ISーインフィニットストラトスー とある少年のドタバタ転生録 作:クロイツヴァルト
学園の授業が終わり、一夏は一人で帰路についていた。
「まったく、ヒレンは先に帰っちまうし、箒たちも部活で久々に一人で帰るのな・・・」
「答えて下さい教官! どうしてですか!」
「何度も言うが私には私の役割がある」
「ヒレン! 貴方はどうなんですか!」
途中の道で言い募るラウラと聞く姿勢を取っている千冬と木に寄り掛かるヒレンがいた。 その様子を咄嗟に木の陰に隠れた一夏は様子を窺う。
「俺も織斑教諭と同じ理由だ。 詳細は話す気は無いがな」
「この様な極東の地で何の役割があると言うのですか! お願いです我がドイツにヒレンと共に戻って来て下さい! ここでは教官の能力は半分もいかせません!」
「ほぉ」
ラウラの言葉に短く応える千冬に調子づいて息巻く様子を抑えないラウラは更に言葉を重ねる。
「大体ここの学園の生徒は教官が教えるに足る人間ではありません! 危機管理もなっていないここの学生はISをファッションかなにかと勘違いしている。 そんな者達に教官の時間を割かれる理由が 」
「そこまでにしておけよ小娘。」
「あっ」
「少し見ない間に偉くなったな? 十五歳でもう選ばれた人間気取りとは・・・恐れ入る」
「わ、私は」
「もう寮に戻れ。 私は忙しい」
「っく!」
まだ何か言いたかったラウラは悔しげに表情を歪めるがヒレンはそれを一瞥し、千冬は興味無いと無視を決め込んでいた。 そんな中をラウラは走ってその場を後にしていた。
「・・・そこの男子生徒、覗き見とは感心しないな」
「そりゃないぜ千冬姉!」
「学校の中では織斑先生だ。」
「う・・・、それでさっきの話だけどやっぱり」
「一夏、その事はお前が気にする事じゃ無い。 そういって事は俺や織斑教諭が適任だ。 お前はいつも通りにしていればいい。」
「だけどっ」
「お前はもう戻れ。 俺は織斑教諭と話がある。」
言い切るヒレンに取りつく島も無い一夏は肩を落としてそのままその場を後にした。
「ラウラの事に関しては少々言い過ぎな気もするがそれは彼女の事を思っての事だろ?」
「さて、どうだろうな」
「ま、俺は俺の範囲でラウラの事を見ておく。 まったく、デュノアの件に加えてラウラの事・・・この件が終わったらゆっくりと休めるかな」
「休息も大事だが、学業は疎かにするなよ?」
「そんな事をすれば貴女に叱責されるのが目に見えているからしないさ」
「そうか。 さっさと戻れ。 私も仕事が終わったら寮監として戻るからな」
「了解。」
そう言って木の幹から離れたヒレンは短くそう答えて寮に戻るのであった。
「・・・で、ティエリア。 捜査状況は?」
『おおよその事は判明した。 デュノアの事はどうも社長夫人の独断らしい。 ただ、指示したのは女性至上主義団体の者らしい。』
部屋に戻ったヒレンはシャルルが一夏と一緒に食堂に行っている間にジェネレーションシステムにアクセスしてティエリアと交信していた。
「・・・社長はこの件に関して」
『関係ないと思う。 この件を知ったのはシャルル・デュノアがこちらに来る時らしいからな』
「そうか・・。 女性支持団体・・・か。 面倒な」
『どうする?』
「・・・この件に関しては束博士の助力を得ようかと考えている。 ISの生みの親というネームバリューも使えるし、奴らの選民意識を叩き潰すにはうってつけの人だからな」
そう言ってヒレンは手元のコンソールで計画を練って打ちこんでいく。
翌日・・・
「あ、ヒレン君デュノア君。おはよう!」
「おはよう」
「相生さんおはよう。 今日はやけにみんなそわそわして何かあったのか?」
ヒレンがシャルルと共に教室に入るのと同時に相生が近付いて来て挨拶を両方と交わし、シャルルがいち早く気付いたシャルルは相生に聞く。
「学年別クラスリーグマッチの事で誰と組むか決めかねているんだと思うよ?」
「そういえば前の騒動で何が起きてもいいようにという配慮の下でタッグ方式をとることになったんだったな」
相生の言葉に合点が言ったと言わんばかりにヒレンは前回に起きた異常事態の事を思い出しながら言葉を紡ぐ
「ヒレン君は誰かと組む予定はあるの?」
「いちおう、クラス代表としては後に残った奴とって考えていたんだが・・・シャルル・デュノアと組もうと考えている。」
「して、その心は?」
「シャルルとならあらゆる面をカバーしながら戦えるために多少の楽が出来る。」
「だって」
「もぅ、身も蓋も無いね」
「しかし、事実だ。 お前のリヴァイブは大容量の拡張領域に豊富な後付装備であらゆる局面に対応できる汎用型だ。 多少第三世代とは見劣りする物の無下にできる物でもない。 相棒としてはこれほど心強いものはないと思っている。」
シャルルの責める様な目で見られながらもヒレンは淡々と事実を述べる。
「あ、相棒って」
「「「きゃぁぁぁぁぁ!!!!」」」
「これで今回の夏コミのタイトルは決まった! ヒレン君×デュノア君で決まりよ!」
「勿論、デュノア君が受けでヒレン君が攻めね!」
「待て、何故そこで顔を赤らめる必要がある!? そして、そこの女子! その変な物を発行しようとするな!?」
顔を赤くしてモジモジするデュノアとそれを目撃した女子の一部が黄色い声を上げ、更にごく一部の女子は何処か暗い瞳でその一部始終を見て危ない発言と妄想を発揮しており、柄にも無くヒレンがツッコみを入れる
「ツッコみ要員がいなくて対応が遅れる!」
「それって重要なのかな?」
ヒレンの叫びに相生がサラッとツッコんでいた。
今日も一年一組は通常運転である。