夜も更け、日をまたごうかという頃。
私は何かの気配を感じ、ふと目を覚ました。
―――何かがいる、それも目の前に。
直感ではあったが、その読みは寸分の狂いなく的中した。
『一体誰だ........?』
目の前にいる物の正体が分かるまでには、大して時間はいらなかった。
――…狼?
そう、その正体は狼のような獣のような動物であった。
どちらかと言えば、狼のそれに極めて近しいその生物は鋭利な目付きで私を見据えていた。
「グルル.....」
恨めしそうな感情が垣間見えるような唸り声を発している様子を見るに、ご機嫌ナナメなのは明らかである。
『俺、こいつに何かしたか?』
自分に問い詰めるが、生憎そんな記憶は持ち合わせていないし、そもそも会ったこともなければ見たことすらなかったのでそれも当然と言える。
――トソ......トソ.......
一歩、また一歩と私への間合いを確実に詰めていく狼。
近づくにつれて月明かりに照らされた狼の表情はそれだけで、[捕食される]という言葉が脳裏に浮かぶくらい現実味を帯び始めていた。
そしてどうにかこの状況下で出来ることはないか、という焦燥感がそれによって更に動けないという負のサイクルを作り上げていた。
恐れおののき、身動きすらとれない。
さながら蛇に睨まれた蛙と化した私をよそに、狼は大きく開口し――
私の摩訶不思議な体験談は、ここで途絶えてしまった。
――という風にはいかなかった。
ついさっきまで私の目の前にいた狼の代わりにその人物はいた。
「大丈夫ですか!?」
聞き覚えのある声、そして顔は先程の犬走 椛その人だった。
あまりに唐突で全く現状が理解出来てはいないし、椛の機転なのか、たまの偶然なのかはわからないが、とにかく助かった事実がそこにはあった。
「え、ええ.......」
混乱した頭ではとても言葉なんて話せたものではない。
私はとりあえず無事を伝えることで精一杯だった。
一方、狼の方はというと....
「ウグ.......ヴ.....」
椛に弾き飛ばされたらしく、外を隔てる襖を豪快に破壊しつつ外の大地にその身体を横たわらせていた。
私から見るに、狼の状態はとても立ち上がっては来ないといった感じだった。
しかし、椛は警戒を緩めなかった。
それどころか、持った剣を持ち直し盾を構え直し臨戦態勢と言わんばかりだった。
「来ます。私の後ろにいて。」
もう、大丈夫なのでは?
そう声をかけようとしたその時、矢継ぎ早に椛は言うと盾を自身の前に構え腰を低くして狼の攻撃に備えていた――
ども、相も変わらずの旧世紀の漂流者です。
今回の文章は気分を変えて鉛筆に紙というアナログ仕様でございます。
たまに、スランプ.....というかいつもですけど、気分変えられるので喜んでやってます。
.....その分書く時間と修正&データ化する手間もあるんですが...( ̄ー ̄)
いやー文章が書ける人が羨ましい(>_<)
私なんて週1000字更新がやっとですから(苦笑)
ただ、既に文章の方では第二章は完結しているので...あとは時間と気力勝負といったとこでしょうか...(T^T)
最後にですが、、いつも閲覧してくださる方全てに感謝しつつ今回のあとがきとさせていただきます!
ではまた