ISーインフィニットストラトスー とある少年のドタバタ転生録 作:クロイツヴァルト
「それでリーグマッチまでの予定はどうするの?」
「それよりも俺はシャルとヒレンが組んじまったから誰と組めばいいのか迷っているんだけど・・」
「そんな物は自分で考えろと言いたいが・・・お前の白式は近接特化だから中距離の鈴か、後方支援のセシリアと組むのが妥当だが」
「何故私と組んで下さらなかったのですか!?」
「そうよ! なんで猪突猛進の一夏の相方にならないといけないのよ!」
食堂の席で今後の方針を考えている一同であったが、ヒレンとシャルルが組んだ事に異を唱える二人
「確かに一夏は猪突猛進だが、一応は学習をするのだから馬鹿では無くアホなだけだ」
「箒さん、それはフォローじゃなくてトドメになってるよ・・・」
箒の言葉に反論の言葉が見つからない一夏は机に突っ伏した状態で魂が抜けかけており、シャルルはそんな一夏と箒を見て若干呆れ混じりの言葉で言った。
「しかし、あの場ではあぁ言ったものの・・・全員のちゃんとした実力は把握していないのは不味いな。 リーグマッチの前にちゃんと模擬戦でもして把握しておきたいが・・・いざ当たった時に対応策を講じられればそれで終わりなんてのもざらだし」
「・・・分かりました。 私と鈴さんは一足先にアリーナに行って特訓してますわ。 ヒレンさんに織斑さん達の事はお任せ致しますわ」
「・・・そうね。 アタシが言うのもなんだけど感覚派だから体で覚える一夏にはヒレンやデュノアの説明が一番分かり易いし、箒はヒレンやデュノアの事で一夏と同じように専用機持ちの心構えでも身に着ければいいしね。」
「あの束博士が実の妹に専用機を造りかねないのも事実だからなんとも言えないがな。 他の人間からしたら依怙贔屓と蔑まされてもどうしようもない事になるからな。」
鈴の言葉に同意する形でヒレンは箒に向かってそう告げる。 心の片隅で願っていた事がヒレンに筒抜けだった事に箒は驚きながらもその言葉に耳を傾ける。 そんな中でセシリアと鈴はさっさと食器を片付けて食堂を後にする。
「姉さんから作って貰う事になんの問題があるというのだ?」
「その考えからして間違いだ。 箒、ISのコアは全部で417・・・俺のを入れれば418個だ。 この意味が分かるか?」
「姉さんがコアを作って意図的に世界中へばら撒いた物だろ? それが」
「その限られた中で箒、お前に新しく作るとしてコアはどうする? ISのスペックはどのようになると考えている? あの篠乃ノ束が変哲もないISをお前に送ると思うのか?」
「それは・・・」
「アイツの事だからまたはっちゃけて第三世代機をすっ飛ばして机上の空論の第四世代機とか出して来るかも知れん。」
「だ、第四!?」
「アイツの能力を考えれば簡単に辿り着く考えだ。」
そう言ってヒレンはコーヒーを一口啜り、目を一夏に向ける。
「一夏、お前も自分が特別な存在だという認識を持て。 俺を除いてISを動かせる男の操縦者だ。 狙われない訳がないのだから護身術の一つでも身に着けねば今後は危なくなるぞ。 前回の対抗戦の様にイレギュラーが起きた時に何もできませんでしたじゃ・・・死ぬぞ?」
ヒレンの言葉に一同は言葉を無くす。
「・・・俺の言葉は極端な話ってだけだが、一夏、箒。 お前達二人はとても危ない立場にあると言う事を常に頭の中に入れておけ。 かたや
そう言ってヒレンは席を立つ。
「シャルル、悪いがそこの二人の事を頼む。 俺はアリーナの方に行く。」
「あ、うん。 わかった」
「一夏、箒。 先に言っておく。 お前達は俺の様にはなるな」
「「・・・え?」」
シャルルに後の事を任せて呆然とする二人を置いてヒレンは一人、アリーナに向かう。 セシリアと鈴が向かった後に妙な胸騒ぎを覚えたヒレンは先程の会話を思い出しながら不意にドイツでの事を思い出していた。
(ラウラ・ヴォーデヴィッヒ、アイツの根幹には俺や千冬を崇拝している気持ちが有る。 それをなんとか取り除かない事にはアレはどうにもならないか・・・)
「しかし、なんだこの嫌な予感は」
一人ごちているその時
「急いで急いで! 第三アリーナで専用機持ち同士が模擬戦をしてるみたい! しかも二対一で」
走り去る女生徒の言葉を耳にしたヒレンは己の嫌な予感が当たった事に歯噛みした。
「クソ! 今の状態のアイツなら無謀な事をすると分かっていた様なものを・・・」
ヒレンは一気にトップスピードで廊下を駆け抜ける。 生徒達の波の間を縫う様に走る。
「元々幼少の頃から戦闘訓練をしてきているアイツとは場数が違うんだ。 セシリア、鈴。 早まった行動だけはするなよ」
そう呟きながらもヒレンは廊下を走って行く。