そんなもの ないよ…
前回の適当なあらすじ
・主人公拾い食い回。
・肉食わなきゃ……満足できねえぜ。
・逃げるんだよォォォーーッ!
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ザイゴートの一部を捕食したことでようやく左腕も完全に再生し、これから狩りまくってやるぜヒャッハー!と意気込む青年だったが、数日経った辺りで活動場所を移さざるを得なくなってしまった。何故かあのエリア一帯で、ゴッドイーターとの遭遇率がやたら高くなったためだ。
餌探しに出掛ければ二回に一回はゴッドイーターが巡回している。逃げ切ってこそいるが、狩りの最中に見つかり戦闘に発展したことも一度や二度ではない。廃墟街――今更ながら【贖罪の街】と呼ばれるフィールド――での任務が急増しているのか、と思えば、彼らの会話を盗み聞きする限り、どうやら青年のことを捜索しているらしい。
なんでや!俺何もしてないやろ!と似非関西弁で文句を言う青年だったが、『レーダーに映らない謎のステルス能力持ち』『ゴッドイーターと会敵しても徹底的に逃亡する』『そもそもずっと隠れて出てこない』と、アラガミ=積極的に襲いかかってくる化け物という認識のある人類側からすれば、不気味にもほどがある謎のアラガミなのだ。まさか何もしていないことが裏目に出るとは。でもまともに戦ってもまだ勝てないしぃ……(クソ雑魚)。
またステルス能力を解明できれば、隠れたアラガミを探すことも、反対にアラガミから身を隠すことも可能になる新技術が開発できるかも知れない。その鍵となるかもしれないアラガミを、どうして見逃す理由があるだろうか。いや、ない(反語)。
――こんな殺神鬼だらけの土地にいられるか!俺は他所に行くぞ!
何だかんだ寝床もあったし、餌となる小型アラガミにも困らなかっただけに離れるのは惜しいのだが、流石に命には替えられない。彼はホテル(意味深)とこの街にさよならバイバイすることを決断。特に所持品もなかったので、スムーズに夜逃げすることができたのだった。
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そんなこんなで青年が夜逃げしてから一週間。あれからひたすら北に向かうと、巨大な廃墟群へとぶつかった。
横倒しになった何棟もの高層ビル、驚くほど植物が繁茂するドーム状の建物、外壁が崩れて本棚が剥き出しになった図書館。広場に面した湖の底には倒壊したビルが沈んでおり、アラガミがもたらした破壊がどれだけ大きかったのかをまざまざと見せつけている。
これらの特徴から察するに、ge2から登場するフィールド【黎明の亡都】だろう。現在はまだ開拓されていないのか、ゴッドイーターの痕跡は見られず、正しくアラガミ達の楽園となっていた。
軽く見て回っただけでも、広場で二体のコンゴウがじゃれあい、建物の屋上でシユウが瞑想し、水面下を数体のグボロ・グボロが気持ち良さそうに泳いでいる。人類からすれば正しく地獄絵図なのだろうが、ゴッドイーターに付け狙われ絶賛逃走中の青年からすればとても平和でほっこりする光景だった。なお、ばっちりアラガミからも敵対される模様。やっぱり地獄じゃないか!
新天地でも暫くは隅っこのほうで小型アラガミを狩って過ごすことになりそうだ。
こそこそと隠れつつ、広場から数キロ離れた廃墟へ移動する。そこは元は何かの事務所だったようで、やけに立派なソファーやデスクなどが比較的綺麗に残っていた。壁に掛けられた『仁義』という書がとてもカッコいい。あとロッカーを漁ったら白鞘と拳銃と白い粉が見つかった。どんなおしごとだったんだろうなあ(すっとぼけ)。※白い粉以外は美味しくいただきました。
――よぉし、ここをキャンプ地とぉ、する!
仁王立ちで宣言し、新たな活動拠点を手に入れた青年。
彼が掲げる今後の目標はとにもかくにも『強くなる』こと。弱肉強食が絶対のこの世界で、いつまでも逃げ足に定評のある小型アラガミではいられない。そのポジションはアバドンだけで十分だ。
ゴッドイーターだろうがアラガミだろうが返り討ちにできるだけの強さを身に付ける。そうすればいつか推しとだって存分に
忘れかけていた情熱を思い出し、体をくねらせる変態。その時、勢いよく動く尻尾がデスクにぶつかり、上に置いてあった機械が床に落ちてしまった。
見れば、それはソーラー電池で動く卓上用のデジタル時計だった。何故かドンパチにも耐えられるような頑丈でゴツい作りをしている。
――そういや今って時系列どこなんだろ?
会うゴッドイーターは剣or銃のみの第一世代ばかりだったし、原作前か、原作が始まったばかりだったりするのだろうか?ちなみに無印のシナリオ開始は二〇七一年の一月、ちゃん様が極東支部に入隊したのは二〇七〇年のことだったりする。
時計を拾い上げてみると、驚くことに壊れてはいないようだ。久しぶりの電子機器にちょっと感動しながらポチポチとボタンを押していく青年。温度計、時刻、カレンダーと表示を切り換えていくと、そこに映し出されたのは――
――二〇六二年、六月、だと……!?
原作開始どころか、ちゃん様まだゴッドイーターになってねえじゃねえか!
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「例の黒いアラガミ、捜索が難航しているようだな」
「ああ、ついに遭遇の報告すら上がらなくなった。寄せ餌の小型アラガミにも食いつかないし、こりゃもう移動したと観るべきかな?いやー残念だ!捕獲して噂通りのステルス能力を解明できれば、いったいどれだけの革新的技術が生まれたことか!」
「フッ、それだけではないだろう?ペイラー」
「……。ああ、そうだよヨハネス。人間と決して争わず、アラガミだけを喰らうアラガミ。そんな噂を聞いて、僕は『もしかしたら』と考えてしまうのさ」
「アラガミとの共存、か。そんな夢物語をまだ信じているのか?
「夢物語、いいじゃないか。科学者とはすべからくロマンチストであるべきだよヨハネス。遥か遠くの星々に手を最も伸ばしたのは、僕ら科学者だったろう?」
「そして手は届かなかった、だ。――当初の取り決め通り、あと一週間捜索し成果がなかった場合即刻調査を中止。まだ君にはやって貰うことが沢山あるからな」
「……例の計画のことかい?」
「ああ、まだお偉方も半信半疑だが、近い内に必ず認めさせてみせる」
「【エイジス計画】。僕は、この計画でもって人類を救済する」