あれから数日経ち、百代がどうしても勝負してくれと頼んでくるので仕方なく勝負をすることになり
「もういいだろ百代ー」
「ま、まだ勝負は終わっていないぞ」
「いや、お前もう無理だろ」
百代はボロボロで既に満身創痍なのだが諦めようとしない
「ったくだからお前と勝負したくねぇんだよー。
気絶するまで戦うとかどんだけだよ」
「臨也との勝負はなんだか心がワクワクするんだ」
「まぁ今日はもうやめとけ。
ボロボロのお前とやっても面白くない」
「むぅ…わかった」
するとそこへ
「百代ここにいたのカ!
院の門のところの前で百代にようがあるってお客さんが来ているヨ」
「私に?わかった、行ってくる」
ダメージが回復してないのか、フラフラと門を目指す百代に
「ちょっと待てよ百代!
そんなにボロボロじゃ相手に気を使わせちゃうかもしんねえだろ?」
臨也はそう言うと百代の頭に手をのせ
「うし!これで完璧だな」
百代が体中に暖かくて心地よいものを感じ、気付いた時には体から傷やダメージが無くなっていた
「女の子なんだから身だしなみには注意しないとな」
そう言って百代の頭を少し撫でて笑った
「お、女の子って///
ふ、不意打ちはやめろ!」
「なんだよ不意打ちって?」
このときの百代の顔は今までに見たこともないくらい真っ赤だった
「なんでついて来るんだよ」
「だってさっき顔赤かったし熱でもあるんじゃねぇかって心配でな」
「……なんで今日に限って優しんだよぉ」
「ん?なんか言ったか?」
「何でもない!」
「うおっなんだよ急に」
さっきから百代の様子が少しおかしい気がする
こっちをチラチラ見て、目があうと直ぐにそらす
臨也は門に着くまでずっと頭に?マークを浮かべていた
百代の臨也への認識は『さっきまでは』ただ仲のいい男の子だった
今まで普通に接してきた異性を急に意識する…
なんてことは誰にでもあることだ
今の百代の心境は
「(なんか心臓がバクバクいってるし、それに臨也ってこんなに格好よかったか!?
うぅ…目が合わせられん)」
臨也達が門に着くとそこに一人の男の子が立って待っていて、男の子の話ではいつも使っている空き地を上級生に奪われたらしい
それだけならよかったんだが奪い方が人質をとった挙句に抵抗できない友達の耳にコンパスを突き刺したらしい
百代が嫌いな手口だな…ご愁傷様
「よし!そこに案内しろ!
あと、私は自由に使える舎弟が欲しい…だからこれからお前が舎弟になれ」
「そこの男の子は舎弟じゃないんですか?」
そう言い男の子が臨也を指差す
「あぁこいつは舎弟じゃない。かれs…ゴホンッ友達だ」
「そうなんですか分かりました。これからよろしくお願いします姉御」
「姉御って…ぷぷぷ」
「こら臨也笑うな!姉御はなんだかしっくりこないな…」
「じゃあ姉さんはどうでしょう」
「あぁそれでいいよろしくな弟」
「これはお近づきの印にどうぞ」
そう言って百代が最近集めている野球のカードを渡して
破ったらなぶり殺しなどという悪魔のような舎弟契約を結んでいた
空き地についた百代達はその上級生達がまだ来ていないようなので待つことにし
「なんでまたついてくるんだ臨也?」
「ん?相手がまた人質取らねぇとも限らならいし保険だよ保険」
「まぁ私がいる限りそんなことはありえんがな」
「その油断が危ないんだって…な、タマ?」
「全くじゃな。主様の言うとおりじゃ」
「……さっきまでタマいなかったよな?」
そう言ってタマをモフモフしている臨也に百代がたずねるが
臨也が意地悪そうな顔をし
「俺とタマはいつでも一緒さ。あと…百代には言ってなかったかもしれないがタマは以前死んだ、俺が買ってた狐の幽霊なんだ」
「は、はぁ!?ゆゆゆ、幽霊なんていないし!臨也はそんなもの信じているのかハハハハ」
「声が震えてるぞ?それとお前がさっき言ったんじゃないか…タマはさっきまでいなかったよな?ってさ。あと普通の狐が喋れると思うか?」
ただでさえ幽霊と聞いて青ざめている百代に追い打ちをかける臨也
「うわぁぁぁぁもうやめろよぉぉ!!」
とうとう我慢できなくなったのか百代がうずくまって耳を塞いでいる
それを見て満足した臨也は百代に嘘だと言い百代をなだめた
その際今度なにか奢らされることになってしまったが
臨也としてはこのまま終わるつもりだったが思わぬところから攻撃を受け
ガブッ
「痛ってぇぇぇ!タマ!やめっ!」
「誰が死んだ狐の亡霊じゃ!いくら主様でも怒るぞ!」
「怒ってる!もう怒ってるってタマ!」
ちなみにタマの声は皆には聞こえていない百代には聞こえてるが
タマは基本俺と二人の時以外は喋んないからな…
「主様以外とは喋る価値もない」らしい
そうこうしている間にどうやら上級生が来たらしく
百代が一人で向かって行った
百代の舎弟になった男の子、名前は…直江大和だっけか?が心配そうに近づいてきて
「なぁ姉さんが強いとは聞いているが大丈夫なのか?俺が予測していたよりも敵は人数を引き連れてきたし」
「百代なら大丈夫だ。それよりこの前人質に取られた子は今日来ているのか?」
「あぁワンコならあそこにいるが」
直江が指差したところには犬っぽいポニーの女の子がいた
「(だからワンコか…納得)」
「じゃあ俺はあの子の近くいるわ」
「でも姉さんの方は…」
「だからぁ大丈夫だって言ったろ?
それに俺が来た理由は人質を取られないようにするためだ。
不利になったら人質をまた取る可能性が高いからな」
それから直ぐに敵は百代に駆逐され俺の出番はなかった
いや一個だけ仕事したな
人質を取りにきたのかは知らないが三人くらいがこっちに来たので
「百代ー、こっちに漏れてるぞー」
「なに?全部私の獲物だ!」
百代に報告しそれを百代が駆逐ってな
え?俺?戦うわけねぇじゃん
「よし、終わったっぽいし俺は帰らせてもらうわ」
こうしてその日の夜
「臨也少しいいか?」
「おうどうしたんだよ?」
どうやら百代はあそこのグループに誘われて入ったらしい
「臨也すまない…お前との時間が少し減ってしまう」
百代がなんか俯きながら懺悔のように臨也に告げるが
「別に気にすんなって!お前が楽しそうなら全然いいさ!」
とてもいいことを言っているのだが心の中では
「(おっしゃぁ!これで修行や勝負の時間が減るぜ!)」
「臨也//ありがと…」
妙にしおらしくなった百代の変化に気づかないまま夜はすぎるのであった