ISーインフィニットストラトスー とある少年のドタバタ転生録 作:クロイツヴァルト
「うん、やはり本山葵は美味いな!」
海で遊び終わったヒレン達は宿に戻り着替え、大広間で浴衣を着て食事をとっていた。
「・・・」
「お前って食事の時はほぼ無口だよな。」
刺身を食べるヒレンを見て呆れる一夏
「食事は静かにする物だ。」
「ほんとそこは譲らないのな。」
「ねぇ、この山葵ってそんなに美味しいの?」
呆れる一夏に外国人であるシャルは山葵を知らないのか聞いて来る。
「おぅ、風味って言うのかな? それが良いんだよ。」
「そうなんだ。 あーん」
「「あ」」
山葵の良さを教えていた一夏だが、何を思ったのか山葵の塊を食べてしまう。 その一部始終を見ていた一夏とヒレンは呆気に取られてしまう。 そして嬉しそうに食べたシャルは一瞬で涙目になり口を押える。
「シャル、山葵はそうして食べる物では無い。 少量の山葵を刺身で包み食べる。 そうする事で刺身の風味を損なわずに刺身本来の味を楽しむことが出来る。」
「そ、それを先に言ってよぉ」
ヒレンの言葉に涙目のシャルが抗議の声を上げる。
「言う前に食べるお前が悪いな。」
「う~、ヒレンの意地悪~」
ニヒルに笑うヒレンに恨み気に睨むシャル。
「・・・それはそうと、セシリア。 正座が厳しいのであれば椅子のある方に移動した方が良いんじゃないのか?」
「おほほほ、ご心配無く。 この席を確保する為の労力を考えればこれしきの事」
引き攣った笑顔で答えるセシリアの最後の方はヒレンには聞こえていたが敢えて聞き流す。
「まったく、シャル。 口を開けろ。」
「ん? 分かったよ。 あ~ん」
口を開けたシャルにヒレンは先程言った刺身をシャルに食べさせる。
「どうだ、これが刺身の食べ方だ。」
「むぐむぐ・・・美味しい!」
「あ~! シャルロットさんズルいですわ!」
ヒレンとシャルロットのやり取りを見ていたセシリアは思わず叫ぶ。 自身の想い人が恋敵と恋人の様なやり取りを見て何も思う事がない訳が無く
「ヒレンさん! わ、私にも」
「・・・? セシリアの刺身はまだあるだろう? 何を言っているんだ?」
「そ、そうでは無くて・・・」
「あー! ヒレン君がデュノアさんにあーんしてたぁッ!!!!」
「「「「なんだってぇッ!?」」」」
「・・・五月蠅くすると」
「何をしている! 食事時に静かに出来んのかお前達は」
ヒレンが懸念していると案の定と言うべきか、千冬が山田先生を伴って襖を開け放ち注意をする。
「あまり騒がしくするのであれば男子は教師陣と食事させる。 それが嫌なら静かにしろ。」
「それで聞くのなら苦労はしないだろうがな。」
千冬の一言にヒレンが溜め息を洩らしながらそう言うが
「意外とこれって効くんですよね?」
苦笑気味の山田先生の言葉にヒレンが辺りを見回すとほぼ全員が姿勢を正して食事に戻っていた。
「・・・欲望に忠実と言うべきなのか?」
「あ、あはははは・・・」
ヒレンの言葉に傍らにいるシャルロットは苦笑いである。
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「・・・で、食事も終わったし俺は風呂に入ってくるが一夏、お前はどうする?」
「俺か? 俺は千冬姉に呼ばれているからそれからかな?」
「なら、俺は風呂に入ってからそっちに向かうとしよう。」
そう言ってヒレンは一夏と別れる。