは鈴の近くに立つと鈴の頭の上に手を乗せて数回軽くあやす様に叩いた後に撫でた。
「・・・すまない。 俺はまだだれかを好きになったり愛するという事がどういう事か知らない・・・。 だからお前の求める返事は未だ出来そうにない」
「ヒレン・・・!」
「卑怯だと思うのなら構わない。 だが、俺は俺なりに考えて答えを出そうと思っている。」
「・・・分かった。 けど、絶対に好きだって言わせてあげるからね」
「そうか・・・。」
「そ、それに・・・ヒレンの事だから一夏以上に競争倍率高そうだし早めに自覚して貰わないと・・・」
ヒレンの何気ない表情を見て顔を赤らめる鈴は多少どもりながらもヒレンには聞こえない声でブツブと何かを言っていたが、生憎ヒレンは強化人間として優れた五感を有しているために聞こえていた。
「一夏以上の競争倍率? 何を言っているんだ?」
「な、ななななんでもないわよ! 私は用事を思い出したからもう戻るわね!」
ゆでだこ状態の鈴は早口にそう告げてヒレンを残して屋上から出て行く。
「いったい・・・なんなんだ?」
《ヒレン、君はもう少し女心というのを勉強するべきだよ》
「女心の勉強? 何故そんな事をしなければならない? 俺は戦う為の存在だ。 鈴の手前ではあの様な事を言ったが実際問題この学園を卒業したらまた紛争地域の根絶をする為の行動に戻るだけだ」
《君という存在は既に彼女達や織斑一夏にとってなくてはならない存在に成りつつあるというのは君自身が気付いている筈だ》
「確かに今のアイツ等に俺という存在が必要なのも分かっている。 しかし、こればかりは譲れない」
《そうか・・・一応、クラス対抗戦後も含めて開発中の後継機ガンダムOOとその専用支援兵器の開発を進めてはいるが二個目のGNドライブの制作はまだ終わっていないからな》
「ま、間に合えば御の字。 間に合わなければ死ぬ気でなんとかするさ。 俺には居場所を作る事は出来ないが護る事なら出来るからな・・・そのためのガンダムと力だ」
そう言ってヒレンは夕焼けに染まる空を見つめていた。 来たるべき戦いに向けて改めて決意を込めて
加執修正3/22
加執修正4/2