バトルスピリッツ烈火魂 グランウォーズ‼️   作:キャプテンK

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第四十話:青の風来坊

 

○大六天魔王の城

 

城で悠々とデッキ構築に取り掛かる政宗。そこへ

 

アブレラ「政宗様」

政宗「アブレラか。どうした?」

アブレラ「奴らが動き出しました」

政宗「そうか。そろそろ我慢できなくなる頃だとは思っていたが」

アブレラ「連れ戻しましょうか?」

政宗「いや構わん。帰れと言ってすぐ帰るような奴らじゃないのは知っているだろ。それに好きにやらせた方がいい。奴らは“欲望”そのものなんだからな」

 

○西ムサシのどこかの路地裏

 

中年「チクショー! アイツらよくもちくりやがつて!」

 

どうやらこの男はどこかの会社の部長で部下にパワハラし、それが知られクビになったらしい。自業自得ではあるが。

 

中年「覚えてやがれ。俺をちくったアイツらとクビにした会社な奴ら全員ぶっ殺してやる!」

 

??「いいねぇ。その欲望」

中年「? なんだお前?」

 

緑服の茶髪青年がメダルのようなものを取り出す。

 

 

○ラスベガスのカジノ

 

悪魔青年「(マズイマズイマズイ!! これ以上負けたら大損だ! どうすれば!?)」

 

ギャンブルで負けが混む悪魔青年。それを不気味な微笑みをしながら見つめる黄服の白髪少年。するとまたメダルとスロットが。

 

 

○パリのパリコレ舞台裏

 

美女「(何でよ! 何で私じゃなくてあんなブスがあそこに! 私の方が美しいのに!)」

 

爪を齧りながらパリコレの出演者に怒り心頭の美女。どうやら選抜に落ちたらしい。顔は確かにいい方だった。そんな彼女を見つめるのは青服のロングヘアーをした少女。彼女もメダルを。

 

 

○フランスのケーキ工場

 

???「うわーっ 美味しそう」

 

ガラス越しからケーキを見つめる灰色服の青年。彼もメダルを。

 

一体彼らは?

 

 

 

2日後

 

○西ムサシカードショップ店外ブース

 

ゴウセルはメリオダスと別行動を取り、バトスピの研究に没頭しながら、ニュースを見ていた。2日前に立て続けに特定のビルや人が襲撃(犯人は捕まったが)。ある美女が一気にトップモデルに。いきなり月が出てきて億万長者になった。お菓子工場から襲われるなど不可解な事件が起きていた。それらを調べているとチンピラ達が近づいてくる。

 

リーダー「か〜のじょ、俺たちと遊ばねぇか?」

ゴウセル「……」

リーダー「! おい!無視してんじゃねえぞ女(あま)!」

 

どん!

 

無視するゴウセルに逆ギレして机を蹴飛ばす。

 

チンピラ2「こんな紙切れなんかにうつつ抜かしやがって」

リーダー「ムカつくなぁ。やぶいちまえ」

チンピラ3「はいよ兄貴」

 

カードを破ろうとしてゴウセルは応戦しようとする。

 

がしっ

 

チンピラ3「いっ! あいてててててっ!!」

???「……」

 

突然チンピラの腕を握りしてきたのは革ジャンにテンガロンハットの青い髪の青年だった。

 

リーダー「なっ!?何すんだテメェ!」

???「カードバトラーとしての誇りもないような奴が汚い手でカードに触れるな」

 

ギロッ!

 

チンピラ達「!!」

 

青年の睨みつけにチンピラ達はビビる。

 

リーダー「ににっ逃げろ! こいつはやばい!」

 

青年の恐ろしさにチンピラ達は退散する。その光景にみんな感謝の意を込めて拍手する。その後青年は散らばったゴウセルのカードを拾い集め返した。

 

???「君のカードなかなか綺麗だね。よっぽど大切にしている証拠だよ」

ゴウセル「彼らにも命があるからな。敬意を払うのは当然のこと」

???「!? 君、男だったの?」

ゴウセル「なにか問題が?」

???「あっごめん」

ゴウセル「謝ることはない。こちらの世界に来てから何度も経験しているから気にしていない」

 

???「はははっ そうなんだ。それじゃあね」

ゴウセル「待ってくれ、硯秀斗」

???「!?」

 

ゴウセルに呼ばれた瞬間立ち止まる。

 

???「今なんて?」

ゴウセル「隠す必要はない。さっき君の神経を調べさせてもらった。身長、体重、声色、そして君の中で輝くサファイア。それは紛れもないコアの光主の証であるコア。お前は元青のコアの光主“硯 秀斗”本人であろう」

 

そう。彼こそダン達の仲間の1人、青の光主“硯秀斗”だった。

 

硯「君は一体?」

ゴウセル「七つの大罪が一人、色欲の罪〈ゴート・シン〉ゴウセル」

硯「君があの七つの大罪」

 

ゴウセル「ほう。俺のことを知っていたとは。流石は諜報機関に配属されているだけのことがあって情報が早いな」

硯「それもお見通しだったか」

ゴウセル「実は以前よりコアの光主の中で一番興味のある人物だったのでな。一度君とゆっくり話をしたかったのだ」

硯「僕に?」

ゴウセル「ああ。君は世界中を巡り巡ったと聞いていた。俺はそう言った話を好んでいる。君のコアの光主としての、一人の人間としての冒険を聞かせてほしい」

硯「それは嬉しいな。僕も今は余裕があるから、少し語り合おうか」

 

2人は意気投合してお互いのことを語り合う。

 

 

○チンピラたちのアジト

 

リーダー「チクショー! あの野郎、俺たちに恥をかかせやがって!」

チンピラ2「兄貴、他の仲間を呼びましょう!」

チンピラ3「でアイツらを叩きのめしてカードを破りやしょうぜ!」

リーダー「当然だ!だがカードは破らず転売する。その方が金になる」

 

どこまでも性根の腐った連中であった。すると

 

??「なるほど。こいつはいい欲望だな」

 

リーダー「誰だ!」

 

出てきたのは以前の緑服の男だった。さらに

 

???「ただし、カードの転売は見過ごせないね」

????「政宗が聞いたらガチギレ確実ね」

???「転売ダメ〜」

 

各地に姿があった4人がそこにいた。

 

リーダー「何なんだお前ら?」

 

すると彼らの体がメダルに覆われていくと姿が変わっていく!

 

チンピラ達「!!? ひいいいいい! バッバケモノだ!!」

 

緑の男は昆虫、黄の男は猫科、青の女は魚類・海中哺乳類、灰の男は重量系動物の姿になった。彼らの正体は“グリード”だったのだ!

 

グリードとはある世界の800年前の王が錬金術師に欲望の渦から作らせたホムンクルスのこと。本来はコアと呼べるコアメダルが10種存在していたが、一つ抜いた状態で作ったで「足りないが故に満たされたい」という欲望が生まれ自立意識が生まれてしまった。それゆえに彼らは人間の欲望を糧とするセルメダルと強さを求める欲そのものになってしまった存在であった。その後生まれてすぐ大暴れした後に封印され、ある世界の800年後に復活してある人物に倒されてしまったが、政宗の手によって復活し彼の仲間になったというわけだ。

 

好戦的な昆虫型のグリードがウヴァ、余裕さを見せている黒い獅子のようなのがカザリ、セクシーな見栄えが目立つのがメズール、そしてそんなメズールに甘えているイカつそうな奴がガメル。

 

これまで大人しくしていたが流石の彼らも我慢の限界でとうとう外に出てきたらしい。そんな彼らに腰を抜かすリーダーを置いて他のメンバーは逃げ出す。

 

リーダー「あっおい待てっ!俺を置いてくな!」

ウヴァ「けっ 肝の小さい奴らだ。まぁ欲が一番ありそうなお前だけでもいいしな」

 

そう言ってウヴァはメダルを取り出そうとすると

 

カザリ「待ってウヴァ。この手の欲望は僕におあつらえ向きだ。僕も一緒にやらせてよ」

ウヴァ「ちっ しゃあねぇな」

カザリ「ありがと」

 

そうしてカザリは自身のコアメダル1枚をウヴァに与える。そしてウヴァが近づくとリーダーの額にスロットが

 

ウヴァ「その欲望、解放しろ」

 

メダルをスロットに入れる。

 

リーダー「!! ぎやああああああ!!」

 

男がセルメダルに覆われていく!これは一体!?

 

 

再び店外ブースに戻る。

 

ゴウセル「ふむふむ。アマゾンという国にはそんな民族がいるのか」

硯「そうなんだよ。彼らはなかなか面白い部族でバトスピを教えてあげたりしてすごく仲良くなってね」

ゴウセル「さすが元コアの光主。何年経とうとバトスピを続けるところはなかなかだ」

硯「まあね。けだ有り金全部盗まれたりして大変だったことはあるけどね」

ゴウセル「そこは仕方がない。しかし納得いかないことはある」

硯「?」

 

ゴウセル「君ら程の人間が迫害を受けていたということだ。俺達の世界ならば間違いなく英雄だというのに」

 

ゴウセルは硯達コアの光主がフィクサーによって迫害されていたことも当然聞いていた。ゴウセルとしては聞き逃さないところだった。

 

ゴウセル「俺達の場合は明らかな物証を相手に見せることで犯罪者に仕立て上げられた。俺たちの場合なら納得がいく。だが君たちの場合は世界を救ったにも関わらず、その世界のトップ達の言葉だけでその他の人間たちは疑いもせず信じ込んだ。俺にはどうにも納得できない」

 

ゴウセルの言うことは当然であろう。

 

硯「恐れていたんだと思う」

ゴウセル「?」

硯「人というのは自分達とは違う力や能力がある人間がいると別のものと考えることがある。そんな存在がもし上に立とうとしたら自分達の立場も危ぶまれる。だから情報操作を利用して僕らを悪人に仕立て上げたんだよ」

ゴウセル「なるほど。人間は思い込みが激しい。それ故に狭い考えをすることが多い種族。君の世界の人間は取り分け視野が狭かったのだろうな」

硯「まあね」

ゴウセル「それだけ辛い思いをしたはずなのに何故、君は一人旅を続けながら世界に貢献しようとした? 何故奴らを陥れようとしなかった?」

 

硯「やりたいからやった。じゃダメかな?」

ゴウセル「? どういうことだ?」

硯「確かに元の世界では嫌なことがほとんどだった。昔の僕だったら君の言ってたよう独裁者になっていたかもしれない。けどダン君と出会ったことで大きく変わった。いや変えさせてくれたんだ。だから今度は僕の番だって。ダン君が守った世界を僕らが守ろうってね」

ゴウセル「…………」

 

しばらく黙りを続けると

 

ゴウセル「やはり君は興味深い。不条理ながら納得のいく説明で相手を納得させる。これ程不条理を道理として通していこうとする人間は初めてだ」

硯「はははっ 褒め言葉として受け取っておくよ。僕もそこまで探究心を求める人間は初めてだよ」

ゴウセル「ならば俺もそれを、褒め言葉として受け取っておこう」

 

質問し合いのおかげで摩訶不思議な友情を得た2人。それから硯は時間になったため去ろうとする。

 

ぎろっ

 

ゴウセル「ん 危ない」

硯「うわっ」

 

どん!!

 

硯「!?」

 

突如誰かが硯を殴り倒そうとする!それをゴウセルが背中を押したことで難を逃れた。

 

硯「いててててっ」

ゴウセル「大丈夫か硯?」

硯「うん。おかげで助かったよ」

 

そして硯を襲ったのはさっきのチンピラリーダーだった。

 

硯「君はさっきの。一体何の真似だい?」

リーダー「………す」

硯「?」

リーダー「ピンク髪女……青髪野郎………ぶっ殺す!!」

 

しゅん!

 

リーダー「ぎしゃーーーーっ!!」

 

リーダーはとんでもないスピードで硯達に突っ込む!それも何とか躱すが、その威力の凄まじさときたら!ビルの壁に穴が開くほどのものだった!それを見て街中大騒ぎだった。しかもよく見るとリーダーの至る所に包帯のようなものが見える。

 

硯「あれってまさか…ゴウセル気をつけて!奴は普通じゃない」

ゴウセル「らしいな。出し惜しみしている場合ではないようだ」

 

ゴウセルはそう言うと、リーダーの方に走り出す。リーダーもゴウセルに向かって突っ込む!すんでのところでゴウセルは空中回転して回避して後ろを取る!そして奴の頭に指を当てる。

 

ゴウセル「ナイトメア・テラー」

リーダー「………!!」

 

『悪魔語り(ナイトメア・テラー)』

 

硯「一体何をしたの?」

ゴウセル「奴の精神を操作して悪夢を見せている」

硯「悪夢を? 君の能力は精神操作系か。けど大丈夫なの? このまま続けたら…」

ゴウセル「もちろん廃人にならないように手加減してある。だが仕置きはせねばなるまい。だから俺達が奴をボコボコにしている悪夢を見せている」

硯「えげつない」

 

カザリ「全くだね」

硯「!」

 

声がしたと思ったら、グリード達が2人の前に現れた!

 

ウヴァ「そいつを抑えることが出来るとは驚いたぞ」

硯「お前ら、グリードか」

 

メズール「あら。よく知ってたわね」

 

硯「ずっと前から君達のことは調べていたからね。2日前の事件も」

ゴウセル「なるほど。あれは君らの仕業だったわけか」

硯「そう。僕はマギサとお市社長の頼みでスピリット人について調べていたんだ。その時に前の事件を機に新しい雇い主から彼らの存在も調べることになってその報告に向かおうとしていたんだ」

ゴウセル「なるほど。その途中で俺と出会ったわけか」

硯「そう。となると奴の正体も…! マズい! ゴウセル、すぐに魔法を解いて!早く!」

ゴウセル「?」

 

リーダー「うう」

 

チャリンチャリン………

 

リーダー「うううううっ……あああああああっ!!」

 

2人「!」

 

リーダーはゴウセルの魔力を無理矢理振り払った!さらに体をメダルが覆っていき、怪人の姿に変わっていく!その姿は両腕がアリの筋肉に両手は虎の爪、足はアリ、顔は虎とアリが半分ずつの下に不気味な人間の顔であった。これこそグリードが人間の欲望を媒体にして彼らの糧となるセルメダルを生み出す怪人“ヤミー”である!

 

硯「これがヤミーか。しかし僕が聞いていたのとは少し違うな。確かヤミーは一種の生物をモチーフにしていたはず。しかも白ヤミーとして進化するはずだけど」

 

カザリ「それはね。ウヴァに僕のメダルを分けたことで生まれた個体だからだよ」

 

カザリのヤミーは寄生虫のように人間に取り憑きながら成長するタイプなのでカザリの能力が合わさって今の状態に至る。こいつの名前はトラアリヤミー!

 

ゴウセル「なるほど。こいつが媒体にしたのはあのチンピラの俺達に対しての逆恨み、いわゆる傲慢。そして破壊や支配を楽しみたい、強欲。今の悪夢でさらに欲望即ちセルメダルが増えてパワーが上がった。そして奴にとって俺達は最高の餌というわけだ」

 

ウヴァ「そういうわけだが安心しろ。ただでやらせたりはしねぇからよ」

硯「どういうわけだい?」

メズール「この子とバトスピで戦ってみない?」

 

硯「!?」

 

なんとバトスピの申し出をしてきた!

 

硯「どういうつもりだ? どうして僕を直接そいつで襲わせない?」

ウヴァ「それではつまらん」

カザリ「そこのピンク髪はともかく、君ではコイツと真正面に戦っても勝てないでしょ。一瞬で死んじゃってセルメダルも貯まらないからね」

メズール「あなた達コアの光主は絶対に殺すなって政宗に釘を刺されているからね」

ガメル「それに俺達、バトスピでも戦いたかったから」

 

ゴウセル「なるほど。郷にいれば郷に従えか」

カザリ「そういうこと。さて誰と戦う? 僕かい? それとも他の3人?」

硯「それじゃ…」

ゴウセル「タッグバトルだ」

硯「ゴウセル?」

 

ここでゴウセルが

 

ゴウセル「どうせやるならまとめて戦った方が効率がいい。君らは2人で1チームとすれば問題はない。それにそいつは俺も狙っている。ならば俺も戦うのが筋であろう」

メズール「なるほど」

カザリ「それもそうだね。構わないよ」

 

そう言ってカザリはウヴァと、メズールはガメルとチームを組む。

 

硯「ありがとうゴウセル」

ゴウセル「気にするな。アイツをヤミーにしてしまった原因は俺にもあるからな。それに俺のデッキの準備運動には最適かつコアの光主の実力を側で見せてもらえる絶好の機会だ。これを逃すわけにはいかん」

硯「それは期待に応えてあげないとね。君も負けないでよ」

ゴウセル「当然だ。キュピーン⭐︎」

 

そして

 

一同「ゲートオープン! 界放!!」

 

ゲートが開かれた!すると何か小さな影が光の中に入っていく。一体?

 

To be continued.




本日は硯を登場させてみました。ゴウセルと硯との絡みを書いてみたくて。次回は久しぶりのバトスピ回なのでみなさん乞うご期待!
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