元柱で現上弦な鬼殺隊士のお話   作:揚げ物・鉄火

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どうもこんにちは。
続きを期待されているのに低評価を押され複雑な心境の作者です。

一つだけお知らせしておきます。
今話のカナエさん精神崩壊の一歩手前まで来てます。
話は、オリ主の過去回想(?)から始まります。

では、どうぞ。ごゆっくり!


第二話

討伐すべき憎き鬼の首魁を前に何も出来ずに蹲るはおろか挙句の果てに鬼無辻の血を大量に注入され鬼に変貌させられていく。

 

体が鬼の者に変わっていくのを感じ鬼化に抗おうにも抵抗できずにいる自分の弱さに歯噛みしていると急に瞼が重くなって私は深い深い眠りについた。

 

 

 

(あれ?ここは…)

目が覚めると昔自分と弟が一緒に修行していた土地に立っていた。

(なんでここに?いやそれよりも…どうして今になってここへ?だって此処って…)

(りん)姉ちゃん!」

(連!?なんで貴方が…死んだはずじゃ!?)

声が聞こえた方を振り向くと死んだはずの弟が胸に飛び込んで来た。

「あ、そうだ!あのね、爺ちゃんから姉ちゃんに伝えたい事と伝言が一つずつあるんだって!」

(伝言!?あのお師匠様(お爺様)から?)

私が困惑していると景色が急に切り替わりいつも訓練場に使っていた床の間に居た。

(また!?)

「輪…聞いておるか?」

(お師匠様(お爺様)!なんで生きてるんですか!?)

「ふむ…不思議な事を言うな。勝手に殺すでない儂はまだこの通りピンピンしておるわ!わっはっは!」

(い、いえ!そう言う事ではありません。あり得ないんですよ…だって貴方は、上弦の鬼に…殺されたんですから)

「まあそれは良しとして…輪、儂はお前を『天の呼吸』の正式な継承者に任命する!」

「よかったですね姉上!」

(あれ…?もしかしてこれって?過去の記憶?なぜ今さら?)

過去の記憶だと言う事に気づいたがなぜ今になって記憶が蘇っているのか分からない。

だけど私の疑問を気にせずお師匠様(お爺様)が話を続ける。

「それと伝言というのか?それよりかは頼みの類じゃな…(りん)、例え鬼の首魁である鬼無辻の血を入れられ鬼化してしまった場合は決して人を食うな!人を守れ!それが儂のお主へ出来る最後の頼みじゃ」

(………わかりましたお師匠様(お爺様))

「お爺ちゃんどういう事なの?」

お師匠様(お爺様)の言葉に頷くとまた景色が切り替わった。

 

(また!?今度は何時の…?……ああ…そんな)

切り替わった瞬間目に飛び込んで来たのは私の人生最悪の日の景色…私が鬼殺隊に入ることを決意した日の景色。

 

「輪!連!早く逃げろ!」

「お爺ちゃん!」

「よそ見とはずいぶん余裕だな!天空時 龍之介!」

「じゃかあしい!とっととくたばれ上弦の参!」

お師匠様(お爺様)と上弦の参が戦っていた。

 

「姉ちゃん!早く逃げよ!」

(連!?私はいいからあなただけでも!)

ドッ!

「ガフッ!姉…ちゃん…」

お師匠様(お爺様)と戦っていた上弦の参の攻撃が最愛の弟()の胸を貫通した。

(ああ…ごめんね…(れん)。不出来なお姉ちゃんでごめんね…あなたを守れなくてごめんね…)

 

「貴様ー!天の呼吸 漆ノ型 毘沙門天 !」

「良いぞ良いぞ!!滅式…絶技!」

その光景に怒りが頂点に達したお師匠様(お爺様)が天の呼吸の中で最高威力の突き技を放つ型を放ちそれに対し上弦の参も自分の持つ技で迎え撃った。

 

その瞬間、私の目の前が真っ白になった。

(ああ…お爺様…あなたとの約束を…連の仇を…必ず…)

 

 

 

「…き…ね」

 

「起き…りん…」

 

「起きろ…ね」

 

 

「とっと起きろ輪廻!」

ビクゥ!

 

突如聞こえて来た大声に一気に意識が覚醒する。

(なになに!?なにがどうなったの!?)

周りを見渡しているとなぜか女性物の着物姿の鬼無辻(わかめ頭)が居た。

 

「なにやってんの?」

思わず素の声で聞いた。

 

「貴様も鬼の肉体に変化したようだな…今からお前の名前は輪廻だ。せいぜい上弦の弐として恥じない行動を取れ。わかったら早く行け、貴様を見ていると虫唾が走る!」

「あ、はい」

ベン!

鬼無辻の言葉に反射的に返事をするとどこからか琵琶の音が響き障子の扉が現れて何処かの森の中に落とされた。

 

 

「う~ん…どうしましょうか?」

(このまま鬼殺隊の本部に戻っても即討伐対象になるだけ…色々と考えないといけませんね)

 

今はそれよりも…

「お腹が空きました…」グゥゥ…

 

「何か食べる物を探さないと…」

食べ物を探しに森の中を歩き始めた。

 

 

2時間後

 

「何もない!」

動物一匹見つからなかった。

(なんでこういう時に限って探し物が見つからないのだろう?食べ物よりも古い日輪刀しか見つからないし…)

「はあ…」

自分の運の無さに軽く絶望していると後ろの茂みからなにかが出て来た。

 

ガサガサ

「あー?なんか美味そうな匂いがすると思ったら女じゃねえかよ。今日はついてんな!」

茂みから出て来たのは鬼。

それも片方の目だけに文字が刻まれた十二鬼月下弦の鬼だ。

「うん?何の用ですか?」

「なっ、あぁ…じ、上弦…弐!?」

私の目を見たのかその鬼は震え出した。

「な、なぜ上弦が!?それよりも何の用だ!まさか俺を抹殺しに来たのか!?」

「何を言ってるんですか?」

「あくまでもしらばっくれるつもりか!ならば死ね!」

「天の呼吸 参ノ型 伊邪那美(イザナミ)

「あ、熱い!?ぐぎゃああ!!」

急に検討違いな事を言い出し襲って来たので発火する斬撃の参ノ型で軽く返り討ちにした。

「はあ…疲れました」

「おや、あれは?」

また食べ物を探しに歩こうとしたら木々の隙間から蝶の様な髪飾りと蝶の羽織を羽織った女性と二人の女性鬼殺隊士が見えた。

「カナエちゃんと…誰かな?」

後ろ姿しか見えなかったので取り敢えず静かに近づいた。

 

パキッ

(あ…小枝踏んじゃった)

「誰!!」

 

 


 

『天柱』天空時 輪の訃報は知らされた日から『花柱』胡蝶カナエは明らかに弱っていた。

訃報が届いた日から碌に食事を取らず寝る時間もすべて自主稽古に当てていた。

 

妹のしのぶに心配されてやめるよう言われても「私があの人(輪さん)の代わりにならなきゃいけないから…」と言うだけで聞く耳を持たない。

しのぶや蝶屋敷の面々が心配し始めたころにお館様から『ここから西の山で下弦の鬼の目撃情報があったから柱を向かわせたいけど皆別の所に行ってるから代わりに行ってくれるかな?』の一言でカナエが向かうことになった。

だが弱り切ったカナエだけでは心配なのでしのぶと半年前に水柱に就任した鱗滝 錆兎とその継子の冨岡 義勇。あと何故か分からないが真菰もついて来た。

この豪華メンバーが山に着いた瞬間、下弦の鬼の血気術で男女別々に分断され今に至る。

 

パキッ

「誰!!」

森の中から聞こえて来た音にカナエ、しのぶ、真菰が日輪刀を抜き構える。

 

「……」

「……」

「……」

ガサガサ

「「「っ!」」」ビクゥ!

再び聞こえて来た音により一層強く刀を構える。

ちなみに真菰の日輪刀は赫刀に変わっていた(無意識下での万力の握力)。

 

「肆の型 伊邪那岐(イザナギ)

だが勢いよく飛び出した影に誰も反応出来ずカナエが連れ去られた。

 

「姉さん!」

「カナエさん!」

二人が振り向いた時には既にカナエの姿も飛び出した何者かの姿も無かった。

 

「真菰!」

「はい!」

二人は影の後を追いカナエを探しに行った。

 

 

 

 

 

一方連れ去られたカナエは肩に担がれたまま一切抵抗せずに身を委ねていた。

(あー…私はここで死ぬかな?)

さっきこの鬼の目に上弦の文字が見えた気がした。

(ごめんねしのぶ…お姉ちゃんはここで死んじゃうよ。でも貴女は幸せに生きなさい…私にはもうその資格がないから。私を必死に逃がそうとした輪さんの言葉を無視した私が輪さんを殺したようなものだから…今から輪さんに会って来るね…)

カナエは、すでに全てを諦めて鬼に食われる覚悟をしていた。

だがその覚悟は、最悪の意味で裏切られた。

 

「ふう…」

「え?」

「カナエちゃんもしかして痩せた?」

「あ、ああ…そんな…なんであなたが…輪さん!」

カナエを連れ去ったのが鬼へと変貌したかつての恩人だと気づいたカナエは胸が押しつぶされる感覚を感じた。

「なんであなたが…!どうして…どうして鬼になってるんですか!?」

「鬼無辻の血を入れられたからだけど?」

カナエの質問にさも当たり前のように答えた。

 

それに対してカナエは胸の内を全て吐き出した。

「ならどうして私を食べないんですか!?私は貴女の忠告を無視して上弦と戦おうとしたんですよ!貴女は私を守るために死んだんですよ!つまりは貴女を殺したも同然ですよ!なんで私を食べようとしないんですか!?」

「カナエ…」

「輪さん!私を食べてください!それしか貴女の死に報いる方法が思いつかないんですよ!あなたを殺した上弦の弐はすでに死んでるし!鬼無辻は見つからない!貴女の継子や親族の方達に謝罪したいけど一人もいない!」

「カナエちゃん…」

「輪さん…お願いですから…私を…私を…それしか私には…う、うわあああん…!」

泣きながら自分の胸の内を全て吐き出したカナエに対して天空時は…

「そうだったの…辛かったんだねカナエちゃん」

ただそっと抱きしめた。

 

「カナエちゃん…もう大丈夫よ。あなたは何も悪くないわ。私は鬼殺隊の柱として己の責務を全うしただけ、あなたが責任を感じる必要は何もないわよ」

「でも…輪さんは鬼に!」

輪の言葉にカナエはまだ何か言おうとしていたが次の言葉に阻まれた。

「うん、上弦の弐を倒した後で無惨に連れ去られて私が後釜に選ばれるとは思いもしなかったけどね?でも大丈夫だよ!カナエちゃんが心配しなくてもいい事よ」

「え?なんで…ですか?」

「それはまたいつか話すよ。貴女は、しのぶちゃんと一緒に幸せになりなさい…それじゃおやすみ」トン

輪はカナエの質問に答えずにカナエの額を軽く突付き眠らせた。

「あ、輪…さん」

カナエはまたも反応出来ず簡単に寝かされてしまった。

 

「よし…置いて来よう…」

眠ったカナエを持ち上げて探しているであろうしのぶと真菰の所に連れて行く事にした。

「スゥスゥ…」

可愛いなぁ(美味しそう)…うん?なんか変だな?まあいいや」

 

 

 

 

 

その後、眠っていたカナエを見つけたしのぶと真菰は本気で心配したが何か吹っ切れたような顔をしたカナエを見て少し不思議に思ったが真菰の「うれしそうならいいんじゃないかな?」の一言で解決された。

さすまこ!

 

ちなみに下弦の鬼は見つからなかったがそれに近い鬼は錆兎の手で一瞬で倒された。

 

 

 

 

 

 

一人残された天空時はと言うと

「お腹空いたら動物か自分の腕を食べて…最悪の場合は、鬼を食べるしかないかな?今はそれよりも…眠い」ドサッ

「スゥスゥ…」

深い眠りについた。




今回の無惨様の心境。
上弦の鬼を二体討伐した鬼狩りの柱の鬼化に成功したと思ったら思考が読めないし呪いが発動しない!?
捜しても見つからないし下弦が殺されるしでイライラする!

無惨様のハゲるメーター 現在5%

はい以上です。
ではまた次回。

オリ主情報(オマケ)
鬼化前のオリ主。
立ち位置.
みんなのお姉さん的なポジション。
新人隊士に良く稽古を付けていた。
だが継子は居ない。

オマケ.
瑠香さんが亡くなった後も煉獄家によく通っていたので槇寿郎さんは原作よりもマシになっている。

鬼化オリ主.
名前.輪廻

血気術.????(まだ不明)

メリット.
鬼の肉体になったので使用者の身体を破壊しまくる天の呼吸を遠慮なく使えるようになった。

デメリット.
天の呼吸を使い過ぎるとお腹が空いて眠くなる。

天の呼吸に関する情報.
零の型.???
壱の型.天輪(回転斬り)
弐の型.???
参の型.伊邪那美(イザナミ)(発火する斬撃)
肆の型.伊邪那岐(イザナギ)(人間態で神速.霹靂一閃といい勝負の速度で鬼化すれば神速.霹靂一閃超える速度での斬撃)
伍の型.八尾比丘尼(ヤオビクニ)(絶対防御)
陸の型.???
漆の型.毘沙門天(最高威力の突き技。鬼化状態で猗窩座の滅式.絶技を相殺可能)
捌の型.???
玖の型.月詠(ツクヨミ)(不明)
拾の型.天照(アマテラス)(一撃必殺の大技)
拾壱の型.???
終の型.高天原(諸刃の剣)

輪廻が天柱だった頃の過去編(?)みたいな話を読みたいですか?

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  • 別にいらない
  • どっちでも
  • 時間があればで良いよ

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