真剣でオレに恋しなさい!   作:ごえもん

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第23話

土曜日の朝、普段の俺なら昼過ぎまで寝ることが多いが今日はワン子と約束があるので何とか起きることができた

 

タマ

「主様、目を覚ましても布団から出ないと意味がないぞ」

 

臨也

「わかってるよタマー。でもこの起きた後の布団て直ぐに出たくないんだよねー。それにタマの尻尾枕って…出て行きたくても無理だって」

 

タマ

「そう言ってかれこれ三十分は経っておるぞ!」

 

臨也

「しょうがない…起きるか」

 

 

それからいろいろ準備をし、河原に間に合うようにのんびりと向かうとどうやらワン子はもう来ていたようで腰にロープを巻きつけタイヤを引っ張って走っていた

 

臨也

「なんつー古典的な特訓を…」

 

一子

「リンヤおはよう!」

 

臨也

「おはようさん。元気だなー朝から。ふぁぁぁ…」

 

一子

「あはは。大きなあくびね!それではリンヤ先生!今日はよろしくお願いします!」

 

臨也

「おう!といってもなー人に教えるなんてしたことないから、あんまり宛にすんなよ?」

 

一子

「大丈夫よ!ワタシの感が告げてるもの!」

 

どんな理由だよ!全くコイツは…

そんな笑顔で言われたらどうにかしてあげたくなっちまうだろうが

 

 

 

臨也

「正直、強くなるのに必要なことは気が扱えるようになることだと思う。ワン子って気がわかるか?」

 

一子

「お姉様とか爺ちゃんが使ってるものでしょ!ビーム撃てたりするやつ!」

 

臨也

「そうそう。同じ力で攻撃しても気を込めた方がそりゃ強いだろ?でもま、こういうのは実際見たほうが分かるだろ」

 

そう言って俺は手頃な感じで平らな石を用意して地面においた

 

臨也

「今からこれに気を込めないでパンチするからな。その後、気を込めて同じ強さで攻撃する。それなら違いがはっきりわかるだろ?」

 

一子

「わかりやすそうで助かるわー!」

 

そして俺は石に軽く拳を振り下ろした

 

パキッ

 

臨也

「気を込めないで殴ったから石は割れてないだろ?」

 

一子

「あの臨也?割れてるんだけど石…」

 

臨也

「え?…………」

 

俺は無言で同じような石を再び用意して

 

臨也

「ゴホンッ!じゃ、今から気を込めて殴るからな」

 

一子

「お願いします!」

 

さっきと同じような感じで石を殴ると、今度は石が粉々になってしまった

 

臨也

「ほらこの通り全然違うだろ?」

 

一子

「すごいわ!石が粉々になっちゃった」

 

臨也

「これで気の重要さはわかったろ?」

 

一子

「わかったわ!気を使えるようになって絶対強くなってやるわー!ユーオーマイシン!」

 

一子

「んーどうやったら気が使えるようになるのかしら…」

 

臨也

「んー、なんて言えばいいんだろなー」

 

方針は決まったものの、さっぱり修行の方が進まない

原因は俺にあって

 

俺にとって気を扱うのは手を動かすくらい自然なことで、どうやって手を動かすとか聞かれてもどう答えたらいいかさっぱりわからないように

どう教えたらいいかわからないのである

 

 

臨也

「取り敢えず飯食った後に考えよう」

 

一子

「え?ご飯?」

 

ご飯と聞いてワン子のお腹がなってしまい

 

一子

「えへへ!//お腹ペコペコだわ!」

 

恥ずかしがりつつも正直なやつだ

 

臨也

「腹減っただろ?一旦家に来いよ飯作ってやるから」

 

一子

「リンヤってご飯作れるの!?」

 

臨也

「ま、趣味の範囲でだけどな。だからあんまり期待すんなよ?」

 

 

それから軽く雑談しながら一子を家に案内した

俺の家はごく普通の二階建ての家だ

 

 

臨也

「ま、上がってくれや」

 

一子

「へー、リンヤって一軒家なのね。家族は今いないの?」

 

臨也

「あぁ兄弟はいなくて、両親とも海外で今は一人暮らししてる」

 

一子

「そうなんだー。お邪魔します!」

 

臨也

「料理作ってる間、適当にソファーとかでくつろいでてくれー」

 

一子

「ワタシも手伝うわよー」

 

臨也

「今はワン子はお客さんだからゆっくりしてくれてていいって」

 

一子

「そう、ごめんね。そうさせてもらうわー。でもこんな家で一人暮らしだなんて寂しくない?」

 

臨也

「一人だと寂しいかもなー。でもタマがいるし寂しくないさ。それに家事さえできれば一人暮らしはいろいろと都合がいいんだ」

 

一子

「タマ?猫でも飼ってるの?」

 

臨也

「あー、そういえばタマ知ってるの百代とかだけか…。この際だタマ、自己紹介しとけば?」

 

俺がそう言うと頭から飛び降りワン子の前に歩いていった

 

一子

「え!?いつの間に頭に!?タマって狐のことだったのね!って尾が九本もある!可愛いわねー、撫でても大丈夫?」

 

臨也

「タマがいいならいいぞー」

 

タマ

「ダメじゃ!余に触れていいのは主様だけじゃ」

 

ハハッやっぱりビックリするよな普通

口をあんぐり開けて金魚みたいにパクパクしているワン子についつい笑ってしまった

 

一子

「臨也!き、狐が喋ったわ!」

 

臨也

「ま、ちょっとタマは特別でな」

 

すると自己紹介を終えたタマはまた俺の頭に飛び乗ってきた

その様子を見ていたワン子はちょっと感心したように

 

一子

「おー、頭に乗るの慣れてるのねー」

 

臨也

「四六時中ずっと乗ってるからなー」

 

一子

「え、学校の時とかは乗ってなかったと思うんだけど」

 

臨也

「気付いてないだけで乗ってたんだぜ?タマ頼むわ」

 

するとタマは気配を消し、姿が透明になった

カメレオンとかと違い、本当に透明になるのだ

何故か百代にはバレたがな

いや、今思えばあれは勘だったな

いつも一緒にいることを知っているからな百代は

 

一子

「あ、あれ!?タマが消えた…」

 

臨也

「でも今も頭にいるんだぜ?家のタマは凄いだろ?」

 

一子

「凄すぎて言葉が出ないわ」

 

臨也

「でも、こうやっていちいち気付かれる度にタマに自己紹介させんのもなー。今度からは姿隠さなくていいやタマ」

 

タマ

「よいのか?こっちとしては楽になるのでありがたいが」

 

やっぱり気配や姿消すのに多少なりとも疲れるんだな

 

臨也

「別にいいやー。どうせ皆騒ぐのは最初だけだし」

 

一子

「何もない空間から声が聞こえてくるってなんか変な感じね」

 

臨也

「っと話してる間にできたぞー。特製チャーハンとスープだ!タマはどうする?」

 

一子

「わぁ!美味しそうだわー!タマってなに食べるの?」

 

人間になったらなんでも食えるとは言えないし

流石に人間になれることは秘密にしとくべきだよなー

 

臨也

「野菜とかキノコとか肉も食うぞ」

 

ワン子に隠し事するのは何か気が引けるがしょうがない

 

仕方なく俺はタマとタマの分の料理を異次元にいれることにした

入ったことがないがタマに聞くと、どうやら別に居心地が悪いわけではなくむしろいい感じだと言っていたので許してくれるだろう

 

一子

「ご馳走さまでした!とっても美味しかったわ!お世辞じゃないからね!」

 

臨也

「はい、お粗末さまでした。そう言ってもらえて作った甲斐があったわ。食ったばっかりだから体動かすのは後にして。とりあえずワン子、修行のことなんだけど。俺が気付いたことをいうから参考程度に聞いてくれ」

 

一子

「ええ!わかったわ!どんな些細なことでもいいから遠慮なく言ってちょうだい!」

 

今はお互いがテーブルで向かい合う形に座っている状態である

 

臨也

「気を使うには、気を感じることが大切だと思う」

 

一子

「え?気を感じるってどういうこと?」

 

臨也

「今まで、あーなんて言ったらいいんだろうなぁ。これも実践あるのみだな。取り敢えず俺の手を握ってくれワン子」

 

そう言ってテーブルの上に手を置き、ワン子に手を近づける

 

一子

「わかったわ!」

 

ワン子は俺の言葉通りに手を握ってくれた

 

一子

「なんかこうやって男の子と手を繋ぐの初めてだから緊張しちゃうわね、えへへ。それにしても臨也の手って意外と硬いのねー。男の子って感じがするわー」

 

そう言いながらワン子は俺の手の感触を楽しむようにニギニギしてくる

 

臨也

「こっちまで恥ずかしくなってくるからやめてくれ」

 

一子

「ごめんごめん。でも不思議よねー」

 

臨也

「ん?なにが?」

 

一子

「この手で頭を撫でられても全然痛くないもの。リンヤ!頭撫でてみて!」

 

臨也

「別にいいけど」

 

俺は言われるがままにワン子の頭を撫でてみた

 

一子

「あー、これこれー」

 

気持ちよさそうに目を細めるワン子に俺も嬉しくなってしまった

 

一子

「気持ちいいわぁ…。Zzz…」

 

臨也

「いや!寝るなワン子!起きなさいって」

 

流石に寝るとは思わなかった…

 

一子

「ハッ!?ついうっかり寝ちゃいそうだったわ!ごめんごめん!で、手を握ったけどどうするの?」

 

臨也

「今、何か感じないか?」

 

俺はいまワン子の体に馴染むようにゆっくりと気を送り込んでいる

 

一子

「んー、リンヤの手って暖かいのね!なんか手から腕まで暖かいのが伝わってくるみたい!」

 

おぉ!よかったー感じることができたみたいだ

 

臨也

「今ワン子が感じてる暖かいものが気なんだ」

 

一子

「おぉう!これが気なのね!!よかった、ワタシにも感じることができて…」

 

ホントに嬉しそうな顔をしてるな…

多分今までがむしゃらに修行してきたけど強くなっている実感がわかなくて不安だったんだろう

でも今は気というものを感じられて、強くなれそうな実感が湧いてきてんだ

嬉しいのは当たり前か

 

臨也

「俺は気がどんなものか感じられるきっかけを作ったに過ぎないから。今度は自分の中から気を感じられるようにしないとな」

 

一子

「本当にありがとうリンヤ!」ダキ

 

次の目標が決まって嬉しかったのか、ワン子が立ち上がって抱きついてきた

なんか大きな犬にじゃれつかれてる感じだな

 

抱きついてるワン子を俺の膝の間に座らせ

 

臨也

「ハハハッよしよし。これから大変だぞー。頑張れよ」ナデナデ

 

一子

「うん!」

 

そう言いながら俺は頭を撫でていた

 

 

そしてその夜、何故かタマの機嫌が悪かった

 

 

 

~タマの日常~

 

 

朝、主様の寝顔を独占できるのは余の特権じゃ!

いつものように寝坊助の主様、そこがまた可愛いんじゃがな

 

どうやら今日は約束があるようじゃ、余の勘が告げておる…相手は女子(おなご)じゃと

しかし起こさないで主様を困らせることはできんからの、起こすとしよう

 

主様は余の尻尾を随分と気に入ってくれておるからのー

手入れのしがいがあるものよな

気に入ってくれるのは嬉しいが…早う起きんとまずいぞ

 

それからなんとか主様を起こし、時間に間に合わせた

 

臨也

「よし、行くかタマ!」

 

タマ

「うむ!」

 

出掛ける際は主様の頭の上に乗る

余のベストポジションだ!

腕に抱えられて撫でられるというのも捨てがたいが…

ずっとそうしておると主様も疲れてしまうからの

 

やっぱり約束していたのは女子じゃったか…

こやつも主様に好意を抱くのはいつになることやら

 

どうやら修行のようじゃの

余はしばし寝ておるとしよう

 

 

 

余が目を覚ますと、主様がご飯を作っていた

主様の料理は最高じゃ!

本当は余が作ってやりたいのじゃが、主様と比べるとどうも見劣りしてしまうからの

全く…女泣かせな主様じゃ

 

主様に自己紹介しろと言われたので軽くポニーテールの女子に自己紹介をし、女子が余に触ってもいいかといってきたが

残念だったのぅ余に触ってよいのは主様ただひとりじゃ

 

それから料理ができたのはよいがこの女子の目の前で人化するわけにもいかんからのぅ

主様が気をきかせて余と料理を異次元に入れてくれた

ここにはすでに余の部屋みたいなものがあるのでそこでいただこう

主様と食卓を囲めんのは嫌じゃがしょうがない

 

余が異次元から出るとなんと!

主様の膝の上に女子が座って頭を撫でてもらっておる!

あそこも余のポジションじゃぞ!!

 

むぅ主様のたわけめ!

 

今日寝るときは人化して横で寝てやる

尻尾はおあずけじゃ!




今回から始めることにしましたタマの日常。
いかがだったでしょうか?
本編では出番がすくないタマ…
よって今回から作ってみた次第です。
楽しんでいただけたらなにより
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