ISーインフィニットストラトスー とある少年のドタバタ転生録   作:クロイツヴァルト

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白騎士事件~前編~

 

 

 「ちーちゃん、準備は良いかな?」

 

 とある場所にて純白の機械の甲冑の様な物に身を包んだ少女とその近くで空間ディスプレイを展開した紫色の長髪に兎の耳を模したカチューシャを着けた少女が立っていた。

 

 「あぁ、しかし本当に大丈夫なのか?こんな物で本当にミサイルを墜とす事が出来るのか?」

 

 「束さんが作ったIS()だよ? 大船に乗ったつもりで大丈夫だよ!」

 

 「泥船の間違いじゃなきゃいいのだがな・・・。」

 

 手を忙しなく動かしながらそんな事を言う束と名乗った少女は後に世界を震撼させる兵器、【IS(インフィニットストラトス)】を世に発表する天災である。

 

 「そうか。なら行って来る!」

 

 そう言って騎士を彷彿とさせる機体を浮かせて地下(・・)を飛び出して行く。

 

 「さーて、ちーちゃんの雄姿を見ながら凡人共になんて言ってやろうかな?」

 

 空間ディプレイを展開しながらそんな事を呟いていた。しかし、そんな天災でも予期せぬ事態が起ころうとしていた。

 

 -日本上空4000m-

 

 バイザーで目元が見えなくなっている状態で5、6歳程度の子供(・・)が飛行機が飛ぶような高度を佇んでいた。

 

 《準備は良いかね?》

 

 「問題ない。【展開】」

 

 真紅の機体が子供の体を包み込む。

 

 「各部異常なしGN粒子を散布開始。」

 

 子供の体格に到底合いそうにない機体は大人を一回り大きくした程度だが違和感(・・・・)なく装着していた。

 

 《今回の目的は白騎士との接触、及び接近中のミサイル群の迎撃だ。万が一と言う事は無いだろうけど気を付けるんだよ。》

 

 「了解した・・・これよりミッションを開始する。」

 

 抑揚の無い声で子供は告げて東京の国会議事堂へと降下を開始する。

 

 

 「まったく、束はなんて物を作ったくれたんだ」

 

 国会議事堂より少し離れた場所の近海にて襲来するミサイルの1/3を破壊して日本への被害を抑えている存在・・・空を縦横無尽に翔る白騎士がその手に持つ近接用ブレードで迎撃をしていた。

 

 世界各国からミサイルを撃墜しつつ少女、【織斑千冬】はこのISについて考える。この事件の切っ掛けもこのISが発端である。

 IS、インフィニット・ストラトスは現在超常の兵器としてミサイルを迎撃してはいるが元々は宇宙開発用として篠乃ノ束が開発したマルチフォームスーツである。その性能は現在、千冬が駆る白騎士が証明している。

 現存するあらゆる兵器を凌駕し、操縦者を護る絶対防御。特殊な技術PIC(パッシブ・イナーシャル・キャンセラー)を搭載し、滞空能力、そして圧倒的な機動力を保持する。しかし欠点が存在した。それは・・・女性(・・)にしかにしか搭乗、そして操縦が出来ないと言う点である。

 

 当初、これを篠乃ノ束が学会に発表したものの当時の束の年齢とISのありえない性能の荒唐無稽さに相手にされず、それに反発した束は世界各国にその天才的な技術を持って証明する為にクラッキングを行い日本へ向けてミサイルを放ちその性能の実証を量る事となり今に至る。この真実を知る者はそれを行った自身と搭乗者をしている千冬のみが知るのみであった。

 

 「ハァッ!」

 

 そんな事を考えながらも千冬は次々に迫りくるミサイルを切り伏せて行く。そこへ

 

 《ちーちゃん!近くにいっくんと箒ちゃんの反応が!》

 

 「なにッ!?」

 

 モニタリングしていた束は白騎士のデータをリアルタイムで見ていて気づき、次いで千冬は白騎士に搭載されている超高感度センサー【ハイパーセンサー】で数キロ先の海岸付近にいる唯一の肉親であり6歳になったばかりの織斑一夏の姿を見付け、動揺する。 そしてその動揺が10発ものミサイルを見逃してしまう。

 

 「ちーちゃん!」

 

 「! しまッ・・・」

 

 その見逃したミサイルは神の悪戯なのか偶然(・・)、一夏、そして束の妹箒へと突き進む。

 

 「くそッ!」

 

 すぐさま転進し、ミサイルを追う千冬だが既に抜けてしまったミサイルとの距離は離れており、追うが中々追いつけずその凶弾は数秒もしない内に一夏達へと迫る。そして

 

 「いちかぁぁぁ!!!!」

 

 無慈悲にも追いかけていたミサイルは一夏達のいる海岸へと突き刺さり膨大な爆炎へと変貌し、その光景を見た見てしまった千冬は絶望の声を上げるしかなかった。

 

 《な・・・れ・・・は・・・ちー・・・ちゃ・・・》

 

 その最中、束との通信が途切れる。しかし、呆然自失となった千冬にはそれどころでは無かった。

 

 「いち・・・か・・・嘘だろ?」

 

 そこには先程までの憮然とした雰囲気も凛とした態度など無く無くしてしまうには大きすぎる物が彼女の胸の内に広がる。しかし、その彼女の背後には未だ1000発以上ものミサイルが飛来してきていた。

 

 「わたしは・・・(一夏のいない世界などなんの意味が)」

 

 そこに一筋の緑色の光が爆心地から発生していた煙を突き破り千冬に迫っていたミサイルを撃ち落とした。

 

 「ッ!? なんだ・・・!」

 

 一瞬呆けていた千冬だが、その間にもその煙の中から次々に放たれる光条が的確に寸分たがわずにミサイルを撃ち落として行く。

 

 「(いったい何が・・・)」

 

 そう千冬が思っていた時に追い風の様な形で千冬の方からの突風が発生し、次第に煙が晴れて行く。そこにいたのは・・・

 

 「いち・・・か? 一夏!!!!」

 

 真紅の全身装甲に身を包んだナニカに護られる形で生きていた織斑一夏と篠ノ之箒の二人が存在していた。そして真紅の機体はこちらと言うよりも飛来してくるミサイルに銃口を向けていた。

 




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