ISーインフィニットストラトスー とある少年のドタバタ転生録   作:クロイツヴァルト

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クラス対抗戦 ②

 

 

 「・・・一夏の奴が風邪?」

 

 「そうだ。 あの馬鹿者が何を思ってやったのか分からないが急ぎ足な訓練を重ねたせいで体調を崩した。 それで急遽なのだがヒレンに出て貰う事になる。 こういう時の副クラス委員長なのだからな」

 

 授業中に織斑教諭に呼ばれたヒレンは職員室に入るなり織斑教諭は開口一番にそう告げる。

 

 「アイツは自分の体調管理もまともに出来ないのか」

 

 織斑教諭の言葉にヒレンは溜め息を吐いてしまう。

 

 「まったくだ。 しかもクラス対抗戦は明日に控えている状態で一夏があの様だ。」

 

 「たった一日で完治する訳じゃない・・・了解した。」

 

 「要件はそれだけだ。 戻って授業に戻れ。」

 

 織斑教諭に言われ、ヒレンは職員室を後にする。

 

 「・・・まったく、あの馬鹿は」

 

 「織斑先生の弟さんが風邪ですか・・・」

 

 「山田先生、クラス対抗戦の出場者の方は織斑では無くヒレンに変更しておいてください。 まったく、ヒレンに変更する事で政府の連中がどう動くのか分からん。 束、対応の方は大丈夫なんだろうな?」

 

 「そんなの心配ないよーん! わたしとヒレン君の養女のクーちゃんとでプロテクトも万全だし、有象無象の奴らにひーくんに手を出す事がどれだけ無謀な事なのか教えてあげるんだから!」

 

 ヒレンが退室した後の職員室の一角で三人で話し合いをしている。 紅天使というネームバリューのあるヒレンが表舞台に出る事になってからのIS学園への政府の要請が多く寄せられる事となる。

 

 「・・・戦闘データのみならず現物を寄越せという阿呆が出て来るとは思いたくなかったのだが」

 

 「ま、そこはこの束さんがちょちょいのチョイってやったから問題ないけどねー」

 

 織斑教諭の言葉にいたずらっ子のような表情のIS整備研究顧問の篠乃之教諭が他の人間に聞かれていれば問題になる発言をしていた。

 

 「後は何事も無く予定が進めばいいのだが」

 

 織斑教諭の言葉が現実になり、甚大な被害をこうむる事になると今の彼女達には予想も出来ない事であった。

 

 「・・・で、一夏が風邪の為に俺がクラス対抗戦に出場する事となった。」

 

 「それをなんでアタシに言うのよ?」

 

 食堂で鈴と一緒に昼食を取っていたヒレンはそう切り出せばなんで違うクラスの人間に言うのかと鈴の視線がそう語る。

 

 「・・・一応は一夏がクラス代表で、俺が補佐役だから交代した事は対戦相手に言っても問題ないと判断したからだ」

 

 「・・・アンタと正面からやり合うとか、なんの罰ゲームよ」

 

 「それとも、セシリア達の前での啖呵はなんなんだ? お前の実力を俺には見せれないのか?」

 

 「言うじゃない・・・なら、徹底的に叩き潰してあげるんだから」

 

 ヒレンの挑発的な笑みに鈴も同じように返す。 食堂の一角でそんなピリピリした雰囲気に当てられて周りの女子達は固唾をのんで見守っている

 

 「それじゃ、俺はこれで・・・俺の機体は多分だがお前とは相性が悪いかもしれんから気を引き締めてかかって来い」

 

 「そう・・・でも、まるでアタシと戦う事が決まっている様な物言いね」

 

 「・・・なんというか運命という名の悪戯かもしれんがな。 俺の勘は初戦で鈴と対戦すると思っている。」

 

 「そ、そそそう。 ならせいぜい首を洗って待ってなさい。」

 

 そう宣言して鈴はトレイを片付けて食堂を出る。

 

 「・・・これは思わぬ収穫か。 アイツが何処まで出来るのか見ものだな」

 

 「随分と余裕ね」

 

 「生徒会長が何のようだ」

 

 鈴と別れてヒレンは一人屋上にて黄昏ていると後ろから声を掛けて来たのは水色の髪が特徴の学園最強で、ロシア国家代表の更識楯無その人が立っていた。 しかし、ヒレンは冷たい口調で突っぱねる様な口調で応対する。

 

 「ま、その余裕で足元を掬われない様にね」

 

 「そうだな・・・」

 

 悪戯っぽく笑う更識の口元を隠すように開かれたセンスには油断大敵と大きく書かれていた。

 

 「油断も何も・・・下手をすればこのクラス対抗戦は荒れるぞ」

 

 その直後、更識の目が僅かに細められるのがヒレンにも見ることが出来た。

 

 「それは・・・貴方の勘かしら?」

 

 「そうだ・・・この対抗戦はある関係者の所為で一波乱どころか世界全体を揺るがす事件になりうる」

 

 「その関係者って貴方の出自に関係する事なの?」

 

 更識家の情報の速さには流石のヒレンも感心したのかほぅっと溜め息を零す。

 

 「そこまで知っているのか」

 

 「偶然の産物よ。 貴方の事について政府からの依頼もあったけど素直に受けなければ色々と疑われるだろうし、だからといって大々的に反対すれば更識家に被害が出てしまうから」

 

 そう告げて更識はセンスを閉じる

 

 「でも・・・貴方の戦いを久しぶりに見てみたいわね。 紅天使さん」

 

 そう告げて更識は屋上をあとにする。

 

 「・・・更識、俺はお前が思うほど強くは無い。 俺は弱い・・・そして人は総じて脆い。 だが、人は様々な強さを持つ。 お前は俺に構っていたりするのではなく早くあの子と仲直りをしろよな」

 

 ヒレンの言葉は昼の空に溶け込んでいった。

 




 一夏は体調不良により対抗戦をヒレンに変わりました。
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