「もう…ココの人達って皆こんななんですか…?」
「さあ?」
精一杯の反論も啖呵を切って返されてしまう。
本来であれば命を救われた恩人の言葉だ。
それがクソみたいな正論であっても、キレイな虚偽にまみれた現実であろうとそれを信じてしまうであろう状況。
狼狽するとこであるが…‥不思議と反論する手筈ができてしまう。
それが猜疑心に塗れた偽善であろうとそんな事はどうでも良かったのが恐らくは助けたのだろう。
今はただ、この少女を守りたい。
その1つだけが俺の行動原理だった。
改めて少女をそっと後ろに預け盾になる。
椛は察したのか、先程とは打って変わって殺しをする…猟犬のような鋭い眼差しでコチラを一瞥し吐き捨てた。
「いいですケド‥勝てると思っているんですか?」
目線の殺意と共に何処からともなく出した剣と盾を携えこちらに身構える。
朝露にはとても映えない殺陣。
かたやこちらは武器すら無い丸腰もいい所だ。
それなのにこうして刃を備える辺りはあちらが場数を踏んでいるとしか言いようがない状態であると言える。
だが、武器も持たない者をいたぶる事の何処に正義があるか。
例えそれが自分自身を殺すことであろうと、惨たらしい最期を迎えようともそれだけは許されない。
いや、許したくない。綺麗事だって良い。
「勝てるなんて思わない。でも、この子だけは死んでも守りたい。それだけだ!」
「じゃあ、ここで死んでもらいましょうか!」
眼前に振り下ろされる刃。
「っ…?」
最早これまでと目を瞑るが、その刃はいつまでも俺を斬ることはなかった。
「はあ…‥何処までお人好しなんですか…あなたは…」
「え?」
「すみません。少し試させてもらいました。…コホン…。」
とっくに斬られたと思って愕然とするコチラを他所に、椛は余裕たっぷりにそう言いつつ、続けた。
「丸腰なのに武装した者相手に大立ち回り。そうできませんよ?まして相手は昨晩襲いかかってきた者を守るだなんて…恐らくは母性でも刺激されたからとでも言いましょうか…あまっちょろいです。それじゃあ死んでしまいますよ?」
「でも…」
「良いですか?必ず、必ず勝てないと思ったら逃げてください。ココではそれが1番ですから。ね?」
「わ、分かりました…」
先程とはうって変わり椛の真剣な声音は冗談ではないと教え込ませるには充分過ぎる程で、俺は少し気圧されながらも返事を返すしかなかった。
その返事を聞き満足そうに会釈を椛は返すと、矢継ぎ早にスッと懐から自身が着ているモノと同じ装束を取り出した。
「これ、着られる?」
その言葉は俺に向けられた物ではないと分かり後ろを振り向くが当の本人は椛を睨みつけ黙りこんだままだ。
「椛さん本当に何やらかしたんですか…」
「…えへ」
バツが悪そうに椛は言葉を濁す。
そして察してくれと言わんばかりの表情でソッと装束を眼の前に寄こした。
ども、コミケには行けなかった旧世紀の漂流者です。
まー休職中だししょうがないね、はは。
冬コミはお金が間に合ったら行きたいです。
相変わらず千文字で、展開ゆっくり
読んでいただいてる方には感謝しかないです。
ありがとうございます。ではでは