ISーインフィニットストラトスー とある少年のドタバタ転生録   作:クロイツヴァルト

30 / 56
疑似GNドライブ

 

 

 「なんなのよアイツ等!」

 

 「鈴、今すぐこの場から離れろ。」

 

 突如乱入してきた三機のISに鈴は睨み付けながら悪態を吐くが、ヒレンはそんな鈴を横目に捉えつつ問題の三機から目を離さないで告げる。

 

 「なんでアタシだけ離れないとならないのよ!」

 

 「・・・予想が正しければあの三機はこのエクシアと同系列か類似する物を搭載している。 現行のISではまず太刀打ちできない。 唯一対抗できる者は最強のIS操縦者である織斑千冬だけだ。」

 

 「だからって 「来るぞ!」 ッ!?」

 

 ヒレンの言葉に即座に反応して鈴は後退する。 そして先程いた空間にシールドバリアーを撃ち抜いたビームが通過する。

 

 『鳳さん! ヒレン君! 今すぐピットスペースへ避難して下さい!』

 

 「山田教諭? 通信はジャミングされているのでは?」

 

 『そこはこの天才の束さんのおかげだからね。 ヒー君のエクシアを介して何とかこっちの通信を繋いでいるだけだから』

 

 「そうか。 それと山田教諭、先程の話は無理だ。」

 

 『どういう事だ』

 

 回避した直後に管制室から山田教諭の通信が入るが、ヒレンは即座に断る。 そこに織斑教諭の疑問が入る。

 

 「アレは俺のエクシアに似たGNドライブを搭載した機体だ。 量産型のISが束になったとしても深手を負わせる前に全滅する。」

 

 『なら、お前なら出来るのか?』

 

 「そのための俺とエクシアだ。」

 

 ごく簡単に説明をしたヒレンに対して織斑教諭がそう問い掛けると至極当然とばかりにヒレンは答える。

 

 『よし、ならばお前に任せる。 が、万が一の事も考えて教師陣の突撃も準備しておく。』

 

 「バックアップがいると意識しておけばいくらか余裕が持てるな。 鳳鈴音は」

 

 『現在アリーナ内はハッキングを受けてシールドレベルが最大まで引き上げられ、隔壁も降りている。 現状は鳳も随伴機として戦闘に参加しろ。』

 

 「分かりました。」

 

 織斑教諭は鈴にも通信を開きアリーナ内部の事を説明してヒレンと共に侵入したISの撃退に加われと告げた。

 

 「・・・鈴、お前は前衛では中距離で支援砲撃をを担当しろ。 俺は前衛に立ちあの砲撃が他の生徒たちに向かない様に動く。 隙があれば撃墜しても構わない。」

 

 そう告げてヒレンはGNソードを展開して最初とばかりに上空を飛ぶ赤色のスローネに目標を決めて攻め込む。

 

 「あぁ、もう! そう簡単に突撃をかまさないでほしいわ・・・ね!」

 

 衝撃砲を速射砲の様に扱いながら黒いISを牽制しながら鈴はヒレンを見ると

 

 「・・・なによアレは」

 

 鈴が目にしたのはブルーティアーズやエクシアに搭載されているBT兵器に似た兵器がヒレンを後ろから追いかけていた。 しかし、それをヒレンはウィングからBT兵器を起動しており、二十四基という人に扱いきれるかと聞けば誰しもが否と答える様な数をヒレンは苦も無く使いこなしておりツヴァイとアインを翻弄しながらもドライに目掛けて展開したGNブレードを腹部付近に突き刺す。

 

 「・・・無人機か」

 

 「ちょっと確認もしないでいきなり貫通させるような攻撃をしないでよね! 心臓にめちゃめちゃ悪いじゃない!」

 

 鈴の避難の声を涼しげにスルーしたヒレンは腹部が刺さったままのドライを力任せに投げてブレードを抜く。 すかさず、カバーに入ったアインの御蔭なのか腹部以外は深刻なダメージらしいダメージは見当たりはしなかった。

 

 「しかし、相手が無人機だからといっても反応速度は人間のそれを上回る。 気を付けるべき点はあのオレンジ色の機体だな。 俺と同じBT兵器だがブレードを展開して突撃させたり射撃兵器としても使用可能か・・・俺のドラグーンにも転用できない物か」

 

 「出来たとしても更に凶悪にならないのそれ?」

 

 「さぁな。 ・・・っと鈴は下がれ。 向こうの無人機共の動きが少しばかり早くなった。 制限(リミッター)が掛けられていたのかしらんが機体の性能(レスポンス)の向上が見て取れる。」

 

 オレンジ色の機体と黒の機体の動きが先程よりも洗練された物となり鈴とヒレンに襲い掛かる。 鈴はヒレンの言葉に素直に従いヒレンから距離を取る。

 

 「さて、こちらも本気を出して行こうか」

 

 《解除(リリース)

 

 電子音声と共にエクシアの動きは一段と速くなる。

 

 「・・・俺の反応速度にコンマだが遅れているな」

 

 エクシアを駆りながらヒレンは自身の状況を顧みる。

 

 「この戦いが終わり次第、全点検をして改修作業でもするか」

 

 アインの砲撃を躱しつつ、ツヴァイと剣で幾度となく斬り結ぶ。 そして

 

 「そこ!」

 

 一瞬の隙を突き、ツヴァイの左腕を斬り飛ばし、手放されたGNバスターソードを掴む

 

 「ティエリア!」

 

 《敵IS武装のシステムに介入! 対象GNバスターソード》

 

 次の瞬間、淡い緑色にGNバスターソードが光る。

 

 《介入完了。 その武器の所有者をヒレンに書き換え完了した。》

 

 ティエリアの行った事は至極簡単だが、ISコアに侵入し、登録されている武装の持ち主の認識を書きかえる物であるが実際に行う事は難しい事である。

 

 「二機目!」

 

 しかし、途端にロックオンアラートが鳴り即座に機体を回避運動に移しツヴァイからより距離を取る。 その場所からさらに上方にいつの間にか移動していたアインからの砲撃で赤黒い粒子が通過してアリーナの地面を爆砕した。

 

 「っち、このままじゃ、ジリ貧か・・・単一仕様能力(ワン・オフ・アビリティー)であるアレを使うべきか? いや、しかしまだ」

 

 アインのビーム兵器の攻撃を躱し、ツヴァイの残った兵装【ファング】を躱しながらヒレンは思案していると

 

 「ヒレンー!」

 

 「なっ!? 篠乃之何故」

 

 アリーナのピットペースの縁に立つ箒はそこから大声でヒレンを呼ぶ。 その姿を目にしたヒレンは目を見開き驚きを露わにした。

 

 「ッ!?」

 

 「今すぐ逃げろ!」

 

 そしてそんな箒に反応してなのかアインはその長大な砲身を展開し、箒に狙いを付けるが一瞬の怯みはしたもののその強い意志を思わせる目でアインを睨み据える。 その姿を見てヒレンは直ぐに逃げろと言うがいっこうに動く気配を見せないままチャージが開始される。

 

 「くそ!」

 

 「ヒレン! ここはアタシに任せて箒って子を助けに行きなさいよ!」

 

 「しかし・・・」

 

 「うだうだ考えている間にあの子が危ないのよ!」

 

 そして次の瞬間

 

 「ッあ!?」

 

 「クソッ! ティエリア!」

 

 《了解。 一部システムの凍結解除》

 

 「【TRANS-AM】!!!!」

 

 ヒレンがそう叫んだ瞬間、機体の紅色が更に深くなり深紅色となる。

 

 「俺は護る・・・全てを!!!!」

 

 そしてその状態で出せる速度をゆうに上回り、箒の傍まで一気に辿り着くとすぐさまGNシールドを展開し、砲撃を防ぐ。 圧縮されているGN粒子を開放し、先程よりも強くなった出力を得たヒレンは砲撃を防いでいた。

 

 「ヒ、ヒレン」

 

 「話は後だ。 今はあの木偶人形を破壊する!!!!」

 

 軋みを上げるGNシールドを持つ右腕に掛かる負荷を無視して、ヒレンはブースターを吹かして砲撃をそのまま押し返しながらヒレンは突き進む。

 

 「俺の前で誰も傷付かせるかぁー!!!!」

 

 砲撃を押し切り、アインの目の前に辿り着いたヒレンは左手に持つバスターソードを振るって砲身を斬り裂いた。

 

 「おおおぉぉぉぉ!!!!」

 

 砲身が爆発した衝撃で体勢が崩れたアインを狙いヒレンは両手で持ったバスターソードを上段斬りでもってしてアインを破壊した。

 

 「はぁはぁ・・・鈴!」

 

 息を整える暇も無く、ヒレンは鈴の方を見ればミドルレンジで駆けまわる鈴とツヴァイの方へ駆ける。

 

 「ヒレン!」

 

 「無事・・・!?」

 

 鈴の傍に寄ったヒレンが目にしたのは装甲の所々が破損している甲龍であり、双天牙月も既に近接武装として機能するかどうか疑わしいまでになっていた。

 

 「あはは、アイツって意外としぶとくてね、結構やられちゃった」

 

 自身が辛い状態だというのに明るく勤めている鈴を見てフェイス越しにヒレンは奥歯をぎりりと噛み締める。

 

 「鈴、後は任せろ。 お前はゆっくり休んでくれ」

 

 「うん・・・そうさせて貰うわ。 実際にきつかったし」

 

 そう言って倒れ込みそうになる鈴をヒレンは抱き止めてアリーナの壁に寄りかからせる。

 

 「待っていろ・・・ 直ぐに終わらせる。」

 

 そう言ってヒレンはトランザムの状態のままドラグーンを自身の周囲に展開し、GNロングライフルを左手に持つ。

 

 「ガンダムスローネ・ツヴァイ。 俺はお前を破壊する!!!!」

 

 即座に反応したツヴァイは腰下から八つの牙を放出し、ヒレンへと狙いを付ける。

 

 「無駄だ!」

 

 二四基からなるドラグーンの猛攻を耐える事の出来ないままツヴァイのファングはひとつ残らず破壊される。

 

 「終わりだ!」

 

 右手に持っていたハンドガンをロングライフルで撃ち破壊する。 すると急に転進して破壊されたシールドの穴に向かって逃げるツヴァイだが背後からの一閃で上下に分断され、爆発もせずに墜落する。

 

 「状況・・・終了」

 

 スローネ最後の一機が墜ちるのと同時にGN粒子残量が危険域まで落ち込み、真紅色から紅色に戻る。

 

 「・・・このシステムは強力な強さを代償にしてシステム終了と同時に機体能力が一時的に三割にまで落ち込むか・・・諸刃の剣だな」

 

 そうして、ヒレンは壁に寄りかかる気絶した鈴を抱き抱えてピットへと向かう。

 

 ――――――――――――――

 

 「うーむ、やはり私の最高傑作は強いな。 敢えて疑似GNドライブ搭載型の先駆者でもあるスローネ三機を当てたが・・・既にトランザムシステムをも物にしていたか。 武装に関しても色々と試行錯誤を繰り返しているが・・・BT兵器を二四基も扱うとは流石か・・・んら次のステージへと行こうか」

 

 薄暗い空間に一人たたずむ白衣の男は移し出されているモニターに映るエクシアを見つめてほくそ笑む。 その表情は自身の造った機体が破壊されたものとは思えぬほどの喜悦に歪んだ表情で

 

 「ISコアを代用するために太陽炉を使ったが生産性も考えれば疑似GNドライブが妥当ではあるか。 次は次世代型の疑似GNドライブ搭載型のJINXを当ててみようか性能としてはスローネタイプの四割増しと言った所か」

 

 後ろを振り向くのと同時に薄暗い空間に明かりが灯ると十体ほどの銀の鎧人形の様なものが鎮座していた。

 

 「後は今回の戦闘データを我が子にインストールして使用する武装の開発もしなければな」

 

 そうして狂気的な笑みを深くする白衣の男

 

 「待っていたまえ。 君の行動が私の望みを更なる高みえと導いてくれるだろう」

 

 そう告げて男は高笑いを上げていた。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。