ISーインフィニットストラトスー とある少年のドタバタ転生録 作:クロイツヴァルト
「まだまだ実戦経験が乏しいな。 俺に比べれば・・・だがな。 個人だけでは出来る事が少ない事を理解しろ。」
「私にあなた達以外に信用できる者などこの学園にはいない!」
「それが間違いだと何故気付かない!」
アリーナ内を縦横無尽に駆け回りながらヒレンはGNブレードを。 ラウラはバスターソードを持ち何度も交差する。
「何が間違いだと言うのですか! 私は・・・あなた達の強さに憧れ、尊敬し目指してきたのです!」
「強さだけがすべてじゃない・・・他者と分かり合い、絆を築く事がより強くなれる!」
「そんな戯言を貴方が・・・紅天使が言うのですか!?」
「何度だって言う。 ラウラ・ヴォーデヴィッヒ・・・お前の歪んだ思いを俺とこのガンダムで断ち切る!」
ヒレンはGNブレードを腰に戻しGNソードを展開して疾駆する。
「私のこの思いが・・・歪んでいる? あなたが私を拒絶すると言うのですか!?」
バスターソードをライフルモードにし、空いた方の手をプラズマ手刀にしてヒレンと剣を交える。
「あぁ、歪んでいる。 俺がはそれを知っておきながらあの時に忠告しないで放置していた俺が悪い・・・だからその歪みを俺の手で終わらせる!」
そう言ってヒレンは戦闘機動の速度を上げる。 するといままで捕らえられていた筈の反応をラウラの駆るレーゲンのハイパーセンサーと境界の瞳を併用している状態で見失う訳がない筈だが、それにまったく反応できずに次々に攻撃を喰らう。
「ぐあぁぁー!」
尋常では無い速さで動く
(負けるのか・・・私はこんな所で)
「これで・・・終わりだ!」
(私は・・・負けたくない!)
《・・・願うか? 汝、自らの変化を望むか? より強い力を欲するか・・・?》
ヒレンの攻撃を受ける中、突如としてラウラの頭の中に声が響く。
(空っぽの私にあの人が倒せるのなら・・・!)
ラウラは願った。 尊敬する人間を前にして自分で倒し超えたいという目標を・・・歪んだ形でその願いを聞き入れた。
(力を、比類なき最強を! 唯一無二の絶対を! あの人を超える力を私に・・・よこせぇぇぇぇ!!!!)
Damage Level ――――――――D
Mind Condition ――――――――Uplift
Certification ―――――――――Clear
ラウラの瞳に文字が奔る。
【Valkyrie Trace System】―――――――――
条約によって禁じられたシステムが起動した。
「うあぁぁぁぁぁぁッ!?」
「ッく!」
放電するラウラに対してヒレンは距離を取る為に後退する。
「ヒレン、大丈夫?!」
「俺は大丈夫だ。 それよりシャルルの相手は」
「さっき、行動不能にしてきた所。 それよりも・・・」
「あぁ、異常事態だな」
ヒレンとシャルルの目の前で徐々に姿を変えていくラウラ。 その様子を見て管制塔から避難誘導の声が掛けられ、観客席に防護壁が下ろされる。
『アスティ、デュノア。 もう少ししたら教師陣がアリーナに到着する。 だからお前達はピットに非難しろ』
「千冬・・・このシステムの事を知ってるか?」
『学園では先生と呼べと・・・まぁいい。 私も知っている。 ヴァルキリーシステムだな。』
「過去のモンドグロッソ優勝者の動きを模したシステム・・・だが操縦者に多大な負荷を与える為に封じられたシステム」
『そうだ。 そして何故ドイツがこのシステムを持っていて実装していたのか・・・私にもわからん。』
「取り敢えず、ラウラの救出をする。」
『・・・危険だと言ってもやるのか?』
静かに問う千冬に対してヒレンは不敵に笑い
「その程度の障害は無いに等しいが・・・暮桜を身に纏ったたとえ贋作だといえ最強のIS乗りの織斑千冬と戦えるんだ・・・。 心躍る物がある!」
『なら、教師陣が突入するまでに決めろ。 それ以上は待てん』
「了解・・・救出作戦を開始する。
「僕も手伝うよ。」
「正直言ってシャルルには荷が勝ちすぎる・・・大人しく撤退しているか、相川清香と一緒にいてくれ。 ・・・頼む。」
ヒレンはモニターを通してシャルルを真剣な表情で見る。
「仮にその全てとまでは行かないが贋作として作られているのなら当時の織斑千冬の実力をそのまま反映・・・勿論、エネルギー無効化攻撃である零落白夜も実装している筈だ。 一撃でレベルDまで持って行かれる可能性も否定できない。」
「・・・分かった。 けど、援護射撃位はするからね?」
「・・・分かった。 援護は任せた。」
そう言ってヒレンはラウラを取り込んだヴァルキリートレースシステムに向き合い
「俺のクラスメートを・・・そして教え子を返してもらうぞ!」
GNブレードを展開してヒレンは敵に接近する。