ISーインフィニットストラトスー とある少年のドタバタ転生録   作:クロイツヴァルト

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クラスリーグマッチ 後日談

 

 

 「さて・・・トーナメントも無事とは言えないが終わった事だし」

 

 「すいませーん! 織斑君にヒレン君、デュノア君はまだいますか~?」

 

 帰って寝るかと言葉を続けようとした所に更衣室の扉の外から山田教諭の言葉が聞こえてくる。

 

 「どうしたんだろ?」

 

 「今大丈夫なので入って来て構いませんよ~」

 

 一夏の言葉にシャルルが答え、山田教諭が入ってくる。

 

 「お疲れ様でした~! 今日は3人に嬉しいお知らせです!」

 

 「嬉しいお知らせ?」

 

 喜色満面の山田教諭の言葉に訝しげな表情をする。

 

 「はい! なんとですね、今日から男子の大浴場使用が解禁になったんですよ!」

 

 「「おぉー!!!!」」

 

 その言葉に一夏とヒレンは声を上げて喜びを表す。

 

 「・・・どうしてそんなに二人は嬉しそうなの?」

 

 「まぁ、日本人だからな・・・部屋のシャワーだけしか使えないのが不満では無いがやはり風呂に入りたいという欲求には抗えないものだ。」

 

 不思議そうなシャルルにヒレンが興奮している一夏の代わりに答える。

 

 「そうなんだ。」

 

 「それにしても山田教諭、大浴場が使えるようになるのは来月からになると俺は思っていたのだが?」

 

 「実はですね、今日は大浴場のボイラー点検があって元々生徒達が使えない日だったんです。 でも点検自体はもう終わったのでそれならという事で一足先に男子3人に使って貰おうって計らいなんですよ!」

 

 そう言って両手を広げる山田教諭。 その際に怪しからん双丘がたゆんと揺れた。 うん・・・眼福なのか?

 

 「ヒレン君、山田先生の何処を見て頷いているのかな?」

 

 「え・・・」

 

 ハッとして山田教諭は胸を隠すように腕で隠そうとするが逆にその豊満さを強調している事に気付いていない様である。

 

 「んんッ! 一夏、俺達は後で入るからお前は先に入れ。 一番入りたがっていたのはお前だろうからな。」

 

 シャルルの言葉で気まずい雰囲気になっていたのを切り替える様に一夏にヒレンは話を振る。

 

 「良いのか!?」

 

 「良いも悪いもお前はじっくりと入りたいだろうと思ったから言っただけだ。 俺達は後でユックリと堪能させてもらう。」

 

 「ならお言葉に甘えて・・・イィィヤッホォォォォォォ!!!!」

 

 扉を出て一夏はドップラー効果を伴う声で更衣室を急いで後にするのであった。

 

 「・・・些かテンションがオカシクなっているなアイツ。」

 

 「あ、アハハハハハ」

 

 眉間を抑える俺と走り去った一夏を見てシャルルは乾いた笑いが漏れる。

 

 「では、山田教諭俺達も戻ります。」

 

 「はい~、それじゃまた明日教室で」

 

 「あ・・・ま、待ってよ!」

 

 ヒレンは山田教諭に別れを告げ、山田教諭はそんなヒレン達に手を振っていた。 ヒレンが先に更衣室を出ようとした所でシャルルが我に返り急いでヒレンの後を追う。

 

 ―――――――――――――

 

 「お、ヒレンにシャルル。 一番風呂は頂いたからお前達も入って来いよ! 気持ちよかったぜ?」

 

 大浴場に向かう所で部屋に戻る一夏とすれ違いそんな感想を述べて来た。

 

 「あぁ、俺達もゆっくりと浸からせてもらう。」

 

 「おぅ!」

 

 そう言って別れて俺とシャルル(・・・・)の二人は脱衣所に辿り着いてしまう。

 

 「・・・シャルル」

 

 「はッ、はいッ!?」

 

 「・・・何故敬語なのかは知らんがお前はこのまま大浴場を使え。 俺は時間を見て部屋に戻る。」

 

 「え・・・ヒレンは良いの? なんか楽しみにしていたみたいだけど・・・」

 

 「俺はシャワーで済ませる。 それに今入らなくとも来月には正式に大浴場が使用できるのだからその時に入れれば俺は問題ない。」

 

 「で、でも・・・」

 

 「あぁ・・・俺がいては脱ぐ事も出来んな・・・ではまた後で」

 

 そう言って踵を返して脱衣所を後にしようとしたヒレンの制服の袖をシャルルは待ってと言わんばかりに掴む。

 

 「・・・どうして俺の袖を掴む?」

 

 「・・・い・・・う・・・」

 

 「シャルル、何を言ったのか聞こえなかったのだが・・・」

 

 「えっと・・・僕と一緒には入ってくれない?」

 

 ヒレンの言葉に意を決した様な表情でしかし顔を真っ赤にしたシャルルはとんでもない事を提案する。

 

 「・・・同年代の男女が一緒の風呂に入る事がいかに非常識なのか分かっているのか?」

 

 「・・・でも楽しみにしていたのにそれを我慢させてまでボクが一人で入るのもどうかと思って・・・それとも僕と一緒に入るのはイヤかな?」

 

 ヒレンとシャルルとでは身長差がある為に上目使いになるがヒレンはそんなシャルルの行動に頭を抑える。

 

 「・・・一応タオルを巻くがお互いに一定の距離を保てば問題は無い・・・か。」

 

 ヒレンは妥協案として身体にタオルを巻き一定の距離を保ちお互いに視界に入れない様にすれば一応だが問題は起きないとヒレンは思っていた・・・。

 

 「・・・何故こうなった」

 

 大浴場に入りお互いに洗い終わって距離を置いて入浴していた筈なのだが・・・ヒレンの背中にシャルルは自身の背中を預ける様にして寄りかかっているというヒレンからすれば非常事態であった。

 

 「やっぱり僕とは嫌・・・だった?」

 

 「そうは言わんが一定の距離を保つと言ったはずだが・・・」

 

 少し沈みがちな声色で言うシャルルに対してヒレンは渋い表情をしていた。

 

 「なんかごめんね・・・でもこのまま聞いてほしい事があるんだ。」

 

 「・・・シャルルが男装している事について・・・か?」

 

 「うん。 それもあるけど・・・ヒレンが言った事で」

 

 「自分で決めろと言った事か」

 

 「うん。 それでね、僕ね、ここにいようと思う。 僕はまだここだって思える居場所を見つけられてないし、それに・・・」

 

 「それに・・・?」

 

 「・・・・・・・・・」

 

 シャルルの言葉が途中で止まりヒレンは聞き返すが返って来たのは沈黙であった。 そして会話が急に止まった事で浴場全体が静けさに包まれる。

 

 ぴちゃーん。

 

 「きゃあッ!?」

 

 「だ、大丈夫か!?」

 

 シャルルの悲鳴に振り向きそうになったヒレンだがそこは強化人間としての強靭的な意志で振り向きはしなかったもののシャルルの安否を確認する。

 

 「す、水滴が落ちてきて・・・びっくりしただけ」

 

 「そ、そうか・・・」

 

 「「・・・・・・」」

 

 そして二人してまた黙り込んでしまい沈黙がまたやってくる。

 

 「ッ!? シャルル、何を」

 

 「ゴメン、少しこのままでいさせて」

 

 するとシャルルは大胆な行動に出る。 ヒレンからは死角になっているがシャルルは背中合わせの態勢からヒレンに抱き着く様にして後ろから抱きしめる。

 

 「ヒレンが、ここにいろって言ってくれたから。 そんなヒレンがいるから、僕はここにいたいと思えるんだよ。」

 

 「そうか・・・」

 

 ヒレンはシャルルの言葉に頷き、自分の事を思い返す。

 

 (俺は他者に守られる事は無かった。 だがそれは俺が造られた存在で人とは違うから・・・なら人である者を守るのもまた造られた俺の存在理由になり得るのか・・・)

 

 「それに、ね。 もう一つ決めたんだ。」

 

 「なにを決めたんだ・・・?」

 

 「僕の在り方。 ヒレンと話す事でヒレンが教えてくれた事だよ? でも正面切って言ってくれなかったみたいだけど・・・ね?」

 

 「そうだったか・・・?」

 

 「ふふ、ヒレンってすぐそうやってはぐらかそうとする」

 

 クスクスと後ろからの笑い声にヒレンは苦笑を禁じ得なかった。

 

 「そうか・・・それはすまない事をしたな。」

 

 「ほんとうにそう思ってる? でも許してあげる。 僕はヒレンに色々と助けて貰ってるからね。 けど二人だけの時にはシャルロットって呼んで。」

 

 「それがお前の」

 

 「うん、僕の本当の名前。 お母さんがくれた、本当の名前」

 

 「分かった。 これから二人きりの時には呼ばせてもらうよ・・・シャルロット」

 

 「ん」

 

 返事と共に嬉しそうに両腕に力を籠めるシャルロット。 そしてヒレンはそんなシャルル・・・シャルロットの行動に焦燥感を覚える。

 

 「(このままでは俺の理性が保たない・・・)所でシャルロット、いつまで俺はこの体勢でいればいいんだ? このままでは正直・・・俺の理性が保たないのだが・・・」

 

 ヒレンは己の欲求を強靭的な理性でなんとか抑え、シャルロットに問う。

 

 「あ、ああっ、うんっ! そうだねっ!ぼ、僕、先に上がるから!」

 

 「あ、あぁ。」

 

 「覗いちゃダメなんだからね?」

 

 「俺が覗きをすると思うか?」

 

 「・・・。 覗いてもいいのに・・・」

 

 シャルロットがヒレンから離れた事にホッとした束の間にシャルロットは爆弾発言をする。 ヒレンはそれを聞こえなかった事にしたのであった。

 

 ―――――――――――――――――――――

 

 「さて、部屋に戻るか・・・。」

 

 「う、うん。」

 

 お互いに着替えをし終わって脱衣所の扉の前で待ち合わせをしていたが湯上りの所為かシャルロットの頬が赤く染まり桜色に上気してヒレンは思わず固唾を吞んでしまった。

 

 恰好は特性のコルセットで締めて外見上は男には見えるが濡れた後ろ髪が妙に俺をドキドキとさせる。 そして部屋に戻って他愛の無い話をしてから眠りについた。 前後の記憶があやふやだがきっと疲れていたからなのだろう・・・きっと・・・多分

 

 翌日。 朝のHRにはシャルロットの姿は無かった。

 

 ヒレンに先に行っててと言ってシャルロットとは食堂の前で別れていたのだが・・・ヒレンは疑問が解けずにいた。

 

 「いったい・・・どうしたというのだ? ラウラはともかくとしてシャルルまでいないとは・・・」

 

 そうヒレンが疑問を口にするが答えれる人物はいなかった。

 

 「み、みなさん、おはようございます・・・」

 

 教室に入って来た山田教諭は見るからにフラフラとしており足下が覚束無い状態で入って来た。

 

 (山田教諭は朝からあんな状態で大丈夫なのか?)

 

 「えー、今日はですね・・・皆さんに転校生の紹介をします。 いえ、転校生といいますか、既に紹介は済んでいるといいますか、ええと・・・」

 

 なにやら山田教諭が言い淀んでいる内に教室の扉が開き一人の女生徒(・・・)が入ってくる。

 

 「失礼します」

 

 「・・・は?」

 

 入って来た女生徒の姿を見てヒレンは間抜けな声を出してその女生徒を見ていた。 他の生徒も口をあんぐりと開けてその姿を見る。 そして一夏は一夏であまりの出来事に魂が抜けかけていた。

 

 「シャルロット・デュノアです。 皆さん、改めてよろしくお願いします。」

 

 そんな周囲の反応など露知らずと言った感じでシャルル・・・いや、女子の制服に身を包んだシャルロットはペコリと一礼するのであった。

 

 「ええと、デュノア君はデュノアさんでした。 ということでした。 はぁぁぁ・・・・・・また寮の部屋割りを組み直さなくちゃいけません・・・」

 

 「なるほど・・・山田教諭のあの表情はコレがあったからか・・・。 ・・・ん?」

 

 「え? デュノア君って女・・・!?」

 

 「おかしいと思った! 美少年じゃなくて美少女だったわけね」

 

 「ってヒレン君、同質だから知らないって事は・・・」

 

 「ちょっと待って! 昨日って確か男子が大浴場使ったわよね!?」

 

 時すでに遅し・・・ヒレンが対策を思案する前にガヤガヤと騒がしくなるクラスメートたちの言葉の中で昨日の出来事を思い出させるワードが出て来てしまう。

 

 「(これは・・・不味い気がするな)」

 

 「ヒレンーーーッ!!!!」

 

 しかし、ヒレンがそう思った直後に教室の壁をぶち抜いてISを纏った状態の鈴が現れる。 そして背後にはスタ〇ドの如く昇竜がヒレンには幻視出来てしまった。

 

 「死ね!!!!」

 

 両肩のスパイクアーマーがスライドし砲塔が現れるのと同時にエネルギーチャージが始まる。

 

 「ま、待て鈴! 流石の俺でもそれは死ぬ! 死ねるぞそれはッ!?」

 

 衝撃砲が炸裂し、後には荒い息をする鈴とその爆破現場を呆然とみる生徒達

 

 「・・・俺は・・・生きてるのか?」

 

 ふと目を開き鈴の方を向くとAICを展開したラウラが鈴とヒレンの間に護るようにして立っていた。 先の対戦で大破したと思ったが・・・いや、肩にあの大型レールガンが無い所を見ると急遽予備パーツで組んだのかと思案しているヒレンはラウラの行動が読めず次の行動を許してしまった。

 

 「ラウラ、助かった。 お前のレーゲンの具合はもういいのか?」

 

 「コアは辛うじて無事だったからな・・・予備パーツで組み直す事が出来た。」

 

 「そうなの・・・・むぐぅッ!?」

 

 そう次の行動とはヒレンの胸倉を掴み無理やりのキスをしたのである。

 

 「!?!?!?!?!?!」

 

 言葉にならない叫びとはまさにこの事かとヒレンは思いながらラウラの行動に目を剥いてしまっていた。 そして鈴を始めとしたその場の全員が呆気に取られている中でラウラはやっとヒレンから唇を離してまるで達成感を感じている表情をしていた。 しかし、顔が真っ赤である。 ・・・お互いに

 

 「あ、貴方を私の嫁にする! これは決定事項だ! 異論は認めんぞ!」

 

 「・・・嫁? 婿とかじゃなくて?」

 

 混乱するあまり逆に冷静になったのかヒレンはそんなツッコみをしていた。

 

 「に、日本では気に入った相手を嫁にするという一般的な習わしだと聞いた。 故に貴方を私の嫁にする。」

 

 「そんな習わし誰に聞いた? 俺はそんな話は初めて聞いたぞ?」

 

 「・・・おかしいな、クラリッサから聞いた情報とは違う・・・」

 

 ヒレンはラウラの言葉に即座に答え、ラウラはそんなヒレンの言葉に首を傾げ教わった者の名を呟いて不思議がっていたが

 

 「そうか・・・あの馬鹿者か・・・ふふふ・・・ハハハハハハハッ!!!!!」

 

 「お、おい! どうした!?」

 

 「次に会ったら覚えておけよ・・・クラリッサぁーッ!!!!」

 

 ヒレンの叫びは虚しく空に響くだけであったまる

 

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