森の中と言うだけあり電気が問っている様子もなく、小ぎれいでなければ間違いなく廃墟ともとれる。そんな場所であった。
「どうぞ。流石に野宿では危険が伴いますから。」
彼女は慣れた手つきでその建屋の鍵を開け、中へ案内してくれた。
「すみません。わざわざここまで案内していただいて。」
ここまでの謝意を彼女に伝える中、ふと思考がよぎる。
どこの土地かもわからぬ所で正体も解らぬ人物の言う事を聞くなど、普通の神経ではまずあり得ないだろう、と。
しかし、得体の知れない生物が蔓延る森の中で野宿して無事で済む保証など無い。
「いえいえ。こういった事は慣れっこですから。」
私の頭に浮かび始めた疑問を払拭するように…というのは考え過ぎなのかも知れないが、彼女は出来る限りこちらを安心させるように言葉を返し、建屋の一室へと誘った。
「ここなら安心でしょう。野宿よりかはマシなはずですし・・・・」
部屋の襖をしめ、慣れた手つきで古びた蝋台の油にそっと火をかける。
――――――――――ボウ
火が油の海を泳ぎ着火の音を鳴らす。
普段ガスコンロなどでしか見ない火が、この時は何故だか新鮮さすら覚えた。
珍しさからだろうか、ぼんやりと燈に照らされた彼女の横顔は何処か懐かしさすら感じてしまう程に頼りがいがあるようにも見えた。
「何か?」
ふと気がついたときには、彼女が不思議そうにこちらの顔を伺っていた。
「い、いいえ!」
ついその横顔に見とれてしまった。
とはとても言えず私は言葉を濁すことしかできなかった。
「あーそういえば...ここまでの事、何も聴けてませんでしたね,,,良ければ聞かせてくれますか?」
気まずい空気が流れたのもつかの間、彼女から助け船を出してくれた。
そこから私は彼女にどういった経緯でこうなったかを話した。
「なるほど、それはなんというか・・・・災難でしたね。」
ここまでの経緯を話すと彼女は少し同情の色を見せながら頷き聞きつつ寝具を用意してくれた。
「なんというか、すみません…至れり尽くせりで。」
ここまで来るまで、付きっきりで様々な事をはさて貰った事も手伝って、気がつけば俺は感謝の気持ちそのままに今思い付く限りの言葉を吐露していた。
「いえいえ。今日は疲れているかと思いますので…明日辺り、また伺いますね。」
ただ、あまりに申し訳なさそうだったのか、彼女も申し訳なさそうにしながら部屋の外へ消えていった。
今日だけでなんだか数週間を過ごしたような気分に駆られながらも、私は深い微睡みに呑み込まれて行った。
ども!旧世紀の漂流者です!
えー、今回の回から書き貯めでなく新規執筆となっております!(書き留めてたストックが無くなりました!Oh,my,gat!)
久々の執筆故に文章がたどたどしい感じに…( ;∀;)
で、でも見てくださる人が少しでもいらっしゃるなら感無量です!私の恥を見ろ!(混乱)( ;∀;)
そんなわけで来週の土曜もよろしくお願いいたします!