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俺は今、夜遅くに川神院の総代である川神鉄心と向かいあって話をしている。
「臨也…お主本気で言っておるのか?」
「ああ、俺は旅にでたい。
義務教育の間にいろんな物を見て回りてぇんだよ。
ホントは小学校を卒業してからでもいいと思ってたんだけどな…なんか我慢できなくてよ」
俺はいつになく真剣な目でジジイを見つめた
「ふむ、本当にいきなりなやつじゃのぅ。どうやら本気のようじゃし…
行ってきてもいいじゃろう」
「ほんとか!?」
まさかすんなり通るとはな…
いざとなったら無理やりにでも出ていこうと考えていたんだけどな
「お主は一度言い出したら人の言うことを聞かんからのぅ。
無理やり出て行かれるよりはましじゃわぃ」
「よくわかってるじゃねぇか…」
「ほっほ、当たり前じゃろ。
それでいつ出発するつもりなんじゃ?」
「あぁ三日後だ」
「ほんとに急じゃのぅ。
モモのやつには話ておるのか?」
「いや、今度話すよ」
「あやつはお主を気にいっとるから止めるじゃろうな」
「ハハッ最近よく一緒にいるけどさ。戦う相手がいなくなるのが困るだけじゃねぇのか?」
「それもあるが…まいいかの。
本人どうしの問題じゃし、最初はどこに行くんじゃ?」
「んーとりあえず西にいってみようと思ってる」
「そうか…寂しくなるのぅ」
「あぁ……俺がいなくなった後の百代の育て方間違えんなよ?
あいつの戦闘衝動はほったらかしにしてるとやばい」
「そうなんじゃよな…
お主やっぱりいてくれんか?」
「意見変えるの早いな!?」
「ま、冗談じゃ。できることはやるつもりじゃよ」
「ああそうしてくれ。
話はこれでおしまいだな」
一度立ち上がって部屋を出ていこうとした臨也だったが
もう一度鉄心の前に座り直し
「川神鉄心さん…今までありがとうございました!」
臨也は深々と頭を下げた
最初は面食らった鉄心だったが直ぐに笑顔になり
「何をもう会わんみたいなことを言っておるんじゃ。お主のここでの生活はそんなに長いとはいえんがワシはお主を実の孫のように思うておる。
いつでも帰ってくがええ」
「………おう」
………………………………………………………
次に日に臨也は釈迦堂の部屋に来ていた
「へぇ旅に…ね。じゃあ今日はお別れの挨拶ってか?」
「あぁ二日後に出発するつもりだよ」
「それはまあ随分と急なことだぁな」
「それはまぁ…自分でも思ってるさ」
「小学生の分際で旅かよ。けどお前の強さがあればなんとかなるだろうな」
「あぁ色々と知識も蓄えたし」
「そういやお前の部屋には本がたくさんあったな」
「ところでだ、話は変わるが刑部。今日お前暇か?」
「あん?忙しいに決まってんだろ?って言いたいところだが、いつもどおり暇だわな」
「そういえばお前が暇してるとこしか見たことなかったわ」
「ケッうるせえよ」
「じゃあ今日久々に勝負しないか?」
「珍しいこともあるもんだな…お前から誘ってくるなんて初めてじゃねえのか?」
勝負と聞いて殺気が徐々に漏れ出してる釈迦堂を相変わらずの戦闘狂だなと臨也は心で苦笑いし
「まぁ殺気を抑えろよ。先に飯食いに行こうぜ!勝負はそれからでもいいだろ?」
それから二人はご飯を食べ終え川神院にある決闘場にいた
「そういえば刑部とあったのもここが最初だったなー。
あれからもう一年以上経つのか…」
少し懐かしそうに呟く臨也に
「ハハハッそういやそうだったな。あの時でも化け物みてぇな強さだったのに今ではそれすらも可愛く見える強さだからな」
「おいおい殺気がダダ漏れだぞ?」
「そんなの楽しみなんだから当たり前だろ。ウズウズしてきたぜ」
「ほんと…変わんねぇな」
そう言って臨也はニヤリと笑い
「じゃあやるか!本気で来いよ刑部!じゃないと直ぐに終わっちまうぞ?」
今まで抑えていた気を開放し釈迦堂を挑発する
「へへっ、相変わらず馬鹿げた気の多さだなぁおい!これでもまだ半分ちょっとってんだから恐ろしいもんだぜ」
少し冷や汗をかき呟くがその声は臨也に聞こえていて挑戦的に笑い
「どうした怖気付いたか刑部?」
その言葉が合図だった
「んなわきゃねえだろ!ハァ!」
釈迦堂の全体重を乗せた拳に
「そうこなくっちゃな!」
臨也は楽しそうに笑い同じ威力の拳をぶつける
それから二人は何時間も戦い続け日が暮れてきたところで
「ハァハァ、やっぱお前とのバトルは最高だなぁおい!」
「ハハッ俺も楽しかったよ刑部」
「ったくこっちは疲労困憊なのにピンピンしやがって。
ムカつく野郎だぜ全くよ」
「いや刑部も初めての試合より全然強くなってるぜ?ほらな汗かいちまったよ」
そう言って汗を袖で拭うが
「チッ全然本気だしてねぇのに言われても嬉しくもなんともねぇよ」
「いや今ぐらいの強さで戦っても前の刑部じゃ汗一つかかなかったさ。俺がいなくなるからって修行さぼったりすんじゃねえぞ?」
「余計なお世話だ。
あーあこれでお前と戦うのも最後か…。
なぁ臨也、最後にお前の本気見せてくんねぇか?」
今まで臨也は本気を出したことがなかった
本気をだすそれはつまりギアを10に上げることだ
神様の忠告どおり使う機会もなかったし試したこともなかったのだが…
臨也は暫く黙って考えたあと
「…わかった。これで最後だしな。
ただし手加減ができないかもしれない。
それでもいいのか?」
「おう!望むところだぜ」
さて、どれほどの負荷が体に掛かるのかはわからないが
「いっちょやってみますか!」
そういってギアを6から10まで引き上げた
………………………………………………………
その時鉄心は自室でお茶を飲んでいたのだが
「っっ!?
な、なんじゃこれは!?これは気か!?」
今まで感じたことのない気の量に鉄心ほどの実力者でさえ気と判断するのに時間がかかった
そして直ぐに部屋の前が慌ただしくなりルーが勢いよく入ってきて
「そ、総代!これは一体なんなのかお分かりですか!?」
「これは気じゃ!一体誰が…」
気の場所を特定しようとしたが、あまりに気が大きすぎるために何処が発生場所なのかわからなかった
直ぐ近くに発生場所があるにも関わらず
………………………………………………………
臨也の気はなんと世界中にまで届き
世界でトップレベルの実力者は敏感に察知していた
「おや、どうしたのですか?何やら嬉しそうですが?」
一人の老執事が同僚の執事に問いかけるが
「フフフッ何処かで赤子がヤンチャしているようでな」
「?それは一体?」
納得していないようなので少し事情を説明し
「なるほど先程の違和感は気でしたか。その発信地は日本だと?」
「あぁおそらくだがな」
「アメリカにあるこの支部まで伝わってくるとは…。いやはやすごい人材ですねぇ。ぜひウチに来ていただきたいものです」
老執事は穏やかに笑い、もう一人の執事は好戦的に笑っているのだった
最後の二人はもちろん誰のことかわかっていただけましたよね?
感想などいただけたら嬉しいでっす!