―――――――あれからどれだけ空間を彷徨ったのだろう。
気がつけば俺は森の中にいた。
先ほどの貴婦人……紫と名乗った人物は何処かに消えていってしまっていた。
「んんう……」
目が覚めた気分は今までに味わったことのないような醜悪な空間に魅せられた事もあって最悪に等しかった。
体の感覚も今一つ、例えるなら自分自身の体ではないような、異様な感覚に囚われていた。
俺はしばらくその場に突っ伏し、深呼吸を数回繰り返し森に充満しているであろうマイナスイオンを肺の中に放り込んだ。
しばらくして、感覚と意識が少しづつ鮮明になるのを確認したのち、ここはどこであるのかということ、それから自身のおかれている状況を把握するべきだろうという考えに至った。
そこで俺は自身の持ち物を確認することにした。
登校用の学生鞄(サブバッグ)を乱暴にひっくり返しそこらにぶちまける。中から出てきたのは、暇つぶしに見ていたマンガ本一冊・ミュージックプレイヤー・飲みかけのお茶・そして。
「なんでこんなもんが?」
買った覚えすらないサンドイッチが未開封のまま入っていた。
紫・・・・あの貴婦人のお気づかいだろうか?
しかしそれも束の間、側面に書いてある消費期限に絶望した。
「えっと・・・・・・・・・。」
一言で言うとそれはそれは食べられないという位の年月が経過していた。
その割にはやけに中身が綺麗なのがより不気味なのだが・・・・・・。
「ちくしょう。」
こんな事なら携帯食糧位持っておくべきたった、と思ったがそもそも携帯食糧を常時持っている学生が今時いるのだろうか・・・・。
というかこんな装備でどうしようというのか。
大丈夫ではない。問題ありだ。
考えようとした矢先、何かが肩に伸しかかるのを感じた。
「む?」
「キャン!」
視線を向けるとそこには可愛らしい犬がいた。
そして、こちらのポカンとしているのを良い事にあろうことか消費期限切れのサンドイッチを引っ手繰りそのまま森の奥へ走り去ってしまった。
「お・・・おい!それ食ったらダメだって!」
正気を取り戻し、荷物を早々にまとめ俺は走り去っていった犬を必死で追いかけ暗がりの森へ足を踏み入れた。
・・・というかまた走るのか俺は。
しかし暗がりの森で犬と追いかけっこをしても追いつく訳もなく、俺は結局犬を見失ってしまい、その場に座り込んだ。
「・・・はええよ。」
行ってしまった犬に毒づきながら俺はその場で狼狽するしかなかった。
ふと、鈍い灯りが近づいてくる事に俺は気がついた。
どうも、旧世紀の漂流者です。
作品とは関係ありませんが足の親指が最近よくつります。痛い。
あと無線式のスマホ対応のキーボードを買ったので作業スピードが飛躍的に上がりましたー
やったぜ。相変わらずのポンコツな文章ですが読んでくれているとわかるとモチベーションになります。もっと見て(提案)。そんなわけでまた次回土曜日に会いましょう。