ISーインフィニットストラトスー とある少年のドタバタ転生録   作:クロイツヴァルト

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シャルル・デュノア

 

 

 お辞儀をしていたデュノアは元の姿勢に戻る反応が無い事に不思議と思ったのか辺りをきょろきょろと見回す

 

 「お、男・・・?」

 

 クラスの誰かがポツリと呟く。

 

 「はい。 こちらに僕と同じ境遇の方達がいると聞いて本国より転入を」

 

 (・・・本当に男なのか? しかし、中世的な顔立ちといえばそうなのだが・・・不自然なまでに華奢な体躯をしているが)

 

 ヒレンがシャルル・デュノアを見た第一印象は男と思えないの一言に尽きる。

 

 『ティエリア、デュノア社に息子がいたなんてものが存在したか?』

 

 『いや、今端末で確認したがそういった情報は全く無い。 それにシャルル・デュノアという人物の戸籍情報も偽造の痕跡が簡単に見つかった。』

 

 『デュノア社の社長はやり手だと思うが・・・妻の方が暴走でもしたのか』

 

 『可能性はあるかも知れない・・・IS業界では安定した第二世代機で第三位のシェアを誇るデュノア社だが、第三世代機の開発が遅れている事から焦れて妻の方が行動を起こしたとみて良いかもしれない』

 

 『・・・一応、探りを入れてみてくれ。 確定している訳では無いが社長がそんな会社のイメージダウンが起きる様な事をするとは思えない』

 

 『了解した。 女性至上主義グループが関わっていた場合の事も含めて調査してみよう』

 

 シャルル・デュノアの自己紹介の間に起きている喧噪のなかでヒレンはISコアを介し、特殊な回線にてジェネレーションシステムにアクセスしてティエリアと相談していた。

 

 「「「きゃあああああああああーーーーーっ!!!!」」」

 

 「ぐぁああああ!?」

 

 通信が終わるのと同時に起きた大音量の音波攻撃の様な衝撃にヒレンは驚き、耳の激痛の為に悲鳴をあげる。

 

 「男子! 三人目の男子よ!」

 

 「それもうちのクラスに!」

 

 「美形! 守ってあげたくなる系の! ヒレン君とは違う反対の子よ!」

 

 「お母さん、私を生んでくれてありがとう!」

 

 女子の子達が各々の藩王を見せている中で一部、極端な子まで出ていた。

 

 「あー、騒ぐな。 静かにしろ」

 

 織斑教諭の言葉に先程まで騒いでいたのが嘘の様に静かなものになる

 

 「これでHRは終わる。 各人はすぐに着替えて第二グラウンドに集合。 今日は二組との合同でISの模擬戦闘を行う。 解散!」

 

 両の手を打ち鳴らしながら織斑教諭はそう告げる。

 

 「織斑、ヒレン。 デュノアの面倒を見てやれ。 同じ男子だろう。 デュノア、何か分からない事があればヒレンに聞くと良い。 クラス代表の織斑よりは頼りになるぞ」

 

 そう言って織斑教諭は一夏とヒレンを見る。

 

 「・・・確かにおれよりヒレンの方が頼りになるのは納得だけど本人の前で言うか?」

 

 「まぁ、事実なのだからしょうがないと思う気がするが」

 

 一夏の落ち込む姿をみやり、ヒレンはフォローのしようが無いと斬り捨てる。

 

 「君達が織斑君にアスティ君? 初めまして。 僕は」

 

 「改めての自己紹介はまた後で聞く。 それよりも今が可及的速やかにこの場から移動するのが先決だ」

 

 教卓から移動してきたデュノアは一夏達を見て自己紹介しようとするがヒレンがそれを遮り移動すると告げる。

 

 「男子は空いているアリーナの更衣室で着替えだ。 これから実習がある度に移動する事になる。 早急に慣れる事だ。」

 

 「う、うん・・・」

 

 ヒレンの更衣室の単語を聞いてからデュノアは妙に落ち着きなくそわそわしていると

 

 「トイレか?」

 

 「と、トイ・・・っ違うよ!」

 

 「何を馬鹿な事をしているさっさと移動するぞ」

 

 一夏の言葉に顔を真っ赤にして反論していたデュノアを見て焦れて来たのかヒレンはデュノアの右手を掴むと早歩きで教室を出る。 遅れて一夏も後をおっれ来る。

 

 「転校生を発見!」

 

 「織斑君とヒレン君も一緒よ!」

 

 HRが終わるのと同時に出るつもりが遅れてしまい各学年の女子生徒達に発見される。 我先にと転校生の詳細な情報を得る為に先兵だと思われるが、その人数が尋常では無く各クラスから半分は来ているのではないかと思うほどである。

 

 「いたっ! こっちよ!」

 

 「者ども出会え出会えい!!!!」

 

 他の女子生徒達を率いていた一部の女子が叫ぶ中で、法螺貝の音まで聞こえてくる。

 

 「・・・いつからこの学園は戦国時代の物まねをするようになったんだ?」

 

 「そんな事知るか! それよりも早くここから」

 

 「逃がさないわよ!」

 

 「織斑君の黒髪や、ヒレン君の銀髪も捨て難い! そして金髪っていうのもいいわ!」

 

 「しかも瞳はアメジスト!」

 

 「これは新たな薄い本の題材に! 情報を何としてでも手に入れるわよ!」

 

 「きゃあああっ! 見て見て! ヒレン君とデュノア君の二人! 手! 手を繋いでるわ!」

 

 (まずいな・・・俺と一夏だけならまだしも転校初日に織斑教諭の授業に遅れたとなると・・・)

 

 きゃあきゃあと騒ぐ女子達の囲いの中でヒレンはデュノアを後ろにしながら打開策を講じる、

 

 「一夏・・・囮頼んだ」

 

 「え?」

 

 「シャルル・デュノア、少し我慢しろ」

 

 「へ?」

 

 言うが早いか、ヒレンは一夏をその場に置き去りにしてデュノアをお姫様抱っこをして窓から飛び降りる。

 

 「きゃああああっ!!!!」

 

 (・・・確定かも知れんな、こいつは女)

 

 「俺を置き去りにしたなぁーっ!」

 

 デュノアの悲鳴を聞きつつヒレンはそう結論付けた。 なんの思惑があっての事かは知らないが、友人たちや家族と呼べる者達に危害が加わる様な事態にはヒレンは容赦しない人物である。 そして未だに女子達に囲まれた一夏の虚しい叫び声が上から聞こえたが敢えてそれを無視した。

 

 「だ、大丈夫かな?」

 

 「奴なら単独になればどうとでも抜け出せるだろうから心配する事は無い。 俺達が危惧する事は織斑教諭の叱責が飛んでこない事だ。」

 

 「そ、そんなに危険なの?」

 

 「一夏なぞしょっちゅう出席簿で叩かれているが、出席簿と言う名の凶器となっている。」

 

 「僕が叩かれたら死ぬかもしれない・・・」

 

 ヒレンの説明に血の気が引くデュノア

 

 「と、所でこの格好はいつまで続くのかな?」

 

 「? 取り敢えず最短距離でアリーナに向かうから少しこのままの状態だな」

 

 校内から脱出しらヒレンとデュノアだが、デュノアは未だに御姫様抱っこされた状態のままアリーナに向かっていた。

 

 「・・・少しおくれそうだな。 飛ばすぞ」

 

 「え・・・きゃああああーっ!?」

 

 (隠す気があるのかこいつは)

 

 速度を急激に上げて疾走する中、腕の中でヒレンにしがみ付きつつも悲鳴を上げるデュノアを見下ろしながらヒレンはそう思うのであった。

 

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