ISーインフィニットストラトスー とある少年のドタバタ転生録   作:クロイツヴァルト

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 「さて、さっさと着替えてグラウンドに」

 

 「ま、間に合った!」

 

 更衣室に着いたヒレンとデュノアが着替えを始めようとした所で衣服が少し乱れた一夏がスライドドアを潜ってきた。

 

 「・・・なんとか間に合った様だな」

 

 「お蔭様で・・・色々とヤバかったけどな」

 

 「お前も少しは体を鍛えておかなければ今後が危ないな」

 

 「その鍛えるレベルがヒレンの場合は異常だろ」

 

 ヒレンの言葉に呆れ顔で言う一夏

 

 「ひ、ヒレン君って普段はどんな訓練をしているの?」

 

 「ん? 早朝のランニング十キロに射撃訓練、織斑教諭との組手等々かな?」

 

 「お、織斑先生との組手・・・」

 

 「な? 普通の思考回路の人間ならそもそも世界最強に組手を頼まないぜ。」

 

 ヒレンの言葉にデュノアの表情が引き攣る中で一夏は当然の反応だと言わんばかりにやれやれと首を振る。

 

 「・・・俺もデュノアも着替えてすぐに出れるが一夏、お前は一々着替えないとならないのではないか?」

 

 「あっ、ヤバい!」

 

 いうが早いか一夏はロッカーの前に行くと一気に上の服を脱ぎだした。

 

 「ひゃぁっ!?」

 

 するとそんな一夏を目の当たりにしてデュノアが素っ頓狂な声を上げて両手で顔を隠していた。

 

 「・・・デュノア、何をしている?」

 

 「あ、えっと・・・いきなりだったからびっくりして」

 

 「そうか・・・」

 

 「それにしてもISスーツに一々着替えるのって面倒だな。 色々引っ掛かるし」

 

 「ひっかっ!?」

 

 「さっさと着替えるぞ。 デュノアはそんなに恥ずかしいのなら一つ列を外した所のロッカーで着替えて来ると良い」

 

 そう言ってヒレンは制服を脱ぐと下には既にISスーツを着ていた。 一夏の様に紺色とは違い完全に黒で塗り潰された物で統一されている。

 

 「下に来ていると便利だな・・・」

 

 「こうしておけば緊急展開の時にもエネルギーの節約になる。」

 

 「そうなのか?」

 

 「お前はいつも思うがISを扱う事になるのだから必要事項などをしっかりと見ないのか?」

 

 ヒレンの言葉にバツの悪い顔をする一夏は頭を掻きながら

 

 「いや、確かにそうなんだけど勉強の方も大変なんだ」

 

 「・・・確かにお前の頭で今すぐすべてを覚えろと言うのが酷というものか。 今度暇を見て勉強を見てやる。」

 

 「ホントか!? 助かる! 鈴や箒の教え方って効果音や感覚だとかで訳わかんねェんだ」

 

 「・・・天才ゆえの感覚派と表現下手なのは姉譲りと・・・大変だな」

 

 そう話しながらヒレンはデュノアのいる方向を向き

 

 「シャルル・デュノア、着替えは済んだか?」

 

 「う、うん! 今そっちに行くね!」

 

 そう言ってロッカーの陰から出て来たデュノアはISスーツに身を包んで、胸元にオレンジ色のトップアクセサリーを掛けていた。

 

 「さて、全員が準備出来たから時間も押している・・・急いでグラウンドに向かうぞ」

 

 そうしてグラウンドに向かうとヒレン達を除くクラス全員が既に集まっていた。

 

 「遅いぞ。 何をしていた」

 

 「い、いや千冬姉これには訳が」

 

 一夏が言い訳をしようとした所に一夏の頭頂部に織斑教諭の鉄拳が炸裂し、一夏は地面に平伏して悶絶する。

 

 「学校では織斑先生だ。 何度言えば分かる」

 

 腕組みをした状態に戻ると一夏を見下ろしながらもそう告げる。

 

 「さて、これで全員そろった訳だが・・・本日より格闘及び射撃を含む実戦訓練を始める。 鳳、オルコット前に出ろ。 専用機持ちがどう言ったものなのか見せる良い機会だ」

 

 「なんで見世物みたいな事をしなきゃなんないのよ」

 

 「それは私の台詞ですわ」

 

 「専用機持ちは直ぐに展開して始められるからだ。 いいから前に出ろ」

 

 「まったく、お前ら少しやる気を出せ。・・・・・・アイツ等に良い所を見せたくはないのか?」

 

 織斑教諭の言葉に愚痴を言いつつも前に出る2人であったが、織斑教諭の言葉を聞き

 

 「しょうがありませんわね。 ここはイギリス代表候補生、私セシリア・オルコットの出番ですわね!」

 

 「まぁ、実力の違いを見せるいい機会よね! 専用機持ちの!」

 

 二人の明らかな態度の変化にクラスの者達は呆れるしかなかった。

 

 「ねぇ、織斑先生は2人に何を言ったのかな?」

 

 「さぁ、俺は分からないけど・・・ヒレンは?」

 

 「大体は察しがつくがこれはお前も気付く様にならなければいけない事だ」

 

 そう言ってヒレンは再び、前に出た二人を見る。

 

 「それで、相手どちらに? 私としてはリンさんとの勝負でも構いませんが?」

 

 「ふふん、それはこっちの台詞よ。 返り討ちにしてあげる」

 

 「慌てるな馬鹿ども。 対戦相手は・・・」

 

 織斑教諭の言葉の途中で高速でナニかが接近し、空気を斬り裂くような音が聞こえる。

 

 「・・・ヒレン、何か嫌な予感がするんだけど」

 

 「・・・奇遇だな、俺もそう感じているが」

 

 「あああぁぁーっ! ど、どいてくださ~いっ!」

 

 「っち、簡易展開!」

 

 「ヒレン!?」

 

 急接近する第二世代機ラファール・リヴァイブを装備した山田教諭に向けて手足と背中のスラスターのみを部分展開したヒレンは一気に加速して落下するように落ちて来ていた山田教諭を抱き止める形で受け止めていた。

 

 「・・・山田教諭、大丈夫ですか?」

 

 「あ、はい! 大丈夫です。 ありがとうございます!」

 

 そしてその状態のまま降下し、着陸してヒレンは山田教諭を離してISを待機状態に戻すが、未だに山田教諭はヒレンの方を向いて赤い顔をしていた。

 

 「あー、ごほんっ! 山田先生・・・大丈夫か?」

 

 「あ、はい! いつでも大丈夫です!」

 

 「では、小娘どもさっさと始めるぞ」

 

 「え、あの・・・二対一で・・・?」

 

 「いや、流石にそれは・・・」

 

 「安心しろ。 今のお前達ならすぐに負ける」

 

 戸惑う2人を余所に織斑教諭はそう不敵に笑いながら告げればムッとした表情になる二人はその瞳の奥に闘志の炎を宿していた。

 

 「では・・・はじめ!」

 

 開始の合図と共に織斑教諭の腕が振られるのと同時に二人は同時に空へと上がり、山田教諭はそれを一度だけ目で確認した後に自身も空へと上る。

 

 「手加減は致しませんわ!」

 

 「さっきのは本気じゃ無かったしね!」

 

 「い、行きます!」

 

 セシリアはBT兵器での攻撃をし、鈴は龍砲での砲撃で先制するが山田教諭はそれを難無く捌いていた。

 

 「さて、今の間に・・・そうだな。 丁度いい。 デュノア、山田先生が使っているISの解説をしてみせろ」

 

 「あっ、はい」

 

 空中で行われている戦闘を見ながらも、デュノアがしっかりとした声で説明を始める。

 

 「山田先生の使用されているISはデュノア社製【ラファール・リヴァイブ】です。 第二世代開発最後期の機体ですが、そのスペックは初期の第三世代型にも劣らないもので、安定した性能と高い汎用性、豊富な後付武装が特徴です。 現在配備されている量産型の中では最後発でありながら世界第三位のシェアを持ち、七ヵ国でライセンス生産、十二ヶ国で制式採用されています。 特筆すべきはその操縦性の簡易性で、それによって操縦者を選ばないことと多様性役割切り替え(マルチロール・チェンジ)を両立しています。 装備によって格闘、射撃、防御といった全タイプに切り替えが可能で、参加サードパーティーが多い事も知られています。」

 

 「流石はデュノアといった所か。 そろそろ終わりも見えたころだから説明はそこまででかまわん」

 

 「はい。」

 

 空の戦闘を見ながらデュノアの説明を聞いていたヒレン達だが、山田先生を追い詰めていると勘違いしていた2人はいつの間にか一つの所に纏められており、そこへ山田教諭が展開したグレネードランチャーにより撃墜され、地表に落下する所であった。

 

 「くっ、うぅ・・・。まさかこの私が・・・」

 

 「あ、アンタねぇ・・・面白いように回避先を読まれてんのよ・・・」

 

 「り、鈴さんこそ! 無駄にばかすかと衝撃砲を撃つからいけないのですわ!」

 

 「それはこっちの台詞よ! なんですぐにビットをだすのよ! しかもエネルギーが切れるの早いし!」

 

 「ぬぐぐぐっ・・・!」

 

 「ぎぎぎぎっ・・・!」

 

 どうも二人の馬が合わないのか喧嘩腰になる二人を余所に織斑教諭は二人の前に立ち、その横に今しがた下りて来た山田教諭がラファールを展開したまま立っていた。

 

 「さて、これで諸君にもIS学園の教員の実力は理解できただろう。 以後は敬意を持って接するように」

 

 手を打ち鳴らして皆の意識の切り替えを促す織斑教諭の爆弾発言を聞く。

 

 「さて、この場で皆が気になっているヒレンの実力を実際に披露してもらうとしよう。 勿論、相手は山田先生と・・・この私だ!」

 

 ジャージを一瞬で脱ぎ去った後に展開されたISは打鉄であり、その近接戦能力の高さを未だに破れる者はいないとされる。

 

 「・・・本気でやるのか?」

 

 「当たり前だ。 そもそも組手はしているもののIS戦ではやりあった事がないしこういった機会が無ければお前が動く事は無いと思っていた」

 

 不敵に笑う織斑教諭とその成り行きをアワアワと見守っていた山田教諭。 そしてそれを見つめながらため息を吐くヒレン。

 

 「分かりました。 しかし、リミッターはどうしますか?」

 

 「エネルギー出力の制限と使用兵装の制限を解除。 私はお前の本気の実力という物を見てみたいのだ。」

 

 「後悔しないでくださいよ?」

 

 そう告げてヒレンはエクシアを展開した。

 

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