ISーインフィニットストラトスー とある少年のドタバタ転生録   作:クロイツヴァルト

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中学生時代 ① 日常と非日常

 

 鈴たちと別れたヒレンは裏道に入って誰かと通信をしていた

 

 「・・・ティエリアその情報は確かなのか?」

 

 《僕の情報網は月の裏側の情報統括システム【ジェネレーションシステム(・・・・・・・・・・・・)】と同期している。 そして各ネットワーク内に端末を忍ばせているから間違いはない》

 

 「そうか・・・。」

 

 《今回のミッションは現在保護プログラムを受けている【篠ノ之束】【篠ノ之箒】の両名の探索と保護昨日未明に別々の場所にて護送中だった二人が同時刻に消息を絶っている》

 

 「日本政府はどうして動かない?」

 

 《おおかた自分達の保身の為だろう。 彼女達の安全よりも自分たちの安全を優先している様だ》

 

 「・・・場所はすでに」

 

 《特定済みだ。 二人は同じ場所に拘束されている様だ。 後は直接突入して制圧し、救助すれば今回のミッションは完了だ。》

 

 「違法施設の破壊の方が楽な気もするが・・・」

 

 《文句は誘拐犯に言うんだな。 あ、後は第二世代型ISで機体は不明だが数は2、3体の反応が出ている。 気を付けろ》

 

 「それは問題ない(・・・・)。 先に武装している人間を鎮圧し、それを壁にしてISを制圧する。」

 

 《いつも思うが君のその考えは常軌を逸していると僕は思うよ。》

 

 「それは俺自身が気付いているし止める気は無い。 行くぞ・・・アストレア!」

 

 通信を終えてヒレンは真紅の機体を纏い人知れず大空へ上がる。

 

 ~某所湾岸倉庫~

 

 「計画通り篠ノ之束とその妹の誘拐に成功した訳だけど依頼人(クライアント)からの連絡は?」

 

 「まだ来ないな。 しっかしこの計画の為にISを三機も回して来る辺り凄いとしか言えないな・・・。 下手な軍隊なら簡単に捻じ伏せられるだろ?」

 

 話をしている二人の男の他に三人の男がおりその近くには縄で縛られた篠ノ之束とそこから少し離れた場所で同じ状態で転がされている篠ノ之箒がいた。

 

 「・・・なぁ、依頼人に引き渡す前に俺達で楽しまないか? こいつ高校生にしちゃぁ中々そそる身体してるしよぉ」

 

 話をしていない男の一人が篠ノ之束を見下ろしながらそんな事を呟く。

 

 「駄目だ。 依頼人の話では傷一つ付けるなとあっただろうが。」

 

 「っち、ならあっちの妹なら構わないだろ? 妹の方は姉との交渉を円滑に進める為みたいだしそこまで重要視されてねェ筈だしよ。 まぁ、中学生になりたてをやるのは久々だし」

 

 「はぁ、変態が・・・好きにしろ」

 

 「さっすが分かってるじゃねぇか」

 

 その内の一人が動き妹の方へと近寄ろうとして

 

 「う・・・うぅ・・・ん」

 

 「・・・姉のお目覚めか。」

 

 束の目の前で監視していた男が束が目覚めた事に気付く。

 

 「・・・アンタ達、束さんになんか用? あんな事して」

 

 「用も何も頭脳明晰な貴女なら分かると思いますが?」

 

 「凡人の考える事なんて私が理解するとでも?」

 

 「凡人・・・確かに貴女からしてみれば他の者達・・・いや、織斑千冬だけが貴女の隣に立てる者でしたね。まぁ、その凡人達が貴女の知識を欲しているのです。 どうかご協力願えませんか?」

 

 「嫌だし無理。なんで私がそんな事をしないといけないの? アンタ達みたいなのに束さんの知識を貸す訳ないでしょ?」

 

 「そうですか・・・なら妹さんが酷い目にあっても仕方ないですねェ・・・。」

 

 瞬間、束は驚愕の表情を浮かべ男の顔が喜悦に歪むのが見えた。

 

 「箒ちゃんに何をする気なの!」

 

 「何って貴女の妹さんを甚振るだけですよ。 男と女・・・貴女ならこの意味がお判りかと」

 

 「下種!クズ!人の風上にも置けない奴!」

 

 「あははははは!!!! そうですよ? 我々は貴女が作りだしたIS(存在)で利益を上げれなくなった非合法の兵器売買組織の同業者が集まったのですから」

 

 男の言葉に束は更に食いつく。

 

 「そんな事は私の知った事じゃ無い! 箒ちゃんに手を出したら絶対に許さない!」

 

 「なら・・・協力お願いできますね?」

 

 「・・・」

 

 「ね・・え・・さん?」

 

 そしてそんな中、運悪く薬が切れたのか篠ノ之箒が目を覚ます。

 

 「箒ちゃん!」

 

 「では妹さんが目を覚ましたようですし・・・商談の続きと行きましょうか」

 

 「しょ・・う・・・だん?ね・・え・・さん?」

 

 目を覚ましたばかりの箒は意識が朦朧とした中で姉たる束に話し掛ける

 

 「そう。 商談ですよ。 我々に協力するなら最上級のもてなしを用意していますが、もし拒否するのならば・・・」

 

 その瞬間、縄の上から箒の中学生の衣服を男がナイフを使って引き裂く

 

 「っひ!?」

 

 その異常な事態に朦朧としていた意識を一気に覚醒させた箒は顔面蒼白になる。

 

 「やはり女性の恐怖に慄く表情とはイイものですねぇ・・・ゾクゾクしますね。」

 

 「俺の事を変態って言うんならお前も大概だろ」

 

 箒の衣服を引き裂いた男は振り向きながら束の正面に座る男に言う。

 

 「・・・良いじゃないですか。 女性のあの絹を裂くような悲鳴。 そして恐怖や絶望に染まった表情は実にクル物があるのですよ?それよりも・・・」

 

 「分かってるって。俺だってそろそろ我慢の限界だしな・・・」

 

 そう言って男は眼下で縄に縛られて寝転がされている箒に視線を移す。その目には下卑た物が存在し箒は身の毛のよだつ感覚に身震いしその状態でもなんとか後ずさりをするがそれを嘲笑うかのようにして男はゆっくりとした歩調で距離を詰め寄る。

 

 「いや・・・来ないで・・・」

 

 「残念だがそれは無理な相談だなぁ・・・お前の姉ちゃんが俺達の誘いを断るからこういった目に会うんだからなぁ」

 

 「誰か・・・助け・・・」

 

 「箒ちゃんに手を出すなぁ!」

 

 男が箒に触れようとした直後、倉庫内に束の絶叫に近い叫びが轟き、それを聞いた箒はまさか自分の姉がこんな声を上げるとは思わず目を白黒させ、目の前の男の口が歪んだ笑みを浮かべているのにも気づかなかった。

 

 「では・・・協力してくれるのですか?」

 

 「箒ちゃんを解放してくれるのなら・・・」

 

 「それは貴女の態度次第ですね」

 

 「・・・協力してあげる」

 

 「してあげる・・・ね?」

 

 男が束の言葉を聞いて目で箒の近くの男に指示を出し箒の露わになっている肩を掴むとビクッと体を強張らせる。

 

 「っ・・・!? 協力します・・・させて・・・下さい!」

 

 悔しげな表情でそう吐く束に対して男は愉悦に歪んだ表情をそのままにして男に指示を出す。

 

 「約束は取り付けたので・・・その子は好きにさせて貰いますね?」

 

 「・・・っ!? 約束が違う! 箒ちゃんには手を出さないって」

 

 「えぇ。 ですが我々の顔を見られている状態で彼女を開放する訳にはいきませんからね・・・せいぜい彼らが楽しんだ後には海外にでも売り飛ばす事になるでしょうが・・・ね。」

 

 「いや・・・いやぁぁぁ!?」

 

 束の言葉に男は愉快なのか笑顔のままそんな残酷な事をしかし、裏の人間からすれば至極当然な言葉に呆然自失となりかけるが箒の悲鳴を聞いて我に返る。

 

 「箒ちゃん!!!!」

 

 「助けて・・助けてよ・・・お姉ちゃん!」

 

 箒がまさに男に襲われようとしている所へ突如、倉庫の天井が破壊される轟音が、振動が倉庫内に起こる

 

 「な、何が・・・」

 

 「リーダー! 正体不明(アンノウン)が・・・」

 

 上階から駆け下りて来た男が叫びながら降りて来るがその途中で男の上半身は突如として飛来した一条の光によって消失(・・)する。

 

 「今のは・・・」

 

 そして次に起きた事象に更に混乱が起きる。

 

 「おい、外にいる筈のIS(連中)との連絡が出来ねぇぞ!」

 

 「なんですって!?」

 

 男の言葉にリーダー格と思われる男は先程までの表情とは別の驚愕の色を隠せないでいた。

 

 「いったい・・・何が・・・政府が動くとは思えないし・・・篠ノ之束は友人関係を築いていると思えないしそもそもこの場所がこんなに早く特定されるわけが」

 

 そんな男の言葉も虚しく上階から人が下りて来る気配を感じそちらを見れば

 

 「・・・子供?」

 

 中学生くらいの男子が手ぶらで外を出歩くような自然体で降りて来る。

 

 「・・・こんな所に何をしにきたのかな?」

 

 「・・・」

 

 「質問してるんだから答えろや!!!!」

 

 箒を襲おうとしていた男がずかずかと男の子の方へと進みいざ襟首を掴もうとした所で何かが折れる嫌な音が反響し、遅れて近づいた男は階段から転げ落ちながら叫び声を上げる。

 

 「俺の腕・・・腕がぁぁぁぁ!?」

 

 「ッ!? 早くあの子供を殺しなさい!!!!」

 

 男達が銃を抜くよりも早く男の子は眼前から姿を消してしまい、男達が動揺していた一瞬の隙を突き男の子は箒の近くにいた。

 

 「・・・衣服のダメージは大きいが本人には外傷は特に無し」

 

 「ッ・・・!?」

 

 「・・・そこで大人しくしているか目を瞑っておけ。」

 

 男の子が箒の状態を確認して自らの学生服を被せるが思いのほか先程の出来事が大きかったのかガタガタと震えている箒を見て男の子は冷めた口調でそう言うと

 

 「・・・展開!」

 

 そう叫ぶと一瞬の内に其処に居たのは

 

 「っな!? まさか・・・そんな馬鹿な!? なぜここにアレが現れる!? 篠ノ之束とは関係が無かった筈だ! そもそもアノ事件から行方が全く掴めなかった存在が何故この場に・・・」

 

 更に驚愕をする男とは別にしてそれを目の前で見た篠ノ之束はこう呟くしかなかった・・・

 

 「・・・紅天使」

 

 真紅の全身装甲にグリーンにツインアイに背部から噴出する緑色の粒子がまるで羽のように流れる様はまさに天使・・・彼らからしたら死を運ぶ天使だが・・・彼女達にはまさしく天使に見えたのである。

 

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