ISーインフィニットストラトスー とある少年のドタバタ転生録   作:クロイツヴァルト

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クラスリーグマッチ ②

 

 ヒレン達と別れた鈴とセシリアは第三アリーナにてISを纏った状態でお互いに対峙していた。

 

 「ヒレンさんに勝たないといけませんけど・・・」

 

 「勝てるイメージが湧かないのよね」

 

 セシリアはクラス代表を決める戦いで、鈴はクラス対抗戦の際の乱入騒ぎでの戦いを見ていた為、打倒ヒレンという目標を掲げたもののそのバカげたISの性能と本人の能力を間近で見ていた為に苦悩し、困惑した表情でそうお互いに呟く。

 

 「だけど」

 

 「あのデュノアって子よりも強ければお互いにヒレンとタッグを組む事も出来るのよね?」

 

 「そうすれば」

 

 「あの噂が正しければ」

 

 「「ヒレンと付き合える!」」

 

 数日前より一夏やヒレンには聞かれていない噂・・・このクラスリーグマッチで優勝した者は噂の男子二人のどちらかと付き合えると言う噂である。 実際には箒がヒレンの部屋に赴き、部屋に入って行くのを目撃した女生徒が流したデマであるのだが・・・二人が知る由も無い

 

 「それに・・・アンタとは戦った事があまりないから実力の差ってものをみせてあげるわ!」

 

 「それは此方の台詞ですわ!」

 

 そうして二人がいざ戦おうとしたその刹那

 

 「ッ!?」

 

 「アレは・・・!」

 

 「ドイツのシュバルツェア・レーゲン」

 

 「ラウラ・ヴォーデヴィッヒ」

 

 ピットの上に立ち、レールカノンを発射した体勢のままラウラは眼下の二人を見つめ

 

 「中国の甲龍にイギリスのブルーティアーズか。 まだデータで見た方が強そうだったな。」

 

 「アンタ、なんの積もり? こっちは特訓をいまからしようとしていた所なんだけど」

 

 「ふん。 あの人を狙う雌豚の分際で隣に立てると思っての特訓か? 貴様ら程度であの人の隣に立てると思っている事じたい笑止! この私直々に引導を渡してやる」

 

 「何故、あなたにその様な事を言われなければならないのですの? それは私達やヒレンさんの決める事ですわ」

 

 「アンタ、何様のつもり? やるってんなら相手になるわよ?」

 

 不遜な態度で二人に言い放ったラウラであったが、その言われた二人も心中穏やかでは無く、鈴は衝撃砲のロックを外しセシリアはスターライトの安全装置を外しいつでも撃てる状態にする。

 

 「なら、さっさと掛かって来い。 あんな量産機に2人掛かりで負ける様なお前達にこの私が負けると思えんからな」

 

 「言ったわね!」

 

 「その言葉、後悔させてあげますわ!」

 

 挑発するラウラに鈴とセシリアは同時に飛び出す。 しかし、先にラウラが上に飛んだ為、下から追う位置になる。

 

 「どうした? お前達のISの能力はこんな物なのか?」

 

 そう言って肩部のレールカノンを撃ち放ち、腰と肩に装備されているワイヤーブレードが二人を襲う

 

 「このっ!」

 

 「このワイヤーは厄介ですわね!」

 

 初撃のレールカノンを避けた二人だが、続くワイヤーブレードの複雑な動きに僅かながらも翻弄されてしまう。

 

 「この程度なのか? あの人ならこの程度の攻撃を難無く躱した上に接近もされてこの私を赤子の手を捻るように簡単に倒していたぞ」

 

 「ヒレンの場合は規格外もいい所でしょ!?」

 

 「あの人の幼馴染だからといってあの人の近くにいようとしない貴様に何が分かる? あの人の苦悩を、あの人の苦労を・・・孤独を!」

 

 「な、何の話よ?!」

 

 「知らない事は罪とあの人は言った。 だが、貴様らにあの人の事を私から言うつもりは・・・無い!!!!」

 

 そして、ラウラは量子化した武器を手元に呼び出して握る。 そしてその形状を見てセシリアと鈴は言葉を失う。

 

 「あの人と同じ形状の剣を持って私はこの世界と向き合う。 しかし、その前に貴様等という障害を排除する!」

 

 セシリアと鈴はラウラの手に握られている・・・あの乱入騒ぎの際にあのオレンジ色のガンダムが持っていた物と酷似するGNバスターソードを片手に切っ先をセシリア達に向ける。

 

 「この剣のデータは一度だけあの人から見せて貰った物だ。 私のレーゲンには近接武装が少ない。 射撃兵装としても併用できる近接武装としてこのGNバスターソードを作り上げた! 材質と性能こそ違うもののコンセプト通りの武装だ! これで私は代表候補生として・・・ドイツ最強の座に返り咲いた!」

 

 ラウラは片手から両手に持ち替えて振りかぶる形でセシリアに迫る。

 

 「セシリア!」

 

 「無駄だ!」

 

 セシリアを庇う形で双天牙月を交差させて受け止めようとする鈴であったが、薄いエネルギー膜を纏ったバスターソードによって意図も容易く斬り裂かれてしまう。

 

 「そ、そんな!」

 

 「鈴さん!」

 

 「遅い!」

 

 自身の武器が容易く破壊された事に狼狽える鈴に対して叱責と注意を呼びかけるセシリアだが、無慈悲にラウラは振り下ろした状態から斬り返しの刃で鈴のISを斬り捨てる。

 

 「・・・こうも簡単なものか。 あの人とはやはり根本的に違う」

 

 ワイヤーブレードで鈴の首を吊り上げ、ラウラはセシリアの方を向く。

 

 「貴女は・・・」

 

 「この程度ですら私に傷を与える所か反撃すら出来ない貴様らがあの人の近くにいる事を・・・許さない!!!!」

 

 ラウラは肩部の展開したままのレールカノンを発砲する。

 

 「きゃぁぁぁぁッ!?」

 

 回避行動の遅れたセシリアは直撃を喰らい、アリーナの壁際まで吹き飛ばされる。 壁に背中を強く打ちつけたセシリアはPICで砲撃の衝撃は相殺したが、壁に激突した際の衝撃まで相殺するエネルギーは無く大きく咳き込む。

 

 「ゴホッゴホッ!」

 

 「貴様らがあの人の隣に立つことも共に戦う資格も無い」

 

 そんなセシリアを見下ろしながらラウラはその片目で冷徹な表情のままワイヤーブレードのワイヤー部分をセシリアの首に巻き付けて吊り上げると鈴と共にアリーナの中央の地面へと叩き付ける。

 

 「貴様らが死のうと死ぬまいと関係ない。 あの人の邪魔になる者はどんな手段を使ったとしても排除する。」

 

 そう言ってラウラは倒れ伏す二人に静かに歩みを進める。 それはまるで死刑執行をする執行人のように

 

 ―――――――――――――――――――――

 

 「くそ! ピットの入口にロックを掛けてやがる!」

 

 『どうする? 僕がハッキング掛けて開けるか?』

 

 「それをしたら存在に感付かれる! 電気系統なら電撃使い(エレクトロマスター)能力(スキル)で介入してロックを外す!」

 

 そう言って電子パネルに翳した手に一瞬だけスパークが奔り、ロックの表示がオープンと表示されドアがスライドする。

 

 「急がないと・・・二人が危ない!」

 

 そう呟きヒレンはピットの発進スペースに出てアリーナの先端の場所に立ち、その現場を目撃する。

 

 「セシリア! 鈴!」

 

 ヒレンの目に映ったのはワイヤーブレードに吊るされてラウラに殴打されている二人の姿であり、ヒレンは思わず叫びエクシアを展開し、ラウラへと強襲を掛ける。

 

 「くっ! ヒレン! 何故だ! 何故お前の邪魔になる様な脆弱な者を助ける! そいつらはお前の枷にしかならないのだぞ!」

 

 「セシリア、鈴・・・大丈夫か?」

 

 ワイヤーを展開したブレードで分断する。 そして、ワイヤーの拘束から外された二人は直後にISが解除され、その二人をヒレンは両脇に抱える。 そしてその際に生じた衝撃で踏鞴を踏むラウラはヒレンに向けて叫ぶが、ヒレンはセシリアと鈴を両脇に抱えたままアリーナの壁際まで運び壁に背を預ける状態で二人の安否を確認する。

 

 「ぶ、無様な姿をお見せしてしまいましたわ」

 

 「この程度、どうって事は無いわよ。」

 

 「無駄な強がりは止せ。 後は俺に任せて休んでいろ」

 

 そう言ってヒレンは腕の部分だけ解除して二人の頭に手を置く。

 

 「・・・ならお言葉に甘えさせて貰いますわ」

 

 「負けんじゃないわよ」

 

 「負けるつもりなど毛頭ない」

 

 そう言って気を失う2人を背にヒレンは再び腕の武装を展開し、ラウラと対峙する。

 

 「ヒレン・・・何故だ? 私はそいつらよりも強くお前の隣にふさわしいのはこの私の筈だ! ・・・なのに何故お前はそいつらに気を使う!」

 

 「ラウラ・ヴォーデヴィッヒ、俺はお前の事に責任を感じている。 中途半端な状態で放る形になりお前が歪な力に固執し、心酔ではなく狂信に近い感情をお前に抱かせた俺に責任がある。」

 

 「それは違う! 私は自分の意志で」

 

 「それが違うと言っている。 お前の根幹にあるのは歪んだ思想のみ・・・。 ならば俺はお前のその歪んだ思想を破壊する!」

 

 そう叫び、ヒレンはGNソードを展開してラウラに迫る

 

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