少年は無限の空を見る 作:文才ない人
苦しい。咳が止まらない。頭がボーッとする。お願い、蹴らないで。風邪引いてごめんなさい。生きててごめんなさい。息してごめんなさい。ご飯食べてごめんなさい。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
助 け て
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「……っ……!はぁ……はぁ……夢、か……よかった……」
朝から、嫌な夢を見た。昔の、思い出したくもない記憶。周りに味方なんていなかった。僕自身も、他人と接するのが怖くて、誰にも助けを求められなかった。
「……ぅ!」
思わず歯を食い縛る。やめよう、昔のことを思い出すなんて……もう、あの人達は関係ないから……そうだ、今日は僕が朝御飯を作らなきゃいけないんだ……とにかく、顔を洗おう……そのためにも、洗面台に行かなくちゃ……
「……酷い顔」
洗面台について、鏡を見て改めて酷い顔をしてるなと気づいた。あの日の夢を見るといつもこうだ。洗っているから汚くはないけど、それでも目まで隠す前髪はどこか不潔感を感じさせている。最近夢見が悪いのもこの長い前髪のせいじゃないかとも思えてきた。でも、美容院までいくのもめんどくさいし、何より他人に自分の体を髪とはいえ預けるのは怖い。目を閉じた隙に殺されるのでは?シャワーもするらしいし、そのタイミングで溺死させられるのでは?そんな妄想が頭を巡っていく。
「……はぁ」
そして行くのを諦めるのだ。行きたくないから妄想するのか、昔のトラウマが妄想を生むのか、どっちかも分からなくなった。どっちも、というのもあり得るかもしれないが。とにかく、顔を洗い終わり、さぁ朝御飯を作ろうと下に降りると……
「帰ってください!何回言わせるんですか!」
「申し訳ありませんが、こちらも仕事なのです。どうか、理解していただきたい」
玄関の方から
「……は、春ねぇ、さん、ど、どうし、たの?」
「……!
「あなたが
「は、はい……そ、そうです、け、ど……」
あぁ、駄目だ……やっぱり人と話そうとすると、言葉が詰まる……それはそれとしても、わざわざ名指しで呼ばれる理由は何なんだろう……
「あ、あの、ぼ、僕に何か、よ、用です、か……?」
「はい、春咲夏音様。あなたは、今月にあった、ISの適正検査に参加していませんでしたね?」
「……?」
ISの、適正検査?知らない、何の話をしているんだ?
「そ、その、ごめんなさい……話が、み、見えないんですが……?」
「では、単刀直入に言います。春咲夏音様、我々に同行していただきたい」
「……ぅえ?」
あぁ、どこかめんどくさいことになりそうだな。そんなことを考えていた。まぁ高々数時間の外出だ、すぐに帰ってこれる。そうだ、ついでに散髪して帰ろう。その時の僕はそんな軽い考えで頷いた。
-----数時間後、僕の名前は『世界で2人目の男性操縦者』の称号と共に、広く知られることになるのだった……
海猫:原作の臨海学校の時の浜辺の近くにある児童保護施設。虐待や親がいないなど、そういった都合がある子供を保護している。現在、主人公一人と、春乃という施設の管理人しかいない。
春ねぇ:夏音の親代わり。夏音を幼少期から育ててきた。
夏音の親:虐待+ネグレクト。
春咲夏音:女性のような名前に、長い黒髪を後ろで束ねた髪型、更に童顔なので度々女性に間違われるが、れっきとした男性。春ねぇの元で育つが、幼少期から親に虐待され、人と接することに苦手意識を持っている。幼少期から育ててくれた春ねぇは例外。