私は一瞬、自身の不甲斐なさに身体を強張らせたが、
狼が起き上がるのを見て無理やり身体を動かし椛の後ろで身を屈めた。
一方の狼は、起き上がりその刃の矛先を椛に向けていた。
「ウオォ――――ン!」
狼は先ほどの衝撃を何事も無かったように身を屈め毛を逆立たせ、身を震わすような咆哮を挙げ今、襲いかかった。
「何度も同じ手は食らいませんよ!」
そう椛は言い放つと、盾を構えたままその身体からは到底考えつかないほどに跳躍し空中にその身を躍らせた。
狼の飛びかかるそれは確かに人間からしたらかなり速かった筈なのだが、どうした事か椛の方が早いように私は感じていた。
そして私のそんな考えをよそに、両者は空中で相まみえる。
狼はその持前の歯牙をむき出しに椛に迫る。
その間、椛は一切動じる事も無く盾による打突を刊行した。
――ゴウン。
重たい何かが金属に思い切りぶつかる鈍い音が場にこだます。
それは狼が、椛の持つ盾でいなされたという決定的な証拠でもあった。
そしてそれは同時に本人への決定打となり、脳漿を揺さぶられた狼が力なく地に落ちた。
「ふう・・。」
地に落ち、しばらく目を覚まさない狼の様子を見つつ椛は一息ついた。
当の私は目の前で起きた事一つ一つに理解が追い付かず、ただただ放心し尽くしていた。
「・・・すみません。驚かせてしまって。」
ふと気がつけば、目の前で申し訳なさそうにしている椛がいた。
「あ、ああ・・・えと・・・ありがとうございました・・。」
椛の一言でようやく我に返った私はぎこちないお礼の言葉を椛に返した。
「いえいえ。状況が状況でしたから・・・。」
椛は私が酷く驚いていた事を察したように落ち着いた口調で言いつつ、用意周到に狼の四肢を縛り上げ、建屋にある柱の一つに括り付けた。
「・・・何やってるんですか?」
「教育をしようと思って。」
椛の行動に疑問を抱き話すと彼女は悪戯な笑みで返してきた。
まるで、想像にお任せすると言わんばかりに。
一通り狼を縛り終えると、タイミングよく狼が目を覚ました。
「ウガッ?!」
しかし、先ほどのように襲いかかる事は出来ない。
狼は、一瞬何が起きたのかと身体を動かそうとする
が、縛りあげられている為に満足に動く事は無理だ。
そして、傍らで悪戯に首を傾げる椛を視界に捉えると、野生の勘か縛り上げた者と認識したらしく、唯一自由な口で喉を鳴らす。
「弱い犬ほどよく吠える・・・とはこの事ですね・・・。」
そう吐き捨てると椛は携えた刃を狼に振りかざす・・・・フリをした。
「・・・っ!」
狼は先ほどのような調子ではなく、思い切り目を閉じ顔を背けたままになっていた。
恐らくここで切り捨てられる、そういった諦めであろうその行動を見た椛は満足そうに狼に顔を近づけ耳元で何か言った。
「・・・・?」
狼は椛の言葉を聞いた途端によくわからないというような顔を彼女へ向ける。
しかし、椛の威圧するかの様な無言の笑顔にどうする事も出来ず、背をくっと伸ばす。
するとどうだろうか、狼から白煙のようなものが広がり始めた。
その白煙はまるで発煙筒で起こしたようなもので、狼が見えなくなるまでそう時間はいらなかった。
私は何が起きているかサッパリ分からなかったが、少なくとも椛の指示は背を伸ばす事だったという事は分かった。
ども、先日マスクをネットで頼んではや6日の旧世紀の漂流者です。…早く届いて欲しいけど、仕方ないね(^^;
さてさて今回はちょっと、ほんのちょっと増量してみました。
これから少しずつ文章量多くしては行くつもり…つもりです(^^;
例の方法でやってはいますが第三章が全く進んでません…
ナンテコッタイ…( ;∀;)
色々原因はありますが、頑張ってやってきます(^-^)
あ、そうそう、これ書いてる時に閲覧が600ちょうどになりました!ありがとうございます!
この調子で目指せ1000…っても先は長そうですよね…
(文章力が…語彙力が…ぁー)
そんなんですが、ぼちぼちやってきますのでまた見てやって下さい。
ではでは(*´-`)ノシ