ISーインフィニットストラトスー とある少年のドタバタ転生録   作:クロイツヴァルト

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クラスリーグマッチ ⑧

 

 

 「ちぃッ! 流石は織斑千冬をベースにしただけはあるな・・・だが!」

 

 迫りくるGNバスターソードをベースに取り込まれた雪片を捌いてヒレンは黒い巨人にブレードを繰り出すが、超人的な反射神経をしている織斑千冬の能力とISのシステムアシストの併用で振り下ろした剣を返す。

 

 「凄い反応速度だな・・・」

 

 しかし、ヒレンもまた強化人間としての人外な反応速度と機体操作を持ってその凶刃を躱す。

 

 「ヒレンにばかり気を取られちゃダメなんだからね!」

 

 ヒレンと黒い巨人が戦っている所でヒレンが一度距離を取った所を狙って大口径ライフル【ガルム】を撃って更に距離を稼ごうとするが

 

 「・・・流石、織斑先生って所なのかな」

 

 向かって来た銃弾を振り向きもしないで横薙ぎに振るって斬って落とす。 それを見たシャルルは苦笑しながらも黒い巨人の一挙一投足を見逃さんと睨み付ける。

 

 「シャル、ナイスアシストだ! (やはり俺という異分子(イレギュラー)がトレースシステムの強化やラウラの左目の事も境界の目のままで済んだ筈) 後は・・・俺の不始末を付ける! 【TRANS-AM】!!!!」

 

 「・・・綺麗」

 

 そう宣言するかのようにヒレンが叫び呼応するかのようにしてエクシアの表面を淡い赤色が包み込む様にして展開する様子を目撃したシャルルはただ自分の中の感想を漏らすだけであった。 しかし、それはシャルだけに当てはまらずに周囲にいた生徒や来賓の者達も目撃していた。 目撃した者達は感嘆の息を洩らす者、目を見張りその現象をその目に焼き付けようとする者と様々であった。

 

 「これで・・・終わりだぁ!!!!」

 

 トランザム化したエクシアの高速機動に翻弄させられた黒い巨人の隙だらけな胴を薙ぎ払う様にしてGNソードを振るい斬り裂く事に成功した。

 

 「・・・救助成功」

 

 開かれた胴から零れ落ちるようにして落下するラウラをヒレンはISを解除してラウラを抱き止めながら着地する。

 

 「ヒレンッ!」

 

 「俺は問題ない。 ラウラの方も気絶しているだけで無事だ。」

 

 ラファールを解除しながらこちらにシャルルが駆け付けるが、ヒレンはラウラを横抱きにしたままシャルルに近付きそう告げる。

 

 「織斑先生、イレギュラーの排除完了しました。」

 

 『こちらでも確認した。 一応医療班を向かわせるからそこでじっとしておけ』

 

 「了解した。」

 

 そうしてクラスリーグマッチはシュバルツェア・レーゲンの暴走事故という形で幕を閉じる事となった。

 

 ―――――――――――――――――

 

 「私は・・・」

 

 暫くして目を覚ましたラウラは起き上がろうとして体が重く感じる事に違和感を覚える。

 

 「ラウラ・・・目を覚ましたか」

 

 「・・・ヒレン」

 

 「・・・まだ力だけに固執するのか?」

 

 「・・・分からない。 私はこれからどうすればいい」

 

 「それはこれから探せばいい事だ。 今回の事は千冬がドイツのお偉い方にIS委員会を通じて事情を聞く様だ。 それに束も腹に据えかねていたから結構やられると思うがお前や黒兎(シュバルツェ・ハーゼ)部隊の事は俺の方から進言して潰されない様に束に相談しておいたから問題ないだろう」

 

 「そうか・・・私は結局の所何をしたかったのだろうか・・・教官とヒレンに憧れ、力を手に入れ最強の名を欲しいままに上に上った」

 

 「・・・・・・・」

 

 「しかし、それは間違いだったのだろうか・・・私はどうすればよかったのだろうか」

 

 ベッドに寝た状態のラウラは視線をヒレンから外し、窓の外にある夕日を見つめる。

 

 「お前はまだまだ生まれたての子供も同じだ。 分からないのなら手探りでもいい。 どうするのかは自分で決めろ」

 

 「だが」

 

 「お前は誰だ」

 

 「え・・・?」

 

 唐突なヒレンの言葉にヒレンの方を見ればヒレンはラウラを真っ直ぐ見つめていた。 ラウラはそんなヒレンに困惑していた。

 

 「お前は誰だと聞いている!」

 

 「私はラウラ・ヴォーデヴィッヒですが・・・」

 

 「そうだ・・・お前はラウラだ。 それ以上でもそれ以下でもない。 お前はお前だラウラ。」

 

 「あ・・・」

 

 「今はゆっくりと休め。 お前の機体の事なら束も見るし俺も改良できるところは見といてやる。」

 

 そう言葉を残してヒレンは保健室から出て行く。

 

 「・・・お前も不器用だな。」

 

 「それを貴女が言いますか?」

 

 扉のすぐ横に体を預けた千冬がそう言えばヒレンは呆れた表情をしてそう返す

 

 「私の不始末でもあるからな・・・だが、私の言いたい事は既に言われてしまったがな」

 

 「見舞いに行ってやるだけでアイツは喜ぶと思うけどな・・・」

 

 千冬が自嘲気味に告げるがヒレンはそれを否定する。

 

 「この学園に来た当初のラウラと今のラウラでは何か憑き物が落ちたように違った。 晴れ晴れとした顔をしていたからな・・・それとドイツの事は」

 

 「お前の要望通りに黒兎部隊に関する事はヒレンに任せる事にIS委員会で決まった。 ドイツの事に関してはヴァルキリートレースシステムの事を話題に出して束に一任しているから問題あるまい」

 

 千冬の言葉にヒレンはホッとした様な表情になった。

 

 「アイツはISの事になると熱くなるからなぁ・・・加減を間違えなければいいが・・・」

 

 一つの不安を覚えたヒレンだが束なのだから今更だと思い考えから追い出す。

 

 「後は頼んでいいか? 俺は少しレーゲンを見て来る。」

 

 「まだ解析が済んでいないが」

 

 「既に束に頼んでおいてレーゲン限定でコアネットワークをつなげるようにしてもらってあるからそこから覗いてデータの解析を少しするだけだ」

 

 「少し・・・お前も束に段々と似て来たな」

 

 「あんな軽いコミュ症に掛かったやんちゃな兎と一緒にするな。」

 

 そう言ってヒレンは今度こそ保健室を後にする。

 

 「アイツも素直になれれば良いのだが・・・もう少しアイツの事を支えてやれる奴がいないものか・・・」

 

 ヒレンの背を寂しげな表情で零す千冬だけが残され、千冬の言葉に返す者はいなかった。

 




久々の投稿でしたがどうでしたか?

千冬はヒレンの過去を一応は知っているという事なのでラストにこんなやり取りをさせてみました。

楽しんでもらえれれば幸いですが・・・次回もまた見に来て下さることを楽しみに待っていますm(_ _)m
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