真剣でオレに恋しなさい!   作:ごえもん

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第16話

ピッ ピピ ピピピッ

 

一日の始まりを告げる時計のアラームがとある一軒家でなり響いている

 

 

「うるせぇんだよ!」

 

 

ガチャン!

 

朝一番に聞くことが無いような音が聞こえた後には、さっきまで新品だった目覚まし時計がもはやガラクタとしてそこにあった

 

 

ピッ ピピ ピピピッ

 

少し間を置いて違う目覚まし時計がまた鳴り始める

しかし今度の目覚まし時計は先程とは違い手を伸ばしても届きそうにない場所にあった

 

 

「…うるせぇ」

 

 

ガチャン!

 

また先程と同じ音が聞こえた後には目覚まし時計が壊れていた

しかし今度の壊れ方はまるで刀で切られたみたいにスッパリと真っ二つになっていた

 

なんとこの眠っている男は気で刀を作りそれをドンピシャで目覚まし時計に振るったのである

 

恐ろしいことにここまでしていると、この男実は起きてるんじゃとも思うが実際はまだ夢の中なのである

 

 

一つ目の時計のアラームで起きていたもう一人のこの家の住人はその光景に溜息を吐き動いた

 

 

「主様、今日から学校じゃろ?起きるのじゃ」

 

「……くぅー…くぅー」

 

「全く困った主様じゃて」

 

 

しかし言葉とは裏腹に少女の顔には、この男に対する愛おしさが浮かんでいた

 

「主様よ起きんと約束を実行するぞ?

ふふっ起きん主様が悪いのじゃ」

 

 

少女は少し頬を赤らめながらも男の顔に顔を近づけていく…そして

 

チュッ

 

軽く口づけをするが男は全然起きる様子はない

 

少女の行動は段々エスカレートしていき、最初は啄むようなキスだったのが今では舌を絡めるような濃厚なキスをしていた

 

「んっ……んん、ちゅ……あ、主様ぁ…ぬし…さまぁ」

 

「……ッ!?ッんんんんんん!!ぷはぁ」」

 

 

流石に男も目を覚ましたらしく少女に向かって声を荒げていた

 

 

「な、ななな何をしておるのですかタマさん!?」

 

「何って軽くキスしておっただけじゃよ」

 

「明らかにアウトでしょ今の!」

 

「でも…約束じゃしのぉ…」

 

 

約束とは男がこのタマと呼ばれている少女としたもので、朝に目覚まし時計で起きられなかった時に実行すると約束した

男としては今度こそと!意気込みを入れていたのだが無意味に終わったようだ

 

 

「主様よ、いい加減に目覚まし時計の無駄と思った方がよいと思うぞ?」

 

「……今度こそはと思ったんだよ…。

でもそうだな俺にはどうやらダメだったらしい」

 

 

どうやら目覚ましの破壊は今に始まったことではないらしい

 

 

「って外暗!今何時だよ一体」

 

「午前5時じゃ。言っておくが主様が起こせと言ったんじゃからの?」

 

「え?……そうだったなそういえば」

 

「ま、適当にでて河原で少し寝てるか…」

 

 

園崎臨也の朝はこうして過ぎるのだった

 

………………………………………………………

 

 

 

なんか周りが騒がしいな…

ったく人が気持ちよく寝ている横でブンブンッブンブンッバイクの音がうるせぇんだよ

 

まじこいつら潰そうかな?うんそうしよう

だが何か理由が必要だなぁあいつらが絡んできたら潰そう

よしっそうと決まったら……二度寝するか

 

 

 

 

 

「……くぅー」

 

「おいおい!こんなところで寝てちゃ邪魔なんだよ!」

 

「リーダーこいつどうします?」

 

「バカ野郎!なにバカ正直に起こしてやってんだ!蹴るなり殴るなりしてとっととどかせ!あと少しで川神百代がくるんだ!チンタラしてんじゃねぇよ!」

 

「「は、はい」」

 

 

周りの人達は心配そうに不良達の様子を見ていたが当然誰も止めようとはしなかった

そして次の瞬間には不良の一人が金属バットで思い切り寝ている男、臨也に向かってバットを振り下ろした

 

ドシャ

 

とても聞いてはいけないような音がして見ていた周りの女性達は叫び声をあげる

 

「馬鹿野郎!そこまでやる必要はなかっただろうが!」

 

周りは収拾がつかないくらいになっていたが殴られた男の声で静かになった

まぁ臨也のことなんだが

 

 

 

「あぁ?誰だ今一発やりやがったのは」

 

 

人が気持ちよく寝てたのに邪魔しやがって

 

「お前らさっきからマジでうるさいんだけど?消えてくんね?そうか嫌か…ならしょうがない。消してやるよ」

 

 

不良達は何の反応もしていないのに一人で話を進めていく臨也はそうとうに切れていた

 

「とりあえずバット持ってるお前からだな」

 

 

有無を言わさずに拳が顔面をとらえ、殴られた不良は鼻が曲がっていてどうやら骨折してしまったようだ

 

そんなことは関係ないとばかりに次々と不良達を殴り倒して行き、臨也が気が付いたときには立っている不良は一人もいなかった

 

「あ~スッキリした!」

 

 

笑顔で不良達をボコボコにする臨也に近くで見ていた人達は軽く引いていたが、臨也は気にした様子はなく不良達に向かって

 

 

「人を起こすときはもう少し優しく起こさないとダメだぞ?」

 

と言い残して河原から立ち去ろうとしたが後ろから声がかかりそれは叶わなかった

 

 

「なんだこいつらは私の獲物だったのに。まぁいいやお前強いんだろ?私と闘おう!」

 

振り返った臨也がみたのは自信満々な瞳に腕を組み、制服を羽織る形で着ている前髪をクロスさせている女性

 

なんとなくデジャブを感じた臨也はつい笑ってしまい

 

「お前、もしかしなくても百代だろ?」

 

「あぁそうだ。ってしらなかったのか?お前は?見たところ学校でも見かけたことのない顔だが…」

 

百代は橋に目を移し

 

「大和!コイツをしってるか?」

 

と橋にいる人物と話をしている

 

 

臨也は懐かしさを覚えた

一回しか遊んでいないが絶対記憶能力によって記憶している

ガクトにモロ、ワン子に…あれは椎名か?

そうか…風間ファミリーに入れてもらったのか、よかったじゃねぇか

 

 

てか誰も俺のこと覚えてないとか酷くね?

確かに久しぶりだけどさ…

 

するとワン子がこっちに走ってきて

 

「あなたワタシと会ったことない?」

 

 

おぉ!ワン子!お前だけだよ…

でも今言ったら面白くないし、すまんワン子よ

 

 

「すまんな、多分初対面だ」

 

 

そう言ったあと無意識にワン子の頭を撫でてしまった

 

「あぁまたやっちまったよ。すまんな癖みたいなもんだ」

 

 

なんか守ってやりたいオーラが出てるんだよなコイツって

小さいときもやっちまったっけな、ほんとにデジャブだよ

 

 

「はふ~、別にいいわよ!こっちこそごめんね!」

 

 

「こらこら、私の前で妹とイチャイチャするなんて許さないぞぉ」

 

「それよりお前は何者だ。うちの舎弟は学校で顔が広いんだがお前のことは知らないようだし。お前みたいな目立ちそうなやつは絶対知ってるはずなんだがな」

 

 

うわー百代本気で忘れてるとか泣けてくるんだけど

確かに背も大きくなって顔つきも少し変わったけどさ…

あれ?これ気付くの無理じゃね?

 

「ま、そんなことはどうでもいい。それより勝負するかどうかだ!」

 

 

どうでもいいんかい!ってツッコミを入れたいところだが我慢しよう

 

「百代…何でそんなに俺と戦いたいんだ?」

 

「面白そうだからだ!それと私のことはモモ先輩と呼べ」

 

「あーあ、獣みたいに目をギラギラさせやがって。ジジイのやつ教育間違えやがって…とりあえずお仕置きだな」

 

 

そう言ってニヤリと笑った臨也は百代に気付かれないように瞬間的に気を高め、ジジイ(鉄心)の頭上に気で拳を作り振り下ろした

 

あとでジジイの頭がどうなってるのか楽しみだ

 

とりあえず百代どうしよっかなー

絶対引かないだろうし適当に撒くか?

よし、そうと決まれば!

 

「百代、ちょっと目を瞑れ」

 

「お前が闘ってくれるなら目を瞑ろう」

 

 

まったく子供みたいだな中身が、だが俺は対百代用の切り札を持っている

 

俺は百代にしか聞こえない声で小さく

 

 

「黙って言うことを聞かないと前髪のクロスを真っ直ぐにすんぞ?」

 

「はい、目を瞑ります!」

 

 

ほらな?瞑らなかったら本当にしてやったのに、昔一度だけやってやったのを本能が覚えてやがったか

 

まぁいいや瞑ってくれたし、さっさと立ち去りますかね

 

 

 

 

 

そうして暫くたった時に百代が目をあけると其処には誰もおらず逃がしてしまったことを察した

 

すると風間ファミリーのみんなが近づいてきて大和が口を開いた

 

「姉さんが素直に見逃すのって珍しいね?何言われたの?」

 

ファミリーのみんなもそれが聞きたかったのか軽い話で百代の話すことを聞いていたが次の瞬間には驚愕の表情を浮かべていた

 

 

「私が言われたのは目を瞑ることだけで逃がすつもりなんて全然なかったんだがな。でも気や気配が全然わからなかった、で気付いたらいなかった」

 

そのときのことを話す百代は悔しそうにしながらも嬉しそうな笑みを浮かべていた

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